プロフィール
企画名:「すべての学生が健康的に過ごせる環境づくり」
福山大学人間文化学部2年
桒原 華 さん
※本記事は「[キャリアゲートウェイ powered by dodaキャンパス]ービジネスコンテスト2022」の受賞者インタビュー記事です。
本ビジネスコンテストは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。
「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(14組)、審査員特別賞(1組)の計17組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。
目次
コロナ禍、ずっと家で過ごした日々。
新しいことへの挑戦がビジコンだった
――「キャリアゲートウェイ ビジネスコンテスト2022(ビジコン)」に出場したきっかけは?
新しいことへ挑戦するのにいい機会だと思ったからです。大学に入学してから、コロナ禍の影響で授業やイベントのすべてがオンラインで行われていました。そのせいもあって、毎日家で過ごすことが当たり前。オンラインで先生に質問できる機会もありましたが、大学生活に対するモチベーションが下がってしまったんです。
2年生になる頃、ふと入学後の1年間をふり返り、何も成長できていない自分に気づきました。そこで今年は何か身になることに挑戦しようと強く決意。ベネッセの採点アルバイトをしていたので、それをきっかけにビジコンの存在を知って興味を持ちました。資格の勉強も考えていましたが、それは大人になってからでもできます。でもビジコンは大学1・2年生が対象で、2年生の自分は最後の機会。どうせなら今しかできないことを選ぼうと、参加することを決めました。
――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。
大学生が健康的に生活できるよう、オンライン受診ができるアプリを考えました。これを使うことで医療に関心のある学生を増やし、彼らの健康状態や生活習慣病の改善に役立たせたいと思っています。具体的にはオンライン診療の予約から診察までを一貫する機能、食品や処方箋の宅配サービス、AI(人工知能)による24時間対応の相談機能、医療関連のコラムスペースを内蔵しています。
学生と病院の距離を縮めて
若者の健康意識を高めたい
――このアプリを考えるにあたって、着目した課題はなんですか?
「学生の健康意識の低下」と「若者の病院離れ」です。外食・コンビニ食の頻度の高さや睡眠不足といった生活習慣の乱れにより、若い世代の生活習慣病になるリスクは上がっています。その状況に対する危機感が低いことも相まって、たとえ体調不良でも病院に足を運ぶ学生は非常に少ないです。今はネットで簡単に情報が手に入るので、自分ひとりでなんとかしようと他人に頼らない学生も少なくないと思います。しかしネットは誤った医療情報が多くあふれており、そのまま信用するのは危険です。この現状を見て、自宅にいながらも医師に診断してもらえて、正しい情報を一括して得られるサービスが必要だと考えました。
また、ひとり暮らしの友人がコロナウイルスに感染してしまったことも大きかったです。自宅療養中で外に出られないなか、食事や薬の手配について自分ひとりでなんとかしなければならず大変だったといいます。発熱してつらいのは当の本人なのに、そんな状況で一から情報を探し出すのは気の毒だと思いました。また最近ではコロナ禍で家にいる時間が増え、孤立する学生も増えています。そこで、オンライン診療やコラムスペースに限らず、宅配サービスやAIによる相談窓口も設け、24時間いつでも頼りにできるアプリを目指しました。
初めてのビジネス構築。
大切なのは伝えたいことを見失わないこと
――企画を進めるなかで困難なことはありましたか?
アプリに関わるすべての人に対するメリット・デメリットを考えなくてはならないのが一番大変でした。申込時点では、「学生の健康意識を高めたい」という気持ちばかりが強かったんです。課題の存在をできるだけ多くの人にただ知ってほしいと思っていました。でもビジコンにおいては、実情や理想を語るだけでは相手も納得できません。どうしてアプリというかたちにするのか、誰がなぜお金を出すのか、サービスに持続性はあるのか、成功した場合の利益はどれくらいかなど、ビジネスとして成立させることが必要不可欠でした。私は大学で心理学を専攻しているので、そういった分野は専門外。一次選考の結果が出るまでは不安な気持ちでいっぱいでした。
――どうやってその場面を乗り越えましたか?
ビジコンから支給されていた資料があったので、それをもとに考えました。できあがったものは母や大学の先生に見てもらいながら、足りない部分を補強。金融の基礎知識がないのなら、もっと単純化して考えようとポジティブに思うようにしたんです。やはり私がプレゼンで伝えたいのは利益の大きさではなく、アプリで解決したい社会問題について。それだけにならないよう気をつけながら、なぜ学生の健康をアプリで守りたいのかを軸に伝えることが、何よりも大事だと信じて進めました。
企画の中身だけじゃない
プレゼン姿も見てくれたFB
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――ビジコンに参加してどんな反応がありましたか?
企業の方は企画に対する熱量を誉めてくださいました。具体的には92名の学生に行ったアプリのユーザー調査についてです。大学で同じ学科の1年生全員や同期、知り合いの先輩方に協力してもらってアンケートを実施しました。考案したアプリに対してどんな意見があるのか、想定のユーザーと同世代の人に聞けたのはとても参考になりました。ステークホルダーのメリットを考えるうえでも役立ち、より実現性の高いアプリに近づけられたと思います。また、コロナ禍を経験したからこそ発見できたコンセプトについても、その着眼点に評価をいただきました。
――ほかにも参考になった意見はありますか?
アプリの内容だけではなく、プレゼンについてもフィードバックをくれたのは印象的でした。私は多くの人前で発表するのが苦手で、話す言葉も原稿通りにしなきゃと型にハマりすぎていました。しかし、企業の方が「もっと自信を持って話すといいよ」と教えてくれたんです。その言葉で、原稿を正しく読み上げることより自分の伝えたいことをしっかり話すことのほうが大切だと気づきました。この学びはこれからの生活にも活かしたいと思っています。
出場して気づけた多様な視点
知識よりもやりたい気持ちが大切だった
――ビジコンでの経験を経て、今後の目標はありますか?
今回の出場を通して、柔軟な視点を持つことの大切さを学びました。たとえば食品ロスについてプレゼンを行ったチームが複数いたのですが、同じテーマなのに内容やターゲットが全然違っていたんです。同じ物事でも、捉える人によって感じ方が異なるのだと強く感じました。この気づきを大事に、今後は興味のあるものには固定観念にとらわれないでどんどん挑戦していきたいです。また、私は将来警察官になりたいのですが、ビジコンを通して企画の仕事にも興味を持ちました。将来の就職活動に向けて業界を絞らずに、さまざまな分野を調べてみたいと思っています。
――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。
挑戦してみたい思いが少しでもあるなら、手を伸ばしてみてください! 心理学科で学び、経済のことをまったく知らない私でも、丁寧なフィードバックをもらいながらなんとかかたちにすることができました。知識の壁は手ごわいようで、実は高いハードルではありません! やりたいという自分の思いを信じて、エントリーしてみてください。きっと忘れられない思い出になるはずです。
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