納得できる内定を獲得するには、自己理解を深めることが非常に重要です。しかし「自己分析の結果は、本当に周りから見えている自分と同じなのだろうか?」と悩む方も多いのではないでしょうか?
そんな時に役立つのが「他己分析」です。
この記事では、他己分析の実施方法や、すぐに使える質問例を紹介します。自己分析に悩んでいる方はぜひ検討してみましょう。
目次
他己分析とは?
他己分析とは、自分の性格や長所・短所を、他の人に確認して自分を分析する方法です。自己分析とは異なり主観が入らないため、より客観的視点で自己理解できる点が特徴です。
就職先を選ぶ上で、自分の強みや弱み、価値観を知ることは欠かせませんが、一人で考えていると、どうしても主観的で偏った見方になってしまうこともあります。そのため「自己分析」と「他己分析」を両方行うことで、深い自己理解につながるのです。
自己分析はモチベーショングラフや自分史などさまざまな手法があります。このような具体的な方法を知りたいという方は、以下の記事でやり方をチェックしてみてください。
他己分析をする3つのメリット

1.説得力を強化!客観的な視点で自分を分析できる
深く自己理解するには「どれだけ客観的に自分を見れるか」が大切です。
他己分析を行うと、他者から見た自分を知ることができ、客観的な視点が持てます。自己分析で見つけた強みと周囲の評価が一致すれば、自分の特性に確信が持て、就活における軸もブレにくくなるでしょう。
反対に、自己分析と異なる評価を受けた時は「知らなかった一面」に気付くチャンスです。認識のズレはネガティブに捉えず、「新しい発見」として前向きに捉えましょう。

2.自分の新たな一面に気付くきっかけとなる
「他人からどう見えているか」は、実は自分ではなかなかわからないものです。そのため、普段意識していない長所や短所に気付くことができるのは、他己分析の大きなメリットと言えます。
他己分析で気付く長所や短所の例
- 気にも留めていなかった行動が「周囲を明るくする存在」として評価されていた
- 「負けず嫌い」を長所と捉えていたが、周囲からは「頑固」と映っていた
他人の目を通して自分を見直すことで、新しい自分に気づくことがあります。
この“気づき”が、自己PRや志望動機をより魅力的に、深いものにしてくれるのです。
3.面接対策になる
他己分析は、内面だけでなく、外見や仕草など「自分では気づきにくい部分」の改善にも役立ちます。
面接では第一印象が非常に重要です。「早口」「笑顔が少ない」「姿勢が悪い」といった他人からの指摘があれば、あらかじめ意識して直すことで、印象が良くなるでしょう。
また、面接官も「第三者の視点」であなたを評価します。他己分析を通して、面接官の目線で自分を見る習慣を身につけておくと、より効果的な自己表現につながります。
周囲に他己分析をお願いできないという方は、ツールを活用するのも一つの手です。
dodaキャンパスの『自己分析サポートAI(β版)』では、AIが過去の経験からあなたの強みを導き出し、自己PRまで作成してくれます。自己PRをより魅力的に改善するためのアドバイスも一緒に教えてくれるので、ぜひ試してみてください。

たった4STEPでできる!他己分析のやり方と活かし方

他己分析は「誰に」「何を」聞くかが非常に大切です。ここでは、他己分析のやり方と生かし方について紹介します。
STEP1:他己分析を頼む相手を選ぶ
まずは他己分析をお願いする相手を選びましょう。できれば複数人に依頼するのがポイントです。多角的な意見をもらうことで、より客観性が増します。
初めての方は、家族や仲の良い友人など、話しやすく本音を伝えてくれそうな人から頼むとよいでしょう。
STEP2:質問内容をまとめて依頼する
相手が決まったら、次は「何を聞くか」を整理しましょう。
質問の「質」は、他己分析で得られる成果(自己理解の深化)に直結します。「私のことどう思う?」といった漠然とした質問では、表面的な回答しか得られない可能性が高くなるでしょう。次項で紹介する質問を参考に、具体的な質問を投げかけることがオススメです。
STEP3:自己分析の結果と比較する
意見が集まったら、必ず自己分析の結果と照らし合わせましょう。この比較が、自分の強み・弱み・パーソナリティをより鮮明にします。
- 結果が一致していた時
→強みや特徴を裏付けるエピソードを思い出し、自己PRや志望企業選びに活用する - 結果が異なっていた時
→違う結果になった原因を考え、再度自己分析を行う
自己分析・他己分析ともに1回で終わりではありません。繰り返すことで精度が高まり、深い自己理解へとつながります。
STEP4:自己PRや企業選びに生かす
最後に、分析から見えてきた自分の特徴を、就活にしっかり生かしましょう。
自己PRに採り入れれば、第三者の視点が加わることで、より説得力のある内容にブラッシュアップできます。また、自分の強みや大切にしたい価値観が明確になることで、企業選びの軸もはっきりしてきます。
その結果、選考で必ず聞かれる「志望動機」も、納得感のある、面接官に伝わりやすい内容に仕上げやすくなるのです。

即使える!相手別・他己分析に効くオススメ質問20選
他己分析では、質問の仕方によって得られる意見の深さが変わってきます。相手に合った質問を選ぶことで、自分の本質に近い意見を引き出すことができるでしょう。
ここでは、社会人・友人・家族など、相手の立場に応じたおすすめの質問例を紹介します。
社会人に聞くなら:OB・OG向けの質問例
OB・OGには、社会人の視点から見た「学生の自分」について質問してみましょう。学生の目線では気付かない自分の強みや社会で生かせる資質を教えてもらえるチャンスです。
オススメの質問
- 私と話していて特に印象に残ったことは?
- 他の学生と比べて、どんなタイプの人間に見えるか
- 私に社会人として求められる強みがあるとしたらどこか
- 逆に、社会に出る前に改善しておいた方が良いと思う点はあるか?
- 話し方や雰囲気で「ここはもったいない」と感じた部分は?
- 第一印象と、実際に話してみてからの印象の違いがあれば教えてください
- 学生時代のうちにもっと磨いた方が良い力はありますか?
友人に聞くなら:ゼミ・バイト仲間への質問例
友人やバイト仲間には、普段の自分をよく知っているからこそ聞ける、リアルな性格や行動の印象を尋ねてみましょう。普段の自分の振る舞いが、周囲にどんな印象を与えているかを知る手がかりになります。
オススメの質問
- 自分はどんな性格に見えている?
- 一緒にいて楽しいと感じる時はどんな時?
- グループ作業で私に任せたい役割は?
- 私の短所や改善した方がいいと思う部分はあるか
- 他の友達と比べて、変わっていると感じるポイントはあるか
- 一緒にいて活躍していると思うシーンは?
- 外から見て、私が辛そう・嫌そうにしているのはどんな時か?
家族に聞くなら:家族や親族向けの質問例
家族や親族は、幼少期から自分を見ており、最も自分を知っている存在です。成長の過程で変化した特徴や、ずっと変わらない性格などについて質問してみましょう。
オススメの質問
- 小さいころから変わらない特徴は何?
- 家の中ではどんな役割を担っている?
- 家族から見た私の一番の長所と短所は?
- 子どもの頃と比べて変化した性格とタイミングを教えて。
- 昔から今までで一番「成長したな」と感じたのはどんなところ?
- 期待していることや伸ばしてほしいことは?
他己分析で見落としがちな3つの重要ポイント
1.よく知る人×少し知る人、両方に聞くと気付きが広がる
他己分析の魅力は、客観的な視点を得られること。
そのため、質問する相手は「自分をよく知る人」と「深く知らない人」の両方がいると、視界がぐっと広がります。
自分を深く知らない相手の例
- バイト先の同僚
- 仲の良い友人、サークルの仲間
- 恋人
自分をよく知る相手の例
- 家族、親戚
- キャリアセンターの職員
- 大学の教授
2.遠慮ナシの本音を引き出すには「目的説明」がカギ
親しい人ほど「傷つけたくない」という思いから本音を控えてしまうことがあります。そこで大事になるのが「なぜ意見を聞きたいか」をしっかり伝えること。
例えば「就活で使う自己PRを考えていて率直な意見が欲しい」と前置きするだけで、回答する相手の意識は大きく変わるでしょう。
3.曖昧NG!質問は具体的&「なぜ?」で深掘りを
「私のことをどう思う?」といった漠然とした質問では、相手は何を答えればよいか困ってしまいます。質問は可能な限り具体的に、詳しく聞きましょう。
そして、答えをもらったら必ず「なぜそう思ったのか?」を深堀し、具体的なエピソードも聞いてください。自分の納得感も上がり、エントリーシートや面接で使える材料にもなるでしょう。

他己分析に関するよくある質問
ここでは、他己分析における就活生からの「よくある質問」について、回答します。
他己分析はいつから始める?
就活準備の初期「自己分析を始めて少し経った頃」がオススメ。自己分析だけを進めていると、どうしても主観的になりがちです。早めに他己分析を取り入れることで「自分では気付かなかった強み・弱み」に気付くことができるでしょう。
他己分析は本当に意味がある?
あります。自己分析の質と説得力を一段引き上げるのが他己分析です。他己分析をすることで、下記の効果に期待できます。
- 強み・弱みの客観的裏付けがとれる
- 自分では気づけなかった魅力や課題が見える
- ・自己PRに説得力が生まれる
他己分析を頼まれたらどうする?
快く受け入れ、率直かつ具体的に答えてあげましょう。就活用の他己分析は相手にとって重要な自己理解の材料になります。
強みは具体的な行動やエピソードと一緒に伝え、弱みは具体的な改善点を添えて前向きな言葉で伝えることがオススメです。他者の他己分析に本気で向き合うことで、自分が頼む時も正直に回答してくれるでしょう。
周りの人の力を借りて、内定を獲得しよう!
自分のことを聞くのは恥ずかしいかもしれませんが、他己分析は、自己理解を深める非常に重要な手法です。内定獲得に向けてぜひ活用してみて下さい。
本記事のまとめ
- 他己分析により、自分が気付いていなかった一面の発見や、自己PRの説得力を高める効果に期待できる
- 他己分析を行う際は「誰に」「何を」聞くか考え、自己分析の結果と比較することが大切
- 他己分析は聞く相手によって適した質問が異なる
- できるだけ幅広い人に、目的を伝えて質問する
無料
- ▼ 自己分析に役立つ適性検査(GPS)
- ▼ 自己PR添削
関連記事