プロフィール
企画名:ゴミ分別・管理アプリ『t-rush(トラッシュ)』
近畿大学 総合社会学部 2年
冨田 桃菜 さん
大阪教育大学 教育学部 2年
西澤 さん
※本記事は「[キャリアゲートウェイ powered by dodaキャンパス]ービジネスコンテスト2022」の受賞者インタビュー記事です。
本ビジネスコンテストは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。
「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(14組)、審査員特別賞(1組)の計17組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。
目次
志望業界がまったく違うふたりで
SDGsアプリを考案
――「キャリアゲートウェイ ビジネスコンテスト2022(ビジコン)」に出場したきっかけは?
冨田さん:早い時期からさまざまな企業の方に会って自分に合う場所を見極めたいと思い、いくつか就活イベントに参加していました。そのひとつが大学1,2年生を対象としたキャリアイベント「キャリアゲートウェイ2022」でした。そこでビジコンの存在を知り、チャレンジすることに。客観的な視点がほしかったことと、チーム活動の経験を積みたかったので、高校時代からの友達である西澤さんを誘って参加することにしました。
西澤さん:私は将来教員になりたくて、今も教育大学で学んでいます。そのため就職活動について調べたこともなく、情報もまったく知りませんでした。そんなとき冨田さんからビジコンに出てみないかと声をかけられて……。ビジネスには親しんでこなかったので具体的なイメージはわきませんでしたが、それよりもSDGsアプリを提案するという内容が楽しそうに思えたんです。課題に取り組むことで何か将来につながるのではと可能性に期待して参加を決めました。
――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。
冨田さん:ゴミ分別・管理アプリである「t-rush(トラッシュ)」を考えました。ターゲットはひとり暮らしをしている大学生です。複雑で忘れがちなゴミ捨てを、ゴミ出しまで一括管理できる工夫を施しています。
具体的にはゴミの分別方法や手順についてワードまたはカメラ検索できる仕組みを搭載、地域ごとに応じた内容を提示します。また、スマートフォンにもとからあるカレンダーアプリと連動させ、ゴミの日の通知機能も考えました。これらによって個人の分別意識を高め、ゴミとして捨てられる資源を減らし、ゆくゆくはリサイクルの促進やゴミ排出量の削減を目指しています。
清掃アルバイトの経験をもとに
ゴミ分別アプリをビジネスへ
――このアプリを考えたきっかけはなんですか?
冨田さん:きっかけは私の清掃アルバイトの経験からです。ゴミ回収をしていると、ショッピングモールなのに家庭ごみが捨てられていることがよくあります。多くのスプレー缶がまとめられていたり、電池の塊が捨てられていたりと、いつも困っていました。こういう状況から正しいゴミの捨て方や分別が分かっていない人はきっと多いんだろうと感じていたんです。
現状分析を進めると、捨て方がわからないために分別しない人や逆に捨てないで家の中でゴミを保持している人もいると知りました。さらに調べると、こうした現状は地域ごとに異なる分別方法、情報が密集しすぎた分別ポスターに原因があることが見えてきました。そこで、地域に応じたゴミ出しを素早く簡単に管理できるアプリがあれば、多くの人の需要に寄り添えると思いました。
――今までビジネスについて考えた経験はありますか?
西澤さん:本格的なビジネスモデルを考えたことはふたりともありませんでした。だからこそアプリの経済面の構築に関しては、未熟さを感じた部分でもあります。ゼロから経済について勉強する時間はなかったので、メンターさんのサポートが何よりも助けになりました。参考になるウェブサイトを教えてもらって、それを読みながら見よう見まねで資料を作りましたね。さらに、アプリ開発を行っている企業に連絡を取って聞いてみるなどして、具体的な開発費の試算にもチャレンジしました。
ふたりだったからこそ
最後までやり遂げ、楽しさも見つけた
――ビジコンに参加してよかったことはありますか?
西澤さん:さまざまな視点からのアイディアに出会えてとても刺激になりました。最初は「SDGsアプリの提案」に対して単純に楽しそうという気持ちで参加しました。しかし、興味の域を超えて具体的なアプリの詳細までを考えるのがビジコンです。ビジネスモデルを考えるうえで、一緒にやっている冨田さんやメンターさん、時には企業の方からそれぞれの視点のアイディアをもらい、自分たちだけのオリジナルアプリを考えていくのは楽しかったです。
冨田さん:オリジナルアプリを考えるという点では、西澤さんと協力しながらできたので楽しかったですね。ほかにもアンケートや競合他社のレビュー分析なども経験して、私って企画や分析が好きなんだなと興味のある分野に気づけました。今までただ漠然と参加していた就職活動も、これからは業界を意識しながら自分とマッチする企業を探せるなと感じています。
――ひとりではなく、チームで参加したことはどうでしたか?
西澤さん:ふたりだったからこそ、最後まで諦めずにできたと思います。慣れていないことも多かったので、ひとりだと挫けてしまったかもしれません。でも冨田さんとチームになったことで、大変なことも一緒に乗り越えられたし、任せっきりにしちゃいけないと責任感も持てました。
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冨田さん:私もふたりだからやり遂げられたと思いますし、一緒に作業ができて単純に楽しかったですね。勉強との両立など大変なこともありましたが、企画やスライド作成などの共同作業に苦しさは全然なくて。むしろ西澤さんをビジコンに誘ったからこそ、何かしらの賞を取るぞとやる気を出してモチベーションにもなっていました。
何のためにアプリを使ってほしいのか
目的を軸に取捨選択した機能
――ビジコンに参加して大変だったことはありますか?
西澤さん:時間の余裕がなかなかありませんでした。私はアルバイトや教員免許の実習があったので、お互いの予定を合わせるのが大変で。割ける時間が大学生活に偏ってしまい、ビジコンの準備が中だるみになってしまうこともありました。また、アプリに搭載する機能の選定が難しかったです。例えば、捨てたゴミの量に応じて社会貢献の度合いを見せられる機能を付けたかったのですが、それを数値で表現するのが難しく……。やりたいことができないという葛藤がありましたね。
――そういう壁をどう乗り越えましたか?
冨田さん:予定が合わない時期は単純にお互いが忙しかったので、無理なく少しずつ作業を進めました。相手の負担が大きくならないよう責任感を持って取り組んだと思います。機能に関してはアプリのターゲットや目的を意識しました。「ひとり暮らしの大学生が効率よく必要な情報を得られる」という枠からズレるものは思い切って付けない。目的に沿って取捨選択をすれば、それだけ使いやすいアプリになると思いました。
参加して感じたことは
きっと将来のどこかで光るものになる
――ビジコンでの経験を今後どのように活かしていきたいですか?
冨田さん:ビジコンを通して好きな分野を見つけることができたのと同時に、自分がいかにビジネスのことを知らないかがわかりました。この気づきを将来の就職活動に活かしていきたいと思っています。私はこれまで部活動などを熱心に取り組んだ経験がなく、何かひとつのことにここまで取り組めたのは初めてのことでした。だから好きなことに没頭する感覚がわかったのは奇跡みたいな経験で……。その後もデータサイエンスを学べる講座に申し込んだりしています。今後も興味のあるものには積極的に参加していきたいと思っています。
西澤さん:私は将来教員になろうと思っていますが、教員としてのスキルのみならず、多方面の知識や経験をあらゆる場面で発揮できる先生になりたいです。そういった意味でビジネスに触れたという経験は将来に十分活かせると思っています。また何よりも、最後までやり通して企業賞をいただけたことが自信につながりました。今後何かに挑戦しようと思うとき、今回の経験が後押ししてくれると思います。
――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。
冨田さん:1・2年生の段階から何か行動しようと考えている時点で、すごいと思います。ビジコンは直接企業の方と交流できたり、手厚いメンターさんのサポートがついたりなどすばらしいイベントです。本気でやればやるほど一筋縄ではいかない壁にぶち当たるかもしれませんが、それを乗り越えた先に成長が待っています。ぜひそのときを目指して挑戦してほしいです。
西澤さん:少しでもやってみたいという想いがあるなら、参加することを強くおすすめします。ビジネスなんてまったく知らないけど、SDGsに興味がある……という人も全然問題ありません。悩みやわからないことが出てきたら、質問できる環境もしっかりあるので自分の気持ちを信じてみてください。応援しています!
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