企業選びの軸とは、就職活動で企業を選ぶときに「譲れない条件」のこと。企業選びの軸が明確になっていなければ、自分に合った企業を選ぶことができない可能性もあります。就活のスタートラインは、企業選びの軸を決めることだと言っても過言ではないでしょう。
本記事では、企業選びの軸が大切な理由や企業選びの軸を見つける方法、優先順位のつけ方などを解説しています。エントリーシート(ES)・面接における回答例・NG回答例も掲載していますので、就活生はぜひ参考にしてみてください!
目次
企業選びの軸を決める必要性
企業選びの軸とは、就活の企業選びにおいて譲れない条件や判断基準のこと。就活生が企業を選ぶときは、自分の中にある何かしらの基準で「この企業は◯、この企業は△、この企業は✕」と判断しているはずです。この判断基準を「何となく」の基準ではなく明確に言語化したものが、企業選びの軸だと言えます。
就活を効率的に進める
企業選びの軸が確立していなければ、たくさんある企業の中から自分に合った企業を選ぶことができず、就活が泥沼化してしまいます。逆に、企業選びの軸が明確になっていれば、エントリーする企業・しない企業を容易に判断でき、自分に合った企業を効率的に選び抜けるようになります。
企業も就活生の「企業選びの軸」を重視する
企業側も、就活生が「どんな軸を持って就職活動をしているのか?」という点には注目しています。そのため、ESや面接で企業選びの軸を問われるケースも多く、企業選びの軸を決めておくことは重要です。
企業選びの軸を見つける方法
企業選びの軸を見つけるには、仕事をするうえで自分が大切にしたい価値観や、譲れないポイントを認識していなければいけません。そのために役立つのが、以下の4つの方法です。
自己分析をする
企業選びの軸を見つける方法として、必ず行うべきなのが「自己分析」です。自分は何が好きで、何を大切にしていて、どんな価値観を持っているのか?──つまり、自分がどんな人間なのかを知ることです。
下記の記事では自己分析の方法を解説しています。これから自己分析を始める就活生はぜひ参考にしてみてください!
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業界・企業研究をする
企業選びの軸を明確にするためには、業界や企業に関して調べることが大切です。多くの業界、企業を研究・比較することで、気になる業界や企業が見えてくるでしょう。
業界研究について何から手をつければ良いのか、何をポイントに判断していけば良いのか分からないという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
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ぜひこれらも参考にして、業界研究を進めていきましょう。
OB/OG訪問をする
OB/OG訪問も、企業選びの軸を決めるためには効果的。先輩社会人の話を聞いてみると、ネットで調べているだけでは分からなかったリアルな情報を得ることができます。多くの先輩の話を聞くことで、視野が広がり、多角的な視点から企業選びの軸をブラッシュアップできるでしょう。
また、OB/OG訪問をしてみて、「この人みたいに働きたい!」「この人が自分のロールモデルだ!」という人に出会えたら、直接、企業選びの軸を聞いてみるのもいいでしょう。大いに参考になるはずです。
逆求人サービス(スカウト/オファーサービス)を活用する
逆求人サービス(スカウト/オファーサービス)とは、自分のプロフィールなどを登録しておくことで、企業からオファーが届く就活サービスです。
逆求人サービス「dodaキャンパス」では、キャリアノートと呼ばれるプロフィールを入力することで、自分に合った企業からインターンや採用選考オファーを受け取ることができます。
dodaキャンパスのキャリアノートでは、「経営基盤が安定している」「事業や市場の成長性が高い」「社会公共性が高い・SDGsに力を入れている」「先進的な技術・サービスを提供している」といった19個の軸から、自分にあった企業選びの軸を選ぶことが可能!
企業を選ぶうえで自分の大切なポイントを設定し、自分にあった業界・企業の軸を見つけていきましょう。
企業選びの軸の優先順位のつけ方
企業選びの軸を一つに絞るのは難しいものですし、一つに絞る必要もありません。しかし、いくつもの軸があると企業を選びきれなくなってしまうので、優先順位をつける必要があります。
少し極端な例ですが、たとえば、以下のような企業選びの軸を持っていたとします。
- 同業他社より給与水準が高い
- 増収増益を続けている
- 風通しのよい社風で意見を言いやすい
- 業務内容にワクワクする
- 1年目からどんどん仕事を任せてもらえる
- 残業が少ない
これらすべての軸を満たした企業を見つけるのは困難です。就活では、「Aの軸を取るならBの軸はあきらめなければいけない」といったケースが多々あります。そのため、必須だと思う軸から優先順位をつけなければいけません。
優先順位をつけるのが難しい場合
優先順位をつけるのが難しい場合は、以下の例文に企業選びの軸を当てはめてみましょう。
「◯◯」なら、「✕✕」でなくてもいい。
たとえば、「業務内容にワクワクするなら、同業他社より給与水準が高くなくてもいい(低くてもいい)」という感じです。「◯◯」と「✕✕」に何パターンかの軸を当てはめてみて、自分がどう感じるかを記録します。そうすることで、軸の優先順位がはっきりしてくると思います。
企業選びの軸の回答例7個とNG例2個
企業選びの軸の回答例を7個、NG回答例を2個ご紹介します。
企業選びの軸の回答例
回答例 (1)「成長できる環境であること」
私の企業選びの軸は、「成長できる環境かどうか」という点です。高校時代の野球部での経験から、「成長は挑戦の結果であること」を身を持って体感していますので、若手でもどんどん挑戦できる御社の環境は自分にぴったりだと思い、応募させていただきました。
▼アドバイス
企業の教育制度に頼るのではなく、自ら主体的に行動して成長していく姿勢を伝えることが大切。具体的にどんなスキルを磨き、仕事でどんな活躍をしたいのか?というところまで盛り込めると理想的です。
回答例 (2)「やりがい」
私の企業選びの軸は、「直接、お客様の笑顔に触れ、やりがいを感じられるかどうか」ということです。大学時代、同じアルバイトを4年間続けられたのは、お客様の笑顔を見るのが嬉しかったからです。その経験から「自分のやりがいはお客様の笑顔だ」と気付き、顧客満足度にこだわる御社のサービスに深く共感しました。
▼アドバイス
自分がどんなときにやりがいを感じるのか?というエピソードや原体験を交えるのが効果的。もちろん、応募先企業の特徴にも触れましょう。
回答例 (3)「人の魅力・チームワーク」
私の企業選びの軸は、「社員の人柄が良く、チームワークを大切にして働けること」です。インターンのとき、御社の社員のみなさまが、チームのなかで自分の役割を果たすことにこだわる姿勢に感銘を受けました。私もぜひ、そんなチームの一員として力になりたいと考えました。
▼アドバイス
人の魅力やチームワークは、同じ職場で働いてみないとなかなか分からないもの。インターンやOB/OG訪問の経験に基づいた回答ができると理想的です。
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回答例 (4)「社風」
私の企業選びの軸は、「様々な人が活躍する多様性に富んだ社風」です。大学時代は、国籍もバックボーンも宗教も違う学生が集まるシェアハウスで暮らしており、そこでの生活から「違いを受け入れる」大切さを学びました。御社の多様性に富んだ社風なら、もっと視野を広げながら働いていけると思っています。
▼アドバイス
「社風が自分に合っている」ということにとどまらず、そのような社風の企業で働くことで自分がどうなれるのか?ということまで盛り込むのがポイントです。
回答例 (5)「社会貢献」
私の企業選びの軸は、「テクノロジーの力で社会に貢献できること」です。大学では「IoT時代の超スマート社会」という卒論を書きました。御社のIoT事業に大きな関心を持っており、自分もIoTを活用した自動化サービスで、労働人口減少などの社会課題を解決していきたいと思っています。
▼アドバイス
漠然と「社会の一員として社会に貢献したい」と伝えるだけでは逆効果です。「どんな社会課題をどのように解決することで社会に貢献したいのか」というところまで踏み込んだ回答を心がけましょう。
回答例 (6)「成果を重視する環境であること」
私の企業選びの軸は、「実力・成果を重視する環境があること」です。年齢や勤務している年数にかかわらず、実力が評価されることで、モチベーションの持続につながると思うからです。御社には、20代であっても実力次第で昇給できる制度があり、仕事に真剣に取り組むことができる環境があると感じました。
▼アドバイス
「なぜ実力主義を重視しているのか」という理由が示されています。これに加えて、実力主義でないといけない理由が示されているとさらに良いです。また、具体的に企業で取り入れられている制度もあげると効果的です。
回答例 (7)「成果を重視する環境であること」
私の企業選びの軸は、「学んできた英語力を活かせる」です。私は大学時代1年間アメリカに留学していたこと、外国人観光客の多い喫茶店でアルバイトをしていたことから、英語を話す機会が多くありました。海外に住む方から直接文化や経験を聞くことは自分にとって大きな刺激となり、英語を使ったコミュニケーションに楽しさを感じました。以上より、近年海外での事業拡大に力を入れている御社のもとで、私の英語力を活かし、円滑なコミュニケーションをとりたいと考えています。
▼アドバイス
実際に英語を使ってコミュニケーションを取っているイメージが伝わってきます。事業拡大について企業が具体的に何をしているのか、そこで何をしたいのかといった情報を入れられるとあなたの活躍イメージがより伝わりやすくなります。
企業選びの軸のNG回答例
NG回答例 (1)「労働条件」
私の企業選びの軸は、「できるだけ残業が少なく、プライベートを充実させられる企業」です。オンとオフをしっかり切り替えて、毎日モチベーション高く働きたいと考えています。
▼アドバイス
給与や残業時間、福利厚生などの労働条件を企業選びの軸にしている人は、あまり良い印象を与えられません。それが本音であったとしても、企業に対してどんなメリットを提供できるのかを伝えられなければ、自分のことしか考えていないように見られてしまいます。
NG回答例 (2)「好きなこと」
私の企業選びの軸は、「自分の好きなことで仕事ができること」です。昔からゲームが趣味で御社のファンだったので、自然とゲーム業界を牽引する御社で働きたいと思うようになりました。
▼アドバイス
「企業が好き」「サービスが好き」というだけでは、企業選びの軸として不十分。就活に対する真剣さが伝わりにくくなってしまいます。「なぜ好きなのか?」「好きな企業で働くことで双方にどんな利点があるのか?」といった点まで突き詰めたうえでプレゼンしなければいけません。
企業選びの軸をES・面接で回答する際のポイント
ESや面接で、企業選びの軸について答えるときは、以下の3つのポイントを意識するようにしましょう。
結論を先にして分かりやすく
企業選びの軸を説明するときは、結論を先に述べたうえで、論理的にその理由や背景を伝えるようにしましょう。前置きが長く、流れがない文章や話し方は、何を主張したいのかが分かりづらいため避けましょう。
具体的なエピソードで説得力を
企業選びの軸の説明は、どうしても漠然とした内容になりがちです。それを防ぐには、具体的なエピソードを交えて説明するのが効果的です。エピソードがあると説得力が増し、イメージが湧きやすく、印象にも残りやすくなります。
企業ならではの特徴とリンクさせる
企業選びの軸について説明するとき、応募先企業との関連性が薄い説明だと、いろんな会社で「使いまわしている」ように思われてしまうかもしれません。他の企業でも通用するような説明は避け、必ず応募企業ならではの特徴とリンクさせて説明するようにしましょう。
まとめ
企業選びの軸は、就活をスムーズに進めるために欠かせないものです。企業選びの軸をきちんと定めていれば、企業選びの精度が高まり、きっと理想に近い企業を見つけられるはず。あなたらしい「軸」を見つけて、自分に合った企業を見つけていきましょう!
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