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国際教養学部系統出身の先輩の「まなぶ」と「はたらく」をつなぐ

  • 大学1,2年生
  • 2021.05.01

※本記事の著作権は(株)ベネッセ i-キャリアが保有しております。

教えて、先輩!今、苦労している科目は、将来何の役に立つの? 

国際教養学の学びは、英語を「ゴールに向かうためのツール」として獲得することから始まります。英語が使えることは目指すゴールではありません。ゴールとは、グローバルに社会とつながりを持って活躍するための素養を身に着けることです。
そのため、学問領域を横断的に学んで知識を吸収し、プレゼンや留学など実践的な学びを多く経験します。自ら情報収集して考える機会が多いため、自分の頭で考え行動する「批判的思考力」が身に着きます。

社会人の先輩に聞いた「専門基礎科目で大変だった科目」BEST3

・Practical English Program

・国際関係論

・日本文化概論

先輩が学んでおいてよかったこと

【Practical English Program】

学生:とにかく勉強が忙しいと感じます。特に、この科目はハードです。もともと英語が好きだったのですが、高校の時とは比べ物にならないくらい課題の量が増えたり、講義中も発言する機会が多かったりして苦労しています・・・。
先輩「英語の実践トレーニングを積み重ねたことが、後の自分の財産になった」
確かに、英単語を覚え、文法の知識を学ぶには、授業だけでなく自分で日々頑張らないといけませんでした。「高校の時にもっと頑張っておけばよかった」と思いましたね。
私の時は、指定WEBサイトの英語の文章を読み込み、それに対する意見を英語で発表することを徹底的に繰り返す授業でした。単語や文法の知識を習得するためというよりも、英語でコミュニケーションできるように実践トレーニングを積んでいく感じです。発音を何度も正され、話し方も指摘され、勉強面でも精神面でもハードでした。その時は「留学する」「国際的な仕事をしたい」という目標を持ったクラスメイト達と励まし合い、何とかやりきりました。

留学先の授業では、「発言しないと出席したことにならない」「評価をしてもらえない」という厳しさに最初は衝撃を受けました。でも、その時に自分がくらいついていくことができたのは、この授業があったからだと思います。

また、この授業では思考力も鍛えられました。英語コミュニケーションではすぐに「Why?」が飛んできます。仕事では、全く違う立場の人と協力しあう場面が多いです。その際に、お互いが納得するために、根拠を明確にしたうえで、自分の意見を表現する力を身に着けられたのは良かったですね。

【国際関係論】

学生:「国際関係」と聞いて想像した内容と違い、政治や歴史が出てきて難しいです。違う分野の勉強をしているような感覚になります。
先輩「海外の方と関わる際、相手国や時事問題を理解するための基礎知識が役立った」
私も、海外と関わる仕事をするために、とにかく英語ができればいいと考えてました。グローバル化による課題は解決すべきだけれども、どこか遠い話のように感じ、自分にあまり関係ないと思っていました。でも、今は「学んでおいて良かった」と思っています。

例えば、仕事で海外の取引先とやりとりをする際、相手の立場を理解していないと伝わらなかったり、失礼があってお叱りをうけたりすることがあります。国際理解として、宗教的、文化的な背景はもちろん、今世界で何が起こっているのかを理解しておくことが欠かせません。そのため、日頃から国際ニュースはよく見るのですが、前提となる歴史や政治経済の知識をもっていれば、そこで起きていることを理解しやすくなります。

確かに英語ができれば相手と言葉のやりとりを交わすことはできます。しかし、相互理解の上に成り立つ関係を目指すなら、その相手にどう発信すれば誤解なく伝えられるかを考える必要があります。それは英語学習ではやらないことなんですよね。特にビジネスの場で使う英語は、国際関係論で学んだような国際理解の教養とセットになって初めて実践的になると感じています。

また、知識だけでなく、考え方も仕事に役立っています。 「何が問題か」を考える際に、どのような立場の人や組織が関わっていて、その関係性はどうなっているのかという背景を考えて真因を探ります。目の前の問題しか見ていないと対処法的な解決で済ませてしまいますが、背景にある真因が理解できていると根本的な解決を図りやすくなりますね。

【日本文化概論】

学生:海外に関心があってこの学部に入ったのに、わざわざ日本のことを学ぶ必要があるのか疑問に思います。日本のことは高校までの授業である程度わかっているし、自分の興味のある「世界の文化」を学びたいと感じてしまいます。
先輩「海外から見た日本を知ることで、視点を変えた学びの重要性に気づいた」
はじめのうちは私も、日本のことは十分知っていると思っていました。でも、日本の文化を改めて学ぶと意外と知らないことが多く、思っていた以上に面白かったです。特に、外国の方の視点から日本を学んでみると、文化の違いはもちろん、自分にとっての当たり前が、国によっては当たり前でないということに気づかされました。日本を通して世界のことも学べましたね。

「発信するスキルを徹底的に叩き込まれたことは、今まさに役立っている」
日本文化を発信できるようになるためのプレゼンがあったのには苦労しました。日本人には当たり前のことでも、外国の人には説明しないとわかってもらえないことも少なくありません。

でも、それを全部説明していると長くなり、逆に何が言いたいのか伝わりません。日本について説明する際は、日本文化の理解だけでなく、どんな人に向けて何を伝えたいのか、ポイントを明確にすべきだと学びました。先生に指摘されることも多く、何度も資料や原稿を作り直しました。その分、「何を伝えるか」だけでなく「どうしたら伝わるか」を考える力を鍛えられましたね。

自分の言いたいことだけを発信しても、相手がこちらの意図どおりに受け取ってくれるとは限りません。社会人になって、「受け手のことをなるべく理解して伝え方を工夫する力」は、仕事はもちろんプライベートでも役立っています。

先輩が4年間の国際教養学の学びで身に付いたと思う力

国際教養学部は、地球市民として社会課題に向き合い、国や文化の違いを超えて人々とつながりを持ち、社会で活躍するための素養を育成する学問です。地球規模の複雑な問題を理解することが必要であり、解決策を考えるために学問領域に捉われない幅広い知識・観点をもつことができるようになります。そして、解決策を実行に移すときに、多様な背景をもつ人々と協働できるコミュニケーション力を身に着けられます。

多様性に満ち、日々変化する実社会の問題を捉えるために、「なぜそうなのか」「本当にそうなのか」という「批判的思考力」を磨きます。また、立場の異なる人とも相互に理解しあえるように、「自ら考え、発信する力」を繰り返しトレーニングもできます。
いずれの力も、社会に出たときに、協働して課題解決するための基礎として生かせます。

大学生のときに苦労した科目ほど、今の自分に生きています。いい苦労をたくさんして、思う存分、今を楽しんで欲しいです!

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