就活において、自己分析は非常に重要な取り組みだと言われています。しかし、「重要だと言われているから自己分析をする人」と、「明確な目的を持って自己分析をする人」では、得られる結果が大きく変わってきます。
今回は、就活生が自己分析をおこなう意味や、自己分析の方法、具体例などを解説していきます。これから自己分析をしようと思っている就活生や、どんな方法で自己分析をすればいいのか分からない就活生は、ぜひ参考にしてください!
目次
就活生が自己分析をおこなう目的と注意点

満足のいく就活ができるかどうかは、「いかに質の高い自己分析をできるか」にかかっていると言っても過言ではありません。そのくらい、自己分析は就活生にとって重要な取り組みです。
「なぜ重要なのか?」「なぜやるべきなのか?」ということを理解したうえで、自己分析に取り組むようにしてください。
就活生が自己分析をする目的は、大きく2つあります。一つは「就活の軸を明確にするため」で、もう一つは「自分のことを分かりやすく伝えるため」です。下記のStepで「自分」を企業にアピールできると良いでしょう。
- 自己分析で自分のこと(価値観、考え方、長所、短所など)を知る
- 就活の軸が明確になり、自分の価値観に合った企業を選べる
- 応募した企業に、自分の思いや強みを分かりやすく伝えられる(ESや面接における自己PRや志望動機など)
自己分析はいつまでにやればいい?
自己分析は「就活のファーストステップ」とも言える取り組みです。できるだけ早い段階でおこなうに越したことはありません。昨今は就活が早期化しているため、サマーインターンの選考前に自己分析をしておくとその後の就活をスムーズに進められると思います。
自己分析の簡単な方法

適性検査
適性検査とは、Web上でいくつかの質問に答えることで、性格や人間性、考え方などを分析してもらえるツールのこと。自分のパーソナリティを把握するのに役立ちます。簡単にできるので、時間がない就活生や、自分を客観視するのが苦手な就活生におすすめです。
dodaキャンパスの適性検査は会員登録するだけで受けられ、所要時間10分程度で、あなたのパーソナリティの特徴を把握できます。
また、dodaキャンパス会員限定で、自己分析をするときに押さえておきたいポイントが分かる「ワークシート」も利用できます。

自分史
自分史とは、文字どおり「自分の歴史」のこと。自分がこれまでの人生で何をしてきたか、何を考えていたかなどを書き出した自分史を作ることで、客観的に自分を見つめ直すことができ、自分の強みや弱みを再認識できます。
自分史は、これまでの人生で印象的な出来事があまり思い浮かばない人や、自分のことを人に話すのが苦手な人におすすめです。

●手順・やり方
① 小学校、中学校、高校、大学、現在と、時代ごとに区切った枠を作る。
② 枠のなかに、そのときの自分のことを書き出していく。
具体例:
・どんな出来事・エピソードがあったか?
・何に打ち込んでいたか?
・何が好き・嫌いだったのか? など
③ それぞれの出来事や事象に対して、「なぜ?」「何を得た?」という問いかけをして書き足していく。
マインドマップ
マインドマップは思考を具現化するための手法のことで、自分の頭の中にある思考をクモの巣状に広げて「地図」のようなものを作ります。マインドマップを作ることで、普段自分が「何を考え」「何を大切にして」「どんな原理で行動しているのか」といったことを、より明確にすることができます。
マインドマップは、自分の思考を整理したい人や、文章で表現するのが苦手な人におすすめです。

●手順・やり方
① 中心にテーマにするキーワードを書く(就活の自己分析であれば「自分」)。
② 中心に書いたテーマから放射線状に関連する言葉・イメージをつなげていく。
マインドマップの詳細は以下の記事で詳しく解説しています。
マインドマップで簡単に就活の自己分析を!書き方や項目、具体例を解説
ジョハリの窓
ジョハリの窓は、自分と他人の認識のズレを理解できる自己分析ツールです。「開放の窓」は、自己評価と他者評価が一致しているので、自己PRの材料として自信を持ってアピールできます。「盲点の窓」は、他者だけが気付いている自分の性質なので、「新たな自分」を見つけるきっかけになります。
ジョハリの窓は、自分のことを正しく理解できているか不安な人や、他人から自分の印象について意外なことを指摘されたことあるが人におすすめです。

●手順・やり方
① 性格や資質を表す要素をひと通り書き出す。
具体例:
几帳面、頑固、向上心がある、発想力がある、行動力がある、親切、リーダーシップがある、空気が読める、根性がある、責任感がある、自信家、真面目、慎重 など
② 友だちや家族、先輩などに、自分に当てはまるものを選んでもらう。
③ 自分で、自分に当てはまるものを選ぶ。
④ ジョハリの窓のフレームに②③の結果を書き出す。
ライフラインチャート
ライフラインチャートとは、過去の出来事や気持ちを可視化するためのツールです。成功体験や失敗経験に点数をつけてグラフ化し、「なぜ、モチベーションが上がったのか?」「なぜ、そう感じたのか?」といったことを分析することで、自分が楽しめる仕事や熱中できる仕事を見つけるのに役立ちます。
ライフラインチャートは、これまでの学生生活が平凡だったと感じている人におすすめです。

●手順・やり方
① 今までの出来事(成功体験や失敗体験)を書き出す。
② それぞれの出来事に対し直感的に点数をつける。
具体例:
・部活の大会で優勝した ⇒ プラス90点
・志望校に落ちた ⇒ マイナス70点
・生徒会長になった ⇒ プラス30点 など
③ それぞれの出来事の点数を線で結んで波グラフにする。
自己分析の深掘りの方法とコツ

自己分析の基本になるのは、自分のこれまでの人生に対して「なぜ?」を繰り返すこと。印象に残っている経験や、自分にとって大きな意思決定をした場面をピックアップして、「なぜ?」「何のために?」「何を得た?」といった問いかけをしてみましょう。これによって自分を深堀りすることができ、自分らしさが明確になっていきます。
アルバイトの経験を深堀りした例
アルバイト経験の例
大学生活では、パン屋で製造のバイトを頑張った。早朝5時半入りのハードな仕事だが、3年間欠勤することなく続けられた。
・なぜ、パン屋でバイトを?
そのお店のパンが好きだったから。
・なぜ、好き?
美味しいのはもちろん、食べると幸せな気持ちになれ、元気が出てくるから。
・なぜ、無欠勤で頑張れた?
自分の焼いたパンを毎日、焼き上がりの時間に買いに来てくれる人がいるのが励みになっていたから。
・なぜ、励みになった?
その人の生活の一部になれている気がしたから。
・バイトの経験からどんなことを得た?
お客さんにとって「なくなったら困る存在」になるのが、仕事の醍醐味だということに気付いた。
⇒ 深堀りの結果、「人の生活に密着した仕事」「企業や店舗のファンを育てる仕事」といった志向性が見えてきました。
部活/サークルの経験を深堀りした例
部活/サークル経験の例
高校時代、ラグビー部でキャプテンを務めた。チームワークの向上に取り組み、県大会ベスト4まで勝ち進むことができた。
・なぜ、チームワークの向上に取り組んだ?
プロの試合などで、チームが一体になることで信じられないくらいのパフォーマンスが生まれることを目の当たりにしていたから。
・どのようにチームワークを向上させた?
練習以外でもミーティングの時間を増やしたり、部員同士が一緒に過ごしたりする時間を増やした。また、何でも言える雰囲気づくりに努めた。
・なぜ、一緒に過ごす時間を増やした?
各部員の性格や特徴を理解することで、最適なポジション・役割を決められると思ったから。
・どのように雰囲気づくりをした?
自分のダメなところ、キャプテンとして足りないところを部員全員に言ってもらった。
・なぜ?
部員間の遠慮をなくしたかったから。
・なぜ?
変な遠慮があると、チームとして成長できるチャンスが失われてしまうと考えていたから。
⇒ 深堀りの結果、「チームワークが重視される仕事」への志向性や、「マネジメント職」への適性が見えてきました。
留学の経験を深堀りした例
留学経験の例
大学時代にアメリカに留学。留学先ではLGBTを支援するボランティア活動に参加した。
・なぜ、留学先にアメリカを選んだ?
いろんな国から、いろんな留学生が集まってくるから。
・なぜ、いろんな留学生が集まる国が良かった?
語学を学ぶだけでなく、様々な価値観や文化に触れたかったから。
・なぜ、LGBTを支援するボランティア活動に参加した?
日本にいるLGBTの友人から悩みを聞いており、比較的、LGBTフレンドリーなアメリカの状況を知ることで力になりたかったから。
・ボランティア活動からからどんなことを得た?
LGBTに限らず、様々な価値観を持つ人々が共存している会社で働きたいと思った。また将来は、いろんな人が共存できる多様性のある社会づくりに貢献したいと思った。
⇒ 深堀りの結果、「困っている人を助ける仕事」「多様性が受け入れられる企業」といった志向性が見えてきました。
ゼミ/研究室の経験を深堀りした例
ゼミ/研究室経験の例
大学ではマーケティングのゼミに入り、顧客の購買行動の研究に力を入れた。
・なぜ、マーケティングのゼミに入った?
選択肢が多様化するなか、どうしたら顧客を引きつけるかという手法に興味があったから。
・なぜ、興味があった?
マーケティングの知識がつけば、中小企業の力になれそうだと思ったから。
・なぜ、中小企業の力になりたい?
地元には中小企業が多いが経営難から事業を撤退する会社も多く、それが残念だと感じていたから。
・なぜ、残念に感じる?
子どもの頃に比べ、街全体に活気がなくなっているように感じるから。
・ゼミの活動からからどんなことを得た?
AIやビッグデータを活用したマーケティングには底知れない可能性がある。
⇒ 深堀りの結果、「地域創生の仕事」「中小企業を支援する仕事」という志向性が見えてきました。
自己分析から自己PR、志望動機を作成する方法

自己分析の結果を生かすことで、採用担当に響く自己PRや志望動機を作成することができます。
自己PRの例
私の長所は、チームワークの醸成が得意なことです。
高校時代はラグビー部のキャプテンとしてチームをまとめました。私がおこなったのは、「部員理解」と「何でも言える雰囲気づくり」です。仲間を知り、不要な垣根をなくすことで一体感が生まれ、チーム力が向上すると信じて取り組み、学校としては初の県大会ベスト4に進出することができました。
チームワークを重視してビジネスを拡大している御社で、私の長所を生かして、チームの潤滑油のような存在になりたいと思っています。
志望動機の例
私は、マーケティングの力で、中小企業にスポットを当てる仕事をしたいと思っています。
日本には優れた製品を持っている中小企業がたくさんあるのに、マーケティングのノウハウがないために製品が広く知られていません。このような中小企業の知名度を上げるには、マーケティングの力が欠かせません。
数あるマーケティング企業のなかでも、御社は中小企業にフォーカスした支援をおこなっています。御社でなら私の想いを実現できると思い、志望させていただきました。
自己分析のおすすめ本3選

『あなたが「一番輝く」仕事を見つける 最強の自己分析』
著者:梅田 幸子
出版社:KADOKAWA
自己分析の人気ロングセラー本。4,000人を面接した面接官が「自分を知るためにはどうすればいいのか」「自分をどのように分析すればいいのか」「面接官は何を求めているのか」を分かりやすく解説しています。
『絶対内定2021 自己分析とキャリアデザインの描き方』
著者:杉村 太郎、熊谷 智宏
出版社:ダイヤモンド社
11年連続大学生協1位。20年以上、就活本のロングセラーとなっている『絶対内定』シリーズの最新版。94のワークシートでやりたいことを明確にでき、将来のビジョンを視覚的に確認できます。
『受かる! 自己分析シート』
著者:田口 久人
出版社:日本実業出版社
41のワークシートで徹底的に自己分析し、自分をどのように企業に売り込むかの戦略を明確にできる本。自分の強みを洗い出すことができるので、ES・履歴書の作成はもちろん、面接でも大いに役立ちます。
まとめ

「いかに質の高い自己分析ができるか」によって、就活の成否は大きく変わってきます。自分らしく働ける企業を選ぶためにも、自分がその企業でどんな貢献ができるのかをアピールするためにも、就活序盤のうちにじっくりと自己分析に取り組みましょう。
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