就活では「業界研究」がとても重要です。業界研究では、業界の特徴や将来性を調べたり、自分らしさが活かせる職種をリサーチしたりする作業が必要になります。ただ「業界や業種が多すぎて、どこから手を付けていいのかわからない」と感じる学生も多いでしょう。
今回は、「業界と業種の違い」について詳しく解説し、業界研究の具体的なやり方もご紹介します。業界研究で使える「業界研究ノート」もダウンロードできますので、さまざまな業界をリサーチして、自分の適性にあった企業を探してみましょう。
【目次】
業界研究とは?「興味がある業界を理解し仕事をイメージすること」
業界研究が必要な理由
業界研究のやり方がわからないときのアドバイス
業界研究の具体的なやり方
業界研究テンプレートとまとめるべき5つのポイント
就活でチェックしておきたい業界一覧と向いている人の特徴
業界研究でよくある質問
まとめ|自分に向いている業界がわからないときは
この記事の監修者
doda新卒エージェント事業部
キャリアアドバイザー
内田 茉莉香さん
旅行会社で法人営業を経験した後、人材業界へ転職。
新卒採用担当として企業側、学生側双方のエージェントを経験。
現在は『doda新卒エージェント』サービスのキャリアアドバイザーを担当する。
営業職全般の提案、面接官の視点を踏まえたアドバイスなど、自身の経験を活かしたアドバイスが得意領域。
業界研究とは?「興味がある業界を理解し仕事をイメージすること」
業界研究の定義は「興味がある業界を深く理解し、その業界で仕事をしている自分をイメージすること」です。
例えば「金融業界」であれば、次のような流れで業界研究を進めます。
- STEP1:金融業界の概要や将来性をリサーチする
- STEP2:金融業界にはどのような業種(銀行や証券会社など)があるかリサーチする
- STEP3:それぞれの業種についても研究し、自分の適性に合う職種があるか調べる
総務省公式サイトには、農業から公務まで「20の業界」が載っています。ただ、この中から自分に合った業界や業種を選ぶのは、とても時間がかかります。興味がある業界から順番にリサーチし、将来性や求められている人物像などを想像しながら、志望企業などを絞り込んでいくと良いでしょう。
業界研究が必要な理由
就活で業界研究が必要な理由は次の2つです。
- 自分に合った業界(志望の企業)を絞り込むため
- 業界の動向や成長性、将来性などを確認するため
業界研究をしっかりやっておかないと、効率的に就活を進めることが難しくなります。業界や主要企業に関する事前の知識がないと、会社説明会での理解に時間がかかり、企業選びにも時間を要してしまうかもしれません。また、納得のいく選択ができなくなったり、入社後のミスマッチに繋がったりといった可能性も高くなります。
自分に合った業界(志望の企業会社)を絞り込むため
業界研究の一つ目の目的は、「自分に合った業界(志望の企業)を絞り込むこと」です。
業界や業種を細かくリサーチしておかないと、次のような失敗をする可能性があります。
業界研究をしなかった場合の失敗例
- 将来性や安定性に欠ける業界を選んでしまい後悔する
- 自分の強みと求められるスキルがアンマッチだった
ほかにも「目指す将来像と企業が求める役割が異なった」など、特定の業界にありがちなミスマッチにも注意しなければいけません。業界を細かくリサーチしていくと「就職後に必要なスキル」も見えてきます。就職後に即戦力として活躍するために、在学中からインターンシップで経験を積んだり資格を取ったりすることもできるでしょう。
業界の動向や将来性を確認するため
業界研究の二つ目の目的は「業界の動向や将来性を確認するため」です。
企業の将来性は、市場の動きや業界動向に左右されるといっても過言ではありません。このような業界の状態を把握することは、企業研究の際に「その企業ならではの強み」や「今後の成長性」を見つける助けとなります。
また、業界の強みや成長性をふまえ、自分自身がどのように貢献していきたいのか?を考える際に役立つでしょう。
業界研究を行う際は、「興味がある職種」「自分が貢献したいこと」を自分なりに分析し、業界の動向や将来性と照らし合わせながらリサーチしていくことが大切です。
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業界研究のやり方がわからないときのアドバイス
業界研究をどこから始めてよいのか分からない場合は、下記4つのステップを踏むと良いでしょう。
- 自己分析をする
- 適性がありそうな業界をできるだけ多くピックアップする
- 業界への理解を深める
- 適性がありそうな業種や職種を選定する
「業界が多すぎてわからない」「どこから選べばよいか迷う」など業界選定に困っているなら、興味がある業界をできるだけ多く書き出すのがおすすめです。逆に「自分が行きたくない業界」をリストアップして候補から外していく方法もあります。
1. 自己分析をする
自分に合った業界を探すには、「仕事に対する価値観」や「何にやりがいを感じるのか?」など自己分析を行うことが大切です。例えば「ベンチャーで自分の可能性を試してみたい」と思うケースもあれば、「挑戦より安定性を重視したい」と感じるケースもあるでしょう。
自己分析の方法には、自分史やモチベーショングラフといったさまざまなやり方があります。種類も豊富で、自分の幼少期からたな卸しが必要となるため、時間を要する作業です。
大学の授業やバイト、部活やサークルなど時間に余裕が無い方は、dodaキャンパスの「自己分析ワークシート」がおすすめです。これまでの大学での活動やアルバイトを振り返りながら、自分らしさが活かせる業界や職種を探すヒントが得られます。
情報整理に悩んでいる方は、ダウンロードしてやってみてくださいね。
2. 適性がありそうな業界をできるだけ多くピックアップする
どの業界研究をするか迷うなら、自分が向いていそうな業界をできるだけ多くピックアップするのがおすすめです。自己分析の結果を踏まえ、20の業界から適性がありそうな業界を書き出してみましょう。
業界をリストアップするときには「先入観を持たないこと」が大切です。例えば「広告業界ではクリエイティブな仕事ができる」など、仕事内容まで限定してしまうと視野も狭くなってしまいます。
業界を深掘りしていくと、意外な業種や活躍できそうな職種が見つかることもあります。さまざまな情報をもとに適性や興味がありそうな業界を書き出していき、そこから2〜3つの業界に絞り込むのがおすすめです。
3. 業界への理解を深める
業界への理解を深めるには、次の2つのポイントを重点的にリサーチしましょう。
- 業界の全体像を把握する
- 業界の将来性や動向を把握する
例えば、金融業界に興味のある方であれば、業界のビジネスモデルを調べ「銀行や証券会社などの業種がどのように関わり合っているか?」など、全体像をざっくりと把握しておくと良いでしょう。
業界全体の将来性や動向に関するリサーチも大切です。市場規模や将来的な成長の可能性、経済情勢や社会課題の影響度など、さまざまな視点で調べてみると、将来有望な業界が見えてきます。
政策や世界的な経済動向に左右されやすい業界もあります。国内だけではなく、海外における業界全体の可能性についても調べておくと、業界比較もやりやすくなるでしょう。
4. 適性がありそうな業種や職種を選定する
業界に関するリサーチが終わったら、自分の適性に合う業種や職種がないか調べていきましょう。
dodaキャンパスの「業界研究ファイル」では、IT業界やメーカー、建設や流通など、さまざまな業界の詳細がわかる資料をダウンロードできます。業界の動向や求められる人物像なども理解できますので、興味がありそうな業界から情報を整理してみると良いでしょう。
業界研究の具体的なやり方
ひと言で「業界研究」といっても、さまざまなやり方があります。
すべての業界を細かく調べると時間もかかるため、Webサイトなどで興味がある業界をいくつかピックアップし、セミナーやインターシップなどで詳しくリサーチしていくのがおすすめです。
企業や業界団体のWebサイトをリサーチする
はじめに、企業や業界団体のWebサイトをリサーチするのは便利な方法です。業界団体のWebサイトを探し、業界全体の動向などに関する情報が載っているか調べてみましょう。インターネットでは最新の情報が公開されるので、定期的なチェックがおすすめです。
【例】※IT業界の動向を見る場合:総務省公式サイト「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」
本や新聞・ニュースをチェックする
新聞やニュースサイトでも、タイムリーな情報を入手できます。日経新聞などはスマホで購読できますし、一定の本数までは無料で見ることも可能です。時事ニュースなどをよくチェックし、興味を持てそうな業界や将来性が見込める業界などを詳しく調べてみましょう。
就職情報誌や業界地図、会社四季報などの書籍も、業界全体の関係図がわかるためおすすめです。
業界研究セミナーに参加する
大学や、合同企業説明会の会場などで行われる「業界研究セミナー」に参加するのも一つの方法です。それぞれの業界で働いている人の話を直接聞けるため、自分が就職したあとのキャリア形成についてもイメージしやすくなるでしょう。
就職情報サイトを検索する
就職情報サイトでは、採用情報や業界の動向など、就活に必要な情報が網羅的に紹介されているため、業界の全体像を理解したいときに適しています。dodaキャンパスでも業界研究のオンラインイベントや、就活に役立つ情報の発信を行っています。
インターンシップに参加する
業界の候補が絞れてきたら、興味を持った企業のインターシップにも参加しましょう。長期のインターシップは、実際の仕事の流れや企業風土などを肌で感じることができるためオススメです。
インターシップでは、OBやOGから仕事のやりがいや厳しさなど、リアルな情報もたくさん聞けます。先輩社員と交流する機会があれば、積極的に話しかけてみると良いでしょう。
業界研究テンプレートとまとめるべき5つのポイント
業界研究ノートでは、次の5つのポイントを中心に整理していくと良いでしょう。
比較検討する項目
- ビジネスモデル
- 業界動向や将来性
- 求められる人物像や向いている人
- ほかの業界との比較(魅力的なポイント)
- 業界研究を深めるための次のアクション
以下は業界研究ノートをExcelでまとめた一例です。
1)ビジネスモデル
業界全体や主要な企業が、どのように収益を生み出しているのかなど、基本的なビジネスモデルを整理しましょう。BtoB(法人向け)のビジネスなのか?BtoC(個人向け)のビジネスなのか?など、顧客セグメントを整理しておくことも大切です。
2)業界動向や将来性
業界を取り巻く市場の動向や技術革新の動き、今後の成長性などもしっかり調べておきましょう。
経済産業省の公式サイトや、業界団体のWebサイトなどをチェックすると、おおよその内容がわかります。主要企業の公式サイトや株価を見るのもおすすめです。
3)求められる人物像や向いている人
業界で活躍している人の特徴など、求められている人物像を理解しておくことも大切です。
例えば、金融業界は「責任感と分析力に長けた人が向いている」が、製造業なら「コツコツ取り組む実直な人が向いている」など、ある程度は向き不向きの傾向がわかるでしょう。
具体的な内容については、「就活でチェックしておきたい業界とチェックするべきポイント」で詳しく解説します。
4)ほかの業界との比較(魅力的なポイント)
自分なりの視点で、業界ごとの魅力的なポイントを書き出してみると、業界を絞りやすくなります。業界を取り巻く外部環境やキャリア成長の可能性など、いくつかの視点で比較してみると良いでしょう。
5)業界研究を深めるための次のアクション
興味のある業界が絞れたら、業界研究を深めるために、どんなアクションを取るべきかメモしていきましょう。
例えば「〇〇会社のウェビナーに登録してみる」「〇月のインターシップに参加する」など、具体的な予定を書き留めておくと応募機会を忘れずに済みます。
就活でチェックしておきたい業界一覧と向いている人の特徴
就活でチェックしておきたい代表的な業界と、業界研究でチェックすべきポイントについても、いくつかの例をご紹介します。
ひと言で「業界」といっても20を超える業界があるため、今回は代表的な8つの業界について、どんな点を調べたほうがいいのか整理してみました。
金融業界
金融業界は、銀行や証券会社に代表されるように、お金の運用や融資・リスク管理を行う業種が多いのが特徴です。
業界研究でチェックするべきポイント
- 金融業界特有のビジネスモデル
- 金融業界を取り巻く経済市場や将来性
- 求められる人材やスキル
業界 | 業種 | ビジネスモデル | 向いている人の特徴 | 代表的な企業 |
---|---|---|---|---|
金融 | 銀行 | 1.個人や企業融資による利息収入 2.投資信託の販売や手数料収入 |
・分析能力がある ・ネゴシエーションスキルが高い ・コミュニケーション能力が高い ・誠実性や高い倫理観がある ・リスク管理能力が高い |
三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、楽天銀行など |
証券 | 1.株式や債券の売買 2.資産運用 3.M&A |
野村証券、大和証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券など | ||
保険 | 1.生命保険や損害保険の販売 | 日本生命、アフラック、第一生命、ソニー生命など |
資産形成のサポートをしたり事業資金の融資をしたりして、個人や企業を支える役割を担っているのも金融業界です。
高い分析力や強い責任感が求められる業界ですが、「経済を支えている」というやりがいが感じられる業界ともいえます。
【参考】業界研究ファイル「金融業界編」
マスコミ業界
テレビや出版:Webメディアなど、情報発信を行う企業が多いのがマスコミ業界の特徴です。
業界研究でチェックするべきポイント
- どんな業種(テレビ、Webメディアなど)があるか?その業種の特徴は?
- 関連企業も含めた業界構造
- 技術者やクリエイターなど具体的な職種と将来のキャリアパス(ロールモデルがあればチェックする)
業界 | 業種 | ビジネスモデル | 向いている人の特徴 | 代表的な企業 |
---|---|---|---|---|
マスコミ | テレビ | 1.コンテンツ放送 2.CM収入 3.イベント収入 |
・創造力や発想力が高い ・コミュニケーション能力が高い ・プレゼンスキルが高い ・リーダーシップ ・戦略的な思考に長けている |
日本テレビ、フジテレビ、TBSなど |
新聞 | 1.新聞発行 2.Webメディアの運営 |
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞など | ||
広告代理店 | 1.広告制作 2.メディアプランニング 3.マーケティングリサーチ |
電通、博報堂など |
最近では、テレビやラジオだけではなく、インターネットやSNSを通じた情報発信が主流となっており、マスコミ業界を取り巻く環境も変わりつつあります。常に信頼されるコンテンツ配信が求められ、かつ技術革新も激しい業界といえるでしょう。
職種にもよりますが、チームワークで業務を遂行することも多く、協調性やコミュニケーション能力が求められる業界でもあります。
ソフトウエア/通信業界
ソフトウェアや通信業界は、各種ソフトウェアの開発や販売・モバイル通信など、新しいビジネスモデルで収益を上げている企業が多いのが特徴です。
業界研究でチェックするべきポイント
- 具体的な業種や主要企業のビジネスモデル
- 業界を取り巻く最新技術
- 求められる人材や必要な資格
- 具体的なキャリアパス(ロールモデル)
業界 | 業種 | ビジネスモデル | 向いている人の特徴 | 代表的な企業 |
---|---|---|---|---|
ソフトウエア/通信 | システム開発/アプリケーション開発 | ・ソフトウエアの開発販売 ・プラットフォームの開発販売 |
・技術的知識が豊富 ・創造性や革新性に長けている ・課題解決能力が高い ・分析能力が高い ・クリエイティブな思考能力がある |
日立製作所、NEC、富士通、日本オラクル、ジャストシステムなど |
通信 | ・固定電話やインターネット回線の販売 ・携帯電話、格安SIM販売 ・IoTソリューション事業 |
NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天など |
技術進化が激しい業界でもあり、AIやビッグデータなどの活用を通じて社会貢献ができる業界でもあります。
ソフトウェアや通信業界は、企業や自治体のDX化、そして個人の生活基盤を支える重要な役目を担っています。最新の技術に触れられるだけではなく「人の役に立っている」と実感できる職種が多い業界といえるでしょう。
商社
商社は、原材料や機械・化学製品など、多種多様な商品やサービスを国内外の市場に供給しているのが特徴で、専門商社や総合商社などの業種があります。
業界研究でチェックするべきポイント
- 業界全体の構造と主要企業(総合商社と専門商社の関係性など)
- 商社を取り巻く経済の動向や将来性
- グローバル市場で活躍するために必要なスキル(言語能力やビジネススキルなど)
- 具体的なキャリアパス(ロールモデル)
業界 | 業種 | ビジネスモデル | 向いている人の特徴 | 代表的な企業 |
---|---|---|---|---|
商社 | 総合商社 | ・あらゆる産業における商品やサービスの取引 ・貿易 ・サプライチェーンの提供 |
・ネゴシエーションスキルが高い ・分析能力が高い ・コミュニケーション能力が高い ・リーダーシップ ・行動力 ・戦略的思考力に長けている |
三菱商事、住友商事、伊藤忠商事、三井物産 |
専門商社 | ・特定分野の商品やサービスの販売 ・貿易 |
三菱食品、長瀬産業、蝶理など |
国内だけではなく世界的な市場で活躍できるステージも多く、グローバルな視点で向上心のある人が活躍できる業界です。
短期間で多くのスキルや経験が積めるのも商社業界の特徴です。さまざまな職種がありますが、営業職であれば高いコミュニケーション能力や語学力などが求められます。
官公庁、公共団体
国や自治体などが直接運営する機関が多いのが、「官公庁・公共団体」の業界です。
業界研究でチェックするべきポイント
- 具体的な就職先や業界全体の相関図
- 現在の政策と関係が深い機関(例:少子化対策に関係が深い公的機関は?など)
- 官公庁や公共団体におけるキャリアパスや具体的な職務内容
業界 | 業種 | ビジネスモデル | 向いている人の特徴 | 代表的な企業 |
---|---|---|---|---|
官公庁/公共団体 | 中央省庁 | ・財政管理 ・政策の検討 ・行政管理 |
・調整能力が高い ・数字に強い ・コミュニケーション能力が高い ・高い倫理観がある ・責任感が強い |
財務省、環境省など |
地方行政、警察、教員、消防など | ・公共サービスの提供 ・福祉 ・税の徴収 |
市役所、役場、警察庁、消防局など | ||
一般社団法人、独立行政法人など | ・特定事業の運営 ・研究開発 ・公共サービスの提供 |
日本財団、国立文化財機構、国立環境研究所など |
教育や医療、福祉や公共インフラ整備など、まさに「国を支える仕事」に就ける業界ともいえるでしょう。
官公庁や公共団体は、採用のプロセスなど一般企業と異なる点も多いです。興味がある就職先があれば、準備すべきポイントや選考の流れなども細かく確認しておきましょう。
不動産業界
不動産業界は、個人向けの土地建物の販売、オフィスビルや工業用地の提供などをする業界です。
業界研究でチェックするべきポイント
- 主要企業と業界内の相関図(それぞれの業種でどのように関わり合っているか?)
- 経済情勢が与える影響(低金利政策が不動産業界に与える影響など)
- 具体的なキャリアパスと求められるスキル
業界 | 業種 | ビジネスモデル | 向いている人の特徴 | 代表的な企業 |
---|---|---|---|---|
不動産 | 不動産売買や管理業 | ・土地や建物の売買 ・ビルやマンションの管理 |
・ネゴシエーションスキルが高い ・コミュニケーション能力が高い ・管理能力に長けている ・課題解決能力が高い |
三井不動産、住友不動産、三菱地所、大東建託、東建コーポレーション、リロパートナーズ、エイブルなど |
賃貸仲介業 | ・賃貸マンションの斡旋 | |||
不動産開発業 | ・土地開発 ・エリア開発など |
ひと言で「不動産取引」といっても、売買や賃貸・管理など業務は多岐にわたります。営業や管理、マーケティングなど多種多様な職種に就けるのも不動産業界の特徴です。
不動産業界は、金利の動向や経済情勢・環境問題など、外的環境に大きく影響を受ける業界です。一方で「大きな金額を取引する」「街全体を創る」など、大きなステージで活躍できる可能性が高い業界ともいえます。
小売業界
小売業界は、百貨店や食品スーパーなどの「実店舗」や「eコマース」など、多種多様なビジネスモデルがあるのが特徴です。
業界研究でチェックするべきポイント
- 主要企業と企業ごとのビジネスモデル
- 消費者動向と業種ごとの将来性
- 具体的な職種やキャリアパス、求められるスキルなど
業界 | 業種 | ビジネスモデル | 向いている人の特徴 | 代表的な企業 |
---|---|---|---|---|
小売 | 百貨店 | ・個人向け商品の販売(高品質、高価格が多い) | ・コミュニケーション能力が高い ・柔軟性がある ・臨機応変に対応できる能力が高い |
三越伊勢丹、高島屋など |
コンビニエンスストア/スーパーマーケット | ・個人向け商品の販売(低価格の商品も多い) | セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート | ||
オンラインショップ | ・オンラインショップでの商品販売 | Amazon、楽天など |
景気の動向を受けやすい業界でもありますが、販売・バイヤー・マーケティングなど幅広い職種があるのも小売業界です。
小売業界は一般消費者と直接関われる業界です。市場の動向や顧客の購買動向を素早くキャッチしプロジェクトを成功させるなど、スピード感に溢れたやりがいがある仕事ができるのも小売業界の特徴といえます。
製造業界(メーカー)
製造業界は、自動車や電子機器・食品や化学製品まで、ありとあらゆる製品を生産しています。
業界研究でチェックするべきポイント
- 主要企業と業界シェア率
- 業界を取り巻く最新技術
- 環境保護や社会貢献に関与できるか?
- 具体的な職種や求められるスキル
業界 | 業種 | ビジネスモデル | 向いている人の特徴 | 代表的な企業 |
---|---|---|---|---|
製造/メーカー | 自動車メーカー | ・自動車の製造販売 | ・専門分野の技術知識がある ・課題解決能力が高い ・向上心が高い ・堅実であり高い倫理性を持っている |
トヨタ自動車、日産自動車、本田技研 |
電子機器機メーカー | ・工業用電子部品や家電製品などの製造販売 | ソニー、パナソニックなど | ||
化学/食品メーカー | ・工業用化学製品 ・個人向け商品などの製造販売 |
住友化学、旭化成、明治、日清食品など |
自動車メーカーや食品メーカーなどの代表的な業種では、設計から生産・品質管理や営業まで、多岐にわたる仕事があるのも製造業界ならではの特徴といえます。
製造業界は、扱う商品が多岐にわたります。「製造=工場勤務」というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、営業や品質管理、設計やマーケティングなど多くの職種があるのも特徴です。主要企業の概要をチェックし、気になった企業のインターシップに参加するなど、細かくリサーチしてみましょう。
【参考】業界研究ファイル「メーカー(自動車・機械)業界編」
業界研究ファイル「メーカー(素材・資源・エネルギー)業界編」
業界研究でよくある質問
業界研究をしていると、さまざまな疑問が出てきます。特に業界研究で調べる内容は多岐にわたるため「どこまでやればいいのか?」不安に思うこともあるでしょう。
最後に業界研究でよくある質問にもお答えしていきます。
業界研究のゴールは?
業界研究で調べるべき内容は多岐にわたるため、明確なゴールを設定するのは難しいでしょう。ただ、仕事体験やインターンシップの開催時期までには、ある程度志望の業界や業種を絞り込むのが理想です。
まずは下記の状態を「達成ゴール」と決めて取り組んでみましょう。
1. 自分の強みが生かせそうな業界を絞り込めている
2. 業界比較ができており「なぜその業界が良いのか?」明確に答えることができる
3.業界の将来性や成長性について自分なりの答えを見いだせている
4. 2~3つの業界を絞り込めており志望企業をリストアップできていることができる
業界研究はいつ頃から始めればいいですか?
業界研究は3年生の4月頃から始めるのが最適ですが、早ければ早いほうがいいでしょう。
3年生の4月から始めるべき理由は、3年生の夏〜冬にかけて仕事体験やインターンシップの募集が始まるからです。インターンシップに応募するタイミングで業界を絞り込めていないと、選考機会を失ってしまうかも知れません。
業界研究で押さえておくべき8大業界とは?
業界研究で押さえておくべき8大業界とは、下記8つの業界のことを指します。
- メーカー/製造……商品や部品を作る
- 商社……商品やサービスを売る(対象範囲は国内海外、BtoBやBtoCなど多岐にわたる)
- 小売……商品やサービスを売る(対象範囲は国内メイン、比較的BtoCが多い)
- 金融……融資や投資商品を売る
- サービス……かたちのないものを売る
- ソフトウェア/通信……ソフトウェアやシステムを売る。モバイルやインターネットサービスなどの提供
- マスコミ……情報を提供して利益を得る(サービスの販売や広告収入)
- 官公庁/公社/団体……国や公共団体で政策を実行する、サービスを提供する
それぞれの業界には多種多様な業種があり、職種もさまざまです。例えば「メーカーだから工場勤務」というわけではなく、マーケティングや営業などの職種に就ける場合もあります。業界研究をする際は、固定概念に囚われず「自分の強みが生かせる職種はあるか?」「興味が持てそうな業界か?」など、広い視野をもってリサーチすると良いでしょう。
まとめ|自分に向いている業界がわからないときは
「自分に合った企業を見つけて、納得のいく就職活動にしたい」と思うものの、限られた時間の中でどのように動けば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか?
そんな悩みをお持ちの方には、ぜひ「dodaキャンパス」の活用をオススメします。
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