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失敗なんて後から正解にしたらいい ちょっとやれそうなことから、まず行動する-「まなぶ」と「はたらく」先輩インタビュー Vol.3

  • 大学1,2年生
  • 2021.04.01
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プロフィール

武藤 雅和さん
商学部卒業。在学中は3年間ITベンチャー企業でインターンを経験。
タバコを販売してくれるお店の開拓や喫煙場所の確保をする仕事。社会人2年目(取材当時)。
休日は喫茶店で読書したりスポーツジムで筋トレしたりして過ごす。

本記事の著作権は(株)ベネッセ i-キャリアが保有しております。

「あなたがやりたいことは?」という質問に戸惑ったことはありませんか。
「やりたいことがない」と悩んでいる人や、このまま漠然と大学生活を過ごすことに焦りを感じている人もいるかもしれません。
そんな悩める大学生に集まってもらい、いきいきと働く先輩は学生時代をどのように過ごしたのか、そして今、どのような仕事をしているのか、学生時代から今に至るまでの流れをあれこれ聞いてもらいました。
先輩のキャリアストーリーを通じて、自分の学生生活とその先のキャリアについてヒントが得られるかもしれません。今回は武藤さんの取材内容をお届けます!

インターンシップでITベンチャーに飛び込んだ3年間

学生レポーター:今日はよろしくお願いします。まず、高校時代までのことを教えてください。
武藤さん:はい、よろしくお願いします。 高校時代は、陸上部でやり投げをやっていました。でも「やり投げがやりたい!」というよりも、トレーニングできる設備が使えるというのが裏の目的でした。 高校時代は将来のことはあんまり考えていませんでしたね。「モテたい」とか、そんなことばかり考えていました(笑)。



学生レポーター:そうなんですか(笑)。大学は商学部とのことですが、陸上は続けていたのですか。
武藤さん:いえ。大学では特にしていません。トレーニング目的でジムに通っていたくらいでしょうか。 定期的に身体を動かすリズムは継続したかったので、それは今でも続けています。



学生レポーター:大学生活で一番打ち込んだことを教えてください。
武藤さん:大学2年の冬から、3年間、ITベンチャーでインターンとして働いたことです。 ゼミの先輩からの紹介だったのですが、1年間休学をして、ベトナムに行って現地の方と仕事もしていました。



学生レポーター:3年間ですか。しかも外国に1年間も滞在されたとは、すごいですね。もともとやりたかったことだったのでしょうか。
武藤さん:いえ、特に計画していたわけではないです。2年生のときに、自分の進路を考え、アルバイトしかしていないことを不安に思ったのです。資格があるわけではないし、「自分は将来、働けるのかな」と漠然と思っていました。



学生レポーター:インターン先はどうやって探したのですか?
武藤さん:インターン先を探していた時に、たまたまゼミの先輩に誘われました。ITもベンチャーも興味があったわけではありませんでしたが、「とりあえず話だけ聞いてみよう」といってみて、「嫌じゃないしやってみよう」と思って始めました。感覚ですかね。あまり深く考えず「とにかく行動してみよう」と思いました。



学生レポーター:インターン先ではどんなお仕事をされていたのですか?
武藤さん:30人規模の会社だったのですが、3年間同じ上司のチームで、アプリの開発が中心でした。仕事はベンチャー気質にあふれていて、色々任せてもらって面白かったです。
もちろん大変なこともありましたけど。 3年目に、あるプロジェクトをベトナムで行うことになり、私も大学を休学して現地に行きました。



学生レポーター:ベトナムでは何をされていたのですか?仕事は英語でしていたのですか?
武藤さん:アプリの開発です。プロジェクトマネージャー(PM)という立場で、現地のプログラマーとともにプロジェクトを進行する役割を担いました。

ベトナムの方は親しみやすい方が多く、簡単な日本語なら話せる方もいました。基本的には通訳の方を交えて仕事をしていましたが、ちょっとした日常的な会話であれば、英語でもしていました。 私もベトナムの文化を学び、密にコミュニケーションを取ることを意識してプロジェクトを進めました。大変なこともありましたが、いい経験をさせてもらったと思います。



就職先を選んだ決め手

学生レポーター:ITベンチャーでの経験を活かして、就職活動をしたのですか?
武藤さん:そういうわけでもないです。
ベンチャーで経験を積んだので、大企業ではどんな働き方をしているのか純粋に興味を持ちました。また収入についても働く上では大事な条件ですので、その点は慎重に検討していました。
あとは、大企業はベンチャーに比べて働き方はゆるいと聞くけど本当なのかな、とかも思っていました。



学生レポーター:どうやって今の会社を選んだのですか?
武藤さん:いろいろな大企業の入社試験を受ける中で、今の会社の担当者が強く印象に残ったからです。それまでの入社試験では、学生時代の仕事の話をすると、手放しで褒められていたのです。
でも、今の会社の担当者は、本気で向き合った上で「君に足りないところはココだ」とハッキリ言ってくれたのです。その指摘が的確だったので、強く印象に残りました。



学生レポーター:どんなことを言われたのですか?
武藤さん:「行動面は評価できる部分があるが、物事を深く考えているか?流れに任せて生きていないか?成長したいのであれば、この会社で自分自身の力で頑張ると良い。」と叱咤激励されました。



学生レポーター:結構厳しい言葉だったんですね。私が言われたらへこんでしまって、あえてそこに行きたいと思わないかもしれません。
武藤さん:自分でも思考力を磨かなければならないと思っていましたので、指摘に対しては素直に受け止められました。 それに、大企業は仕事内容をわかりやすく説明してくれますが、その方は加えて良いところも悪いところもはっきりと教えてくれました。そのうえで、「自分次第で成長できる環境である」と断言していただけたので、「大企業でも成長できる、ここで成長したい」と思ったことが入社の決め手の一つになりました。



社会規制の多い「たばこ」という商材を扱う難しさと工夫

学生レポーター:現在、どのような仕事を担当しているのですか?
武藤さん:福島県の郡山市で営業をしています。具体的な業務は、たばこを販売する場所の開拓と喫煙スペースの確保です。
分煙社会の実現と企業価値向上を目的とした活動のため、地域企業や行政との関係構築にも重点を置いています。お客様が近いので、やりがいがあります。



学生レポーター:入社して最も印象に残っているエピソードは何ですか?
武藤さん:お客様に東日本大震災時のお話を聞く機会がありました。震災の影響で工場の稼働が止まり、一時たばこを生産できなくなったことで、そのお客様は国産から外国産のたばこに変えたとのことでした。当時の会社の状況ではやむをえなかったとはいえ、それまで数十年当社銘柄のファンでいて下さったお客様を失った話にショックを受けました。
この対話を経て、商品には一人ひとりのお客様のストーリーがあり、その中で「当たり前にある」ことの難しさを強く実感しました。その当時の経験を踏まえ、今でも会社として安定流通を徹底して意識しています。



学生レポーター:営業の仕事をする上で、大切にしていることを教えてください。
武藤さん:「たばこ」はある意味では難しい商品です。
全員に必要なわけでも、万人に愛される商品でもありません。そういう商材を扱うからこそ、私たちの「お客様」は喫煙者だけでなく非喫煙者も含めた全ての人たちが対象だと考えています。
だからこそ、常に多方面への配慮を心がけて仕事に取り組んでいます。



学生レポーター:具体的にどういうことなのですか?売ればいいというわけではないというのは難しそうですね。
武藤さん:私たちが目指す分煙社会は、たばこを吸わないお客様の理解を得られて初めて実現します。特定の人々だけに愛される嗜好品として考えられた宣伝活動は、メーカーのエゴになってしまいます。そうならないために、タバコを吸わない人にも理解してもらえるよう対話を大事にしています。 もちろん、企業としては売り上げも重要です。 多様な意見を持つ人たちと対話するスキル、粘り強さ、バランス感覚が必要だと思っています。



学生レポーター:入社されて2年目ということですが、入社する前と今とのギャップはありますか
武藤さん:東京から地方配属された影響も多少あるかもしれませんが、2年目にもなると、就活していた時のビジョンや憧れ等といったキラキラしたものは薄れがちになると思います。目の前に現実がありますし。また、大きな企業にいるからこそ「自分で選べない」意識になりがちですので、「この会社で自分は何を成し遂げたいのか」と考えるのをやめないようにしています。



学生レポーター:今、特に考えていることを教えてください。
武藤さん:そうですね。少し大きな話ですが、会社の短期的な利益のためだけでなく、中長期的に求められる企業の社会的意義、サステナブルな観点を念頭に置いています。また、個人がどのように組織で生きるべきかを意識しています。 社内の有志団体にも地方から参加して、ワクワクすることを探して活動しています。



大学時代の勉強や経験で活きていること

学生レポーター:話は変わりますが、大学時代の勉強が仕事に役立っていると思うことはありますか
武藤さん:私は商学部でしたが、仕事の場面で、何度か「あの時の授業でやっていたことだ」とつながる瞬間がありました。特にマーケティング関係の科目でそう感じました。
インターンに熱中するあまり、単位をとることが目的になりがちでしたが、集中して学問に打ち込んでいたらもっと活かせただろうと思います。



学生レポーター:私も単位をとることが目的になりがちですので、気を付けます。ほかに何かありますか?
武藤さん:勉強ではないですが、大学時代の仲間の存在は大きいです。
それこそ多種多様な業界に友人がいるので、いろいろな話が聞けます。社会が拡がって見えるようで面白いですし、実際、仕事につながることもあります。



チャレンジの芽を育てつつ、まずはどこでもパフォーマンスを発揮したい

学生レポーター:今後チャレンジしたいことは何ですか?
武藤さん:今は、自分の与えられた場所、環境で最高のパフォーマンスを発揮することが大切であると思っているため、基本的にはどのような業務でも挑戦したいです。 でも、あえて挙げるなら2つです。

1つ目は、仕事上「人」とのコミュニケーションは必要不可欠で、私自身「人」にフォーカスを当てて行動する機会が多くなりました。ですので、人事や人材マネジメントの仕事は、今後挑戦してみたい領域です。

2つ目は、喫煙者として肩身の狭い思いをされているお客様がわくわくできるような商品開発や、マーケティング活動もしてみたいです。テクノロジーで、たばこに対するネガティブなイメージを少しでも解決できるアプリの開発等ができないかと思っています。



学生のみなさんへのメッセージ

学生レポーター:最後に、大学生へのメッセージやアドバイスをお願いします。
武藤さん:自分の経験をふまえて、3つの観点でお伝えしたいと思います。

(1)多方面にアンテナをはって、気になったことはとりあえずやってみる

社会人は時間に制約があります。私は3年間インターンで同じ仕事をやりましたが、もっと別の世界もみておけばよかったな、と思うことがあります。また、社会人になると会社の看板を背負っているという責任や利害関係が影響してしまうことがありますが、学生だと気軽に接点をもってくれ、話が聞きやすいと思います。

(2)自分が何者であるかを常に見つめておく

簡単に言うと、自分の感覚を大切にしてほしいということです。自己分析みたいに難しく考えず、自分は何が好きで何が嫌いかを意識するイメージです。
私は「認められたい」という気持ちが強い方で、それに囚われるあまり、自分がやりたいことを深く考えなかったところがありました。
でも、仕事選びは「人に認められたい気持ち」で選んでも、自分が本当に納得できていなかったら、やっぱり違ったと後悔すると思うのです。自分の好きなものを好きと素直に表現していくことが大切だと思います。

(3)失敗を恐れずチャレンジしてみる

人生でとんでもない失敗なんて、そうそうないと思うので、失敗を恐れずチャレンジしてみることです。
たとえ、その時の「点」で見て「失敗」だと思っても、線につなげていけば「成長」になります。常に「後付けで正解にすればいい」くらいの気持ちで、まずはやれそうなことから行動してみるといいと思います。



学生レポーター:はい、自分の「好き」とか「いいな」という気持ちに正直に、まずは行動してみたいと思います!今日は貴重なお話をありがとうございました。

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