就活を始めるにあたり、やるべきことの筆頭として挙げられるのが企業研究です。「専用のシートを作成して、気になる企業についてのリサーチをする」と理解はしていても、「具体的にどんな企業研究シートを作ればいいのか」「書き込む項目や書き方はどうするのか」など、わからないことも多いかもしれません。
ここでは、企業研究シートの書き方やまとめ方、調べる項目についてわかりやすくまとめています。ダウンロードするだけですぐに使えるWordとPDFのサンプルフォーマットもご用意しました。
サクサクと企業研究を進めて、1歩も2歩も先へ行く就活を実現させましょう!
目次
企業研究を行うメリットとは?

そもそも、なぜ企業研究を行うのでしょうか?企業研究を行うことで、以下のようなメリットがあります。
志望動機の内容が具体的になり選考突破率が上がる
選考において、重要なアピールポイントとなるのが「志望動機」です。
「なぜその会社を志望したのか」という動機が、会社の目指す方向にフィットしているかどうかは、選考においてとても大切です。
企業研究を行うと、たとえば「技術と伝統を大切にしている企業」なのか、「新規事業の開拓に力を入れている企業」なのか、といったことも見えてきます。同業他社との差別化戦略や企業が持つ強み、業界が置かれている環境、将来の展望といったことまでわかってきます。
応募しようとする企業が持つ強みや方向性に共感して応募したことを、最もストレートに伝えられるのが志望動機です。
「なぜ当社へ応募してきたのか」「同業他社ではなく、なぜ当社なのか」といった疑問に対する回答として、企業に響く具体的な志望動機を持っている学生は、他の学生よりも選考を通過しやすいと言えます。
自分の性格や強みと合致する企業が見つかり、ミスマッチが減る
企業研究で会社の方向性や事業規模などを調べることは、自分自身を見つめる良い機会にもなります。
「自分はこの企業に向いているだろうか」「この企業で自分の強みを活かすことはできそうか」といった疑問をクリアにできるのも、企業研究で得られる効果です。
新しいことへのチャレンジを評価する企業と、丁寧さや細やかさ、コツコツと努力する姿勢を評価する企業とでは、求める人物像も変わってきます。
企業の方向性と自分の性格や強みを照らし合わせて、「これだ」と納得できる企業へ応募することにより、就職後のミスマッチを減らせるでしょう。
企業研究シートに書き込む項目や書き方とは?

企業研究シートに記載する内容は主に20項目です。その他競合他社の比較も必要ですので、比較表も作成しておきましょう。
企業名
企業名には、その企業が大切にしている思いや理想が込められていることも少なくありません。書類作成時や郵送時に間違えないように、前株か後株か(株式会社の位置が社名の前か、後か)を確認し、英語のスペルや漢字表記のミスがないように記入しましょう。また、世間一般に浸透している略称を書いてしまわないよう、正式名称を調べておくことも大事です。
代表者名
「代表取締役」、「CEO」として表記されている人名を記入します。面接で「当社の代表の名前は?」と聞かれる可能性もありますので、必ず把握しておきましょう。
創業年
創業年と会社設立が違う場合もあります。両方チェックしておきましょう。こちらも代表者名同様、面接で聞かれる可能性があります。答えられないと「事前に何かを調べる癖がない」と判断される恐れがあるので、細かな部分ではありますがチェックしておきましょう。
売上高
多角経営を行っている企業の場合は、年間の総売上高に加えて、可能であれば事業ごとの売上も追記しましょう。どの事業が売上のメインとなっているのかがわかります。
従業員数
従業員総数と正社員、パートの割合などを記載します。
上場区分
東証1部または2部、JASDAQ、マザーズといった上場区分があります。上場条件は東証2部よりも1部の方が厳しく、JASDAQとマザーズには新規ベンチャー系企業が多く上場しています。
企業所在地
本社所在地のほか、自分の住む地域に最寄りの本支店があれば記入しましょう。
連絡先
就活のための企業研究シートには、代表連絡先ではなく就活の問い合わせ窓口を記入します。担当部門や担当者の名前、問い合わせ方法やメールアドレスなども必要です。
募集条件
応募の際に必要な資格やスキルが指定されていれば記入します。募集地域や就職後の勤務地、転勤の有無などが書かれていることもあるので、チェックして記入しましょう。
経営理念
企業の代表や創業者の考えを表した経営理念は、その企業の経営方針とも言い換えられます。短い言葉やキーワードになっていることもあります。経営理念に共感できる部分があれば、それを志望動機に盛り込むことで志望度の高さをアピールできます。
主業種・サブ業種
メインとなる業種と、サブ業種を記入します。
主力事業
企業が主力としている事業については、特に深く掘り下げましょう。
研究対象となる企業の主力事業がいつ始まり主力となっていったか、現在の主力事業が以前と変わってきていないか、急成長している事業なのか、緩やかに拡大しているか、経営理念に基づいているか、といった点にも注目しましょう。
主力商品
主力商品は、主力事業の中でコアとなっているものばかりとは限りません。その企業の顔となっている商品以外にも、売上の多くを担う商品や、近年販売数を大きく伸ばしている商品などがあるかもしれません。
複数の取扱商品を比較して、特徴や優れた点、開発時の苦労や主力以外の商品との関係性などについて書き出していきましょう。
ターゲット顧客
主力事業や主力商品のターゲットとなっている顧客について記入します。若い世代に向けているのか高齢者向けか、女性向けか男性向けか、一般向けか企業向けかなど、企業や商品のターゲットがどのカテゴリー層の顧客なのかを読み解くことが大切です。
企業がターゲットとしている層と、実際に購入している層に違いがないか、といった視点で見るのもいいでしょう。
強みと弱み
強みはホームページなどでアピールされていることが多いので、すぐに把握できるかもしれません。しかし、弱みに関しては表立ってアピールしている企業は少ないので、リサーチが必要です。
たとえば、老舗の企業であれば時代を反映しているか、ベンチャー企業であれば売上が安定しているか、多角経営の企業であれば業績の悪い事業はないか、といった点などに注目します。
他社に負けない独自の強み
同業他社と比較して「その企業にしかない」と言える点はどこかを探ります。独自の強みを見つけることができれば、「この企業でなければいけない理由」も見えてきます。志望動機を組み立てる際に役立つので、ぜひチェックしておきましょう。
ちなみに、独自の強みを見つけるポイントは、複数の企業と比較することです。この記事でも競合比較の表をダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
業界の置かれた環境と将来の展望
業界全体の現状を見ながら、企業の主力商品や事業の変遷、吸収合併などの歴史や規模の縮小拡大などから将来の展望を分析します。
社風
自分が働こうとする企業の社風は、必ずチェックしておきましょう。フラットな職場か、風通しはいいか、忙しいがやりがいのある職場か、穏やかでのんびりとしているか、といった点に加えて、福利厚生なども確認しましょう。
求める人材像
求める人材像を公表している企業もあるので、採用ページなどを確認して記載しましょう。もし具体的に記載されていなくても、企業の社風と合わせて考えることで、企業が現在求めている人材像をある程度推測できます。
競合の比較表
企業研究では、同業他社との比較も大切です。比較表を作成することで、業界内での状況がよりわかりやすくなります。企業研究シートと合わせて事項でダウンロードしてご活用ください。
企業研究シートのフォーマット
ダウンロードして使える、「企業研究シート」「競合比較表」のフォーマットをご用意しました。WordとPDFの2種類をダウンロードできます。
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フォーマットの活用方法
手書きで記入したい場合は、PDFのフォーマットがおすすめです。プリントアウトして使ってください。パソコンやスマートフォン、タブレットで記入したい場合はWordのフォーマットをダウンロードして使いましょう。
Wordのフォーマットは記載項目のアレンジも自由にできるので、オリジナルの企業研究シートを作成したい方にもおすすめです。スマートフォンやタブレット向けのWordのアプリやGoogleドキュメントなどを利用すれば、パソコンを使えない環境でも編集可能。移動が多い就活中でも時間を無駄にしません。
Microsoft Wordのアプリはこちら
Googleドキュメントのアプリはこちら
まとめ
企業研究は志望動機の作成に役立つだけでなく、入社後のミスマッチを回避するためにも必須の作業です。企業研究シートのフォーマットを有効活用して、効率的に企業研究を進めましょう。