「金融の具体的な仕事内容って?」「自分が活躍できる業界なのかな?」など、さまざまな疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。今回は、そんな金融業界について解説!
金融業界のビジネスモデルや具体的な職種、そして金融業界に就職するために学生時代に習得したほうがよいスキルなどについて、詳しくご紹介します。
どんなタイプの人が金融業界に向いているのかもお伝えしますので、ぜひ自分に合った業界かどうかチェックしてみてください。
目次
この記事の監修者
doda新卒エージェント事業部
キャリアアドバイザー
葛西 寛司さん
大学卒業後、都市銀行、学習塾を経て、(株)ベネッセアイキャリアへ入社。
理系学生様をメインにカウンセリングを実施し、IT業界やメーカー技術職など専門的な領域を担当。
銀行時代に50社以上のお客様を担当していた経験から、幅広い業界・職種に関する知識を元に学生様の相談に応じる。
金融業界とは?魅力や特徴
金融業界は、個人や企業に対して融資や貯蓄、株式取引や保険などの金融サービスを提供する業界です。代表的な業種としては、銀行・証券会社・保険会社などがあります。
金融業界の魅力は「経済の根幹を支える役割を担っている」点にあります。就職する企業にもよりますが、高い専門性が求められグローバルに活躍できる職種も数多くあるため、キャリアアップの機会が多い業界ともいえるでしょう。
金融業界の仕組みやビジネスモデル
金融業界の基本的なビジネスモデルは、預金や企業からの出資を原資に、融資や株式取引などのサービスを提供して手数料収入を得る仕組みです。
銀行や証券会社など、代表的な金融業界のビジネスモデルは下記の通りです。
代表的な業種 | ビジネスモデル |
---|---|
銀行 | 顧客からの預金などを原資に、企業や個人へ融資を行い利息や手数料で利益を得る |
証券会社 | 個人や企業に株式や信託商品の取引サービスを提供し、取引手数料などで利益を得る |
保険会社 | 保険料収入を原資に運用利益を得る |
リース会社 | 企業や個人に対し設備機器や物品などをリースし、リース料で利益を得る |
金融業界の業種や職種、仕事内容
金融業界には、多種多様な業種や職種が存在します。 例えば、銀行には法人営業などの職種があり、証券会社にはリテール担当やファンドマネジャーなどの職種があります。
金融業界における代表的な職種と仕事内容をまとめていますので、下記の表も参考にしてください。
【金融業界の代表的な職種と仕事内容】
業種 | 職種 | 仕事内容 |
---|---|---|
銀行 | 個人営業 | 個人顧客に対して預金、ローン、投資商品などの金融サービスを提案、販売する |
法人営業 | 企業顧客に対して融資、資金管理、M&Aアドバイザリーなどのサービスを提供する | |
為替業務 | 国際的な取引や投資、外国為替管理などの国際金融サービスを提供する | |
証券会社 | リテール担当 | 株式取引の取り次ぎ、債券や投資信託商品などの販売 |
ファンドマネジャー | 投資ファンドの運用を担当し、資産を管理・投資して収益を最大化する | |
ディーラー | 金融市場での取引を直接行い、金融商品の売買を通じて利益を出す | |
インベストメント・バンキング | 資金調達やM&A(企業買収など)を担当 | |
保険会社 | 営業 | 個人や企業に対して保険商品を提案・販売する |
ファイナンシャルコーディネーター | 法人や職域マーケットにおけるコンサルティング営業 | |
商品開発 | 新しい保険商品などを開発する |
金融業界の将来性
一見、高収益を上げている様相の金融業界。しかし、低金利政策や少子高齢化、そして異業種参入などもあり、金融業界を取り巻く環境は日々激しく変化しています。
ただ、さまざまな環境下で新しいチャレンジができる金融業界は、自己成長を目指す学生にとっては注目すべき業界ともいえるでしょう。
参考:全国銀行協会公式サイト資料「わが国銀行を取り巻く環境変化と収益源の多様化」
金融業界の年収
金融業界は、一般的に高収入が期待できる業界の一つです。
下記は国税庁が実施した令和4年分の「民間給与実態統計調査」結果です。代表的な業種のみピックアップしていますが、金融業・保険業の平均給与は656万円と、業種平均の458万円より約200万円高い年収となっています。
また、金融業界は業績連動型の報酬体系を採用している企業も多く、実績に応じて年収が大きく変動するケースが多いのも業界ならではの特徴といえます。
【国税庁調査結果より「業種別の平均給与、平均賞与」】
業種 | 平均給与 | うち平均賞与 |
---|---|---|
金融業、保険業 | 656万円 | 156万円 |
建設業 | 529万円 | 78万円 |
情報通信業 | 632万円 | 122万円 |
卸売業、小売業 | 384万円 | 53万円 |
業種平均 | 458万円 | 72万円 |
参考:国税庁企画課データ活用推進室提供「令和4年分民間給与実態統計調査結果について」
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金融業界に向いている人
では、どのような人材が金融業界に向いているのか、詳しく見ていきましょう。
金融業界は変化が激しく、さまざまな場面で迅速な意思決定が求められるケースが多い業界です。そのため、分析力や集中力、そしてコミュニケーション能力が高い人が向いている業界といえます。
金融業界に向いている人の特徴
- 分析力や思考能力が高い
- 責任感があり集中力に自信がある
- コミュニケーション能力が高い
- 高い倫理観があり誠実であること
- 向上心が高く学習意欲があること
1)分析力や思考能力が高い
分析力や思考能力が高い人は、金融業界に向いているといえます。銀行では、市場の金融データを分析したり、財務諸表などから経営状況を分析したりする能力が求められます。
証券会社で働くアナリストやファンドマネジャーも、市場のトレンドや経済指標を多角的に分析する能力が必要です。高度な分析力と論理的な思考能力を持つ人は、投資判断やリスク管理などの業務で活躍できるでしょう。
2)責任感があり集中力に自信がある
金融業界では、責任感があり集中力に自信がある人材が求められます。銀行や証券会社においては、短期間で億単位の資金を運用することも多く、高い責任感と集中力が必要です。
金融機関のリスク管理部門やコンプライアンス部門で働く場合も同様です。社内や取引先企業が、法令や倫理的基準に基づき運営されているか、責任を持ってチェックする場面も多いでしょう。
保険会社など、顧客の資産運用のアドバイスをする職種でも、顧客の資産を預かる担当者としての責任は重大です。
3)コミュニケーション能力が高い
銀行や証券会社などでは、顧客との関係構築が重要。チームで協働するケースも多いため「コミュニケーション能力」も必要不可欠なスキルといえます。
銀行の法人営業であれば20代の頃から、さまざまな企業の経営者との商談も多く、学生の頃には経験しなかったようなコミュニケーション能力が試されます。内勤でも、新しい金融商品の開発や大規模なM&A取引では、異なる専門分野のメンバーと協力しながらプロジェクトを進めることも多いといえます。
多人数で一つのプロジェクトを進行させる場合、他者の意見を尊重しつつ自身のアイデアを効果的に伝え、共通の目標に向かって協力する能力が求められます。
4)高い倫理観があり誠実であること
金融業界で最も重視されるのが「倫理観」や「コンプライアンス順守」の精神です。顧客の利益と同じくらい、法律やコンプライアンスを最優先に考える必要があります。
資産運用を担当する場合は、会社の利益ばかりではなく、商品のデメリットも説明し、投資のリスクや手数料について正直に説明しなければいけません。
金融取引においては、インサイダー取引や市場操作といった不正行為が厳しく禁じられています。トレーダーや証券アナリストは、市場の公平性を保ちつつ、誠実かつ公正な行動が求められます。
5)向上心が高く学習意欲があること
新しい知識やスキルを習得する意欲が高い人は、金融業界でも重宝されるでしょう。金融業界は常に変化しており、新しい金融商品や規制、テクノロジーが次々と登場します。
例えば、フィンテック(※)の進展により、金融業界には「ブロックチェーン」「AI」「ビッグデータ分析」などの新技術が急速に導入されています。日々金融にまつわる技術が進化する中、金融業界で働く人には「技術的な知識をアップデートし続けること」が求められるでしょう。
※フィンテックとは
参考:日本銀行公式サイト「FinTech(フィンテック)とは何ですか?」
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金融業界でチェックしておきたい7つの業種
具体的に、金融業界にはどのような業種があるのか詳しく見ていきましょう。
銀行や証券会社などの代表的な業種とビジネスモデル、具体的な職種などもご紹介していきます。自分に合った業種をぜひチェックしてみてください。
1)メガバンク、地方銀行、信用金庫
金融業界の代表的な業種としては、「メガバンク、地方銀行、信用金庫」などの金融機関があります。
銀行や信用金庫には、全国展開しているメガバンクから、地元密着型の地方銀行や信用金庫まで、さまざまな規模のものがあります。都市部でなくても「地元の企業を応援したい」など、地域を問わず選択肢が多いのも金融機関の特徴です。
銀行のビジネスモデルは、預金を原資に個人や企業に融資を行い、預金利息と融資利息との差で収益を上げる仕組みです。投資信託など、資産運用商品の販売手数料が大きな収益源となっている銀行もあります。最近では不動産を仲介する金融機関も多く、この業種の仕事は多岐にわたります。
金融機関の代表的な職種は、「窓口業務」「セールス担当」「融資担当」「ファンドマネジャー」などです。
最近の金融機関を取り巻く環境は、異業種からの参入や少子高齢化、低金利政策の継続などにより目まぐるしく変化しています。一方で、銀行には個人や企業を支援する使命もあります。強い責任感や分析力などが求められる業種ですが、「誰かの役に立ちたい」「高度な分析力をビジネスの場で生かしたい」と思うなら、就職先の一つとして検討してみるとよいでしょう。
2)証券会社
証券会社は、株式や投資信託・債券などの取引を顧客に代わって行う業種です。株式売買だけではなく、資産運用のアドバイスやIPO(新規公開株)の引き受け、M&A(企業の合併・買収)のアドバイザリー業務なども行っています。
証券会社のおもな収益源は「手数料収入」です。株式売買や投資信託などの取引量が増えるほど、証券会社の収益は増加します。
証券会社には、「セールス担当」のほか、「インベストメント・バンキング」や「ファンドマネージャー」など、多岐にわたる職種があるのが特徴です。証券会社は、オンライン化が進んでいるほか、グローバル化に伴い国際取引の重要性も増しており、より専門的な知識が求められる業種の一つといえます。
3)クレジットカード会社、信販会社
クレジットカード会社や信販会社は、クレジットカードサービスや、信販ローンを提供する業種です。クレジットカード会社や信販会社は、加盟店や利用者からの手数料をおもな収益源としており、キャッシュレス決済が進むなか、ますます注目されている業種の一つといえます。
レジットカード会社の代表的な職種には「加盟店営業」「カスタマーサービス」「マーケティング」など、さまざまな分野があります。「クレジットカード」と聞くと、どうしても個人向けサービスをイメージしてしまいますが、法人サービスを提供するプロダクトマネジャーとして活躍する人もいます。また、他業種などとのコラボサービスを考える「ソリューション担当」など、興味深い仕事があるのもクレジットカード会社の特徴です。
4)消費者金融
消費者金融は、個人向けの小口融資を専門とする業種です。最近では銀行グループ傘下に入る大手消費者金融が多くなり、2010年の改正貸金業法施行後、銀行グループ傘下に入る大手消費者金融が多くなりました。
消費者金融は、顧客から得る金利手数料が大きな収益源です。最近ではアプリによる融資サービスなど、利便性を重視したサービス展開をしており、今後も将来性が期待できる業種といえます。
具体的な職種としては、「コールセンター」「マーケティング担当」「リスク管理者」、「企画開発」など多岐にわたるため、自分にあった職種を見つけやすいでしょう。
5)保険会社
保険会社は、生命保険や損害保険など、リスクヘッジのための保険商品を提供する業種です。
保険会社のビジネスモデルは、顧客から得る保険料収入と、支払保険料との差額で収益を得る仕組みです。保険会社は、個人だけではなく企業向けの商品も販売しているため、活躍できるステージも多岐にわたります。具体的な職種としては、「代理店営業」をはじめ、「マーケティング担当」「商品開発」などが挙げられます。
保険業界を取り巻く環境は、気候変動による自然災害や超高齢化社会への突入などを背景に激しく変化しており、今後ますます保険業界への注目度は高くなるでしょう。またオンラインで加入できる保険サービスも増えたため、Webマーケティングなどの分野で活躍できるチャンスがある業界ともいえます。
参考:一般社団法人生命保険協会「2023年度版生命保険の動向」
6)リース会社
リース会社は、企業や個人に対して設備機器や自動車などの資産を一定期間貸し出し、そのリース料で収益を得る業種です。大規模な設備投資でも、リースにすれば初期投資がほぼかからないため、大手企業はもちろん、中小企業やスタートアップ企業にとってもニーズの高い業種といえます。
リース会社は、グローバル化や技術革新・環境意識の高まりに伴い、さまざまな分野での需要が見込まれています。サブスクリプションが当たり前になってきたいま、従来の「所有」から「利用」へとユーザーの価値観も変わり、今後成長が期待される業種といえるでしょう。
代表的な職種としては「セールス」「資産管理」「マーケティング」「リスク管理」など幅広く、さまざまな経験ができる業種でもあります。
7)政府系金融機関
「日本政策金融公庫」に代表されるような政府系金融機関も金融業界の代表的な業種の一つです。
政府系金融機関は、政策で決められた目的を優先するため、利益追求よりも社会的な役割を果たすことに重点を置いています。民間の金融市場ではカバーし切れない分野や、特定の政策目的を達成するための金融サービスを提供することも多く、「社会貢献」という意味でもやりがいがある仕事に就けるのが特徴です。
代表的な職種としては「融資担当者」「リスク管理者」、「企画開発」などがあり、顧客も個人から法人、スタートアップ企業まで多岐にわたります。多様なキャリアパスが用意されている、注目したい業種の一つです。
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金融業界の代表的な職種と仕事内容
金融業界における代表的な職種や、具体的な仕事内容についても見ていきましょう。
金融業界には「法人営業・個人営業」に代表されるようなセールス業務、「証券アナリスト」や「ファンドマネジャー」のような投資分析や運用業務など、さまざまな仕事があります。
それぞれ、どんなやりがいがあるのかについてもご紹介していきますので、自分に合った職種かどうか一度チェックしてみてください。
個人営業・法人営業
「個人営業」は、銀行の預金商品や投資信託などを個人に提案し販売する仕事です。一方、「法人営業」は、運転資金や設備投資など企業向け融資を行い、時にはM&Aに関する業務などを担うこともあります。
個人営業では、顧客からライフプランに関する相談を受け、教育資金や老後の資産形成などのアドバイスをするケースも多くあります。自分が提案した運用計画や、販売した保険商品などが顧客にとってプラスになれば感謝されることも多く、やりがいを感じられるでしょう。
一方、法人営業は起業などに必要な資金調達、事業拡大のための融資など、重要な場面に関与できることも多くあります。自分が関わった企業が成長したり事業が成功したりすると、大きなやりがいを感じられます。
金融業界の営業職は、単に商品を販売するだけでなく、顧客の夢や目標を実現するためのコンサルタントとしての役割を果たします。どの業界でも、営業という職種には高いコミュニケーション能力や専門知識が必要不可欠です。「人と接することが好き」「相手のニーズを察知するのが上手」といった人なら、金融業界で活躍できるでしょう。
ファンドマネジャー
ファンドマネジャーは、顧客から預かった資産を、株式や債権・不動産などさまざまな分野に投資し、収益を最大化するのが仕事です。経済や市場の動向を分析し、的確な投資判断が求められるため、分析力と高い意思決定力が必要な仕事ともいえます。就職先は、銀行や証券会社などが選択肢となるでしょう。
ファンドマネジャーは、投資戦略が成功し、ファンドのパフォーマンスが向上したときにやりがいを感じられる仕事です。一方、予測し得ない経済環境の変化などが原因で、損失を出してしまうリスクもあり、常に緊張を強いられる職種でもあります。
ファンドマネジャーとして成功するには、経済や金融市場に関する専門知識や、冷静にリスクを見極められる洞察力が必要です。
金融業界でファンドマネジャーとして活躍したいなら、普段から金融や投資に関する知識を学びつつ、論理的思考能力や意思決定スキルを磨くとよいでしょう。
証券アナリスト
証券アナリストは、株式や債券など証券に関する分析を行い、投資判断のための情報を提供するのが仕事です。おもな就職先は証券会社となります。
証券アナリストが作成するレポートや投資判断は、多くの投資家が意思決定するうえで重要な情報です。市場の動向を予測し、投資家にとってプラスになれば大きな達成感を得られるでしょう。
証券アナリストは、単に数字を分析するだけが仕事ではありません。企業の財務状況、業界トレンドや競合分析、政治や経済のマクロ環境などの「多角的な視点」をもとにした分析力が求められます。
証券アナリストを目指したいなら、金融市場や経済学に関する知識はもちろん、財務分析に関するスキルを身につけておくとよいでしょう。論理的思考能力やコミュニケーションスキルも必要不可欠な能力です。
証券アナリストは、投資家に大きな影響を与える責任ある仕事です。しかし、その一方で「自分が金融市場を動かしている」醍醐味も味わえるため、緊張感がありながらも非常にやりがいを感じられる職種といえるでしょう。
ファイナンシャルアドバイザー
ファイナンシャルアドバイザーは、個人や企業の顧客に対して、資産運用や税務など金融アドバイスをするのが仕事です。
個人のライフステージの変化に応じ、お金のアドバイスをすることも多く、とても責任ある仕事といえます。
ファイナンシャルアドバイザーを目指したいなら、金融や経済に関する専門知識を身につけることが重要です。学生時代にFP2級などの資格を取得しておくのもよいでしょう。
これからの日本は高齢化や人口減少によって、経済成長を左右する労働・資本が減少し、経済成長が鈍化する可能性があります。そのため、ファイナンシャルアドバイザーに関する知識を持っておけば、保険会社や銀行など、さまざまな金融業界で活躍できるでしょう。
金融事務
金融事務は、金融機関で取引の記録や管理、決済業務や顧客情報管理などを行うのが仕事です。おもな就職先としては銀行のほか、証券会社やリース会社など数多くの選択肢があります。
金融事務はバックオフィスの業務で目立たない存在かもしれませんが、正確さや信頼性を何よりも重視する、金融機関においては欠かせない仕事です。最近では金融技術(フィンテック)の進化により、AIを活用した金融事務の仕事も増えてきました。業務を取り巻く環境の変化にも柔軟に対応できるスキルも必要になってくるでしょう。
「コツコツ仕事をするのが好き」「誰かの役に立つ仕事がしたい」という人なら、金融事務はとてもやりがいのある仕事といえます。
ディーラー
ディーラーは証券会社などに勤務し、金融市場で取引を行い、売買利益を出すのが仕事です。主な就職先は、銀行や証券会社となります。
ディーラーは世界経済を分析したり、企業の財務状況を判断したりと、高度な分析力を使って取引を成功させなければいけない責任の重い仕事です。
自分の分析や判断をもとに売買を行い、場合によっては一瞬にして億単位の利益を出せることも多く、非常にやりがいが大きい仕事ともいえます。
ディーラーを目指したいなら、金融関連の基礎知識を学んでおくのはもちろん、意思決定能力を高めたりリスク管理に関する知識を習得したりすることも必要です。
「自分自身が金融業界に向いているかわからない」と思う方は、25問の回答に答えるだけであなたのキャリアタイプが診断できる『キャリアタイプ診断』がオススメ!5分程度でサクッと分析ができるので、ぜひこちらもお試しください。その結果を見た企業から、あなたに合ったオファーを受け取ることができます。
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金融業界で必要とされる4つのスキルとは?
では「金融業界で働きたい」と思うなら、学生時代にどんな知識やスキルを身につけておくとよいのでしょうか?
金融業界で必要とされるのは、おもに次の4つの知識やスキルです。
- 一般的な金融知識
- ITスキル
- 課題解決力
- 営業力やネゴシエーション能力
1)一般的な金融知識
金融業界で働きたいなら、金融市場の仕組みや、財務分析など基本的な知識を学んでおくことはとても重要です。学生の頃から、金融や経済に関するニュースには興味を持っておくとよいでしょう。また、自分の将来設計などにも役に立つファイナンシャルプランナーの資格を取得しておくのもおすすめです
【学生時代にやっておきたいこと】
金融の基礎を学ぶ | 経済学や金融に関する講座を受講する |
財務会計の基礎を学ぶ | 企業の財務諸表を読み解く練習をする。興味のある企業の株式を取引してみるのも一つ |
ニュースに興味を持つ | 世界経済や株式ニュースなどに興味を持つ |
資格を取得する | FP資格などを取得しておく |
2)ITスキル
Microsoft Officeなどのツールを使えるようにしておくのはもちろん、データ分析やプログラミングに関するITスキルの習得も大切な取り組みです。
高度な業務を担いたいなら、データサイエンティスト(※)に関する講座で専門的な知識を蓄えておくのもよいでしょう。
※データサイエンティストとは……統計学やAIなどを活用し、膨大なデータを用いて企業の課題を解決に導いたり将来予測をしたりする人のこと
【学生時代にやっておきたいこと】
統計学を学ぶ | 大学の講座やオンライン学習の機会を通じ、統計学の基本やデータサイエンスの基礎を学ぶ |
企業情報をもとにシミュレーションしてみる | 企業の株価を予想するなど、自分なりにシミュレーションしてみる |
コミュニティに参加する | プログラミングやデータサイエンスに関するコミュニティに参加し、同じ目的を持った人と交流を深める |
3)課題解決力
金融業界で活躍するには、直面する複雑な課題を整理し、効果的な解決策を見つけ出す能力がとても重要です。
課題解決力を鍛えるには、分析力はもちろん、論理的思考や創造的思考を磨く必要があります。就職前に課題解決力を鍛えるのは難しいかもしれませんが、ケーススタディーなどで思考能力を鍛えるなど、学生時代から取り組めることはたくさんあります。
【学生時代にやっておきたいこと】
ケーススタディーで思考を鍛える | ケーススタディーについて書かれた書籍などを読み、論理的思考などを鍛える |
ディベートやディスカッションに参加する | 異なる意見を持つ人々とのディベートやディスカッションに積極的に参加し、思考力を鍛える |
異なる分野にも興味を持つ | アートや音楽・執筆など、創造的な活動に取り組んで創造的思考力を高める |
実生活でも常に課題解決する意識を持つ | 日常生活で直面する小さな課題についても、常に解決する癖をつける |
4)営業力やネゴシエーション能力
金融機関では、相手のニーズを素早く把握して提案する「営業力」や、交渉を有利に進める「ネゴシエーション能力」も必要です。
営業力やネゴシエーション能力は、個人営業や法人営業以外での職種でも必要なスキルといえます。顧客との接点がない職種でも、他部署に協力を仰いだり経営層に稟議を通したりするなど、どんな職種でもネゴシエーション能力は必要です。
【学生時代にやっておきたいこと】
コミュニケーションスキルを磨く | さまざまな場面でのコミュニケーション能力を高める。常に明確で説得力のある説明ができるよう心がける |
インターンシップやアルバイトで営業力を磨く | 店舗やサービス業などのアルバイトをしたりインターンシップに参加したりする。実際の顧客と接し、営業力やネゴシエーション能力を磨く |
私が働いていた居酒屋は個人経営のアットホームなお店だったので、常連のお客さまには積極的に話しかけ、気に入ってもらえるよう努めて行動していました。常連の方は、中高年の方も多かったのですが、物おじせず話しかけていたことで、結果的に仕事も進めやすくなったと感じます。
この経験は金融機関に入った後も、役立ちました。例えば、私が勤めていた会社の取引先はご担当者が50代・60代ということも多かったため、アルバイト当時を思い出し、積極的に話しかける努力をしました。そのかいもあって、かなりかわいがっていただき、自身の売り上げにもつながりました。
たかがアルバイトと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、お客さまとの向き合い方や自分自身の強みは社会人になってからも生かせますよ。
金融業界を深く知るために
金融業界は、銀行や証券会社に代表されるように、日本のみならず世界経済にとってなくてはならない業界の一つです。金融機関には、セールス部門やディーラー、証券アナリストなど、多くの活躍できるステージが用意されています。
金融業界での仕事は高度な専門知識が求められ、ときに大きなプレッシャーを抱える場面も多いでしょう。ただ、その一方で「経済を動かしている」と実感できるほど大きな仕事ができる業界でもあります。
金融業界での仕事に興味があるなら、ニュースなどに興味を持ったり最低限の金融知識を学んだりなど、いまからできる準備をしておくとよいでしょう。
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