これから就活を始める新卒の皆さんの中には、志望動機の書き方について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、企業は志望動機においてどのような点をチェックしているのか、志望動機の基本構成、書く際のコツについてご紹介します。具体的な例文もありますので、ぜひ参考にしてください。
目次
就活の志望動機を書く前に押さえたい2つのこと
1.就活の軸の明確化
志望動機を考える際に、最も重要なことは「就活の軸を明確にすること」です。就活の軸は、自分がどんな基準で企業を選ぶかを定める際に役立ちます。そのため、自己分析を通じて、下記の点を深く理解しておきましょう。
- 仕事を通してどのような価値を提供したいのか
- 企業に対してどのような事を望んでいるのか
例えば、社会的意義やスキルアップの機会、働き方など、何を重んじるかは人それぞれ異なります。就活の軸が明確であれば、「志望企業とのマッチ度」や「その企業を選んだ理由」について根拠を持って伝えることが可能です。
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2.企業の社風や事業内容の把握
企業は就活生が自社のどの点に興味を持ち、どのようなキャリアイメージを抱いているかを知りたいと考えています。
そのため、企業が展開する事業や社内文化を調査し、その内容に基づいて志望動機を明確にしておきましょう。
企業が志望動機で見ている4つのポイント
企業は志望動機を通じて、学生の志望度や自社との適性を確認しています。では、具体的にどういったところが見られているのでしょうか。
企業が志望動機で見ているポイントを4つお伝えするので、志望動機を作成する前に押さえておきましょう。
(1) なぜ自社を志望しているのか
企業は志望動機を通じて、その学生が「なぜ自社を志望しているのか」をチェックしています。「なぜ自社なのか」を説得力をもって伝えることができなければ、「他の企業でも良いのでは?」と思われかねません。
そのため、さまざまある企業の中で「なぜ他社ではなく、その企業なのか」という、理由を深掘りすることが大切です。
企業側のチェックポイント
- 企業独自の取り組みや特徴が含まれているか
- 単なる業界・業種への興味で応募していないか
- 競合他社や企業研究はできているか
(2) 応募者の志望度やモチベーションの高さ
企業は長く活躍してくれる人を採用したいと考えています。そのため、志望動機で「応募者の志望度やモチベーションの高さ」を見極めようとしています。
キャリアビジョンやその企業での将来の展望を具体的に示すことで、モチベーションの高さをアピールしましょう。
企業側のチェックポイント
- 複数の企業に当てはまる志望動機ではないか
- 自社のことをきちんと理解しているか
- 熱意や情熱は感じられるか
(3) 自社の求める人物像にマッチしているか
「自社の求める人物像にマッチしているか」も志望動機で見られるポイントです。
志望動機の内容がどれほど素晴らしくても、その企業が求める人物像にマッチしていない場合、採用に至らない可能性があります。そうならないために、企業についてしっかりと事前リサーチをおこないましょう。
企業を詳しく知ることで求める人物像がわかり、自分とその企業がどのようにマッチしているかをアピールすることが可能です。
また、自分がやりたいことが志望先企業で叶うのかもチェックされています。自分と企業の接点を探り、自分の能力やスキルをどう活かせるかを考えてみましょう。
企業側のチェックポイント
- 自己分析がきちんとできているか
- 自社の社風(カルチャー)とフィット感があるか
(4) 活躍してくれる可能性
入社後に「活躍してくれる可能性」もチェックしているポイントの1つです。企業にとって採用のゴールは優秀な人材を見つけることではなく、「入社後、活躍してくれるかどうか」です。
入社後に「その会社でやり遂げたいこと」や「将来のビジョン」を明確にして、志望動機におり込みましょう。
企業側のチェックポイント
- 入社後活躍してくれるポテンシャルはあるか
- 早期離職の可能性は低いか
志望動機で大切なのは、自己分析に基づいたあなたの強みやPRポイントが盛り込めているかどうかです。
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【新卒向け】 志望動機の基本構成
履歴書やエントリーシートの志望動機は、100〜300文字程度で求められることが一般的です。この文字数の中で、「その企業を志望する理由」について、熱意を持って説明する必要があります。
ではどういった流れで書けば熱意が伝わるのでしょうか?志望動機にはこれから説明する5つの項目を順に盛り込んでみてください。そうすれば前項で述べた企業が志望動機でみている4つのポイントをあなたらしい文章で伝えることができます。
1.「なぜ、その企業を志望するのか」という理由
まず、「なぜ同業他社でなくその企業を志望するのか」という理由について述べます。「私は〇〇という理由から、貴社を志望いたします。」などと始めると良いでしょう。
ここがあなたの志望理由の結論になるため、簡潔かつ、わかりやすい文章を心掛けてください。
新卒の就活生が志望理由に挙げる内容例一覧
- 就活の軸
- 業界・業種
- 事業内容や扱う商品
- 企業理念・経営戦略
- 経営者・人材
- 社風
これらを参考にして、自分が志望先企業のどこに魅力を感じるのかを書き出してみましょう。
2. 志望理由に繋がる具体的なエピソード
次に、志望動機に根拠や納得感を持たせるために、志望動機に繋がる具体的なエピソードを書きましょう。
エピソードとして挙げられる内容としては、「学生時代に頑張ったこと」などがあります。その他、「生まれ育った環境」や「幼少期から続けていること」について述べるのも一つです。
ただ、そのエピソードが志望動機に繋がっていなければいけません。たとえば、協調性を重視する社風に惹かれていることを志望理由とした場合、過去に協調性を発揮した経験を述べると説得力が増します。
具体的なエピソードとして挙げられる内容
- 大学のゼミ
- アルバイト
- 部活動・サークル活動
- ボランティア活動
- 留学
- インターン
- 生まれ育った環境
- 幼少期から続けている事
- その他(趣味、家族についてなど)
3. その体験で何を学んだか
具体的なエピソードを述べた後、「その体験で何を学んだか」を述べましょう。体験やエピソードからの学びを企業で再現できることを伝えると、企業側にあなたが入社した後に活躍するイメージをしてもらいやすくなります。
たとえば、接客のアルバイト経験について述べるのであれば、「コミュニケーション力を身に付けた」と言えるでしょう。
その他、経験から言えることは下記のようなものが考えられます。「体験から何を学んだことを、どう仕事で活かしていきたいのか」についてを伝えることが大切です。
- 接客のアルバイト⇔コミュニケーション力・責任感
- 部活動⇔協調性・チームワーク・リーダーシップ力
- ボランティア活動⇔社会貢献の重要性
4. 入社後、どのように活躍したいか
次に、「入社後、どのように活躍したいか」について述べましょう。
企業は志望動機を通して、あなたが入社後に活躍できるかを見ています。そのため、あなたが入社したら「どのように企業に貢献できるか」を盛り込みましょう。
また、「入社後どのように活躍したいか」という点は、体験やエピソードから学んだことにつなげると説得力が増します。例えば、コミュニケーション力についてエピソードを述べた場合、「入社後もコミュニケーション力を活かしてお客様一人ひとりと向き合いたい」と伝えると良いでしょう
企業を知り、どのような仕事で自分が活躍できそうかという視点で考えてみるとよいでしょう。
5. どのような社会人になりたいか
志望動機の最後は、「どのような社会人になりたいか」でまとめましょう。
将来なりたい像は志望企業で実現できることでなければいけません。企業研究などをもとにやりたい仕事をピックアップし、仕事を通して「どのような社会人になりたいか」を考えましょう。
なお、どのような社会人になりたいかを知るために、業界研究を行うことがおすすめです。どのような人の何を解決したいのか?といったビジネスモデルを理解し、自分自身がどう活躍したいかを描く際に役立ちます。
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新卒就活の志望動機を魅力的にするコツ
採用担当者は大量の志望動機に目を通さなければならないため、印象的かつ簡潔でわかりやすい文章が好まれます。そこで、志望動機を魅力的にするコツを3つご紹介します。
1.書き出しと締めくくりは簡潔にわかりやすく述べる
「書き出し」と「締めくくり」は、簡潔でわかりやすく述べることが、志望動機のポイントです。
書き出しは文章の第一印象に当たる部分とも言えます。端的でわかりやすい書き出しであれば、採用担当者に「読みたい」と感じてもらいやすくなるでしょう。
また、締めくくりは、最後に印象として残る箇所です。読み終わった後、採用担当者に入社後活躍するイメージを持ってもらえるよう「その企業でやり遂げたいこと」を、わかりやすく伝えましょう。
2.文章はPREP法を意識する
志望動機はPREP法を意識して書くようにしましょう。
PREP法とは、相手に「簡潔にわかりやすく伝える文章構成」のことで、以下の順に述べることから頭文字をとってそう呼ばれています。
PREP法
- Point :結論(なぜ志望したのか結論を述べる)
- Reason :理由(その企業を志望する理由を伝える)
- Example:具体例(具体的な理由やエピソードを提示する)
- Point :まとめ(入社意欲や入社後のビジョンを伝えてまとめる)
最初に結論を伝えることで、これから何について述べるのか、伝えることが可能です。続いて、その結論に至った理由と具体例を示し、最後に締めくくりとして再び結論を述べることで、簡潔にわかりやすく説明できます。
PREP法を用いることで、要点をスムーズに伝えられるため、志望動機作成時におすすめです。
3.ねじれや誤字脱字のない文章を作成する
志望動機を作成する際は、ねじれや誤字脱字のない文章を作成するようにしましょう。
「文章のねじれ」とは、主語と述語、論点と結論が噛み合わないなど、伝えたい事柄に対して異なる結論を述べることを指します。ねじれが生じると文章が読みにくくなります。
また、「誤字脱字」にも注意しましょう。誤字脱字が多くあると、読み手が読み解くのに時間がかかってしまい、相手に負担をかけてしまいます。さらに、ケアレスミスや注意力が欠如しているという印象を持たれかねないため、注意しましょう。
ねじれや誤字脱字を防ぐ方法
- 下書きをする
- 音読する
- 他の人にチェックしてもらう
- 誤字脱字チェックツールを使う
- 推敲する
ねじれや誤字脱字がないよう、丁寧に作成することを心がけましょう。
このような文章の作成に自信がないという方は、添削のプロから個別のフィードバックがもらえる『自己PR添削サービス』の活用がおすすめです。
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【NG例付き】新卒就活生必見! 志望動機の例文
ここまで、志望動機の構成や作成するコツを紹介してきました。とは言っても、就活を初めて行う新卒の方にとっては、実際にどう書けば良いかイメージが湧きにくいのではないでしょうか。
最後に、志望動機の例文をいくつかご紹介します。OK例文だけでなく、NG例文もあるので比較しながら参考にしてみましょう。
OK例文「コミュニケーション力を活かして、顧客満足度を高めたい」
イベントを通して顧客に感動を与えたいと思い、貴社を志望します。その中でも貴社は、常識にとらわれない新しいテクノロジーを活用したイベントの企画運営をされており、昨年の〇〇のイベントに感銘を受けました。
私自身、大学時代は文化祭運営サークルに所属し、文化祭の企画から運営まで実施。その際、イベントは決して一人の力では成し遂げられないことを痛感いたしました。多くの人を巻き込み、協力してもらうことで、5万人以上来場する文化祭を無事成功させることができたと考えています。
貴社に入社できれば、持ち前のコミュニケーション力で顧客のニーズを適切に汲み取り、顧客満足度を高められるよう努力いたします。
OK例文「少数精鋭メンバーの中で主体性を発揮したい」
私が貴社を志望する理由は、少数精鋭でありながらも日本のみならず世界で高く評価されている技術力を持ち、成長されているためです。
私は学生時代、野球部でマネージャーをしていました。決して強くないチームでしたが、部員一人ひとりと向き合い、それぞれに合った練習メニューを組み立てることで、地区大会優勝に貢献。その時に、個を大事にするチームは成長できるということを痛感いたしました。
貴社は業界新規参入ながら、シェアは業界第2位となっています。それは社員一人ひとりが一丸となり会社を作り上げる努力を重ねてきたからであると、先輩社員にお聞きし魅力を感じました。
そのような少数精鋭メンバーの中で主体性を発揮し、貴社のさらなる事業拡大に貢献していきたいです。
OK例文「切磋琢磨できる環境で働きたい」
私は、常に成績が具体的にわかり切磋琢磨できる環境で働き成長したく、貴社への入社を志望します。貴社の社員交流会にて〇〇様が「日次の朝会で目標数値と現状の数値をチームで確認し、業務を開始します。数値を皆で確認し合うことで、切磋琢磨できる同期や先輩、後輩が多く、互いを高め合える職場です。」という話に強く惹かれました。
私は、アパレルショップで販売員をしており、ノルマ達成を目指して働いています。ノルマは一人ひとりに割り振られているため、孤独さや辛さを感じる時もありました。しかし、同僚が一所懸命に接客している姿を見ていると、「私も負けていられない」とやる気に満ち溢れてきます。また、ノルマを達成できなかった日の帰り道に、同僚とご飯へ行き、次の日から切り替えて頑張ったこともありました。
私が成果を出すために必要な要素は、ライバルでもあり、支え合い高め合える仲間の存在だと考えています。そのような存在になり得る社員の方々がいて切磋琢磨できる環境がある貴社であれば、私はやりがいを持って働けると感じています。ぜひ貴社で、成果の出せる営業担当として貢献したいです。
OK例文「成果を中心に評価される環境で働きたい」
私は、成果を明確に評価する貴社に惹かれ、入社を志望いたします。 私は、電力会社で営業インターンとして、新契約の締結を目指して働いていました。当社は、成約数に応じたインセンティブが含まれる魅力的な給与形態でした。そのおかげで、私は通常のアルバイトより多くの給与をいただきました。最終的には、新メンバーのマネジメント担当に就任でき、多くのことを経験したと感じております。
また、私は成果を出す人が評価され、チャンスを与えられるべきだと考えています。年齢や経験など他にも大事な要素はありますが、売上に貢献できているかが最大の価値と考えるからです。貴社には、成果を正当に評価する環境があり、入社3年目でマネジャーへの昇格など実例もございます。私も、結果を出すことに集中し、入社年に関わらず貴社の更なる発展に貢献したいと考えています。
OK例文「新しいIT技術で課題を解決したい」
貴社が掲げる「AI技術を用いた課題解決」というビジョンに強く惹かれています。私は大学でAIの応用について学び、特に生成AIによる文章作成の可能性に興味を持って研究を行いました。具体的には、生成AIを利用したプレゼン資料の作成、過去の資料を学習させる方法の研究など、誰もが効率的にAIを活用できる方法の探求です。
貴社が開発している生成AIを用いた営業資料作成ソフトは、私が学んできたことを活かせると考えています。自らの研究経験を活かし、より多くの企業に適した形を追求し、サービスの発展に貢献いたします。また、当該ソフトだけでなく、今後の新しいアプリケーション開発にも携わり、AI技術を用いて多くの企業をサポートしたいと考えています。
NG例文「貴社の商品のファン」
私は「お洒落をすることで人に自信を与えたい」と思い、アパレル業界を志望いたします。その中でも貴社の商品は、流行に左右されないデザインかつ機能性も高く、幅広い年代の方に愛されています。
また、学生時代はアパレル業界で接客のアルバイトをしていました。その経験を活かし、大好きな貴社の商品を、より多くの方に広めたいと思い、貴社を志望いたします。
NG理由
- ただ会社や商品の好きなところをアピールするだけでは、志望動機として不十分
- 企業理念やビジョン、商品の特徴などを調べ、競合他社と比較した上で、魅力に感じたポイントを伝えることが大切
NG例文「貴社の安定性が魅力」
私は電機メーカーを志望いたします。その中でも貴社は長い歴史を持ちながらも、新しい製品を生み出しています。その安定性に魅力を感じています。
そんな新しいサービスを生み出すメンバーの一員として、長く働きたいと考えております。
NG理由
- 具体的なエピソードがなく説得力に欠ける
- 安定性のみを志望動機とした場合は、仕事への意欲や組織に貢献する姿勢が見えにくい
- 安定性を前面に押し出しすぎず、安定性を感じた部分を具体的に伝えたり、貢献できることも加えたりすることで、納得感のある文章になる
この記事のおさらい
志望動機は、就活において「なぜ、その企業に入社したいのか」を伝えるための重要項目です。そのため、企業研究や自己分析に時間をかけ、企業ごとにオリジナルの文章を書けるように準備しておきましょう。
また、志望動機は書類選考で記載して終わりではありません。面接に進んだ際も、ほとんどの企業で聞かれるテーマです。コツを押さえて、魅力的で説得力のある志望動機を作成しましょう。
本記事のおさらい
- 志望動機では「なぜその企業を志望しているか?」といった企業が見ている4つのポイントを押さえる
- 志望動機の根拠を交えるなど、5つの項目をベースに構成する
- 文章のねじれや簡潔に述べるなどの3つのコツを意識する
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