本コンテンツでは、建設業界の識者にインタビューを行い、「建設業界とは?」をはじめ、現状や今後の動向、ビジネスモデルや仕組み、関連業界など、建設業界について徹底解説しています。
時間のない方でもサクッと業界を理解することができますので、毎日少しずつ業界研究を進めましょう。
目次
建設業界とは?
土地や建物、道路などの建設にたずさわるのが、建設業界です。建設業は住宅やビル、学校、工場などの建物を建築する「建築」と、道路やトンネル、橋、ダム、水道などのインフラ整備をおこなう「土木」とに大別されます。
建設業界と建築業界との違い
「建設業界」と「建築業界」は言葉や意味合いが似ているため、混乱しがちな2つではないでしょうか?
法律によると、建築は「建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。」(建築基準法 第二条十三)と定義されており、簡単にいうと家などを建てる一連の工程を指します。
一方、建設は、建物の建築だけでなく、土地の改良や造成をはじめ、橋や堤防、道路なども含めた建設を行う業界です。(参考:総務省|大分類D−建設業総説)
そのため、建設業界の中に建築業界は含まれる形となります。
建設業界の仕組みやビジネスモデル
建設業界は、「設計」「建設・施工」「流通(販売・賃貸)」「管理」などの分野に大別されます。主な業種を次に紹介します。
デベロッパー
デベロッパー(Developer)とは文字通り、マンションやビル、ときには街全体の不動産を「開発」する専門事業者をいいます。街の再開発事業、リゾート開発、大型商業ビルの開発、大規模な宅地造成、マンション開発などが代表的なビジネスです。
企画・開発から用地の仕入れ、広告宣伝、販売(あるいは賃貸)まで一貫しておこない、売却益もしくは利用料を得ます。デベロッパーには、特定ジャンルに特化した専門デベロッパーと複数のジャンルを幅広く扱う総合デベロッパーが存在します。
一般的にはデベロッパーが事業を主導する発注側で、ゼネコンが受注する側をいいますが、大手の企業になればなるほど対等に近い立場で共同開発をしている場合もあります。
ハウスメーカー
一般的に大手の住宅建設会社をハウス(住宅)メーカーと呼んでいます(「ハウスメーカー」の明確な定義はありません)。新しく住宅を建てて販売するだけではなく、リフォーム事業や賃貸事業などもおこなっています。
ゼネコン
ゼネコンとは「General Contractor:ゼネラル・コントラクター」の略称です。元請けとして発注者から工事一式を請け負う総合建設会社のことをいいます。中でも年間の単体売上高が1兆円を超える企業を「スーパーゼネコン」と呼びます。
ゼネコンの仕事は基本的に「施工管理」で、工事そのものは専門の業者に発注して、工事全体を取りまとめる役割を果たします。デベロッパーからの依頼を受けて、建築予算の見積もり、建築工事の進行をするケースもあります。
建設業界の市場規模
建設業の市場規模は約15兆円となっています。
建設業界は、橋や高速道路、鉄道などの大規模インフラの老朽化対策も社会課題になっていることに加え、大阪万博やリニア新幹線に関連した建設需要もあり、堅調に推移しています。
また、近年はリノベーション需要も高まっています。古い建築物の省エネ性能を高めたり、新しいセンスと技術でデザインや使い勝手を向上させたりすることで、市場価値を高め販売するビジネスも広がっています。
建設業界の関連業界について
建設業・不動産業と分ける場合もあれば、広義の不動産業に建設業を含む場合もあります。
ゼネコン、デベロッパー、工務店、住宅メーカー、ビル・マンション管理会社など、さまざまな業態、会社があります。ほかの業界と比べて、扱う商材やプロジェクトの規模が大きいという性質上、提案から受注までに数年を要することも珍しくないといった特徴があります。
建設業界の現状や今後の動向
コロナ禍も落ち着き、建設投資と新築住宅や省エネ住宅の着工が伸びています。一方で、資材高騰、職人不足、後継者不足といった課題も抱えています。人手不足は他の業界と同様ですが、年々就業者数が減少し続けるなか、職人など建設業従事者の高齢化が進んでいるのが特徴です。
すでに2021年度時点で「6人に1人が65歳以上」という状況で、“いかに次世代へ技術を受け継いでいくか”が建設業界の大きな課題となっています。
このため、業務をデジタル化して若い人材を惹きつける、生産性を上げるなどの対策で、業界の魅力度をアップする取り組みが進められています。
建設業界の職種
建設業界の仕事内容にはどのようなものがあるのか、具体的な業務内容をご紹介しましょう。
施工管理
施工管理は、建設工事全体の現場監督として、品質や安全管理、工程管理といった進行管理やチェックといった役割を担います。施主の要望を把握し、効率的かつスケジュールに沿った工程を進めることが求められる職種です。
これまでは管理して完成させることが業務範疇でしたが、これからは土地の取得をはじめ、設計計画の立案、施行・運営管理に至るまで、幅広い役割が求められます。また、現場監督という役割から、コミュニケーション能力やリーダーシップ力も必要とされます。
営業職
一般的に、建設業界の営業職というと住宅や商業施設といった建物の販売をイメージする方も多いでしょう。実際にはこの他にも、公共施設・建造物をはじめ、道路などに係る物品を販売することなども、営業の仕事に含まれます。
このような営業職に就きたいと考えているのであれば、長期的な視点や高額予算を取り扱う提案力、課題解決能力などが求められます。
運用・保守関連
取り扱う建設物にもよりますが、運用・保守、点検、補修といった専門的職種もあります。自社が取り扱う設備の点検や保全、不具合への対応など、その業務内容は多岐にわたります。
最初から専門的な知識を身に付けている学生は少ないことから、当人のやる気やポテンシャルといった観点を見られることが多いと言えます。
続いて、識者の方に“建設業界で働くやりがい”や“向いている人”など、現役大学生から挙がった学生の皆さんが気になる質問への回答をご紹介!
建設業界で働くやりがい
A. 建物など地図に残る大きなものづくりに関わること
自分が建設に関わったマンションや公園で人々が生活をしている様子を見ると、達成感や喜びを感じるという人が多いといえます。
また、「手に職がつく」――専門知識・スキル・資格などが身に付く点も魅力です。たとえば、国家資格の「施工管理技士」は1年半以上の実務経験があれば取得できます。
このように、20代で国家資格が取得できる点は大きな魅力ではないでしょうか。
建設業界に向いている人
A.ものづくりで社会を支えたい方が向いている
チームでものづくりがしたい方、社会や組織にとっての「縁の下の力持ち」のような存在になりたいと思っている方に向いています。また手に職をつけたい方や、体を使って仕事がしたいという方にもオススメです。
関連業界・不動産業界にまつわるQ&A
A.責任の大きさに比例してやりがいも大きい
成果に対しての評価が大きいことや、法律・金融知識などの専門性が身に付く点です。また、お客様の一生に一度の買い物に関われることも挙げられるでしょう。責任も大きいけれど、成約や家が完成した後の達成感、すなわちやりがいは大きいといえます。
このような建設業界である不動産関連業界に関する現状や今後の動向、仕組みやビジネスモデルをはじめ、「この業界だからこそ、求められる能力とは?」などの現役大学生から挙がったするどい質問に識者が回答!
この質問に回答して下さった方
doda新卒エージェント事業部
キャリアアドバイザー
青山 直徒氏
大学在学中に教員免許を取得。新卒で学校法人の広報職として、高校生向けのオープンキャンパスや進路アドバイス業務に従事する。転職後は、doda新卒エージェントとして文理問わず大学生・専門学校生様を担当。不動産・建築業界の営業職に関する知見や「企業選びの軸」を作ることを得意とする。
この質問に回答して下さった方
doda新卒エージェント事業部
キャリアアドバイザー
岩佐 優花氏
新卒で不動産会社へ入社。現在はキャリアアドバイザーとして、不動産領域だけでなく幅広い業界を担当。「こんなこと伝えて大丈夫かな?」と不安を持つ学生様に寄り添い、希望だけでなく不安についても丁寧にカウンセリングを実施。相互コミュニケーションを重視したキャリアアドバイスを行う。
※プロフィールは取材当時の内容です
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