「あなたを一言で表すと、どのような人ですか?」
「あなたのキャッチフレーズ(キャッチコピー)を教えてください」
就職活動の面接で、このような質問をされることがあります。事前に自己分析をしていても、キャッチフレーズをたずねられると、すぐに返答できない、なんてこともあるかもしれません。
自分自身のキャッチフレーズを決めておくと、エントリーシート作成時や面接時など、就職活動において活用できるシーンは多くあります。今回は、就職活動でキャッチフレーズが必要な理由、作る際のポイントや例文をご紹介します。
目次
キャッチフレーズ(キャッチコピー)とは何か?
キャッチフレーズ(キャッチコピー)とは、「相手に強い印象を与えるために使われる短い言葉、うたい文句」のことです。
日常でよく目にするキャッチフレーズ、例えば企業が出している商品広告。商品の特徴をわかりやすく一言で表すことで、その商品の魅力を端的に表現しています。これを就職活動に置き換えると、多数の学生を選考している採用担当者に、自分の魅力を一言で伝えること です。
なぜ就職活動でキャッチフレーズ(キャッチコピー)が必要なのか?
就職活動でキャッチフレーズ(キャッチコピー)が必要な理由は、2点あります。
面接で端的に自己紹介するため
「自分がどういう人間なのか」を端的に表現できるキャッチフレーズ(キャッチコピー)があれば、面接官に自分の人となりや強み、特性を簡潔に伝えることができます。さらに、 それを裏付ける具体的なエピソードを交えて話すと、キャッチフレーズ(キャッチコピー)への信頼性が高まります。
面接官は、 自分を客観的に理解できている学生がどうか、論理的に伝えられる学生かどうかを見極めているのです。
ライバルと差別化し、インパクトを残せる
採用担当者は、短期間で膨大なエントリーシートや履歴書に目を通し、短時間の集団面接で学生の資質を見極めているため、数多くのライバルと差をつけるためにはインパクトを残すことが大切です。
たとえ短いフレーズであっても、ときに強烈なインパクトを与えるキャッチコピーが重要といえます。そうはいっても、強い印象を残そうと嘘のエピソードを語ったり、誇張した表現を使うことはNGです。 必ず嘘偽りのない内容を伝えるようにしましょう。
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就活用のキャッチフレーズの注意点
キャッチフレーズ(キャッチコピー)は自分の魅力を伝える武器にもなりますが、誤った作り方では逆効果になることもありえます。より良いものを作るポイントを押さえて、以下の手順に沿って作ってみましょう。
(1) 一番伝えたい長所・経験から考える
キャッチフレーズ(キャッチコピー)は私たちの生活の至るところに存在しています。それらはいずれも、モノや人の長所を強く印象付ける言葉が使われています。
まずは企業にあなたが一番伝えたい、自分の長所や魅力を洗い出すところから始めましょう。
さらに、キャッチフレーズは背景となるエピソードがあることでより説得力を増します。自分を的確に表現し、また仕事につながる経験であるとより望ましいでしょう。
志望企業の求める人材像に合うかチェックする
いくらインパクトのあるキャッチフレーズ(キャッチコピー)が作成できたとしても、それが企業の求める人材像にマッチしなければ意味がありません。
例えば、新しいものに挑戦するチャレンジ精神のある人材が欲しい企業に対して、協調性を表すキャッチフレーズを使用しても問題ではないですが、採用担当へのアピールとしては弱いです。志望企業の求める人材にマッチするような強みを表すキャッチコピーを作ることが必要でしょう。
効果的なキャッチフレーズ(キャッチコピー)を作るには、 企業分析も必須です。
ありきたりな表現は避けるが、大喜利ではない
過去に多くの人が使っているフレーズや表現ではインパクトを与えることができません。
(例)
- 「粘り強さ」のアピールで「納豆」
- 「知識の吸収率の早さ」のアピールで「スポンジ」
- その他「潤滑油」「スルメ」
これらの表現は、面接官がこれまで繰り返し聞いてきたキャッチフレーズですので、印象には残りません。だからといって、ネタに走ることはかえって印象を悪くしてしまうので気を付けましょう。
ポイントとしては「粘り強さ」を「タフ」や「ガッツがある」と置き換えて考えることで、他の就活生と違う表現を作ることができます。
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就活用キャッチフレーズ(キャッチコピー)の作り方、手順
(1)一番伝えたい長所・経験から考える
まずはキャッチフレーズ(キャッチコピー)の土台となる自分の長所や魅力を洗い出すところから始めましょう。
自分の長所や魅力を洗い出せたら、あなたが企業に一番伝えたいものを選んでいきます。その際、具体的なエピソードがあると説得力のあるキャッチフレーズになるため、企業にアピールできるエピソードとつながるものを選ぶようにしましょう。
(2)反対の言葉や表現を組み合わせる
クールに見えるも熱い闘志を秘めていることから「頑張らない努力家」、相手との距離感を確かめながら気配りができる「一歩引いたおせっかい」など、 反対の言葉や表現を組み合わせたキャッチフレーズは、周りの応募者と差をつけることもできます。
このようなキャッチフレーズを作るためには、自分の長所や魅力をたくさん書き出し、どんな組み合わせなら面接官の心をつかめるのか考えてみましょう。
センスだけではなく、誰でも納得できる理由がなければ意味がありません。面白い発想力だけではなく、「なるほど」と思わせる説得力のあるエピソードが大切です。
(3)CMや映画のキャッチフレーズを参考にする
広告業界やエンタメ業界など、最先端の流行を押さえておくことが必須の業界では、CMや映画のキャッチフレーズを参考に作成するのも良いでしょう。限られた時間の中で、自分の強みと自信のアピールにつながります。
ここで注意したいのは、失礼になる表現や、競合他社の商品や作品のキャッチフレーズを使ってしまうこと。同じ業界で複数の企業を受ける際には、事前に「このキャッチフレーズで問題ないのか」をしっかりチェックするように心がけましょう。
また、 安易な模倣にならないよう留意しましょう。
就活用キャッチフレーズ(キャッチコピー)で押さえたいポイント
(1) 具体的な数字や経験を入れる
自分がアピールしたいポイントについて、 具体的な時間や成果を数字で表現することも重要です。「ジョギングで培った忍耐強さ」ではなく「3年続けているジョギングで培った忍耐強さ」ともできますし、3年間で3,000km走ったとしたら、その数字を使うことでまた違った表現になります。
さらに3,000kmは日本からどのくらいの距離か? などを考えると、ジョギングの経験だけでも多様な表現に変えることができます。
(2) ストレートに長所を伝え、短い文章で表現
奇をてらった言い回しよりも、ストレートに長所を述べるキャッチフレーズの方が当然ながら面接官に言いたいことは伝わります。また、 ストレートに伝えることでポイントが明確になり、より強いアピールにもつながるでしょう。
就活用キャッチフレーズ(キャッチコピー)を伝える際のコツ
キャッチフレーズを話す順番
面接時にキャッチフレーズを聞かれた際に話す順番は…
- キャッチフレーズ
- 関連するエピソード
- 入社後にそれをどのように活かしていくか
です。ここで大事なのは3の入社後のビジョンです。自分の強みが入社後にどう活かせるのか説明することでより、聞き手に大きなインパクトを与えることができます。
志望企業の求める人材像とかけ離れていないかを確認
いくらインパクトのあるキャッチコピーが作成できたとしても、それが企業の求める人材像にマッチしなければ意味がありません。
例えば、新しいものに挑戦するチャレンジ精神のある人材が欲しい企業に対して、協調性を表すキャッチフレーズを使用しても問題ではないですが、採用担当へのアピールとしては弱いと思われる可能性もあります。志望企業の求める人材にマッチするような強みを表すキャッチコピーを心がけると良いでしょう。
効果的なキャッチフレーズを作るには、企業分析も必須です。
就活用のキャッチフレーズ(キャッチコピー)の例文を長所別に紹介
では、さまざまな長所をふまえたキャッチフレーズ(キャッチコピー)の例文を見てみましょう。
努力家・継続性のキャッチフレーズの例文
私は「最強のコツコツタイプ」です。ただ漠然とゴールを設定するだけではなく、日々の課題を明確化することで、目的を達成するまで物事をやり続けることができます。
TOEIC800点を獲得するため、毎日英単語を10個覚え、オンライン英会話の受講を決めました。読解力が足りていないと感じた際は、英字新聞を読むなど、英語学習のアプローチを変えることで続けていました。毎日英語に触れることで読解力やリスニング力が向上し、最終的にはTOEIC800点の目標も達成しました。御社に入社した後も、この継続性を活かし、日々の業務にも日々の課題を明確にしながら取り組みたいと考えています。
長所が努力家や継続性の場合は、キャッチフレーズを作る際のテクニックで説明したように、努力した対象をさまざまな数字で言い換えてみましょう。
責任感・リーダーシップのキャッチフレーズの例文
私は「みんなを導く灯台」です。常にチームの柱となり、メンバーをまとめる役割に自信があります。
私は大学時代ラグビー部のキャプテンをしていました。我が部は年に2回行われるリーグ戦において負けることが多く、部員のモチベーションも下がっていました。そこで、私は部員全員に、練習前に負けた試合の分析や反省を行うミーティングを習慣化するよう呼びかけ、試合を再現した練習を行うことで、試合中の弱点を克服するよう指示しました。仲間がゴールを見失っているときにキャプテンとして指針を示すことで、迷うことなく勝利に向かって現状の改善を行うことができ、リーグ戦を勝ち越す事ができました。
入社後は、プロジェクトが行き詰っている時に、何をすべきなのかを明確にしてメンバーを導いていきたいと考えております。
サークルや部活、アルバイトやボランティアなど学生時代に「リーダーを経験した」という人も多いでしょう。具体的なエピソードとともに、みんなを導く象徴である「灯台」というキーワードを挙げた例をご紹介しました。
向上心・行動力のキャッチフレーズの例文
私は「全速力で走りながら考える人間」です。成功に向かって先陣を切って走り抜け、何事にも主体的に取り組むことができます。
私は大学時代、レストランでアルバイトをしていました。当時はさらなる売上アップのため新商品やサービスの開発が急務でした。そこで私は競合店舗の調査、友人へのアンケートや他ジャンルの店舗への訪問を経て、メニューの試食制度を提案しました。初めて来るお客様に後悔のないよう食事を楽しんでほしいという私の想いから発案した制度でした。これにより新規のお客様の数が劇的に増え、売上も向上しました。
入社後は、常に自分から動き出し、考えることで貴社の発展に貢献したいと考えています。
向上心・行動力がある点は入社後の姿勢をイメージさせてくれます。「指示待ちではなく、自分から行動ができる」人は、どの企業でも評価されます。
協調性・思いやり・気配りのキャッチフレーズの例文
私は「みんなの武器発見機」です。メンバーとの会話を通じてやる気を見出し、適材適所への割り当てをすることができます。
ダンスサークルに所属し、ライブの企画担当として活動していました。
サークルがゆえモチベーションがバラバラでしたが、企画担当グループの10人全員にヒアリングを行う事で、一人一人の強みや想いを理解することに尽力しました。ヒアリングをもとに、メンバーの強みが発揮できるよう役割を分担したことで、ライブ企画が効率的に進み、成功を収めることができました。
入社後も、メンバーへの気配りやコミュニケーションを活性化させることで、関わる人それぞれが実力を発揮できる環境を作りたいと考えます。
具体的なエピソードを深堀りして、より的確な言葉を選びましょう。
聞き上手・笑顔のキャッチフレーズの例文
私は「どんなネガティブなことも笑顔でポジティブに変える人」です。
私は塾講師のアルバイトで高校生を指導しました。担当する生徒の一人は長時間勉強していたにもかかわらず、テストで点数が伸びずに落ち込んでいました。私は生徒にどのように勉強しているかを尋ね、まずは長所を見つけ褒めました。次に勉強法から「暗記物が苦手」と判明したため、通塾の際には暗記力を確認できる小テストをする方針を立て、克服するよう提案しました。
毎回の小テストを実施することで、生徒が暗記をする習慣がつき、次のテストでは20点も点数がアップしました。 私は入社後、仲間がつらい状況にあっても共に考え抜くことで状況をポジティブにしたいと考えます。
「聞き上手」だけにフォーカスすると、主体性がないと捉えられることがあります。例文のように、相手の話を聞くだけではなく、親身になって相談できる信頼感や相手目線に立てる人だと言い換えることができます。
自分を表すキャッチフレーズ(キャッチコピー)を生かして面接に臨もう!
キャッチフレーズは、就職活動中に業界や業種を問わず、さまざまな選考過程で聞かれることがあります。「そんなこと言われても……」と焦ってしどろもどろになってしまわないよう、面接会場に入る前に心の中で暗唱しておくのもオススメです。
自分を一言で表すためには、自己分析をしっかりと行う必要があります。自分のアピールポイントを見極め、シンプルに伝わるキャッチフレーズを作っておきましょう。
就活について悩むときは
大学3年生は学業や部活・サークル、アルバイトなど、さまざまに忙しくなる時期ですよね。
自分に合った企業を見つけて、納得のいく就職活動にしたいと思うものの、限られた時間の中でどのように動けば良いのか、悩む方も多いのではないでしょうか?
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