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【商社業界とは?】ビジネスモデルや動向、やりがいまで…徹底解説!

  • 業界・企業研究
  • 2024.08.06
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商社業界のビジネスモデルや仕組みについて、しっかり理解できていますか?

本記事では、商社が業界で担っている役割やビジネスモデルをはじめ、業界動向や職種イメージ、やりがいについて解説しています。

時間のない方でもサクッと業界を理解することができますので、毎日少しずつ業界研究を進めましょう。

目次

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    商社業界とは

    商社業界とは「商品やサービスの売り手と買い手を仲介して販売する」業界です。取り扱う商品やサービスは、食品・繊維・機械・原料・インフラから宇宙開発まで多種多様です。

    また、商社業界の仕事内容は仲介だけではありません。物流のネットワークづくりや、商品が作られていく過程をサポートすることも、業務に含まれます。

    商社は商品も販売するため、メーカーとの違いに混乱する方も少なくありません。しかし、両者はまったくの別物です。見分けるポイントは「自社で製造しているかどうか」です。

    • メーカー:原材料を加工して製品を作る
    • 商社:商品を作るのに必要な原材料を調達し販売する

    メーカーの中には独自ルートで原材料の調達や商品販売を行う企業もありますが、膨大なコストと労力がかかります。そのため、メーカーだけでは担い切れない、製造以外の業務を請け負うのも商社の役割の一つなのです。

    商社業界のビジネスモデル

    商社業界のビジネスモデルは、大きく「トレーディング」と「事業投資」で成り立っています。それぞれについて解説しますので、商社のビジネスモデルについて理解を深めましょう。

    トレーディング

    トレーディングとは、国内外で「商品を売りたい企業」と「商品を買いたい企業」の間を仲介し、利益を得ることです。

    パンを作っている食品メーカーを例に解説します。パンを作るには小麦粉が必要です。この場合、小麦粉の売り手「小麦粉製造会社」と、小麦粉の買い手「食品メーカー」の間を取り持つのが商社の役目です。

    図で表すと以下の通りです。

    商社の役割

    商社業界のミッションは、売り手と買い手の両社に利益を提供することだけではありません。両社に付加価値を提供することも重要な役割の一つです。そのため、単に売り手と買い手を仲介するだけでなく、流通や宣伝、販売に至るまで携わります。

    事業投資

    事業投資とは、「他社に自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を投資し、その企業の価値向上とともに利益を得る投資手法」です。投資先の企業が利益を上げると、その分のリターンを得られるという仕組みです。

    図に表すと下記の通りです。

    事業投資とは

    具体的には「人材の派遣」や、国内外のネットワークを生かした「情報提供」が例として挙げられます。商社は投資先企業に対して、あらゆるサポートを提供することによって利益を得ているのです。

    商社の事業投資で代表的なものはコンビニエンスストアです。決済サービスや顧客情報を活用したマーケティングなどの情報を提供し、利益を上げています。

    商社の種類は大きく2つに分けられる

    ひとくちに「商社」といっても、大きく「総合商社」と「専門商社」の2つに分けられます。商社業界の中でも、総合商社か専門商社かで特徴や仕事内容は異なります。

    総合商社は、さまざまな分野の商材を取り扱う一方、専門商社は取り扱う分野を限定しています。

    商社の業界研究をする上で、この違いを理解しておくことは重要です。また、自分が商社に就職する場合、どちらが向いているのか判断するために役立てましょう。

    それでは順番に解説していきます。

    総合商社

    総合商社は、さまざまな産業分野のあらゆる商材を取り扱い、売り手と買い手とを結び付けることによって、仲介者として利益を得ています。現在、総合商社と呼ばれる企業は、日本では7社のみです。

    7大商社一覧

    • 三菱商事株式会社
    • 三井物産株式会社
    • 伊藤忠商事株式会社
    • 丸紅株式会社
    • 住友商事株式会社
    • 豊田通商株式会社
    • 双日株式会社

    総合商社は「カップラーメンからロケットまで」といわれるほど、幅広い商材を取り扱っています。そのため、さまざまな業界・事業・商材を知ることができる業界ともいえるでしょう。

    専門商社

    専門商社は「取り扱う商材が特定の分野・商品に特化した企業」のことです。総合商社とは異なり、特定の分野・商品に特化することで、その知識を基に専門性の高いサービスを顧客に提供します。また、取引先と強い関係性を築き上げられることもメリットでしょう。

    専門商社の例

    • 食品商社
    • 繊維商社
    • 鉄鋼商社
    • 機械・半導体商社
    • 化学商社
    • 医薬品商社
    • 日用品商社
    • 燃料・エネルギー商社

    専門商社は、特定の分野・商品に特化することで、より効率的な運営やコストの削減、利益率の向上ができます。また、専門商社は一つの商品だけでなく、複数の商品を扱うことも。企業研究をする際は、ひと通りどんな商品を扱っているのか把握しておきましょう。

    商社業界の職種

    商社業界の職種は営業がイメージしやすいかもしれませんが、他にも多くの職種によって成り立っています。同じ商社業界に勤めていても、職種によって仕事内容が異なり、求められる能力もさまざまです。

    商社業界の代表的な職種は「営業」「事業企画」「営業事務・貿易事務」の3つです。それぞれの役割を把握し、商社業界の理解を深めましょう。

    一つずつ解説していくので、ぜひ業界研究の参考にしてみてください。

    営業

    商社の営業は「売り手(生産者)」と「買い手(メーカー)」の要望を聞き、プロジェクトを進める職種です。また、仕入れ数量の調整や流通経路の確保なども担います。

    取引先が海外企業の場合、語学力を活かして、世界を舞台に活躍可能です。さまざまな企業の担当者とうまく仕事を進めていく必要があり、取引先と商談・打ち合せするために業務時間中は外回りが中心です。また、国内外に出張することも珍しくありません。

    時には数億円単位の大きなプロジェクトへ参加できることもあります。プレッシャーが大きい分、やり遂げた時の達成感も大きいといえるでしょう。

    事業企画

    事業企画はプロジェクトを立ち上げるために「企画立案」を行う職種です。「どのような分野に進出するか」「どのような企業と取引するか」などを具体的に考えます。

    また、事業投資の一環として、他企業への投資計画を立てることも事業企画の役割です。場合によっては、取引先企業の経営戦略に携わり、コンサルティングの役割を担うこともあります。

    営業事務・貿易事務

    営業事務・貿易事務は、「営業をサポートする役割を担っている仕事」です。「電話対応」や「書類作成」などの業務を担当します。場合によっては、英語での電話対応や書類作成などもあります。

    デスクワークが中心ですが、外回りしている営業との連携が不可欠な職種です。また、海外と取引する際は、相手の国の時間も考慮しなければなりません。そのため、取引先に合わせた柔軟な対応が求められます。

    貿易事務は、税関を通す際に必要な「通関の手続き」をします。輸出入する上で重要な契約や業務を同時進行でこなすため、英語力や注意力、スケジュール管理能力が必要です。

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    商社業界の現状と将来性

    商社業界は幾度も荒波にもまれ、そのたびに事業体制を見直して生き残ってきました。時代に合わせて柔軟に変化してきた点は商社の強みです。

    では、そんな商社業界の現状や今後の展望はどのようなことが挙げられるのでしょうか。

    商社業界を理解する上で、商社業界の現状と将来性を把握することは重要です。少し難しい内容かもしれませんが、ここはしっかり理解したいポイント。ぜひ、業界研究の参考にしましょう。

    現状:資源分野から非資源分野へシフトチェンジ

    現在、商社業界は資源分野から非資源分野に方向転換しています。資源分野(石油、天然ガス、金属)は取引額が大きい点が特徴です。そのため、従来は海外の資源ビジネスに投資することで巨額な利益を上げてきました。

    しかし、資源分野は、資源価格のアップダウンの影響を大きく受けるため、収益性の安定感に欠けていました。そこで、現在は非資源分野(食料品、住宅、情報通信事業)が注目されています。

    非資源分野へシフトチェンジした例

    現状:M&Aによる販路拡大

    近年、商社業界はM&Aによる販路拡大に取り組んでいます。取扱商品によっては、人口減少が進む国内市場において、飽和状態が起こっているためです。そのことから、「事業拡大」「新規顧客の獲得」「ブランド力の強化」「経営基盤の強化」を目的とした、M&Aが活発化しています。

    M&Aの実績例

    将来性:DX戦略の強化

    今後、商社業界は他業界同様に、DX*戦略を強化していく必要があります。近年はECサイトなどの影響を受け、商社を介さずとも顧客がメーカーと直接取引できるようになりました。

    こうした情勢に対応するため、商社業界ではDXを推進することが重要課題となっています。DX推進により品質や顧客満足度の向上、また取引先と情報共有することによって関係性の強化が期待できます。

    *DX:「デジタルトランスフォーメーション」の略で、企業がビジネス環境の変化に対応するために、デジタル技術を活用して競争力を高めること

    DX戦略の実績例

    三菱商事は人工知能による食品需要の予測をメーカー、食品卸、小売りが共有する仕組みを構築しました。人工知能の需要予測を共有することで在庫を最適化でき、食品ロスへの貢献を目指しています。
    (参考:三菱商事株式会社Webサイト〈MC×me〉「三菱商事が目指すDXとは?」)

    商社業界のやりがい

    商社業界で働くやりがいは、どんなことがあるのでしょうか。その業界のやりがいを理解することで、就活へのモチベーションが高まるだけでなく、業界理解を深められます。

    いま一度、自分がイメージする商社業界とのズレはないか、確認しておきましょう。

    グローバルに働くことができる

    商社は海外企業とやりとりする機会が多く、グローバルに活躍したいという方には、やりがいとなるでしょう。また、海外にプロジェクトを展開している企業も少なくありません。

    商社は活躍のフィールドが広く、海外出張や現地駐在のチャンスもあります。「世界を股に掛けて働きたい」と思っている方にピッタリの業界です。また、語学力に自信があり、グローバルに働きたい方にもおすすめです。

    規模の大きな仕事に携わることができる

    商社は世界規模で多額の資金を動かせるため、規模の大きな仕事に関わることができることもやりがいとなるでしょう。一度の取引で数千万円、数億円の資金を動かせる場合もあります。

    商社の中には、発展途上国のインフラ整備に携わっている企業もあり、生活に直結するプロジェクトのため、影響力の大きい仕事といえるでしょう。

    また、総合商社の中には、再生可能エネルギーなどへの投資に力を入れている企業もあります。規模はもちろん、世界中の人々に貢献できる点も魅力です。

    多くの人と出会い成長できる

    多くの人と出会い成長できる点も商社業界で働くやりがいの一つでしょう。商社業界は、国内外のさまざまな業界や企業とビジネスを行うので、多種多様なバックグラウンドを持つ人々と出会う機会が豊富です。

    そのため、本来であれば出会う機会のなかった人と人を自分の手によってつなげることで、双方に利益を提供できます。

    さまざまな人と出会い、その中で自分がいるからこそ構築できる関係性をつくり上げる点は成長の機会が豊富といえるでしょう。

    商社業界に向いている人の特徴

    Q:私は世界で活躍できる商社業界に興味があります!商社業界はどんな人に向いていますか?

    A:コミュニケーション能力が高い人です。商社は国内外のいろいろな業界の人とやりとりします。そのため、傾聴力がありつつも、自分の意見をハッキリと主張できるコミュニケーション能力が求められます。

    Q:商社ではどんな時にコミュニケーション能力が求められますか?

    A:営業職に限っていうと、交渉力が必要です。仕入れ先とメーカーの双方が納得できる仕入れ額や調達量、納期を決めなければならないためです。

    Q:商社業界に向いている人の特徴には、他にどのようなものがありますか?

    A:行動力があることです。総合商社は幅広い分野で活躍しています。そのため、自分で率先して情報をつかみに行く姿勢で仕事に臨む必要があります。また、海外との取引にもおじけづくことなく、果敢に挑戦できる力が求められます。

    この記事の監修者

    株式会社ベネッセi-キャリア
    doda新卒エージェント事業部
    キャリアアドバイザー
    内田 茉莉香さん

    旅行会社で法人営業を経験した後、人材業界へ転職。
    新卒採用担当として企業側、学生側双方のエージェントを経験。
    現在は『doda新卒エージェント』サービスのキャリアアドバイザーを担当する。
    営業職全般の提案、面接官の視点を踏まえたアドバイスなど、自身の経験を活かしたアドバイスが得意領域。

    ※プロフィールは取材当時の内容です

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