この記事では、就活で使える自己分析シートのテンプレートや書き方のコツを解説しています。代表的な7つの自己分析ツールの使い方もご紹介しますので、自分の強みや弱みを分析し業界や企業選びの参考にしましょう。
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目次
自己分析シートとは?
自己分析シートとは、自分の経験や得意なことなどを書き出し、自分の強みや弱み・将来のキャリアビジョンなどを整理するシートのことです。 手順に沿ってシートへ記入することで、客観的に自己分析を行うことができます。
また、紙に書き出して自己分析をすると、自分が気づいていなかった強みを発見できることも多いでしょう。
自己分析シートを上手く活用すれば、就活の軸を決めたり自分に合った業界や企業を絞り込んだりするときにも役立ちます。
代表的な自己分析シート7選
就活で使える自己分析ツールを7つご紹介します。
「自分の特長や得意なことを分析するシート」や「過去の自分を振り返って強みを見つけるシート」など、さまざまな種類があります。
手軽に始められそうなものから取り組んでみましょう。
就活に使える自己分析シート
- 厚生労働省推奨自己分析シート
- 自分史
- ライフラインチャート
- マインドマップ
- Will/Can/Mustフレームワーク
- ライフプランニングシート
- ジョハリの窓
1.厚生労働省推奨自己分析シート
「自己分析って何から始めれば良いの?」という方は、厚生労働省ホームページに掲載されている「自己分析シート」を活用しましょう。
厚生労働省の自己分析シートは、このあとご紹介する自分史やWill/Can/Mustフレームワークなどを総合的に網羅した内容になっています。自分が得意なことや性格、過去の成功体験や失敗体験を整理していくことで、自分のアピールポイントが見えてきます。
厚生労働省ホームページには書き方のテンプレもありますので、ぜひ活用しましょう。
2.自分史
自分史とは、自分の過去から今までの出来事を年表に書き出し、まとめたものです。
小学校から大学時代に分けて、頑張ったことや出来事を書き出していき、その背景なども深掘りしましょう。完成した自分史を見ると、ずっと変わっていない価値観や途中で変化した価値観などがわかります。
変わっていない価値観は、今後も揺るがない自分の本質的な部分です。本質的な部分が整理できたら、その内容を就活の軸にすることもできます。
一方、途中で変わった価値観については、何がきっかけで変わったのか深掘りしてみましょう。出会った人や出来事で自分の考えが変わったのなら、自分が影響を受けやすいタイミングや環境などが見えてきます。「〇〇な環境に身を置けば向上できるかも?」といったこともわかるでしょう。
詳しい自分史の作り方やテンプレートなどは、以下の記事でも紹介しています。自分史を作成する際はぜひ参考にしてくださいね。
【完全版】自己分析のやり方10選!自分に合う分析や志望動機への活かし方がわかる
3.ライフラインチャート(※モチベーショングラフ)
ライフラインチャート(別名:モチベーショングラフ)とは、自分のモチベーションを曲線グラフで表したものです。
自分史と同様に小学校から大学時代で区分分けし、勉強や部活などで打ち込んだことや悔しかったことなど、過去の出来事を書き起こしましょう。出来事を整理できたら、その時の感情を深掘りし、モチベーションを数値化してグラフを描きます。
ライフラインチャートを作れば、「自分がどのような場面でやる気を出しやすいのか?」「不安を感じやすいのか?」などが見えてきます。自分なりのモチベーション管理方法がわかるため、就活中や就職したあとのセルフマネジメントにも役立つでしょう。
ライフラインチャートについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
4.マインドマップ
マインドマップとは、自分の思考を深掘りして整理していくツールです。
マインドマップ使って自己分析をする際は、まず中心に「自分」と書きます。そこから、「好きなこと」「苦手なこと」「得意なこと」など、テーマを書き出して放射線状に広げていきましょう。各テーマから連想される単語を軸に「なぜ?」などを繰り返していくと、本質が見えてきます。
例えば、人前で話すのが得意なら、そこから「なぜ?」を3回繰り返してみましょう。そうすると「事前の準備を怠らないから」→「恥をかきたくないから」→「負けず嫌いだから」と自分の本質が見えてきます。
マインドマップの作り方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
マインドマップ自己分析のやり方を徹底解説【就活生必見!例付き】
5.Will/Can/Mustフレームワーク
Will/Can/Mustは、「Will:自分のやりたいこと」「Can:できること」「Must:求められていること」の3つを整理し、仕事やキャリアに関する軸を見いだすフレームワークです。
キャリアデザインを考えるときに使われることも多く、3つのポイントが重なった部分を軸に目標を定めると、歩むべき方向性が見えてきます。
例えば「Will:社会貢献がやりたい」「Can:地域貢献に関する知見がある」「Must:教育課題の対策が求められている」と整理していくと、教育や官公庁などの業界を視野に入れると良いかもしれません。
Will/Can/Mustフレームワークは、就活のミスマッチも防ぐことができます。「やりたいこと」や「できること」だけでなく、「企業や社会が求めていること」や「やるべきこと」が明確になるため、就活の軸や志望動機の整理にも役立つでしょう。
下記の記事では、Will/Can/Mustについてさらに詳しく解説しています。
【記入シート例付き】悩める就活生必見!自己分析は「WILL、CAN、MUST」の3軸から考えよう
6.ライフプランニングシート
ライフプランニングシートは、3年後、10年後、15年後といった中長期のスパンで人生計画を考えるツールです。
人生計画を考える時は、まず自分のやりたいことを洗い出します。仕事に関係のない内容でも構いません。次に書き出した内容を実現させるために必要なことをリサーチしていきましょう。仕事や資格、趣味、家族などの項目に分けて書くと整理しやすくなります。
中長期的な人生計画を立てることで「学生時代に何をすべきか?」「どのような業界や企業を選んで夢を実現させるのか?」といったことも見えてくるでしょう。
ライフプランニングシートの詳しい活用方法は、下記の記事でも詳しく解説しています。
やりたいことが見つからない?人生計画を立てて、なりたい自分像を見つけよう
7.ジョハリの窓
ジョハリの窓は、「自分と他人が気づいていること」や「他人だけが気づいていること」を整理し、新たな強みや弱みを見つけていくフレームワークのことです。
自分も他人も気づいている部分の強みは、就活の自己アピールにも使える内容で、企業選びの軸にもできます。一方、自他ともに認める弱みがあるなら、改善目標を立てていくと良いでしょう。
自分も他人も気づいていない盲点や、将来伸ばせるかもしれない新しい領域が見つかったなら、どの強みを磨いていくのか考えるのもおすすめです。
ジョハリの窓の使い方については、下記記事でも詳しく解説しています。
【完全版】自己分析のやり方10選!自分に合う分析や志望動機への活かし方がわかる
自己分析シートのメリット
自己分析シートのメリットについて、再度整理しておきましょう。
「自分のことは分析しなくてもわかっている」と思う方もいるでしょう。しかし、経験の洗い出しなどを通して改めて自分の強みを認識し、適性のある企業や仕事選びにも役立ちます。
メリット1:自分の強みや長所を把握する
自己分析シートを使って自分の過去を振り返ると、自分の強みや長所をより把握しやすくなります。すでに自分の強み・長所がわかっていても、改めて自己分析を行うことで意外な自分の強みを発見できるでしょう。
自分の長所をしっかり把握できると、志望動機や自己PRにも説得力が増します。
メリット2:適性のある企業や仕事選びに役立つ
自己分析は、適性のある企業や仕事を選ぶときにも役立つでしょう。
自己分析ができていないと、理想と現実との差が生まれたり入社後にミスマッチが生じたりする可能性が高くなります。
自己分析シートを活用すると客観的に自己分析しやすくなるため、自分に合った業界や業種を選びやすくなるでしょう。志望動機に自分の適性や志向を明確に盛り込むことで、入社後のキャリアビジョンについてもアピールしやすくなります。
自己分析シートの書き方
自己分析シートを書くときは、下記4つのステップに沿って考えを整理していきましょう。
- STEP1:過去の経験を事実ベースで多く書き起こす
- STEP2:「なぜ」を繰り返して自分の考えを深掘りする
- STEP3:複数エピソードに共通する強みなどを見つける
- STEP4:自分が将来どうなりたいか就活の軸を定める
STEP1:過去の経験を事実ベースで多く書き起こす
はじめに、過去の経験を事実ベースで多く書き起こしましょう。
就活とは関係なさそうなことでも、多く書き出すうちに自分が気づいていない部分が見えてくることがあります。印象的な出来事があったときの感情をメモしておくと、より深く自己分析ができるでしょう。
書き出す内容は、あくまで事実のみです。謙遜し過ぎたり、逆に誇張し過ぎたりすると自分の強みを見逃すことになりかねません。 就活の軸も定めにくくなるため、単純に事実のみを書き出しましょう。
何を書けば良いかわからない場合は、下記の関連記事も参考にしましょう。自己分析する上で有効な「自分への質問」の例が90個載っています。
STEP2:「なぜ」を繰り返して自分の考えを深掘りする
事実や当時の感情を書き出したら、それぞれの出来事について「なぜ」を繰り返し、行動や感情の源となる価値観を探します。
例として「大学の部活動で部長を務めた」という出来事から、「なぜ」を繰り返してみましょう。
- なぜ部長を務めた?→ 自分で立候補したから
- なぜ?→ 自分が一番リーダーシップがあると思ったから
- なぜ?→ 昔からリーダーをすることが多かったから
- なぜ?→ 子供の頃、目立ちたがり屋だったから
- なぜ?→ 目立って良いことをすると褒められるのが嬉しかったから
”なぜ”を繰り返すと「褒められて伸びる」、つまり「成果を正当に評価してくれる環境でモチベーションが上がる性格」と自己分析できます。
STEP3:複数エピソードに共通する強みなどを見つける
次に深掘りした複数のエピソードから、共通点を探してみましょう。
一見、関連性がないような行動でも、自分を駆り立てた原動力や価値観など、その行動をとった際の強みが同じである可能性があります。
例えば、下記のような分析ができるでしょう。
- 野球部でマネージャーを努めた→サポートすることにやりがいを見つけたから
- 高校では生徒会長に立候補した→みんなの役に立ちたいと思ったから
- ピザ店のアルバイト時代、積極的に業務改善提案をし一部が採用された→課題解決が得意だから
違ったエピソードでも共通点を探していくと、「他人に貢献したい」「課題解決が得意」という共通した強みが見えてくることがあります。
STEP4:自分が将来どうなりたいか就活の軸を定める
強みを整理できれば、自分の能力を生かせる業界や職種を絞り込めるようになります。また、ESを書くときや面接時でも必ず聞かれるアピールポイントをまとめるのにも役立ちます。
例えば、先ほどの分析で見い出した「他者への貢献」「課題解決能力」という強みをもとにすると、以下のような就活の軸を導き出せます。
- 社会貢献や地域活性化などに取り組んでいる企業を選ぶ
- IT業界など課題解決力を生かせる業界を選ぶ
自己分析シートを作る際によくある質問
自己分析シートは、就活で業界や企業を絞り込むうえで有効なツールです。ただ、いざ自己分析をしてみると「うまくいかない」「弱みばかりで強みを見いだせない」など、悩むことも多いでしょう。
最後に、自己分析シートを作るときによくある質問についても解説します。
「自己分析シートでうまく自分を分析できないときの解決策を教えてください」
自己分析シートを作成する際に、何を書いていいかわからず行き詰まることはよくあります。そんな時は、以下の方法を試してみましょう。
- あらゆる出来事を書き出す
- 家族や友人に意見を聞いてみる
- 一度に完成しようとは思わず、ゆっくり時間をかけて書いてみる
うまく分析できないときは、情報量が少ないことが考えられます。「こんなことは自己分析に関係ないかも?」と思うようなことでも、できるだけ多く書き出しましょう。何気ないキーワードから、共通する自分の強みや弱みが見えてきます。
自分で自分のことがわからないなら、家族や友人など、まわりの人の評価を聞いてみましょう。「自分の強みはなに?」「弱みは?」など率直に聞くことで、意外な気づきをもらえます。
書くことがなくても、焦って完成させる必要はありません。過去の振り返りやまわりの人の意見を聞きながら、1ヵ月くらいかけて作っていくと整理できることもあります。
「自己分析シートを作っても弱みばかりが目立ちます。強みを見つける方法を教えてください」
自己分析を進めるなかで弱みしか見いだせないなら、下記のやり方を試してみましょう。
- 判断力が弱い→慎重な性格
- 継続力がない→多方面に興味を持つことが多い
- 融通がきかない性格→物事に対して高い基準を持って取り組むタイプ
「他人と比較しても自分の強みは少ない」と、自分を過小評価する必要はありません。自己分析は自己成長の重要な手段です。ポジティブな視点を忘れずに取り組んでいきましょう。
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自己分析シートは、企業や職種選び・志望動機や自己PR作成などの基礎となる重要なツールです。フレームワークなどを活用して、さまざまな観点で自己分析を行いましょう。
最後に本記事のポイントをおさらいしておきます。
- 自己分析シートは自分の経験や感情を振り返り、自分の強みや弱み、将来の目標を整理するためのシート
- 自己分析するときは「とにかく多く書き出すこと」が大切
- 自己分析シートには自分史やライフラインチャートなど、さまざまな種類がある。手軽に始められるツールから試してみるのがおすすめ
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