プロフィール
・早稲田大学人間科学部に在学中に「dodaキャンパス ゼミコミュニティ」インターン生として活動(23卒)
・コラム執筆やイベント運営を担当
※本記事は2022年8月6日, 7日に開催された「キャリアゲートウェイ 2022」のイベントレポートです。
「キャリアゲートウェイ2022」は、大学1,2年生を対象に開催したイベントです。全国の仲間とともに、自分のキャリアと向き合うきっかけを作り、自らのキャリアや将来について考えてもらうことを目的に開催しました。
2日間にわたるイベントでは、「まなぶとはたらくをつなぐ」さまざまなセッションを開催。
「現場のエースが語る『はたらく』の未来図」というセッションでは、多様な業界のエース社員が集結して、仕事のやりがいや苦労などを語っていただきました。
このレポートでは「企画・マーケティング職・研究開発職」のセッション内容をお届けします。
企画・マーケティング職編のご登壇者
・園田菜穂子さん(株式会社JTB)
・大里真一郎さん(パーソルキャリア株式会社)
研究開発職編のご登壇者
・今飯田佳代子さん(日本たばこ産業株式会社)
・安藤健さん(パナソニックホールディングス株式会社)
(本ページ下部にアーカイブ映像へのリンクURLがあります。ぜひご覧ください。)
目次
企画・マーケティング職ならではの苦労や難しさとは?
企画・マーケティング職というと、やりがいがあり人気も高い花形職というイメージをもつ方も多いのではないでしょうか?
まずは、仕事をしているからこそ見える、苦労や難しさを伺いました。
ビールという有形商材を手がけるアサヒビールの西山さんからは、ものづくりの視点からお話しをいただきました。
西山さん:「世間に広く普及している商品の立案者・開発者」としての側面から、企画・マーケティング部に憧れを抱く方も多いと思います。ただ、その側面は仕事の中のほんの一瞬に過ぎません。1つの商品は多くの過程を経てやっと販売されます。だから、何万というアイデアを出しても形になるのは、本当に磨き抜かれた1パーセントにも満たないアイデアなんです。
マーケティング面でいうと、各部署との連携や、市場調査といった統計分析も欠かせない業務です。このベースがあってやっと販売まで至る訳ですが、そこはあくまでスタートライン。商品がより売れることやお客さまの手に届くことを最終的なゴールとして、今まさに励んでいる最中です。
多様な働き方の支援という無形商材を手がけるパーソルキャリアの大里さんからは「時間」の観点から苦労や難しさが伺えました。
大里さん:私はより自分らしいキャリアを生きるために、副業や兼業といったある種、正社員で働く以外の選択肢を支援する商品を作っています。その中で感じる企画・マーケティング職の難しさは「時間軸の長さ」ですね。
例えば営業であれば、1ヶ月単位など比較的短期的なスパンで目標を設定しPDCAを回していきますが、企画職の場合は世に出すまでに1年半から2年程度の期間が必要です。さらに言えば、それだけの期間をかけてもボツになってしまうことも当然のようにあります。 学生の皆さんには、この側面も含めて、企画・マーケティングという職種を捉えてほしいと思います。
企画・マーケティング職の醍醐味
ウェブマーケティングの世界でご活躍されているJTBの園田さんからは、企画・マーケティング職の醍醐味や魅力についてお伺いできました。
園田さん:JTBでは法人向け商品と個人向け商品の両方を扱っていますが、私は個人のお客さまがオンラインで旅行を購入するための仕掛けづくりをしています。
店頭や電話とは異なり、オンラインは365日24時間購入できる環境です。さらに画面の向こう側に何千人、何万人のお客さまがいる点は、常にダイナミックさを感じていますね。
司会:広告代理店のような宣伝広告に近いイメージを感じましたが、広告代理店ではなくJTBという会社で企画・マーケティング職に携わる面白みは何でしょうか?
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園田さん:事業会社だからこそ、自分の手で企画したものを自分の手でお客さまに届けられることは大きな強みだと思います。 広告宣伝に携わりたい学生さんは、広告代理店1本ではなく、もう少し幅広い視点で考えてみていただけると良いのではないでしょうか。
研究開発職ってどんな仕事?
企画・マーケティング職とは対照的に、研究開発職というと実験や検証を黙々と繰り返す、地味な仕事というイメージがあるかもしれません。実際のところはどのような仕事なのでしょうか?
研究職として次世代の材料開発に励むAGCの藤井さんからは、研究開発職について詳しくご説明いただきました。
藤井さん:決められた手順に沿って進める理科の実験とは異なり、作りたいもののイメージに対して、試行錯誤を繰り返しながら一つひとつ前に進めていくのが研究開発という仕事ですね。研究開発とひと言で言っても、原理原則やメカニズムといった基礎反応を調べる基礎研究、それを応用する応用研究、さらにそれをコストペイできるまで量産する量産設備開発という3つに分類されます。
これらを一人で同時に進行していくことはできないので、社内や社外、時には大学に協力を仰ぎ取り組んでいます。 その中で、自分が作りたいもの、時にはいろんな人とチームを組んで作りたいものを作れる点が研究開発の魅力だと感じています。
メーカーの開発職としてお客さまの所作や思考、好みについて分析されているJTの今飯田さんからは、少し異なる研究開発の仕事の実態が伺えました。
今飯田さん:私は量産するプロダクトを作るメーカーとしての研究開発という立場で仕事をしています。部署感の連鎖関係で言うと、マーケティングと製造の間の立ち位置です。その意味では、プロダクトを作るチームの真ん中にいる仕事と言えます。
具体的には、マーケティング段階でアイデアやコンセプトといった概念レベルだったものを、技術を活用して製品の形にして、たくさん作れる仕組みを作るといった仕事をしています。
研究開発職が求められていること
実際にプロダクトを生み出せることは研究開発職の醍醐味といえるかもしれません。
しかし、プロダクトを生み出すにあたって注意するべきことがあると、現在ロボット開発に携わっていらっしゃるパナソニックの安藤さんは言います。
安藤さん:多くのお客さまは、別に物が欲しいわけではないんですよね。例えば、病院に行って看護師さんや薬剤師さんにお困りごとを聞いたら、「とにかく忙しいんで、なんとかしてください」とおっしゃいます。 そんな時にいきなりロボットを売り付けても全く役に立たないわけです。では、何が求められているかと言うと、なぜ忙しいのかを一緒に考えて解決してくれること、いわゆる業務改善です。
例えば、レイアウトを変更するとか、整理整頓するだけでも、忙しさは緩和されるかもしれませんよね。物を作って売ることだけが全てではなく、お客さんが困っていることにベストなソリューションを考えることを常に意識しています。そのために必ずしも物が必要なのかを見極めることはすごく大事だと思っています。
2つの職種の意外な共通点
今回のセッションでは、企画・マーケティング職、研究開発職という職種について、現場だからこそ感じられる実態を知ることができました。特に、全く違った2つの職種でありながら、「製品を作ったその先にあるゴール」を見据えて日々取り組んでいらっしゃるという 共通点が、大変興味深い発見でした!
皆さんにとってこのイベントレポートが、未知の職種に興味を持つきっかけとなれば幸いです!
\当日のイベント配信動画もCheck/
・企画・マーケティング職はこちらから
・研究開発職はこちらから
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