プロフィール
企画名:「MONEY PLANTER(マネプラ)」
東京都立大学 経済経営学部 2年
吉良 元希 さん
※本記事は「[キャリアゲートウェイ powered by dodaキャンパス]ービジネスコンテスト2022」の受賞者インタビュー記事です。
本ビジネスコンテストは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。
「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(14組)、審査員特別賞(1組)の計17組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。
目次
興味のあったビジネスコンテスト
家計簿を出発点にビジネスを展開
――「キャリアゲートウェイ ビジネスコンテスト2022(ビジコン)」に出場したきっかけは?
以前から企画職に興味があって、モノを売ることや、売るモノをつくるということを勉強したいと思い、大学で経営学を学んでいます。将来的にはビジネスをやりたいという気持ちがありました。そんなとき「dodaキャンパス」からビジコン参加のオファーをいただき、興味があったビジネスコンテストに出場する良い機会だと思って参加を決めました。
――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。
「MONEY PLANTER」というアプリを考えました。端的にいうと※X2E(Xをして仮想通貨を稼ぐ)プロジェクトの家計簿版です。アプリ内の家計簿をつけることでポイントを稼ぎ、それを仮想通貨や株と交換ができるというものです。
具体的には、店のレジでアプリ内コードをスキャンすると、ポイントカード感覚で家計簿が記録されます。家計簿が記録されると、アプリ内の木に水をあげることができ、木が育つと独自ポイント「KINOMI」が実るという仕様です。ユーザーは実った「KINOMI」を各種ポイントや仮想通貨に交換することができます。
※X2E:「X to Earn」の略。Xという行為をすることで稼ぐという意味。
――アプリのビジネス化について具体的に教えてください。
日本では仮想通貨や投資の文化が浸透していないので、最初はポイントが貯まる家計簿アプリという名目で人々の認知度を高めていく狙いです。顧客はポイント目的でアプリを使うようになるので、その購買情報をデータ化して企業に売り、利益を上げていきます。ある程度の顧客をつけて基盤を整えたら、ポイントを株や仮想通貨に換えられる要素を加えます。この流れで顧客はいつの間にか仮想通貨ホルダーになっているというわけです。また育てた木を自由に売買できるNFTマーケットの活用展開も最終的な視野に入れています。
マネタイズを意識したゆえの仮想通貨アプリ
馴染みのない日本で普及させ、意識改革をしたい
――どのようにアプリのアイデアを考えたのですか?
時間が限られていたので、段階を踏んで考えました。SDGsアプリだとアプリの顧客に焦点を当てたものが多いですが、ビジネスモデルを考えるうえではお金をもらう企業のことも考えなければなりません。その点では仮想通貨は相性がよく、最も斬新だと思いました。ですが日本はまだ仮想通貨に心を開ききれていない風潮があります。そこで、仮想通貨を生活の一部に取り入れられる仕組みをつくろうと考えました。自分でするのは億劫だけど、報酬があるならやる気が出るもの。そういったものを選んだ結果、家計簿と仮想通貨を結びつけることにしました。
――仮想通貨が普及していない日本で、本アプリがもたらす効果はなんでしょうか?
国民の金融資産運用の理解を深めて、日本経済を好転させる足がかりにしたいです。現に日本は投資後進国と言われ、海外に比べて投資をしている人が少なく、その額も小さいです。これは胡散臭い、信頼できないなど投資のデメリットに目が向きがちであることと、そもそも投資に関する知識が少ないということが影響しています。
しかし、世界では想像以上に仮想通貨が普及しており、新時代のマーケットとして大きく注目されつつあります。こうした流れに乗るためにも、「MONEYPLANTER」で国民の仮想通貨保有率を上げることは大きな一歩になると思います。投資が多くなれば家計は上向き、企業も思い切った経営がしやすくなり、日本の景気好転に結びつくと思うんです。
発表で肝心なのはタイムマネジメント
わかりやすい資料と合わせることが大切
――ビジコンに参加してよかったことはなんですか?
大学とは別の場所で手づくりの資料でプレゼンをする機会が持てたことはよかったと思っています。自分の持っているアイデアを整理して世に出すことができたので、それがモチベーションにもなりました。
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今後似たような機会があるときは、今回の行動プロセスを指針にしていきたいですね。またアイデアを考えるうえでは、解決したいことを先に決めておくこと、お金をもらえる場所の起点を大切にすることが重要と学びました。この点も将来ビジネスをするときに役立てられると思います。
――反対に大変なことはありましたか?
今回は審査員の方も含め、そもそも仮想通貨の定義や中身を知らない人がたくさんいました。よってその辺りを制限時間内にどう噛み砕いて説明するかが大変でしたね。うれしくも企業賞をいただきましたが、時間をもっと上手に使えれば優勝できるポテンシャルはあったと思っています。仮想通貨を上手に短く説明して、発表時間内でどこまでわかりやすくアプリの必要性を伝えられるかが鍵だったと感じます。
――“伝える”ことをよく考えている印象を受けます。資料作りなどで意識したことはありますか?
見た人に根拠を提示できる資料を目指しました。自分のなかで仮想通貨は来ると思っていても、理屈で説明できないと相手も納得してくれません。目には見えないフワッとしたものを押し出すために、多くの人がこのアプリを求めている証拠を示そうと思いました。そのためにユーザーヒアリングを行なって、アプリの重要性を伝えましたね。また見た人の印象に残ることも大切だと思って、最初の予選で動画を提出しました。その方がアプリの魅力も伝わると思いましたし、審査員の方に強いインパクトを与えられたと思っています。
今度はチームを組んで
新たなコンテストに挑戦したい
――ビジコンでの経験をもとに、今後の目標はありますか?
何らかのビジネスコンテストにまた挑戦したいと思っています。今回、最終選考に残った参加者で4人組のところがあって、声を合わせて発表する姿が印象的だったんです。ひとりの方が上手くいくこともあると思いますが、次回は誰かと一緒にチームでやってみたいですね。ちょうど一緒にできそうな人を見つけたので、声をかけてみようと思っています。また参加前は企画職に興味がありましたが、コンサル職への興味も高まりました。広い視野をもって将来を考えていきたいです。
――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。
世の中のここを改善したいと思い描くことがあるなら、ぜひ参加してみるといいと思います。ただ伝えたいことがたくさんあっても、それを時間内に出せなければ意味がありません。自分の推したいポイントをしっかりまとめて、時間内に伝えきれるように頭のなかで準備できるといいと思います。
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