プロフィール
中高大とサッカー部に所属。商学部出身、社会人5年目(取材当時)。
現在は、総合商社に勤務。「ウェアラブル・モバイル端末(IoT)を活用した健康管理サービス事業」に従事。
休日は、子どもと遊んだり、トレーニングジムに通ったりして過ごす。
本記事の著作権は(株)ベネッセ i-キャリアが保有しております。
「あなたがやりたいことは?」という質問に戸惑ったことはありませんか。
「やりたいことがない」と悩んでいる人や、このまま漠然と大学生活を過ごすことに焦りを感じている人もいるかもしれません。
そんな悩める大学生に集まってもらい、いきいきと働く先輩は学生時代をどのように過ごしたのか、そして今、どのような仕事をしているのか、学生時代から今に至るまでの流れをあれこれ聞いてもらいました。
先輩のキャリアストーリーを通じて、自分の学生生活とその先のキャリアについてヒントが得られるかもしれません。今回は関さんの取材内容をお届けます!
大学でビジネスの最前線を学びたい
髪を染めても、ピアスを付けてもよい、とても自由な校風でした。
当時放映されていたテレビドラマの影響で、「検事」に憧れたこともありました。でも、ビジネスの最前線に関する経営学を学びたいという気持ちの方が強かったので、最終的には商学部を選びました。
子どものころから「自分も経営者や起業家になりたい」と思っていました。また、父の会社で働いている方々がイキイキと仕事をしている様子を見て、仕事を創ること自体に、社会的な意味があるとも感じていました。
理由の一つは、総合商社には、社員が新しいビジネスで起業できる風土があり、自分に向いている業界だと捉えていたからです。多くのグループ会社、関連会社、子会社を抱えているので、そこで経営者になる道も存在します。
もう一つの理由は、グローバルな環境で仕事がしたいと考えていたことです。総合商社は、ほぼ100%海外ビジネスを展開していますので、他国に駐在して責任あるポジションを得て働くことができます。そこで、その国の文化に触れながら経験を積み、多様性を身に付けたいと思いました。
新しい領域へチャレンジできる商社を選んだ
また、海外でビジネスパートナーとなる会社との関係を丁寧に構築し、共に現地の問題を解決しているところも良いなと思いました。今後、仮に私が会社を経営する立場になった場合、ここでビジネスに向き合った経験が必ず役立つと感じました。
その中で私は、健康を管理できるシステムを自社で開発し、スポーツクラブの会員様や高齢者施設の入居者様に使っていただくサービスを担当しています。
私の仕事はその事業全体の管理です。事業の収支管理、年間及び中長期的な事業計画、マーケティング、営業活動、システム開発会社にシステムの改善や保守を依頼するなど多岐に渡ります。
「健康未病領域」部門でのやりがい
実際に、お客様が「使いたい」「使いやすい」と感じてくれるサービスプランを自分で考えて実行できることは、やりがいがありますし、楽しいです。
事業に関するあらゆることを自分で準備して実行するのは大変ですが、新しい市場を自ら開拓できる機会があり、大きなやりがいを感じます。
もう一つは、日本の課題として挙げられる医療費の高騰問題の解決に貢献できる分野であることです。
昨今、医療費は国家財政を圧迫しており、国全体で考えなければならない課題です。我々の「健康未病領域」部門の取り組みは、健康寿命の延伸に少しでも寄与できるものだと思っています。
「関のために頑張ろうとは思わない」と伝えられて
ある時、チーム全員の飲み会の場で、一人の先輩から「関は正しいかもしれないが、関のために頑張ろうとは思わない」と言われました。
当時、私はリーダーとしてやる気と向上心に満ちて仕事に取り組んでいました。
でも先輩のその言葉は、「チームのため」と言いながら「自分のため」に頑張っていただけではなかったか、と自身を省みるきっかけになりました。
先輩の言葉を聞いて考え方を変え、「このチームで働いて楽しい、共に頑張りたい」と思えるようなチームビルディングに気を使うようになりました。
また、職場には総合職、一般職、派遣社員、先輩・後輩などさまざまな役割、立場の方がいます。今一度、自分の接し方を見直しました。
決算書類は読めると仕事に役立つ
事業管理の観点だと、大学の簿記や経済学の授業で学んだ「損益計算書」や「貸借対照表」などの決算書類への理解は重要です。
決算書類の見方を勉強してきたことが、実際の事業を遂行する上で役立っています。決算書から、問題解決に必要な、問題の設定や解決策の検討ができます。
また、当時の授業ではピンとこなかった企業マーケティングの考え方などは、社会人になってから点と点が結びついた感覚がありました。
学生時代に分からなかったことが、後になって理解できるということはよくあります。今はわからなくてもやめてしまわず、とりあえず学んでおくことをお勧めします。
社会人になって英語でコミュニケーションをとるときに、ストレスを感じています。
今、英語を習得するための勉強を頑張っています。
「健康を自分ごとにできるサービス」を仕組み化したい
体を鍛えたいとか、美しくなりたいと願っている人を対象としたサービスは世の中にすでにたくさんあります。
でも、生活習慣病予備軍となる人たちは、そういうサービスにあまり興味を持たれません。
「生活リズムが合わない」「運動が苦手」等といった理由もあるかもしれませんし、健康であることを当たり前にとらえてしまい、投資しづらいのだと思います。なんとなく「自分は大丈夫」と思い、病気に対して無防備な状態だと言えます。
そういうタイプの人が、自らの健康に関心を持ち、健康のために行動を起こしやすくなるような「健康を自分ごとにできる」仕組みを作りたいと考えています。
商社で仕事をする魅力って、どんな国とでも、どんな商材でも、ビジネスとして扱えることだと思います。既存のビジネスモデルにとらわれないフィールドですので、自分でモデルを考え生み出すこともできます。
学生時代、特にやりたい仕事が明確に決まっていなくても、何か世の中のために大きな仕事をしたい、という人には向いていると思います。ぜひ、興味がある方は商社に飛び込んでみてください。
学生のみなさんへのメッセージ
私が最後にお伝えしたいのは、「人と比べる必要はない」ということです。
大学の4年間、人と自分をむやみに比較せず、自分がやりたいこと、そして、「自分はどうなりたいか」理想の自分と今の自分を客観的に見つめてみる。そのギャップを行動することによって少しずつ埋めていくことが、大切だと思います。
今、もしやりたいことが無かったとしても、ぼんやりとでも「こうなりたい」と思う姿を頭に浮かべて行動してみるとよいと思います。
サークルでも部活動でも勉強でも、アルバイトでも留学でも、なんでも構いません。「自分の理想の姿」を想像しながら、そこに向かって4年間を過ごしてください。
繰り返しますが、他人と比較したり、同調したりする必要はありません。素直な気持ちで自分にとって大切だと思うことに取り組んでくださいね。
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