本コンテンツでは、外食業界の識者にインタビューを行い、「外食業界とは?」をはじめ、その仕組みやビジネスモデル、仕事内容ややりがい、気になる将来性などについて徹底解説!
時間のない方でもサクッと業界を理解することができますので、毎日少しずつ業界研究を進めましょう。
目次
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外食業界とは?
飲食業界には「外食」「内食」「中食」の3分野があります。
店舗に行って食事をすることを「外食」、自宅で調理して食べることを「内食」、弁当や総菜など家庭外で調理された食品を持ち帰って自宅で食べることを「中食(なかしょく)」と呼びます。外食業界は、こうした飲食業界全体のかなり大きな部分を占めています。
外食業界は、複数の店舗を展開する大手チェーンから個人オーナーが経営するものまで事業規模が大小さまざま存在します。また、提供する食事の内容(和洋中から無国籍、創作料理まで)、提供する時間の速さ(回転寿司、ハンバーガー、カレーなどファストフード店)、提供先である顧客層(家族対象のファミリーレストラン、成人対象の居酒屋など)というように、どんな飲食を、どのように、誰に提供するかで、さらなる分類が可能です。
このため全体像を把握するのが難しい業界といえるでしょう。外食業界は「食」という生活に密着している仕事なので常にニーズがあるのですが、参入が容易なだけに競争が激しく、淘汰のスピードが速いのも特徴です。
外食産業総合調査研究センターによれば、2021年の外食産業の市場規模推計値は、18兆2005億円。前年比30.7%もの減少となりました。この大幅な減少は、主に新型コロナウイルス感染症の影響から引き起こされたものです。
2023年5月からは行動制限措置が緩和されることからコロナ禍前に近づくことが期待されます。新型コロナウイルスの影響によって消費者の生活スタイルが変化し、さらにはIT技術の進化と普及により、飲食店のあり方も大きく変わろうとしています。(※)
(※)制作当時の2022年12月度の状況をもとにしています
外食業界のビジネスモデルや仕事内容
多様な外食業界ですが、ここでは6つの業態に分けて解説します。
テーブルレストラン
ファミリーレストラン、一般食堂、専門料理店など、店舗で飲食を提供するビジネスモデルです。店は食材を仕入れ、これを調理加工して料理として提供し、ホールスタッフがテーブルに行き注文を聞き配膳するテーブルサービス(接客)を行います。
居酒屋
主要メニューとして酒類とそれに伴う料理を提供する飲食店です。営業時間は、夕方から深夜までというところが多く、短時間営業で客単価も高い、高効率のビジネスモデルでしたが、コロナ禍では大打撃を受けました。このためランチ営業を始めたり、店内飲食だけでなくテイクアウトやフードデリバリーを導入したり、業態転換を図る店も増えています。
ファストフード
手軽な食事を、注文後、短時間で提供する店舗チェーンです。ハンバーガー、回転寿司、牛丼、立ち食いそば、フライドチキン、ドーナツ、サンドイッチなど、提供される食事は多様です。店舗内での飲食も持ち帰りも可能で、比較的安価なメニューを提供し、回転率が高いのが特徴です。
宅配系(弁当、ピザ、寿司)
自社で調理した料理を消費者に配達するビジネスモデルです。「料理・自炊するのが面倒・時間がない」「外食をするのが面倒・時間がない」という人々のニーズに応えて成長しています。特にコロナ禍以降、外出自粛やテレワークの拡大による「巣ごもり需要」を取り込んで普及が進みました。
フードデリバリーサービス
新型コロナウイルスの感染拡大によって、中食需要が高まったことで新たな業態としてフードデリバリーサービスの認知度が上がり、急激に伸長しました。
2021年には業界団体(一般社団法人日本フードデリバリーサービス協会「JaFDA」)も設立されています。フードデリバリーサービスとは、PCやスマートフォンを通じて、オンラインで注文を受け、料理を配達して手数料を得るビジネスモデルです。飲食店等の店員が配達するサービス(自店注文配達型)は従来から存在していましたが、フードデリバリーサービスは配達に特化したビジネスです。
飲食店・顧客・配達員をつなぐ宅配システムを構築した事業者(プラットフォーム事業者といいます)が、飲食店を集めて注文を取り次ぐ「マーケットプレイス型」、注文の取り次ぎに加えて配達も代行する「注文・配達代行型」のサービスがあり、その両者を兼ねる事業者もあります。
また注文・配達代行型には自社配達員が配達するもの、個人事業者等が配達するものがあります。こうしたプラットフォームの存在を前提に、デリバリーサービスに特化した「ゴーストレストラン」や「クラウドキッチン」と呼ばれる飲食店も登場しています。
カフェ
カフェ業界はお店から直接消費者に商品を販売するビジネスモデルが一般的です。その中でセルフサービスのチェーン、フルサービスのチェーンに大きく分かれます。
前者はスターバックスやドトール、後者はコメダ珈琲店、星乃珈琲店などです。近年はカフェを「第2のオフィス」として利用する人が増え、無料wi-fiやコンセントを整備する店への需要が高まっています。またコーヒーを低価格で提供するコンビニやマクドナルドなど他業種のライバル勢も台頭してきています。
外食業界に向いている人とは?
続いては… 「外食業界に向いている人は?」「外食業界で働くやりがいは?」など、皆さんが気になる質問に回答! 識者の方をはじめ、毎年多くの学生のキャリアカウンセリングを行い、累計20,000名以上の内定支援実績のあるdoda新卒エージェントのキャリアアドバイザーが、ズバリ本音でお答えします。 |
A.ズバリ!「食」と「人」が好きな人
「食」が好きな人。また、「人」と関わることが好きだったり、細かい気配りができたりする人が向いています。食という普遍的な価値を提供したいとか、日常の中に人々の笑顔をつくりたいとか、そういった動機を持って志望される方が多いですね。初対面でも笑顔で話せるという人には特にオススメの業界です。
A.相手のニーズをつかみ、臨機応変に対応できる人
人と関わる機会が多い業界のため、人と接することが好きという方にはオススメの業界です。現場でもバックオフィスにおいても、お客様のことを想像し、何が求められているのか考えて臨機応変に対応できる方は向いているでしょう。
外食業界のやりがい
A.お客様の喜びの声や、自分の挑戦がやりがい
弊社はフードビジネス業界ですが、自分の言動や頑張りが直接お客様からの反響につながる点がやりがいだと思います。
毎日、「ありがとう」「美味しかった」「また来るね」などと感謝の言葉をいただける仕事はこの業界ならではのやりがいです。また、変化の激しい業界ですので、それに対応するために常に新しいことにチャレンジしていく行動力が求められます。そうしたチャレンジを仲間と一致団結してやり遂げた結果、新しい変化を生み出せた時、そしてお客様から評価を得られた時のやりがいは大きいですね。
外食業界の現状と今後、気になる動向をチェック!
コロナ禍による世界的な家庭食の需要拡大や、新しい生活様式に対応してランチやテイクアウトに注力する業態の変更なども起こりました。直近の動向でいうと、物価上昇により国民の実質賃金は低下を続けており、外食需要にもその影響が出ています。またデリバリー需要が高まっていることも大きな変化です。
ただし、外食業界はそもそも変化の激しい世界です。新しいブームが来たかと思えばすぐ去っていったり、新規参入が多いため廃業も多かったりと、変化の幅も多様性に富んでいます。こうしたダイナミックな変化に対し、スピード感を持って対応できるかどうかが外食業界における勝負どころです。長年生き残ってきた外食企業は、市場(お客様)が求めているものが何かをいち早く察知し、それを自社のブランドや店舗運営の仕組み、メニューに落とし込んでいくことで、激しい変化の世界を勝ち抜いてきたということになります。
現在、外食業界にはさまざまな業態がひしめいていますが、それぞれが業態の垣根を越えて領域を広げつつあります。たとえば、外食レストランチェーンが「内食」需要を取り込むために冷凍食品を外販・通販したり、高齢化率の高い地域ではモーニング需要を狙ったり、フードデリバリーを展開したり、食材の調達・加工・物流まで業務領域を拡大したり……。刻々変化するニーズをビジネスチャンスと捉えて外食企業は変貌を繰り返しています。
この質問に回答して下さった方
人財本部 人財採用グループ 社員採用チーム リーダー
中西 匠氏
2002年新卒入社。ガストでアシスタントマネジャーとしてキャリアスタート。2年半でマネジャーとなり様々なタイプの店舗を経験し新店OPENのプロモート業務を担当。その後、エリアマネジャーを経て人財本部へ異動。制度企画の部門に従事したのち、社員採用へ。食の未来を共に創っていく仲間集めを継続中。
この質問に回答して下さった方
人財本部 人財採用グループ 社員採用チーム
尾崎 慎一郎氏
2006年新卒入社。現場でマネジャー、エリアマネジャーとして、マネジメント、マーケティング、教育研修、マネジメントなどの業務を経験。現在新卒採用担当として、新卒採用プロジェクト全体をリクルーターメンバーと一緒に構築運営している。
この質問に回答して下さった方
doda新卒事業本部 キャリアアドバイザー
石坂 政善氏
新卒でアパレル企業へ入社。店舗マネジャーを経て、ベネッセi-キャリアに転職。年間約600人の学生様と面談。文系学生様をメインで担当し、営業、販売サービス職やGE領域を得意領域とする。気持ちに寄り添った関係性や本音で話せるパートナーとして全力で学生様をサポートする。
※プロフィールは取材当時の内容です
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