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経済学部出身の先輩の「まなぶ」と「はたらく」をつなぐ

  • 大学1,2年生
  • 2021.05.01
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※本記事の著作権は(株)ベネッセ i-キャリアが保有しております。

教えて、先輩!今、苦労している科目は、将来何の役に立つの? 

経済学とは、「人間の行動」「組織」「経済」の理論のモデルを作り、それらを分析することから始まります。そして、そこで得られた事実を基に思考し、モデルに修正が必要であれば試行、検証します。
学びは、その思考プロセスの繰り返しです。経済学は、事実(エビデンス)に基づいた科学的な思考の獲得を目指すことができます。

社会人の先輩に聞いた「専門基礎科目で大変だった科目」BEST3

・ミクロ・マクロ経済学

・統計学・経済数学

・経済史・近代経済学

先輩が学んでおいてよかったこと

【マクロ経済学・ミクロ経済学】

学生:経済学部を志望した高校生のときから「ミクロ経済学やマクロ経済学って何?」と思っていました。実際に履修してみると、教科書や参考文献も難しい本が多く、出てくる言葉もよくわからない。すぐに理解できない自分に「経済学は向いていなかったのかな・・・」とすら思い始めました。
先輩「自分で現状を分析し、未来を予測するための基礎固め」
私も1,2年のときは、これらの科目を学ぶ意味がわかっていなくて、ただひたすら内容を覚える努力をしていました。3年生くらいになって、経済の発展的な理論を学んだり、現状を分析したりして、「あの時、先生が言っていたことは、このことだったのか」と気づく瞬間がありました。がむしゃらに暗記してきた知識を、初めて活用できた感覚でした。
今思うと、これらはどちらも経済の専門科目につながる、重要な科目でした。「必死にINPUTをしたことが、後で自分の財産になった」と思います。

ミクロ経済学では、ゲーム理論や、消費者行動などは比較的興味深く学べましたね。
ただ、初めて聞く言葉や覚えることも多く、毎回、計算もしなければならないので、ついていくのに必死でした。でも、諦めずに取り組んだおかげで、「数値を分析することで経済を理解する」ということが、なんとなくわかってきたのもこの授業でした。

マクロ経済学は、概念的な内容も多く、グラフやデータを使った説明がなされるので、正直言ってつかみづらかったです。実社会とつなげて考えられるものは比較的わかりやすかったですが、時代の変化により理論が実社会とマッチしないケースもありました。ですが、振り返って考えてみると、過去の分析や実証を見て、未来を予測する力を養える、自分で理論モデルを作れるようになるための第一歩となる科目だった、と思います。

【統計学・経済数学】

学生:数学が出てくるので、文系科目で受験した私にとっては大変です。高校時代の数学の教科書が必要です。課題も毎週出るし、ついていくために授業時間以外にも勉強する必要があるし、正直言ってきついです。
先輩「経済の学びを進めると、数学を学ぶ必要性に気づかされた」
この科目は、小テストも多くてハードでした。私も「高校時代もっと数学を勉強しておけばよかった」と後悔しましたね。
ただ、経済学部の専門基礎科目を学べば学ぶほど、数学の必要性を実感しました。経済学を学んでいるとさまざまな数式やグラフが出てきます。それらが何を示しているのかを、正しく理解できる力は重要でした。苦労はありましたが、経済と紐づけることで、高校数学ではただの数字の羅列に感じていた数式の意味も、少しずつ理解できるようになりました。

「数値化(定量化)して考える力は、社会で仕事をするときに必要な力の素地となる」
「状況や状態を数値化(定量化)して考えること」は、社会に出てからの日々の思考・業務そのものでした。営業もマーケティングも、生産管理、企画、制作、人事総務も全て、数字を元に思考し、戦略を立てて検証します。経済数学は論理的にエビデンスを持って、仕組みやサービスを開発、運用していくための基本となる学問だったと感じています。
日々、仕事でさまざまな情報(データ)を扱いますが、そのデータを正しく読み取って考えるための素地が身につきました。

文系でここまで学べるのはありがたかったと、今となっては思っています。大変だとは思いますが、今の努力は後で必ず報われますので、あきらめずに頑張ってほしいです。

【経済史・近代経済学】

学生:高校までの「歴史」に、追加で「資本主義の理解」と「理論」が加わった感覚で、考えることも覚えることも一気に複雑になって大変です。「過去の経済をそんなに詳しく学ぶ意味があるのか」「もっと実践的な科目や今の経済を学んだほうがいいのではないか」と思ってしまいます・・・。
先輩「過去や現状を分析することの大切さを実感。情報収集力や分析力の原点となった科目」
学び方に慣れるまではそう感じるかもしれません。私の場合、経済史の勉強が進むにつれて「経済って過去や現状の分析から未来を予測する学問なんだ」と実感がわいてきて、そこから面白いと感じるようになりました。
実際の社会に役立つ「法則」や「公式」を考えたり探したりするイメージです。未来の社会を考えるときに、歴史から学ぶことは必ずあると、この科目で学びました。

社会人になると、企画を立てることがよくあります。例えば「今はこれが流行っているけど、5年後はどうか」と考える際、経済学を学んでいたら、過去の分析から出発する思考が身についていると思います。思いつきの企画では人を説得できませんし、実行してもうまくいきません。
でも、過去の流行を分析した上で、次の流行を予測できたら、より説得力を持たせることができ、戦略の精度も上がります。

社会もテクノロジーもどんどん変化していく中、迅速に的確な戦略を立て、実践し、修正して、また実行していくことが重要です。そのために必要となる情報収集力や分析力は、この科目がスタート地点となって、身につけられてきたと思います。

先輩が4年間の経済学部の学びで身に付いたと思う力

経済学は、企業・組織や人間の意思決定及び行動を理解し、これからの経済発展に貢献することを目的とした学問です。生産・消費・売買など、経済活動に関する全てが学びの対象です。そのため、自らの生活・消費行動や日々の報道、ニュース全てが学びの素材なのです。
経済学を学ぶ4年間は、学びのアンテナの感度を上げ、状況を客観的に分析し、論理的に物事を考えるためのトレーニング期間そのものといえるでしょう。
また、経済学とその周辺科目全てを通して、社会の豊かさ、人の幸せについて学び考えることは、数年後に「自身がどのように社会で活躍したいか」というテーマを追究する際、ベースとなるはずです。

大学生のときに苦労した科目ほど、今の自分に生きています。いい苦労をたくさんして、思う存分、今を楽しんで欲しいです!

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