電気・精密業界を知る！各界トップランナーが語る業界の未来図

大学1,2年生
2023.04.27

プロフィール

dodaキャンパスインターン生菅原麻由果さん
・早稲田大学人間科学部に在学中に「dodaキャンパスゼミコミュニティ」インターン生として活動（23卒）
・コラム執筆やイベント運営を担当

※本記事は2022年8月6日, 7日に開催された「キャリアゲートウェイ 2022」のイベントレポートです。

「キャリアゲートウェイ 2022」は、大学1,2年生を対象に開催したイベントです。全国の仲間とともに、自分のキャリアと向き合うきっかけを作り、自らのキャリアや将来について考えてもらうことを目的に開催しました。

2日間にわたるイベントでは、「“まなぶ”と“はたらく”をつなぐ」さまざまなセッションを開催。
「社会にはどんなフィールドがありますか？」というセッションでは、各界のトップランナーより、社会への貢献の仕方や業界の未来について語っていただきました。

このレポートでは電気・精密業界のトップランナー、棚橋智さん（パナソニックホールディングス株式会社）のご講演内容をレポートします。

What’s 電気・精密業界

電気・精密業界は、非常に広いフィールドで社会に貢献している業界です。だからこそ、業界全体を把握することは難しい部分もあるので、今回は私が所属するパナソニックの事業領域を元にご説明したいと思います。

私たちの業界は、皆さんに身近な家電製品の製造から、規模の大きい社会問題に対する取り組みまで、さまざまな領域が重なり合っている、“木のような業界”と例えられます。
例えば、電子部品や電池といった数多くの素材が家電という製品になり、それらがさらに集合体となり、住宅という領域を形成しています。

このように、多くの会社がさまざまな事業を手がけている電気・精密業界ですが、共通する課題が地球環境問題です。
特に、「“使うエネルギー”よりも“創るエネルギー”をどのように増やしていくのか」という課題は、私たちが抱える大きなミッションです。効率的に電気を使用する後押しをしたり、新たな電気を生み出したりと、さまざまな手法を用いて持続可能な社会の実現を目指しています。

「人」を中心に世の中を良くする

ここからは、電気・精密業界の未来図について触れていきたいと思います。

これまでは、ものづくりを強みとしてきたこの業界ですが、これからは人への理解をもっと深めていく業界へと変化するために、多くの会社が“人を中心に考えた施策”を進めています。

パナソニックとしても、2022年4月から「幸せの、チカラに。」という新しいパーパスを掲げ、お客さまに幸せを生み出すことにフォーカスし始めました。つまりこの業界の未来は、単なる家電メーカーとしてではなく、人を中心に考え幸せにしていく、世の中を良くしていく業界に変わろうとしています。
その中で、サステナビリティとウェルビーイングが重要なテーマとして挙げられています。サステナビリティとは、地球環境問題に対してどのように貢献していくのかという観点での取り組みです。そしてウェルビーイングとは、幸福で心身ともに満たされた状態という観点で、この業界でも近年非常によく使われる言葉になってきています。

電気・精密業界が挑む社会変革

皆さんにとって特に関心が強いと思われるサスティナビリティに関して、テスラ社との取り組みを例にご紹介したいと思います。

テスラ社は、世界中のエネルギーをサスティナブルなものにシフトさせるために多角的な事業に挑む企業です。パナソニックはそんな彼らと手を組み、ギガファクトリーという大規模な電池の生産工場を運営しました。大規模な事業なだけに厳しい期間も長く続きましたが、2020年には黒字化に成功しています。

社会を変えるポテンシャルを持つテスラ社のようなスタートアップ企業に対して投資をして、その中で我々が長年培った技術や販路という強みを活かし成長させていくことは、我々が社会を変えていくために必要なことだと考えています。
新しい産業を創造し社会を進化させ、我々が投資したものを回収する。そこからさらに新しい社会変革に向けて、いろんなパートナーと手を組み、新たなチャレンジをする。こういった取り組みが、電気・精密業界として取り組むべきサスティナビリティの在り方だと考えています。

人や社会をつくる

今回のセッションでは、単なる製造業としてのイメージを大きく覆すような、電気・精密業界の本質について知ることができました。特に、製品というモノをつくるだけではなく、人やその先の社会をつくるという、電気・精密業界が掲げるミッションは、このセッションだからこそ知ることができた発見だったと思います！このコラムが、皆さんにとってまだ見ぬ電気・精密業界の魅力を知るきっかけになっていたら幸いです！