企業選びの軸とは、就職活動で企業を選ぶ時に「譲れない条件」のこと。就活のスタートラインは、企業選びの軸を決めることだと言っても過言ではありません。
本記事では、企業選びの軸が大切な理由や軸を見つける方法、優先順位のつけ方について解説!具体的な回答例文も紹介するので、自分なりの軸を考える際の参考にしてみてくださいね。
目次
企業選びの軸とは
企業選びの軸とは、就活の企業選びにおいて譲れない条件や判断基準を指します。一方で「就活の軸」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?「それぞれ意味が違うの……?」と混乱しないよう、しっかりと理解しておきましょう。
就活の軸との違い
「企業選びの軸」と「就活の軸」はほぼ同じ意味ですが、就活の軸はその少し上位にある考え方です。 就活全体の指針が「就活の軸」であり、それに基づいて企業を選ぶ基準が「企業選びの軸」となります。
納得のいく企業選びをするためにも、まずは就活の軸を明確にしておきましょう。
※就活の軸について詳しく知りたい方は、以下のコラムもご覧ください。
就活の軸【140選】納得できる軸の見つけ方や面接・ESで使える例文
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企業選びの軸を決める必要性
就活生が企業を選ぶときは、自分の中にある何かしらの基準で「この企業は◯、この企業は△、この企業は✕」と判断しているはずです。この判断基準を明確に言語化する理由について確認していきましょう。
就活を効率的に進める
企業選びの軸が明確でないと、自分に合った企業を選ぶことができず、就活を進めていくうちに「自分はどんな企業がいいのだろう…」と迷うことにも。
一方、企業選びの軸が明確になっていると、エントリー時やオファー受信時に、自分に合った企業を効率的に選択できるようになります。
企業も就活生の「企業選びの軸」を重視する
企業側も、就活生が「どんな軸を持って就職活動をしているのか?」という点に注目しています。これは「自社とのマッチ度」や「自社への志望度・熱意の高さ」を確認することができるためです。
ESや面接で企業選びの軸を問われるケースも多く、いざというときに焦らないためにも、企業選びの軸を決めておくことは重要となります。
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【厳選8つ】企業選びの軸の具体例一覧と回答例文

企業選びの軸の具体例は下記一覧の通りです。それぞれについて、ESや面接で質問された時の具体的な回答例を確認していきましょう。
企業選びの軸の具体例
- 自己成長
- やりがい
- 人の魅力
- 社風
- 企業理念への共感
- 強みを生かせる
- 成果を重視する環境
- 社会貢献
1.自己成長
私の企業選びの軸は、「自己成長できるか」という点です。高校時代の野球部での経験から「成長は挑戦の結果であること」を身を持って体感しています。若手でもどんどん挑戦できる御社の環境は自分にぴったりだと思い、応募させていただきました。
▼アドバイス
企業の教育制度に頼るのではなく、自ら主体的に行動して成長していく姿勢を伝えることが大切。具体的にどんなスキルを磨き、仕事でどんな活躍をしたいのか?というところまで盛り込めると理想的です。
2.やりがい
私の企業選びの軸は「直接、お客様の笑顔に触れ、やりがいを感じられるかどうか」です。お客様の笑顔を見ることがモチベーションとなり、大学時代は同じ飲食店のアルバイトを4年間続けることができました。顧客満足度にこだわる御社のサービスは私の軸と非常にマッチしており、深く共感するとともに、御社で一緒に働きたいと強く感じています。
▼アドバイス
自分がどんなときにやりがいを感じるのか?というエピソードや原体験を交えるのが効果的。もちろん、応募先企業の特徴にも触れましょう。
3.人の魅力
私の企業選びの軸は「社員の人柄が良く、チームワークを大切にして働けること」です。インターンの際、御社の社員の方々が、自分の役割を果たしながらも、チームの成果を最優先に考える姿勢に感銘を受けました。私もぜひ、そんなチームの一員として働きたいと考えています。
▼アドバイス
人の魅力やチームワークは、同じ職場で働いてみないとなかなか分からないもの。インターンやOB・OG訪問の経験に基づいた回答ができると理想的です。
4.社風
私の企業選びの軸は「さまざまな人が活躍する多様性に富んだ社風」です。大学時代は、国籍も宗教も異なる学生が集まるシェアハウスで暮らしていました。そこでの生活から「違いを受け入れる大切さ」と「多様な人から刺激を受けることで視野が広がること」を学びました。グローバルに展開し、さまざまな国籍の人が行きかう御社の環境で、さらに多様な視点を身につけたいです。
▼アドバイス
「社風が自分に合っている」ということにとどまらず、そのような社風の企業で働くことで自分がどうなれるのか?ということまで盛り込むのがポイントです。
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5.企業理念への共感
私の企業選びの軸は「自然環境と事業活動を両立できるか」という点です。私は大学で環境科学について学んでいます。その中で、現在のスピードで環境破壊が進むと2100年には人間の生活ができなくなるリスクがあると知りました。そして、私が当たり前と思っていた生活を、自分の子どもや孫の世代まで残したいと強く考えるようになりました。御社の掲げる「未来の子どもたちへ美味しい水を」という企業理念を見たとき、心の底から強く共感し、御社に入社したいと感じました。
▼アドバイス
軸と企業理念のマッチが良くわかります。一方で「入社後に何をしたいか」という点が不明確です。自分のパーソナリティを生かし、どのような業務をしたいかを伝えることができると、より明確に入社後のイメージを与えることができるでしょう。
6.強みを生かすことができる
私の企業選びの軸は「語学力を生かす環境があること」です。私はアメリカ留学と、外国人観光客が多い喫茶店アルバイトの経験から、英語を話す機会に恵まれていました。海外に住む方から直接文化や経験を聞くことは自分にとって大きな刺激となり、英語を使ったコミュニケーションに楽しさを感じました。これらの経験から、近年海外での事業拡大に力を入れている御社のもとで、私の英語力を生かし、円滑なコミュニケーションをとりたいと考えています。
▼アドバイス
実際に英語を使ってコミュニケーションを取っているイメージが伝わってきます。事業拡大について企業が具体的に何をしているのか、そこで何をしたいのかといった情報を入れることができるとあなたの活躍イメージがより伝わりやすくなります。
7.成果を重視する環境であること
私の企業選びの軸は「実力・成果を重視する環境があること」です。年齢や勤務している年数にかかわらず、実力が評価されることで、モチベーションの持続につながると考えています。御社の「どんな年代でも昇給・昇格に挑戦できる制度」は、常にモチベーション高く取り組むことができる非常に魅力的な仕組みであると感じています。
▼アドバイス
「なぜ実力主義を重視しているのか」という理由が示されています。これに加えて、実力主義でないといけない理由が示されているとさらに良いです。また、具体的に企業で取り入れられている制度もあげると効果的です。
8.社会貢献
私の企業選びの軸は「テクノロジーの力で社会に貢献できること」です。大学では「IoTが作る社会の効率化」について研究を行いました。御社のIoT事業に大きな関心を持っており、自動化サービスの発展に尽力したいと考えています。そして、労働人口減少などの社会課題を解決していきたいです。
▼アドバイス
漠然と「社会の一員として社会に貢献したい」と伝えるだけでは逆効果。「どんな社会課題をどのように解決することで社会に貢献したいのか」というところまで踏み込んだ回答を心がけましょう。
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企業選びの軸のNG回答
労働条件
私の企業選びの軸は「残業が少なく、プライベートを充実させることができる企業」です。オンとオフをしっかり切り替えて、毎日モチベーション高く働きたいと考えています。
▼アドバイス
給与や残業時間、福利厚生などの労働条件を企業選びの軸にしている人は、あまり良い印象を与えることができません。それが本音であったとしても、企業に対してどんなメリットを提供できるのかを伝えられなければ、自分のことしか考えていないように見られてしまいます。
好きなこと
私の企業選びの軸は「自分の趣味で仕事ができること」です。昔からゲームが趣味で御社のファンだったので、自然とゲーム業界を牽引する御社で働きたいと思うようになりました。
▼アドバイス
「企業が好き」「サービスが好き」というだけでは、企業選びの軸として不十分。就活に対する真剣さが伝わりにくくなってしまいます。「なぜ好きなのか?」「好きな企業で働くことで双方にどんな利点があるのか?」といった点まで突き詰めたうえでプレゼンしなければいけません。
知名度の高さ
私の企業選びの軸は「有名な企業であること」です。企業を有名にするためには、並々ならぬ企業努力があってこそだと考えています。特に御社は自動車メーカーを牽引しており、海外でも知らない人はいません。そのような御社で働くことは私の自信となり、毎日の業務にモチベーション高く取り組むことができると考えています。
▼アドバイス
有名な企業は各業界に多数存在しています。企業側としては「有名であれば弊社でなくてもよいのでは?」と考えてしまうでしょう。企業を知った理由が「有名であるため」だとしても、自分がその企業で働きたい理由は、企業研究を深めてしっかり練っておきましょう。
周囲の評価
私の企業選びの軸は「世間から評判が良い会社であること」です。御社は「第一の商品はお客様の安心」という理念のもと、安心安全を最優先に企業活動をしています。友人や家族からの評判も良く、御社であれば40年間誇りを持って業務に取り組むことができると考えています。
▼アドバイス
周囲の意見ではなく、自分が企業を選んだ理由が重要です。「自分で考える意思がない」「周囲に流されやすい」といったマイナスのイメージを与えてしまう可能性も高いでしょう。「なぜ評価が良いのか?」「高評価につながっているポイントに共感できる考え方はあるか?」と考察することで、自分の意思として伝えることが可能です。
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企業選びの軸を見つける方法

「企業選びの軸が大切」と言われても、すぐに見つけるのは難しいですよね。自分に合った軸を見つけるためには下記3つの方法がおすすめです。
企業選びの軸を見つける方法
- 自己分析をする
- 業界・企業研究をする
- 逆求人サービス(スカウト/オファーサービス)を活用する
それぞれについて詳しく確認していきましょう。
自己分析をする
企業選びの軸を見つけるために「自己分析」は避けて通れません。自分の好きなことや長所、大切にしている価値観を言語化し「自分のたな卸し」をしてみましょう。
「自己分析の方法が知りたい!」という方は、ぜひ下記の記事も確認してみてください。おすすめの自己分析方法や診断ツールを確認することができます。
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業界・企業研究をする
企業選びの軸を明確にするためには、業界や企業に関して調べることが大切です。幅広い業界や企業を研究・比較することで、自分が興味を持つカテゴリーが見えてくるでしょう。
興味がある業界が見つからない時は、逆に「やりたくない仕事」を考えてみるのもおすすめです。やりたくない仕事をリストアップすることで、自然と企業選びの軸も絞られてくるかもしれません。
業界研究について何から手をつければ良いのか、何をポイントに判断していけば良いのか分からないという方dodaキャンパスの「業界研究ファイル」がおすすめ。各業界の動向や求められる人物像なども理解できますので、興味がありそうな業界から情報を整理してみると良いでしょう。

逆求人サービス(スカウト/オファーサービス)を活用する
逆求人サービス(スカウト/オファーサービス)とは、あなたを魅力に感じた企業から直接オファーが届くスカウト型のサービスです。
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企業選びの軸の優先順位のつけ方
企業選びの軸を一つに絞る必要はありません。しかし、いくつもの軸があると企業を選びきれなくなってしまうため、優先順位をつける必要があります。
仮に以下のような「企業選びの軸」を持っていたとしましょう。
- 同業他社より給与水準が高い
- 増収増益を続けている
- 風通しのよい社風で意見を言いやすい
- 業務内容にワクワクする
- 1年目からどんどん仕事を任せてもらえる
- 残業が少ない
これらすべての軸を満たした企業を見つけることは困難です。重要な軸を明確にすることで、本当に自分に合った企業を見つけやすくなるでしょう。
優先順位をつけるのが難しい場合
優先順位をつけるのが難しい場合は、以下の例文に企業選びの軸を当てはめてみましょう。
「◯◯」なら、「✕✕」でなくてもいい。
例えば「業務内容にワクワクするなら、同業他社より給与水準が高くなくてもいい(低くてもいい)」といった形です。「◯◯」と「✕✕」に自分の軸を複数当てはめ、心情と相違がないか確認してみてください。これを繰り返すことで、自然と優先順位が見えてくるでしょう。
企業選びの軸をES・面接で回答する際の2つのポイント
ESや面接で、企業選びの軸について答えるときは、以下2つのポイントを意識するようにしましょう。
企業選びの軸を回答する時のポイント
- 具体的なエピソードで説得力を
- 企業ならではの特徴とリンクさせる
1)具体的なエピソードで説得力を
企業選びの軸は定量的に説明することが困難です。
漠然とした内容にならないためには、具体的なエピソードを交えると良いでしょう。エピソードによって「軸の選択」に説得力が増し、イメージが湧きやすくなります。面接官の印象にも残りやすくなるでしょう。
2)企業ならではの特徴とリンクさせる
企業選びの軸について説明するとき、どのような企業にも当てはまる内容は避けるべきです。応募先企業との関連性が薄い説明の場合、さまざまな企業で「使いまわしている」と思われてしまう可能性があります。
他の企業でも通用するような説明は避け、必ず応募企業ならではの特徴とリンクさせて説明するようにしましょう。
「応募先企業独自の特徴がわからない……」という方は企業研究が不足しているかもしれません。競合他社と比べた時に「御社だからこそ自分の企業選びの軸に合っている」と語れるよう企業研究を深めましょう。企業研究を行う際は、ぜひ下記の記事も参考にしてみてください。
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