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経営・商学部出身の先輩の「まなぶ」と「はたらく」をつなぐ

  • 大学1,2年生
  • 2021.05.01
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※本記事の著作権は(株)ベネッセ i-キャリアが保有しております。

教えて、先輩!今、苦労している科目は、将来何の役に立つの? 

経営学・商学とは、企業はもちろん、一般的な組織全般に対して、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という経営資源をいかに効果的に配分し、それらを活用して、その組織を豊かにするかを考える学問です。
組織運営のために必要な力をケーススタディを用いて学び、社会に役立つ実践的な問題解決能力を養うことができます。

社会人の先輩に聞いた「専門基礎科目で大変だった科目」BEST3

・経営学基礎・経営学概論

・簿記・簿記論

・マーケティング論・マーケティング入門

先輩が学んでおいてよかったこと

【経営学基礎・経営学概論】

学生:会社や組織について基本的なことをひととおり学ぶといわれても、実際に働いたことがないのでよくわかりません。教科書は分厚くて難しいし、実際にイメージを持つことができないまま、小テストでひたすら暗記するだけになってしまっています・・・。
先輩「基礎としてインプットした断片的な知識が、社会に出る前後でつながる瞬間があった」
私も学生時代はとっつきにくい科目だな、と思っていました。でも、この科目を受けたときから断片的に記憶に残っていた知識が、初めてつながったと感じたのが、私の場合は新入社員研修のときでした。その後も、会社で何度か研修を受ける機会がありましたが、たいていの場合、この科目内容と同様のことが導入として語られます。何度も聞いて、体にしみこませ、実践に生かしていくのだと思います。

インターンシップに参加するまでは、どうしても、企業を商品やサービスありきで見てしまっていました。背景にある組織としての在り方、方向性などに意識を向けられず、今思うともったいなかったな、と思います。

でも、この科目を学んだからこそ、就職活動の時に、採用以外の企業情報をインプットしやすくなり、社員の人たちと会った時にいろいろと質問したいことが浮かんだと言えるかもしれません。経営学は「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を体系的に学ぶのですが、それら4つをつなぎ、活用する力の基礎がこの科目で固められたのだと、きっと後で気づく瞬間があると思います。
卒業後に起業した友人は、「経営学のフレームワークはすごく重要だった」と、改めて当時の教科書を読み返していました。

【簿記・簿記論】

学生:初めて授業を受けたときは戸惑いました。聞き慣れない勘定科目が多く出てきて、覚えることだらけで嫌になってしまいました。高校で商業科だった友達との差も感じます。簿記って資格取得のための勉強をするにはいいけど、会計士になりたいわけではないので負担感ばかりあります。
先輩「アカウンティングの基礎となり、業務に直結する学びだった」
私も、学生時代は正直言ってあまり簿記の必要性を感じていませんでした。でも、社会人になって、考え方は変わりました。理由は2つです。

1つ目は、どこの組織でも「カネ」の動きを毎日・毎月・毎年正しく管理する必要があります。入社1年目の新人であっても、予算と実績を意識する必要性を感じながら行動できたのは、この科目で学んだ知識があったからだと思います。

2つ目は、企業情報を収集したり、実際に取引したりするときに、その組織の状況をIR・財務・経営指標の公開情報で確認するのですが、そのページを自分で理解しながら読めることです。読み解くと、組織の過去が見えてきたり、未来をある程度予測したりすることも可能です。これは簿記で学んだ基本があってこそだと感じています。会社でアカウンティングの知識は必須です。今では学んでいない人に教えるくらいの余裕も出てきました。

簿記は、企業や組織の財政・経営状態を数字で理解するための入門です。はじめは暗記中心でも、モノやサービスの売買の過程で、どこに何の費用がかかるかがわかってくると、処理の仕方とあわせて理解できるようになります。学んでいることが財務諸表などにどのようにつながっているのか、先生に質問してみてもいいですね。社会人が実務でどう生かしているのかイメージが持てると思います。私は法人営業をしていますが、この学びは業務に直結しています。

【マーケティング論・マーケティング入門】

学生:授業は面白いのですが、マーケティングの分析手法が次々と出てきて頭が混乱してきます。理論を聞いているとわかったような気がしてくるけれど、それが現実にどう役立つかのイメージがわきません。
先輩「マーケティング職でなくても、仕事をするときの思考のベースになった」
3Cや4P、SWOT分析など、有名な会社の事例と結びつけて紹介されるとわかりやすかったですね。説明だけ聞いているとイメージができず、広義過ぎてわかったようなわかっていないような、という感覚がありました。
ですので、自分なりに理解するための工夫がいりましたね。たとえば、事例を単にノートに書き込むのではなく「なぜこの項目にこの内容が入るのか」と必ず自分で考える。
また、学んだことを基に、「他の企業は一体どんな戦略をとっているのだろう?」という観点で自分でも調べてみると、より具体的にイメージできると思います。

この科目では、社会人になってよく使うフレームワークを、学生時代の時間のあるときに、理論や開発経緯も含めて学ぶことができました。今振り返ると、恵まれた時間だったと思います。数々の分析手法は、いずれも「なぜ?」「何が問題?」と考えを整理するための手段です。情報から問題を設定し、さらに検討事項をシャープにしてく。これは、社会に出たときの思考のベースとなりました。

マーケティングを仕事として専門にしていくためには、分析や統計が必要です。私はそのことを大学生の時にあまり理解していなかったので、社会に出てから学び直しましたが、大学時代のうちに取り組んでおけばよかったです。

先輩が4年間の経営学・商学の学びで身に付いたと思う力

経営学・商学は、企業や市場・消費者の活動を分析し、組織を発展させるための戦略を考える学問です。企業活動、消費者行動と一言で言っても多岐にわたります。新しいテクノロジーの活用、新商品の開発、効率的な生産体制、広報宣伝、法務、人財開発、海外進出、取引手法、サステナブルな取り組みなど、どれか一つでも欠けてしまうと、会社の成長も、市場の拡大も図れません。

企業は、チーム活動です。組織の仕組みを学ぶとともに、人間の心理や行動について学ぶことも重要です。経営学・商学は、心理学、法学、情報学などさまざまな分野の基礎理論も活用します。新技術に関する知識や人々の関心の動向など、あらゆる好奇心を出発点に学びを広げ、深めていくことができると思います。

大学生のときに苦労した科目ほど、今の自分に生きています。いい苦労をたくさんして、思う存分、今を楽しんで欲しいです!

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