一次面接で聞かれることは、「自己紹介」や「志望動機」、「学生時代の経験」など、基本的な質問が中心です。ただし、受け答えのマナーや理想の答え方を知らずに面接に臨むと、思わぬところで失敗してしまうことも。
今回は、一次面接で実際に聞かれる質問例や回答のコツ、選考に進むための対処法を解説します。
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この記事の監修者

人財戦略部 人事
飯田 椋太さん
大学を卒業後、新卒でBenesse Corporationへ入社。
採用担当として、新卒向けのプロモーションや採用選考の運営を担当。
Benesseとの就職活動を通して、学生様に「Benesseの選考へ参加してよかった!」と思っていただけることを目標に採用業務に取り組む。
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一次面接の目的はミスマッチ人材を見極めること

一次面接の目的は、応募者と企業との間に「ミスマッチがないか?」を見極めることにあります。企業は、学生の価値観や性格、コミュニケーション力を確認し、自社の風土や募集職種に合う人物かどうかを判断しています。
なお、一次面接の面接官は「人事部門の若手社員」または「現場で採用に関わるリーダークラスの社員」が担当するのが一般的です。「基本的な質問しかされないから大丈夫」「役員が面接しないから簡単」と侮るのではなく、企業が一次面接で見ているポイントを理解し、入念に準備をしましょう。
一次面接の通過率
一次面接の通過率は企業や業界によって異なりますが、一般的な通過率は「30〜40%程度」でしょう。全応募者を母数にした場合の「最終合格率」を10%と仮定した場合、一次面接→二次面接→最終面接と、3回の面接が行われた場合、一次面接では30~40%程度が選考に進む計算です。(※一般的に二次面接以降の通過率は一次面接より高くなります)
一次面接は、企業が応募者全体の中から一定数を絞り込む重要なステップといえます。
一次面接の形式と所要時間
一次面接には企業ごとにさまざまな形式があり、選考の規模や目的によっても異なります。代表的な面接形式には「個別面接」「集団面接」「Web面接」などがあり、それぞれ流れや所要時間にも違いがあります。
面接形式 | 特徴 | 所要時間 | 流れ |
---|---|---|---|
個別面接 | 面接官と1対1で対話 | 20~30分 | 自己紹介→質問→逆質問 |
集団面接 | 複数人の応募者を同時に面接 | 30~45分 | 順番に質問→ディスカッションが行われることも |
Web面接 | オンラインで複数人が面接※1対1の個別面接もあり | 20~30分 | 対面型面接と同じ |
個別面接では一人ひとりを丁寧に評価するのに対し、集団面接では基本的なマナーや協調性などが見られる傾向があります。Web面接は通信環境やカメラ越しの印象も評価対象になるため、受け答え以外にも気を配りましょう。
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一次面接の評価ポイントは「社会人としての基本的スキル」

一次面接で評価されるのは、専門的な知識やスキルよりも「社会人としての基本的な資質を備えているか?」という点です。挨拶や丁寧な受け答え、入退室の所作といった基本行動に加え、質問への理解力や論理的な説明力などが重視されます。
基本的なコミュニケーション能力
面接では、質問の意図を正確にくみ取り、自分の考えをわかりやすく伝える力が問われます。難しい表現よりも、簡潔で筋道の通った話し方が評価されるため、質問の意図を素早く理解し、シンプルに答えましょう。また、表情や相づちなど、非言語コミュニケーション能力も意外に見られているポイントです。
社会人として通用するマナー
企業は、あなたが「社会人としての常識をわきまえているか?」も見ています。挨拶や言葉遣い、入退室時の所作、身だしなみなどが評価対象です。こうしたマナーは、日常的に意識していないと自然には表れないため、普段から丁寧な行動を心がけておくことが大切です。
業界や企業の理解度
業界や企業への理解が深い応募者は、「志望度が高い」と評価されやすい傾向があります。事業内容や強み、業界内でのポジションなどを把握したうえで、それがあなたの考え方や経験と、どのように関係するのかが語れると説得力も増すでしょう。単に調べたことだけを伝えるのではなく、自分なりの視点を交えた伝え方が理想です。
志望度の高さ
企業は、応募者がどれほど本気で入社を希望しているかを重要視します。一次面接では、志望動機の内容や言葉の熱量から、その思いの強さを判断されるでしょう。
表面的な理由ではなく、「なぜその企業でなければならないのか?」「自分の目標と、企業の方向性や事業内容がどのように結びついているのか?」を語ると好印象です。
面接に臨む前には、あらためて「自分の強みはなんなのか?」自己分析を深めましょう。5分で完成!AIがあなたの強みを分析し、自己PRを自動作成する無料サービスをご存知ですか?「色々考えているけど、自己紹介のネタが見つからない」と悩んでいる方は、dodaキャンパスの自己分析サポートを活用して、新たな視野を採り入れましょう!

一次面接の質問はコレ!好印象を与える回答例

一次面接では定番の質問が多いため、事前に聞かれることを準備しておけば、当日も安心して面接に臨めます。自己紹介や志望動機、ガクチカ、自己PRなどはどの企業でも聞かれる内容です。ESや履歴書も見返して、一貫性を保った答えができるよう準備しておきましょう。
選考に進むと「あなたはどのようなキャリアを描いていますか?」と聞かれることがあります。「自分に合った働き方が分からない」と悩んでいるなら、まず診断してみるのも一つ。
dodaキャンパスのキャリアタイプ診断は、質問に答えていくだけであなたに合った働き方を5分程度で診断できるので、活用してみましょう。
自己紹介をしてください
第一印象を決める最初の質問では、簡潔に「あなたが何者か?」を簡潔に伝えましょう 。名前、所属、あなたならではの特徴などを30秒程度でまとめるのが理想です。
例文
〇〇大学経済学部4年の田中太郎と申します。大学ではゼミで金融市場について研究しており、チームでの発表経験を通じて論理的思考力と協調性を磨いてきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
志望動機を教えてください
志望動機を聞かれたら、企業への理解度と熱意を示しましょう。企業の事業内容や求める人物像をリサーチするのはもちろん、それらの情報と自分の経験や価値観を結び付けてアピールすると好印象です。
例文
御社の「ヘルスケアで社会課題を解決する」という理念に共感し、自分の研究成果を通じて人々の健康に貢献したいと考えたからです。大学では食品機能性をテーマに研究を行っており、そこで得た知見を活かせると感じ志望いたしました。
学生時代に力を入れたことは何ですか?(ガクチカ)
課題にどう向き合い、どう解決したかのプロセスを具体的に伝えましょう。成果だけでなく、工夫したことや考え方をしっかり伝えることが大切です。
例文
所属するバスケットボール部の練習環境を改善するため、練習計画の見直しを主導しました。部員の意見を集めて改善案を提案し、全体の練習効率を向上させた経験があります。この経験から、周囲を巻き込む行動力を身につけました。
自己PRをお願いします
自分の強みを端的に伝え、それがどのように企業で活かせるかも伝えましょう。自分のアピールポイントと、過去の経験やエピソードを関連付けて伝え、具体性を持たせるのがポイントです。
例文
私の強みは、最後までやり抜く粘り強さです。大学では卒業研究において10回以上の実験失敗を重ねましたが、諦めずに原因を分析し、最終的に成果を出すことができました。入社後は、この粘り強さを仕事にも生かし、大きなプロジェクトでも成果を上げていきたいと思います。
長所と短所を教えてください
長所は仕事に活かせる内容として伝え、短所は改善に向けて努力していることをセットで伝えましょう。
例文
長所は計画性があることです。課題や予定を前倒しで進める習慣があります。一方で、慎重になりすぎる面がありましたが、最近は必要に応じてスピードを重視する柔軟さも意識しています。
周りからどんな人だと言われますか?
自己評価ではなく、他者からどう見られているかを伝えることで、客観的なイメージを面接官に伝えることができます。
例文
周囲からは「話しやすい」とよく言われます。誰とでも壁をつくらずに接することを心がけており、ゼミでも相談役のような役割を担っていました。
人生で一番「苦しかった」または「嬉しかった」経験は?
その経験をどう受け止め、どのように成長に結び付けたかを意識して話しましょう。
例文
部活動で試合メンバーから外されたことが、一番苦しい経験でした。ただその悔しさをバネに、自主練や体力強化に取り組んだ結果、次の大会ではスタメンに選ばれ、自信につながりました。
当社に興味を持ったきっかけはなんですか?
「きっかけ」は些細なことでもよく、正直に答えるのがポイントです。企業を知ったあとで、事業内容や理念などを深く調べ、志望度が高まったことを伝えると良いでしょう。
例文
貴社の商品を、家族が長年愛用していたことがきっかけです。そこから御社の理念や製品開発力に興味を持ち、自分もその一員として人々の生活に貢献したいと考えるようになりました。
当社以外にはどのような企業を受けていますか?
他社の応募状況を聞かれる理由としては、「本気度を知りたい」「就活の軸がブレていないか確認したい」といった意図があります。軸がぶれていなければ、他社の状況も正直に伝えても問題ありません。
例文
御社を中心に、医療やヘルスケア分野で人々の生活に関わる企業を志望しています。同じ業界の中でも、貴社は一番理念に共感できる企業だと感じています。
逆質問:最後に何か質問はありますか?
「最後になにか質問はありますか?」と、逆質問を求められることもあります。「特にありません」など消極的な態度は好ましくありません。質問を求められたら、企業理解を深めたい姿勢を見せましょう。待遇や福利厚生ではなく、自己の成長やキャリアに関する質問をすると好印象です。
例文
御社で若手社員が活躍している事例があれば、ぜひ教えていただきたいです。入社後の成長イメージを、より具体的に持ちたいと考えております。
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印象で9割決まる!?一次面接で受かる人がやっている5つの対策

一次面接では、限られた時間の中で面接官に評価をしてもらう必要があります。初対面の印象や話し方、質問に対する回答の質が合否に直結することもあり、見た目や態度で損をしてしまうことも少なくありません。
一次面接を突破している先輩は、どのような点を意識して一次面接に臨んだのか、詳しく見ていきましょう。
1.第一印象で損をしないための対策(表情、声のトーン、目線など)
面接は、入室の瞬間から評価が始まっています。社会人として相応しい服装、明るい表情や聞き取りやすい声のトーン、面接官の意図をくみ取る姿勢を意識すれば、面接官が持つ印象もアップするでしょう。
大事なのは、姿勢を正し自然な笑顔を保つこと。自信をもって普段のあなたを出せば、たとえ短時間の面接でも面接官から「感じが良い学生」と思ってもらえるでしょう。
2.業界や企業研究を徹底する
企業や業界の理解が深いと、質問に対して的確な受け答えができるだけでなく、志望動機にも説得力が生まれます。
企業のビジョンや最新ニュース、競合との違いなどを調べたうえで、自分の考えと結びつけて話すと好印象です。「きちんと調べてきた」という姿勢は、それだけで志望度の高さを伝える強力なアピール材料になります。
3.自己分析で自分の強みや弱みを知っておく
自分の性格や行動特性を理解していないと、面接で聞かれる質問にも的外れな回答をしてしまう場合があります。過去の経験を振り返って、自分の強み・弱みを整理しておくことで、質問に対しても関連付けて回答できるようになります。
4.わかりやすい言葉で結論ファーストで答える
限られた時間の中では、最初に何を言いたいのかを明確に伝えましょう。面接官は多くの学生と会っているため、回りくどい話し方や抽象的な表現は印象に残りにくくなります。質問に対しては結論から入り、「〇〇です。なぜなら」と、わかりやすく端的に伝えるのがポイントです。
5.面接後は改善ポイントを整理する
面接は一度きりではありません。就活期間中は複数の企業の面接を受けるため、面接終了後は改善点を振り返り、次回に生かしましょう。
受け答えで詰まった質問や、伝えきれなかった内容を振り返り、改善点をメモしておくことで次の面接での選考通過率も上がります。第三者にフィードバックをもらうことができるなら、自分では気づきにくい弱点にも対処できるでしょう。
「それが落ちる原因かも!?」一次面接で不合格になる人の共通点

一次面接で不合格になる人には、いくつか共通する特徴があります。内容のある回答をしていたつもりでも、マナーや受け答えの姿勢ひとつで評価が大きく下がることも少なくありません。採用担当者が「この人は通せない」と判断する、典型的なパターンを3つご紹介します。
「一発で不合格!」社会人としてのマナーがない
「ハキハキとした挨拶ができない」「目を見て話さない」など社会人としてのマナーができていないと、一次面接の通過率はぐっと下がります。「姿勢が悪く消極的なイメージがある」など、ネガティブな所作にも注意しましょう。
面接官は、入社後にお客様や社内の人と円滑に関係を築ける人物かどうかを見ているため、マナーの欠如は「採用する、しない以前の問題」と捉えられることもあります。
「回答しているのに落ちる?」質問の意図を理解していない
質問された内容に対して的外れな答えをしてしまうと、準備不足や理解力の低さを疑われます。たとえば「学生時代に力を入れたこと」を聞かれているのに、成果だけを答えてしまうケースがあるかもしれません。
目標達成に向け、「あなたがどのように工夫したか?」や、「他者とどう関わったのか?」といった、企業が知りたい「あなたの本質的な部分」をしっかり伝えましょう。
「なんかチグハグ」ESや履歴書との一貫性がない
面接で話す内容が、ESや履歴書の内容からズレていると、面接官からの評価が下がる場合があります。
志望動機がズレていると、「本当はどれが正しいのか?」「軸がブレていて信用できない」など、ネガティブな印象を与えかねません。履歴書やESで書いた内容は、面接前に確認し、矛盾がない回答ができるよう準備しておきましょう。

一次面接前にチェックしておきたいFAQ
一次面接に臨む前には、面接でよくある質問などをチェックし、疑問や不安を解消しておきましょう。「面接で答えるべきガクチカやESの内容」「面接後の結果通知」などに関する質問など、就活生からよく寄せられる質問についてQ&A形式でまとめました。
Q.「ガクチカはESと同じ内容の使いまわしでも大丈夫?」
A:基本的には問題ありませんが、面接ではESよりも深掘りされるため、具体的なエピソードや学びも話せるよう準備しておきましょう。内容が同じでも、説得力がある話し方ができるよう、論理だてて筋書を考えておくと当日も慌てずに済みます。
Q.「自己紹介と自己PRの違いはなんですか?」
A:自己紹介は名前や所属など自分の基本情報を簡潔に伝えるもので、自己PRは自分の強みや長所をアピールすることを意味します。
Q.「想定外の質問が来たらどうしたらいいですか?」
A:焦らずに質問の意図を考え、自分の経験や考えと結び付けて話すよう意識しましょう。質問の意図が分からない場合は、「恐縮ですが、〇〇に対するご質問という意図で合ってますでしょうか?」と、面接官に聞いても問題はありません。
Q.「他社応募状況や選考状況は正直に話すべきですか?」
A:志望業界や職種に一貫性がある範囲であれば、正直に伝えて構いません。第一志望の企業面接では、他社名を出す場合でも「あくまで貴社が第一志望です」と強調すると良いでしょう。
Q.「一次面接の結果はどれくらいで届きますか?遅いと不合格ですか?」
A:通常は面接から数日〜1週間以内に連絡が来ることが多いですが、企業によってばらつきがあります。連絡が遅いからといっても、必ずしも不合格とは限らないため、焦らず待ちましょう。
対策を万全にして一次面接を突破しよう!
一次面接では、第一印象や受け答えの内容が選考を左右します。基本的なマナーや受け答えの質だけでなく、説得力がある回答にするためには、企業理解や自己分析は必須です。焦らず丁寧に準備を進め、自信を持って本番に臨みましょう。
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