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就活生必見!メーカー・製造業界の仕事内容や動向、トレンドを押さえよう

  • 業界・企業研究
  • 2019.09.05

テレビやスマホ、冷蔵庫に自動車など……私たちの周りにはさまざまなモノで溢れています。以前は高品質の象徴として「メイド・イン・ジャパン」のブランドは海外でも高く評価されていましたが、いまでは中国や韓国にやや押され気味……なんて印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

“日本のお家芸”とも評される製造業・メーカーにおける2019年の新卒採用人数は、前年比で10.2%増。依然として高い人気を誇っています。特に人気が高い企業として、トヨタ自動車株式会社、株式会社日立製作所、三菱電機株式会社、パナソニック株式会社など誰もが耳にしたことがあるビッグネームが並びます。

今回は製造業に焦点をあて、どのような業種があるのか、今後どのような展望が予想されるのかなど、業界の動向やトレンドを掴み、業界研究の深掘りをしていきましょう。

【目次】


製造業とは

製造業とは、製品を作り、それを販売する産業のことです。自動車や衣服、化粧品、食品など、製造業が扱う商品は多岐にわたります。製造業がなければ、現代の便利な生活は成り立たないといえるでしょう。

建設業も同じようにものを作る業界ですが、作ったものを地面に固定するかどうかという点が異なります。家やビル・橋など、主に地面の上に固定するものを作るのが建設業で、製品を固定しない・あるいは固定しても地面ではなく床面に設置するものを作るのが製造業になります。

他にも飲食サービス業は、レストランなどの飲食店では料理を作りますが、それと同時に客へのサービスも行うため、製造業とは異なります。つまり、ものを作り、それを販売するところまで担うのが製造業です。

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製造業には多くの魅力がある

経済規模が大きい

製造業が国内GDPに占める割合は、サービス業界に次いで2位、そして国内生産額は1位となっており、経済規模が極めて大きいのが特徴です。

やりがいを肌で感じやすい

ものづくりに携われる製造業では、身近なモノを生み出すことで社会の生活を変え、人々の生活を豊かにしているという実感を直接得やすいです。自分が作った製品を人々が使っている様子を日常的に見ることができるので、やりがいを感じやすい業種だといえるでしょう。

メーカーを志望する際は、誰に、どんなものを、どこまでつくるか、という軸で考えてみてもいいかもしれません。たとえば、「とことんいい素材をつくり、世界中の大手企業に提供して、広く大きな影響力で社会を変えたい」など、具体的なビジョンをもつと良いでしょう。

福利厚生が充実

福利厚生に力を入れている企業が多いことも製造業の特徴の1つです。ワークライフバランスに気を配り、ストレスを感じにくい職場環境の提供を心がけている企業が多いのです。作っている製品に興味がある人が集まる傾向にあるので、仲間意識が形成されやすいということも製造業の働きやすさの理由となっています。さらに、新人を一から教育してくれる場合が多いため、製造業では経験や学歴に関係なく活躍することができます。

製造業の業種の幅広さと特徴

製造業の分類

製造業をひと言でいえば、ずばり「モノをつくる業界」。原材料を調達し、加工する工程があれば製造業とみなされるため、みなさんのイメージも前述のメーカーから工場など幅広いイメージがあるのではないでしょうか。

実際に製造業の範囲は実に幅広く、つくる商品によって業種が分類されます。 総務省が定めた「日本標準産業分類」では、メーカー・製造業を24の種類に分類できます。

たとえば「輸送用機器」であれば、自動車や造船メーカー、「電気機器」は家電メーカーなどです。メーカーによっても、素材を提供している企業や、その素材から加工や組み立てを行う企業、自社で素材生産から加工まで行う企業など、様々です。

また、主に企業間で取引をする「BtoB(Business to Business)」企業と、一般の消費者に販売する目的で製造する「BtoC(Business to Consumer)」企業があります。お菓子を作っているメーカーは、BtoC企業ですが、そのお菓子メーカーのお菓子を入れる袋のためにBtoB企業の素材メーカーと取引をしている、ということが考えられます。メーカーは様々な企業同士が関わりあい、モノをつくっているのです。

企業規模も様々で、加工から組み立てまでの全工程を行う企業から一部の工程のみを行う企業があります。気になる企業があれば、どういった業種に属しているのか、調べてみましょう。反対に興味のある業種にどういう企業があるのかを調べてみるのも面白いかもしれません。

製造業の業種ごとの特徴

製造業には、医薬品、食品、電子部品などのさまざまな業種があり、業種ごとに異なった特徴が備わっています。

医薬品

医薬品関連の製造業では、主に研究開発に力が注がれています。新薬開発の規模は大きく、開発期間は10年以上、投資額は数百億円という製品も少なくありません。人の健康に直接貢献することができる分野なので、仕事のやりがいは大きいといえます。

食料品

食料品関連の製造業は人々の暮らしに最も近い分野です。食品工場では、衛生面に最大限の配慮をしながら、コンビニやスーパーに届ける食品を大量生産しています。人々の食生活を豊かにするために働けるのが、食料品を作る製造業の大きな魅力です。

電子部品

パソコンやスマートフォンなどの電子部品関連では、最先端の技術を活かして製品開発が行われています。人々のライフスタイルを変えるようなものの製造に携われることがやりがいだといえるでしょう。また、最先端のテクノロジーを仕事で利用することになるので、新しいものが好きな人にはぴったりの業種です。

製造業の仕事の流れ

それでは、製造業ではどういった仕事があるのか、どの部分に関わりたいのかを考えていきましょう。
もちろん、製造業ではすべての人が工場や研究室でモノをつくっているわけではありません。どんな製品をつくるか、市場調査、企画、素材調達、設計、製造、マーケティング、販売、運送まで、一連のサイクルが必要であり、どの工程も欠かすことができません。

製造段階はもちろんのこと、設計や営業、品質検査等のステップも非常に重要な役割を担います。製品の機能やコスト、安全面の問題など、社内だけでなく、製品をおろすクライアントと入念に協議を重ねていかなくてはなりません。

つまり製造の技術を持つ人だけを必要としているわけではなく、コスト管理や安全管理ができコミュニケーション能力のある人が求められますし、BtoC、BtoB問わず世の中でのニーズがある商品を生み出す必要があるためマーケティングも非常に重要な役目となります。またBtoCのヒット商品を生み出すには、広告の成否も大きく左右します。

「いま手元にあるこの製品が好き!でも文系の私がどう関われるかな?」と考えたときに、今の学びがいきる職種があるはずです。

製造業に向いている人材

協調性

製造業における業務の内容は多岐にわたりますが、チームで行う仕事も少なくありません。そのため、仕事仲間と適切にコミュニケーションをとりながら、お互いにミスをカバーし合う姿勢が求められます。特に、危険な現場で作業をするときは、声をかけ合って協力することが事故の防止にもつながります。

数字や細かい作業に苦手意識がない

担当する仕事にもよりますが、製造業では細かい数字や図面を確認することもあるでしょう。そうした確認作業を抵抗なくこなすことができ、重要なポイントを見落とさない人が製造業には向いています。同時に、工場での仕事は小さなミスが命取りになるので、仕事に集中できることも重要な資質の1つです。

製造業の現状と動向

全体的に改善傾向

2018年3月に経済産業省が発表した『製造業を巡る現状と政策課題』では、企業業績は改善傾向にあり、業況判断においても大企業・中小企業いずれも改善傾向にあるとの調査結果が出ています。就業者数は、2012年から2017年で251万人増。4年連続で賃上げの実績があり、2017年度の製造業の企業の経常利益は過去最高を記録しています。

工場労働者や高度技術者の人材不足は深刻な一方で、「新卒採用の強化」を掲げる企業がもっとも多くなっています。そのため、志望する会社がこれまでどういったプロジェクトに関わってきたのかなどの沿革を調べてみることも、企業研究で役立つポイントと言えるでしょう。

「第4次産業革命」と「Connected Industries」による業界変革

技術の急速的な発展と前述の「人材不足をどう解消するのか? 」という課題が伴い、製造業自体はいま大きな変革期に直面しています。 大きな変革の1つが「第4次産業革命」。IoT及びビッグデータ、並びにAIといった技術革新により、以下のようなことが可能になる、という概念です。

  • 大量生産・画一的サービス提供から個々にカスタマイズされた生産・サービスの提供
  • 既に存在している資源・資産の効率的な活用
  • AIやロボットによる、従来人間によって行われていた労働の補助・代替

「第4次産業革命」に伴い、主に大企業において、IT,IoT、ビッグデータ、AIなどを活用して生産性向上を狙う意向が強くなっています。そのようななかで注目されるキーワードが「Connected Industries」。日本が打ち出した戦略であり、定義は「様々な業種、企業、人、データ、機会がつながって、新たな価値や製品、サービスを創出して、生産性を向上する」というものです。

今後は製造業特有のオペレーションノウハウや管理能力に加え、ITやデータを読み解き、分析する能力や技術が必須になってくるでしょう

経済産業省『2018年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)』

内閣府『日本経済白書 第2章 新たな産業変化への対応(第1節)』

製造業界ではどんな志望動機を書けばいい?

製品をつくるだけでは成り立たなくなった時代。そのため、製造業界を志望する場合は、「製造段階のみにこだわるのではなく、その製品をどのように社会に発信していきたいのか」「製品が社会にどういった影響を与えるのか」といった広い視野を踏まえて、エントリーシートを記述するようにしましょう。

成長し続けている製造業界が人材を必要としている事実は間違いありませんが、“ただ製品が作れるだけ”というだけでは今後機械やAIに取って代わられる不安もあります。それだけ日本のものづくりを取り巻く環境は刻々と変化し続けているのです。今必要とされる製品を見極めながら、様々な方法で市場にアプローチしていくことのできる人材が求められているでしょう。

製造業界は人に寄り添い愛される“モノ”をつくる素敵な職業

業界そのものは東京オリンピックなどの影響もあり好況ですが、刻々と変化する時代の潮流に適応できるかどうか、が企業としても会社員個人としても課題となるでしょう。

しかし、これは逆にチャンスと捉えることも。これまで製造業は理系出身者が重きを置かれる業界と認識されがちでしたが、マーケティングや営業など文系出身者にも能力を発揮できるようになってきているといえるでしょう。

モノづくりには、たくさんの工程が存在し、すべての人が力を集約して取り組む必要があります。それぞれがプロの仕事をして、ユーザーに届ける。ユーザー一人ひとりの生活が変わることで社会も変わる。製造業界は、そんな身近なところから広く役に立つ業界です。興味をもったら普段気になっている商品や素材について調べてみましょう。

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