自己PRは、自分の魅力を企業に伝えるチャンスです。一方で「何をアピールすればいいか分からない…」と悩む就活生も少なくありません。
そこで今回は、企業に刺さる自己PRの作り方や答え方について、実際の例文も交えながら詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
自己PRとは?企業が重視する理由とポイント
まずは自己PRの基本として、下記2点について解説します。
- 混同されがちな自己PRと自己紹介の違い
- 企業が自己PRを求める理由
自己PRと自己紹介は何が違う?混同しないための整理

自己紹介と自己PRの最も大きな違いは果たす役割。
自己紹介は、名前や所属大学、簡単な経歴といった基本情報を知ってもらうためのものです。そのため、面接の最初に聞かれることが多く、「表情や話し方などの第一印象」が見られています。
一方で、自己PRは自分の強みや得意分野や成功体験を詳しく述べ、自分を採用するメリットといった要素が評価対象です。ここでは就活生の「スキルや将来性」を見ています。
項目 | 自己紹介 | 自己PR |
---|---|---|
目的 | 自分の基本情報を知ってもらう | 自分の採用メリットを知ってもらう |
評価ポイント | 表情や話し方 | スキルや将来性 |
聞かれるタイミング | 面接が始まるとき | 面接の序盤や中盤 |
なぜ面接で自己PRが重要視されるのか?企業の本音に迫る
企業が面接で自己PRを求めるのは、応募者の特性や能力を深く理解し、自社でどのように生かせるかを判断するためです。
採用担当者は、応募者の強みや経験が将来的にどれだけ自社に貢献できるかを見極めたいと考えています。
そのため、自己のスキルや経験を応募企業の求める人物像と照らし合わせ、各社に刺さる内容・表現にすることが大切です。
「自分の強みがうまく言語化できない」と悩んでいる方は、AIに頼ってみるのもオススメ!あなたの経験や考えをもとに、人事担当者に刺さる表現にブラッシュアップできます。

重要!評価される自己PRを作成するための準備
企業に評価される自己PRは一朝一夕で出来るものではありません。ここでは、好印象を与える自己PRの作成に向け、事前に実施すべき準備事項について解説します。
自分の強みや特徴を知る
自己PRを作成するうえで自己分析は欠かせません。自己分析から見えた「強み」や「特徴」と、企業が求める人物像を照らし合わせることで、より企業に刺さるアピールができるでしょう。
なお、自己分析には非常に多くの時間を要します。何から始めたら良いか悩んでいる方は、まずは診断ツールでサクッと分析してみることもオススメです。

企業や業界を知る
業界や企業によって評価されるポイントや重視する価値観はさまざまです。そのため、魅力的な自己PRを作るためには、自己分析と並行して企業・業界研究も行う必要があります。
企業・業界研究が自己PRに役立つ理由は、主に次の3つです。
- 企業ごとに「刺さるアピールポイント」が見えてくる
- 競合他社との違いを理解したうえで、自分の志望動機や価値観を伝えられる
- 入社後の強みの「生かし方」に説得力が生まれる
自己分析と企業研究により、自分と相手(企業)を深く知り、魅力的な自己PRに繋げましょう!
評価される自己PRの作り方|面接やESで差がつくコツ
ここでは、面接や書類審査で評価される自己PRの作り方を紹介します。しっかり覚えてライバルと差を付けていきましょう。
構成は「強み→エピソード→結果・学び→将来の展望」
数百人・数千人の選考を行う採用担当者に自分を印象付けるには、理解しやすい文章が欠かせません。下記の流れで構成すると、論理的で分かりやすい文章となります。
- 結論(強み)を最初に伝える
- 強みを発揮したエピソードを具体的に話す
※「課題 →自身の考え → 行動」の順で伝えると分かりやすいエピソードに! - エピソードの結果や、そこから学んだことを伝える
※大きい成果は必要ありませんが、結果を伝えることが大切です。
たとえ失敗経験であっても、そこから学んだことが伝わればOKです - その強みをどう企業で生かすか伝える
※最後に、自分の強みを企業でどう生かせるかを具体的に伝えましょう。
企業の事業内容や理念に触れ、自分の強みとの合致を伝えることもオススメ!
数字を用いて説得力を上げる
数字は、あなたの強みを証明する客観的な証拠となり、自己PRの説得力向上に繋がります。例えば「売上アップに貢献した」と述べるよりも「売上を前年同月比で10%向上させた」と伝えた方がイメージしやすくなり、印象にも残りやすくなるでしょう。
数字を用いるのは結果ばかりではありません。「1日2時間の〇〇」や「2年間欠かさず〇〇」のように努力の過程を示すことで、物事に対するあなたの熱意や継続力がより伝わりやすくなる効果が!数字を使うことで、自己PRに具体性と信頼性が加わります。
再現性がある内容にする
再現性とは「強みや成功体験が、入社後の仕事でも再び発揮できるか」という意味です。企業は、偶然得た成果よりも、何度でも応用できる力を評価します。そのため、自分の強みを裏付けるエピソードを語る際には「この経験で培った力は新しい環境でも発揮できる」ということをしっかり示しましょう。
これには、結果以上にその背後にあるプロセスや考え方に重点を置いて伝えることが大切です。物事に取り組む際の思考過程は、どんな職場でも生かせる普遍的なスキルや姿勢としてアピールできます。
「自己PRって作るの大変そう……」と感じた方は、ツールを活用するのも一つの方法。dodaキャンパスの自己分析サポートでは、無料でAIがあなたの強みを分析し、たった5分で自己PRが完成します。

自己PRで評価される伝え方とは?答え方のコツ

内容や構成だけでなく、その伝え方によって聞き手の印象が大きく変わる自己PR。ここでは好印象となる自己PRの答え方について解説します。
自己PRを伝えるときに気を付けるべき2つのポイント
- 1分以内にまとめる
- 明るくハキハキと話す
印象が激変!自己PRのベストな時間
自己PRは1分以内で簡潔にまとめることが推奨されます。「時間を使って自分の強みを少しでも多くアピールしたい」という気持ちが働くかもしれませんが、これは逆効果です。
ダラダラ話すことで言いたいことが伝わりづらくなり、場合によっては「要約力がない」とマイナスの印象を与えてしまう恐れも……。
なお、1分間のスピーチでは、300文字~400文字にまとめると聞き手が理解しやすい早さになります。文章に起こした後は面接本番に備えて繰り返し音読し、焦らず落ち着いて話せるように練習を重ねましょう。
最後まで聞いてもらえる!面接官の心をつかむ話し方の工夫
自己PRは、自信を持って、明るくハキハキと話すことでポジティブな雰囲気が生まれます。
また、「強調したい部分で声を強める」「身振り手振りを加える」「ポイントになるワードの前に小さな間を置く」といった技術も活用することで聞き手の注意を引きつけ、アピール内容が伝わりやすくなるでしょう。
しかし面接本番は非常に緊張するもの。練習を重ね、自然な会話の流れで自己PRを展開できるよう心がけましょう。
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強みが見つかる!面接で刺さる自己PR例文10選【タイプ別で解説】
本項では、強み別にどうアピールするか、具体的な回答例文を紹介します。自分の強みに近いものを見つけ、ぜひ参考にしてください。
チャレンジ精神
アルバイト先のカフェでは売上が低迷し、悩んでいる時期がありました。リピート客の来店頻度が落ちていると気付いた私は、メニューのマンネリ化に原因があると考え、新メニューの考案を開始。顧客の好みをリサーチし、20種類以上の試作を重ねることで、ついに新メニューが導入されました。このメニューは1ヶ月後に人気No.1となり、店全体の売上も前年比で30%増加。私はこの経験から、新しいことに挑戦する大切さを改めて実感しました。
御社は若手から大きなプロジェクトに参加することが多いと伺っています。入社後も、このチャレンジ精神を生かし、臆さず積極的に新規プロジェクトに参加したいです。
継続力
私は3年前から本屋でアルバイトをしています。お店の売上が低迷していることを知った私は、詳細な原因を知るため、カテゴリーごとの売上調査を実施。すると、売上構成比が最も少ない文学本エリアが最も広いという矛盾を発見しました。そこで、お客様が求める本のカテゴリーを増やそうと考え、お客様のリクエストを投函してもらうBOXを設置しました。
最初はお客様に呼びかけを行うことで徐々に投函数は増え、半年で100件以上のご意見をいただくことが出来ました。そしてこの情報をもとに店長に提案を行ったところ、構成の見直しが入り、結果、翌年の店舗売上は前年比120%まで増加したのです。
入社後は、この継続力を生かし、課題に対して諦めずに解決案を考案することで御社に貢献します。
リーダーシップ
この強みを生かし、大学ではバスケットボール部のキャプテンを務めています。キャプテン就任当初、部員の練習参加率は低く、モチベーション維持が課題でした。
部員一人ひとりと面談を実施し、なぜ練習に参加しないのか意見を聞いたところ、多くの部員が「自分一人くらい出なくても問題ない」と考えていることがわかりました。そこで、練習の進行役を持ち回りにすることで、一人ひとりに責任感が生まれる仕組みを導入。この変更により、練習参加率は50%から80%まで向上し、練習中も積極的な声出しが見られるようになりました。
御社に入社後もこのリーダーシップを生かし、周りを巻き込みながら仕事をすることで大きな成果を出せるよう尽力します。
このようなリーダーシップを強みにした自己PRの作り方や、 さらに幅を広げる言い回しについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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柔軟性
私が所属している写真サークルでは毎年展示会を実施しています。しかし昨年、展示会の準備中に、急遽会場の一部が使えなくなるというトラブルが発生しました。
この問題に対応するため、私は代替のスペースを探し、レイアウトの全面的な見直しを提案しました。スペースを縮小して展示物を減らすことは簡単でしたが、それまで苦労して準備してきたメンバーの作品を一つでも多く展示したいと考えたのです。新たな会場設営は難航しましたが、メンバー全員で毎日3時間以上作業し、無事全ての作品を展示して当日を迎えることができました。
入社後もこの柔軟な思考を生かし、突発的な問題が発生しても慌てずに次の対策を検討・実行します。
コミュニケーション能力
インターンシップ中、チーム内で浮上した情報共有の課題解決に生かしました。私が参加したインターンシップでは、異なる部署の間で十分な意思疎通が取れておらず、プロジェクトの進行が遅れていました。私は各担当者にこの問題を提起し、週次ミーティングの開催を提案。
私自身、隔週で進行役を務め、議題の設定と、各メンバーからの意見を引き出す役割を担いました。結果、プロジェクトは予定より2週間早く完了し、社内プレゼンテーションで高評価を得ました。
入社後は、このコミュニケーション能力を生かし、チームワークの強化と、スムーズなプロジェクト運営に貢献したいです。
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計画力
私がこの強みを生かしたのは、2ヵ月前に参加した「新商品の市場導入計画を立案するインターン」です。開始当初、タイトなスケジュールの中でプロジェクトの進捗が遅れ気味となっていました。
私は、マイルストーンを置き、マクロなスケジュール管理をする必要があると考えました。そして、各フェーズの目標時期を設定して業務を分担し、進捗を可視化するシステムを導入。具体的には、キータスクに対して週ごとのチェックポイントを設け、毎週のミーティングで報告する仕組みです。結果、プロジェクトは納期内に完了し、社員の方からも「ここ3年で最もスケジュール管理が出来ていた」とお褒めいただきました。
入社後は、この計画力を生かして精緻な業務管理を行い、優先度の高い課題に対してしっかりと成果を上げたいです。
協調性
現在大学のゼミ活動で、5人のチームで共同研究プロジェクトを実施中です。ミーティングでは、全員が遠慮せず意見を言えるよう、個々のスピーチ時間を設けました。また、意見が対立した時は、メリットとデメリットを書き出し、全員で最適な解決策に辿り着くよう、先導しています。結果、研究中間発表会では審査員から「チーム全員で協力して取り組む姿勢が際立っていた」と評価されました。
入社後も、この協調性を生かして社内外と連携し、チームで大きな成果へつなげていきたいです。
主体性
私の大学では、定期的に自由な課題に取り組む授業があります。周囲が課題の案を出さない中、私は自主的に地域活性化に向けた課題を提案しました。具体的には、地元のB級グルメの開発と、その普及イベントの企画です。チームに向けて新メニューの試食会や、SNSによる情報発信を提案し、実行に移しました。結果、300人以上の地元住民が参加。活動の様子が地元新聞にも大きく取り上げられ、地域の活性化に貢献できたと感じています。
入社後も、積極的に行動し、新しい知識やスキルの習得に努める所存です。
創造力
大学のゼミで、古い商店街を活性化させるデザインを提案するプロジェクトに取り組みました。他のメンバーが従来のデザインから派生したプランを考える中、私は商店街の歴史と文化を取り入れた芸術空間を作ることを提案。具体的には、地元アーティストと協力して商店街の壁に地域の歴史を描いた壁画を制作するというアイデアです。 私の提案はゼミ内で大きな反響を呼び、最優秀案に選ばれました。さらに、実際に商店街の活性化計画の一部として実現し、観光客へ実施した「商店街で最も印象深いスポット」のアンケートでは50%以上の人がこのデザインを回答してくれています。
この経験を通じて、既成概念にとらわれない発想の大切さと、それを形にする難しさを学びました。入社後は、この創造力を生かして新たな視点からアイデアを提案し、企業の課題解決に貢献します。
分析力
私はインターンシップの中で、ある商品の消費者データ1万件を分析する役割を担当しました。扱ったことのない膨大なデータに戸惑いながらも、統計ソフトを用いて地道に傾向を分析し、以下の3つの課題を明らかにしました。
・商品の認知度が低く、トライアル率が低い
・競合商品と比較して価格が高く、購入のハードルになっている
・一度購入した顧客のリピート率が低いこと
私はこれらの原因を掘り下げて新たなマーケティング戦略を提案し、チームでテストマーケティングを実施。結果、対象商品の売上はテスト期間中に20%向上しました。
入社後も、分析力を生かし、論理的な提案で成果に繋げたいと考えています。
自己PRのキーポイントとは?
自己PRでは、面接官が自己PRを求める意図を理解し、各社に合った回答をすることが大切です。
今回記事で紹介したポイントを生かしてしっかりと準備を重ね、自信を持って臨んでください。
本記事のまとめ
- 企業が自己PRを聞くのは「入社後の活躍」を見極めるため
- 評価される自己PRには、自己分析と企業研究が欠かせない
- 作成時は以下の3点を意識しよう
1. 「強み → エピソード → 学び → 入社後の展望」の構成
2. 数字を入れて説得力アップ
3. 入社後に活かせる“再現性”を示す - 面接では1分以内、300~400文字程度が目安
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