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広告業界を徹底研究!仕事内容に加え、今後の動向やトレンドを押さえよう

  • 業界・企業研究
  • 2024.05.20
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この記事では、広告業界の現状と将来性についてわかりやすく解説しています。

直近10年では、テレビCMからデジタル領域の広告にシフトするなど、広告業界を取り巻く環境は大きく変化しています。このような最新動向も踏まえつつ、広告業界に向いている人の特徴などもご紹介していきますので、本記事で広告業界について理解を深めましょう。

目次

    この記事の監修者

    株式会社ベネッセi-キャリア
    doda新卒エージェント事業部
    キャリアアドバイザー

    葛西 寛司さん

    大学卒業後、都市銀行、学習塾を経て、(株)ベネッセアイキャリアへ入社。
    理系学生様をメインにカウンセリングを実施し、IT業界やメーカー技術職など専門的な領域を担当。
    銀行時代に50社以上のお客様を担当していた経験から、幅広い業界・職種に関する知識を元に学生様の相談に応じる。

    広告業界とは?

    広告業界とは、商品やサービスの情報発信やPRを担う「広告代理店」や「広告制作会社」などにより構成される業界のことです。

    政府統計によると、広告業界全体の売上高は2022年で約5兆7千億円(四捨五入)です。特にWeb広告は、2006年~2022年にかけて、売上1,200億円から1兆4千億円と急成長を遂げています。

    最近ではSNSの利用者も増え続けており、SNS広告の需要も高まりつつあります。

    広告業界を構成する4つの企業

    広告業界は下記4つの企業で構成されています。

    1. 広告代理店
    2. 制作会社
    3. メディア媒体企業(テレビ、Web、SNSなど)
    4. メディアレップ

    【広告代理店】

    広告代理店は、広告主からの依頼を受けてプロモーションやキャンペーンを企画し、CM出稿やイベント実施までを担います。

    クライアントの意向に基づく戦略の立案、提案、制作会社との交渉などプロジェクトを実行していくのが広告代理店の役割です。代表的な企業には電通や博報堂などがあります。

    【制作会社】

    広告代理店からの発注を受け、広告コンテンツを制作するのが制作会社です。

    テレビCMやWeb広告の制作、チラシ制作などを請け負うこともあります。広告制作は電通や博報堂などが自社で行うケースもありますが、特定企業の広告制作だけを担う「ハウスエージェンシー」と呼ばれる企業があるのも特徴です。

    例:JR東日本を広告主として専属で広告制作を担う「jeki/株式会社ジェイアール東日本企画 」など

    【メディア媒体企業(Web、SNSなど)】

    メディア媒体とは、テレビ局や新聞社・Web・SNSサイト運営会社などを指します。

    広告媒体を持つ企業のことで、広告業界より「マスコミ業界」と捉えたほうがわかりやすいでしょう。メディア媒体企業は、テレビCM枠などを広告代理店に販売することで利益をあげています。

    【メディアレップ】

    メディアレップは「Media Representatives」の略で、広告スペースを販売する企業のことを指します。

    Web広告に特化した企業が多く、大量に存在するWebメディアの広告枠を管理し、クライアントに販売するのが特徴です。広告代理店がメディアレップから広告枠を仕入れることもあれば、メディアレップが直接クライアントと取引するケースもあります。

    代表的な企業には、博報堂グループの「デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社」「株式会社サイバー・コミュニケーションズ」などがあります。

    業界研究ファイル

    広告業界の仕組み

    広告業界に興味があるなら、業界の仕組みやビジネスモデルなどは理解しておきましょう。

    広告業界のビジネスモデル

    下記は広告業界のビジネスモデルを簡単に表した図です。

    例えば、自動車メーカーが新車販売のCMを出すケースで考えてみましょう。

      • CMを流したい自動車メーカー(以後、クライアント)は、CMのオファーを広告代理店へ依頼▼
      • このオファーを請け、新車のイメージに合うCMやWeb広告といったプロモーション案を広告代理店が企画し、クライアントへ提案▼
      • 提案内容に問題がなければクライアントはCM出稿費を支払い、広告代理店が制作会社にCMや広告制作を発注▼
      • このCMを見た消費者が新車を購入し、クライアントは利益が増える▼

      上記が一連の構造です。

    なお、広告を1,000人に届ける際のコストは、テレビCMで2,380円、動画広告だと5,175円といわれています。一見安いように思えますが、テレビCMともなれば数万人のユーザーにリーチできるため、1件のCMあたり2~3億円の広告出稿費が発生するケースもあります。

    【参考】一般社団法人 日本民間放送連盟「データでわかるテレビの広告効果」

    広告業界の主な職種

    広告業界には、プロモーションの企画や制作や営業担当など、さまざまな職種があります。

    【広告営業】

    クライアントのニーズを把握し、プロモーション案の企画から提案、広告出稿までを担当するのが仕事です。

    広告営業は、アカウントプランナーやアカウントエグゼクティブとも呼ばれ、高いコミュニケーション能力や提案力が求められます。最新の市場動向やトレンドに対応していく必要もあるため、変化を敏感に捉える感性も必要です。

    【制作、編集】

    CMや販促ツール(カタログやPOPなど)を作るのが、制作や編集担当の仕事です。

    具体的には、編集者やWebデザイナーなどの職種があります。コンテンツ企画から出稿までを担当することも多く、プロジェクトを進めるうえでの熱意や責任感が必要な職種ともいえます。

    【マーケティング】

    消費者動向などをリサーチし、分析した結果を広告戦略に生かすのがマーケティング担当の仕事です。

    具体的には「マーケティングプランナー」や「メディアプランナー」などの職種があります。常にデータや経験に基づく意志決定が必要で、「分析スキル」「市場の動向を読み解く洞察力」「戦略立案能力」が求められる職種です。

    広告業界の最新動向

    広告業界は、少子高齢化やテレビ離れ・SNSの普及などにより、直近10年で大きな変化を遂げています。

    下記は、令和3年4月に内閣官房デジタル市場競争本部が発表した「デジタル広告市場の推移」を示したグラフです。

    【デジタル広告費の推移】

    (出典:内閣官房デジタル市場競争本部事務局「デジタル広告市場の競争評価最終報告概要」)

    直近10年の広告費推移をみると、2016年に2兆円ほどだったテレビメディア広告費は2020年には1.7兆円ほどまで下がっていることがわかります。一方で、WebやSNS広告などのデジタル広告費は2010年の0.8兆円から2.2兆円まで増え、日本の広告費全体(約6.2兆円)の36%を占めるまでに成長しています。

    インターネットやSNSを閲覧していると、自分の閲覧履歴に関係が深い広告を見かけることも多いでしょう。テレビと異なり、WebやSNS広告は年代や性別などパーソナルデータに基づく広告で大きな効果を産むため、今後も成長が期待される分野と言えます。

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    広告業界の今後

    広告業界を取り巻く環境は、Web媒体の広がりやAIの進化などにより、大きな変化を遂げることが予想されています。

    総務省の資料によると、世界の広告費は2025年まで伸び続け、特にWebやSNS広告などデジタル領域の広告費の伸びが顕著であることがわかります。一方、テレビ離れや少子高齢化の影響により、テレビ広告や新聞雑誌広告の伸びは鈍化するでしょう。

    【世界の媒体別広告費の推移及び予測】

    (出典:総務省公式サイト 令和5年度データ集より)

    また、AIの進化も広告業界に大きな影響を与えることが予想されます。

    消費者の行動をAIが予測する広告戦略は、いずれ常識となるでしょう。拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を活用した技術も、広告業界に大きな影響を与えています。消費者が売り場に行かなくとも、VRなどで商品を実感できるような広告が一般的になるかもしれません。

    広告業界大手の特徴と売上ランキング

    経済産業省の統計資料によると、2020年時点の広告代理業の企業数は約5,000ほど存在しますが、従業員が100人以上の企業は約100社のみとなっています。また、その中でも広告業界の代表的企業といえるのが、次の3社です。

    • 株式会社電通
    • 株式会社博報堂
    • 株式会社サイバーエージェント

    【1位. 株式会社電通】

    株式会社電通の売上は1兆3千億円(電通グループ実績)。創業は1901年(明治34年)で従業員約5,500人と広告代理店では最大手の企業です。

    2013年にはイギリスの広告会社イージス・グループ社を買収し、海外での広告事業も展開しています。2014年の東京オリンピックパラリンピックでは、「マーケティング専任代理店」の指名企業となり、広告事業だけではなくスポーツマーケティングの分野でも幅広いサービスを提供しているのが特徴です。

    (参考:株式会社電通グループ「2023年12月期決算短信(IFRS)(連結)」)

    【2位. 株式会社博報堂】

    株式会社博報堂の売上は9千9百億円。創業は1895年(明治28年)で、電通に次ぐ国内大手の広告代理店です。

    従業員は3,711名で、広告だけではなくマーケティングコンサルティングや数々のスポーツコンテンツを提供するなど、コンテンツビジネスも展開しているのが特徴。プロ野球のセ・パ交流戦や侍ジャパンを担当しているのも博報堂です。

    (参考:博報堂2023年3月期 通期連結決算概要)

    【3位. 株式会社サイバーエージェント】

    株式会社サイバーエージェントの売上は7千2百億円。同社は、主にインターネット広告事業やゲーム事業などを手がけている広告代理店です。

    動画配信の「ABEMA」も運営。電通や博報堂がテレビCMに重きを置いているのに対し、サイバーエージェントは売上の50%以上をインターネット広告事業で占めているのが特徴

    (参考:株式会社サイバーエージェント 統合報告書「CyberAgent Way2023」)

    ※いずれも2024年4月時点のデータをもとに作成・編集しています

    広告業界が向いている人

    広告業界には「創造性豊かな人」や「コミュニケーション能力が高い人」「変化に柔軟に対応できる人」や「エネルギッシュ」で「バイタリティにあふれる人」などが向いていると言われています。

    葛西さん:広告業界ではクライアントに対しての提案に際して、資料をしっかり作成してプレゼンテーションをする必要があります。資料作成がゴールではなく、人によっては夜遅くまで考えたり、業務外にプレゼンテーションの練習をするといったことも発生します。 そのため、エネルギッシュでバイタリティがあり、大変な仕事にも精力的に取り組める人が活躍できるでしょう。

    「自分の強みがどこにあるかわからない」と思うならdodaキャンパスの「自分を知る『自己分析』ワークシート」を活用してみてください。広告業界で生かせる意外な強みが見つかるかもしれません。

    創造性豊かな人

    テレビCMやWeb広告が世の中に溢れる中、自社媒体に注目してもらうためには「アイデア力」や「創造性」が欠かせません。

    新しいプロジェクトを企画したり、人を惹きつけるデザインを使って自分の感性を形にすることが得意であれば、広告業界でも活躍できるでしょう。

    コミュニケーション能力が高い人

    広告業界では、特に高いコミュニケーション能力が求められます。

    広告代理店であれば、クライアントとの信頼関係が重要となります。プロモーション案をクライアントに説明する際には、高いプレゼンテーション能力も求められるでしょう。また、社内では他部署の担当との連携が必要になるなど、協調性の高い人が活躍できる業界ともいえます。

    変化に柔軟に対応できる人

    広告業界は扱うテーマや商材などもさまざまで、競合他社との競争も激しい業界です。

    世間のトレンドも日々変わるため、柔軟性が高い人が強みを活かせる業界ともいえます。時代を先読みした広告戦略が功を奏することも多く、スピード感や柔軟性だけではなく「先見性」も求められるでしょう。

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