ビジネスのグローバル化や業界自体のイノベーションなどにより、就職してから終身ひとつの会社で安泰に働けるという神話はもはや崩れつつあります。
そのような時代の中、自らの技能や経験を生かし、会社の収益につなげるためには、「職務遂行能力(業務遂行能力)」を磨いていくことが大切。もちろん、社会人になってから日々勉強し、経験を積んでいくことで磨かれるスキルではありますが、学生時代からこの職務遂行能力を意識しておけば、就職活動で有利に働くことも……!
今回はそんな“職務遂行力(業務遂行力)”について学んでいきましょう。
目次
職務遂行能力(業務遂行能力)の意味とは?
職務遂行能力(業務遂行能力)とは、仕事をおこなうために必要な能力を指します。ただし、単純に仕事をこなしていくうえで得られる、経験や技能、資格といったものだけにとどまりません。
例えば、どのような手順でおこなえばより効率的に遂行できるのかといった思考能力。ひとつの仕事(プロジェクト)に対してどれほどの期間を設け、どれほどの人員が必要なのかを予見する力。加えて、どれくらい予算が必要で、どの部分で費用を削れるのかを考えるコスト意識なども職務遂行能力として挙げられます。
職務遂行能力(業務遂行能力)は、一生ついて回る重要なスキル
当然、就職してすぐは与えられた仕事をこなすだけで精一杯の毎日。ですが、会社での地位が高くなればなるほど重要な仕事を任せられるようになったり、部下やチームメンバーなど、他の人と一緒に仕事を回すマネジメント力が問われるようになります。同時に、顧客や他部署、協力会社との窓口となり、円滑に仕事を遂行させるコミュニケーション力も必要に。
今から職務遂行能力(業務遂行能力)を身につけておくことで、これらの能力が必要になったときに、すぐに発揮できるでしょう。同期の人より、ひとつ抜きん出た存在になれるかもしれません。
“職務遂行能力(業務遂行能力)”は、ビジネス用語でよく使われる「コンピテンシー」と同義語として理解されることが多いのですが、コンピテンシーは特定の職務を効果的におこなうために必要とされる「力量」や「能力」といった、いわゆる個人の“強み”を意味するキーワード。職務が異なると、必要となるコンピテンシーも異なります。
これに対し「職務遂行能力(業務遂行能力)」は、一個人だけにとどまらない、チームとして会社の利益にどれだけ貢献できるのかといった、より広範囲で強い影響力を持つスキルを表す言葉です。職位や立場に求められる「職務全般」 を遂行する能力なので、どのような職務であっても使える能力になります。
職務遂行能力(業務遂行能力)は、アルバイトやインターンシップなどで培えるもの。与えられた仕事に対しどのようなやり方がもっとも効率的か、そして仕事の最終目的(誰のためにやっているのか)を明確にすることで、論理的なものの考え方を養うことができます。
面接の際には、アルバイトやインターンシップを通じて自分が仕事を経て感じたことや問題点などを自分なりの視点で話すことで、人事担当者に「この学生は即戦力になってくれそうだな」といった好印象を与えることができるでしょう。
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職務遂行能力(業務遂行能力)を養うために必要な6つのポイント
次に、職務遂行(業務遂行)のために必要な能力を見てみましょう。学生のうちから意識すれば、友だち同士や家族との間からでも発見できることや磨ける能力があるはずです。
①思考・分析・判断能力
最大の利益を生み出すために、なにができるか。社会人になれば業務効率化や省力化を考え、常に改善していくことが求められます。
ほかにも、何かトラブルが起きたときにどのような対処をするべきか、イノベーションが起きたときにどのように順応していくのかといった分析・判断能力に加え、ときには柔軟で真新しいアイデアを出すことも求められるでしょう。
学生のうちからでも、勉強やアルバイトなど目の前の物事に満足せず、つねに改善を試みることで、そうした思考や分析・判断能力を養うことができるはずです。
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②ビジネスマナー
敬語の使い方、清潔感のある服装などによって人に与える印象は大きく変わるもの。いくら個人で業績を上げていても、ビジネスマナーがないがしろでは、その人の評価は思うように上がらないこともあります。
また、社外の人と接するうえでビジネスマナーがしっかりしていなければ、その会社自体の評判を落とす原因にも……。
学生のうちは髪を染めたり、派手な格好をしたりするのも楽しいもの。ですが、就活を意識していく中では、“他人から自分がどう見られるのか”といった視点で、服装や立ち振る舞いを見直してみるのも良いでしょう。
③コミュニケーション
働きやすい職場づくりのためにも、円滑なコミュニケーションは欠かせないもの。上司へのホウレンソウ(報告・連絡・相談)はもちろんですが、会社での地位が上がり、マネジメント能力が問われるようになると、いろいろな人とかかわらなければなりません。
学生のうちは、苦手なタイプの人にかかわらなくとも問題はありませんでしたが、社会人になるとそうはいかないもの。時には、自分と性格の折り合いが悪い人とも仕事を進めなければならないこともあるのです。
ですので、そうした人にも自ら話しかけ、問題解決への提言やストレスの緩和などに努める行動力も重要になってきます。
同じ学部やサークルの人とだけ関わるのではなく、ときには自身のコミュニティーと違う人や年齢の違う人と話してみることで、考え方や視野も広がり、いろいろな人とコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
④チームワーク
仕事は、ひとりの力で完結することはまずありません。部署の人間が一丸となって結果を出すものです。
そのためには適切な人員配置や、その人のスキルをフルに生かせる役割を与えることが大切。仕事を進めていくうえでは、一部の人に極端に仕事が偏ることもあります。
不平不満やストレスの原因となり職場の雰囲気が悪くなることもあるので、「手伝いましょうか?」と声をかけるなど、チームとして誰かを手助けする気配りも必要です。
チームワーク力の真髄は、“他人を思いやる”こと。サークルやアルバイトなどでも、十分身につけることができるものです。まずは、周りの友人などを意識して、気にかけてみましょう。
⑤チャレンジ精神
新人社会人にとって、これまでに前例のないことに取り組むことや、ほかの人がなかなか手を挙げない役割を率先してやろうとする意志表示は大切なもの。
成功すれば大きな評価につながりますし、仮に失敗してもそのチャレンジ精神は上司や先輩社員から称えられるはずです。また、困難に挑み、打ち勝つことでスキル的にも大きく成長できます。
そうしたチャレンジ精神は、まずはいろいろなことに興味を持ってみることから。勉強やアルバイトだけでなく、趣味などの幅を広げるだけでも、チャレンジ精神を培うきっかけになるでしょう。
⑥責任感
責任感は、職務遂行力(業務遂行力)の大軸となるもの。
たとえば、仕事をしていると、時には失敗をしてしまうことも。ですが、与えられた業務に対していかに誠意を持って取り組みミスを挽回するかで、その後の評価がかわってきます。また、責任感がなければ仕事に対し自信を持つこともできませんし、成長することもありません。
ぜひ学生のうちから、日々の勉強やアルバイト、インターンなど責任感をもって取り組んでみてください。
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職務遂行能力(業務遂行能力)は、毎日意識して取り入れよう
どんなに大学で専門分野を勉強して資格を取ったとしても、いざ社会人になってから経験する世界は、学生時代に考えていたこと、準備してきたことと違うことも。
もし仕事がうまくいかなくても、そこで落ち込むのではなく、上記6つのポイントと失敗を照らし合わせて改善策をさがし、次につなげましょう。
「最終的なゴールは何か?」
そうしたことを考え、論理的に行動していくことが職務遂行能力(業務遂行能力)を磨くための最大の近道といえるでしょう。
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