今回は就活の「面接マナー」について詳しく解説します。面接官は、ノックの仕方や控室での様子、面接当日の行動を細かくチェックしています。
面接に臨む際は、面接官が見ているポイントを意識しながら、相手を不快にさせない所作を心がけましょう。
目次
就活の面接マナーで企業側が重視する3つのポイント
就活の面接マナーを意識するときは、まず「面接官が重視しているポイント」を理解しておきましょう。面接官が見ているポイントが分かれば、おのずと相手を不快にさせない言動ができるようになります。
面接官が見ている3つのポイント
- 基本的なビジネスマナーを持ち合わせているか?
- 自社への入社意欲の高さは?
- コミュニケーション能力に問題はないか?
基本的なビジネスマナーを持ち合わせているか
面接では、基本的なビジネスマナーを持ち合わせているかを見られています。業務に必要な知識やスキルは入社してから教育してもらえますが、最低限のマナーは入社前にわきまえておく必要があります。
社会人に求められる常識的なマナーがないと、入社してから先輩社員や上司とコミュニケーションが取れず、仕事に支障が出るかもしれません。
また、面接では第一印象が非常に重要です。どんなに素晴らしい自己アピールができても、挨拶や入室時のマナーが悪いと印象も悪くなってしまいます。
自分の強みを面接官にしっかり伝えるためにも、最低限のビジネスマナーは理解しておきましょう。
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自社への入社意欲の高さ
面接マナーを通じて「入社意欲」も見られています。
そもそも、入社意欲が高い学生は「面接官に良い印象を与えたい」「失礼がないように振る舞いたい」と思うものです。入社意欲の高さから、面接で必要なマナーも勉強するでしょう。一方、マナーをわきまえていないと「面接準備をしていない=入社意欲がない学生」と見られてしまうかもしれません。
面接での自己アピールは「受け付けやドアノックの段階から始まっている」といっても過言ではありません。入社意欲があるのに「意欲が感じられない」などと誤解を与えないためにも、挨拶や言動一つひとつに注意を払いましょう。
コミュニケーション能力
社会人として必要なコミュニケーション能力も、面接で見られている点の一つです。
面接での言動を見ると、「担当者とのやり取りは常識をわきまえているか?」「まわりの人への配慮はできているか?」など、コミュニケーション能力の高さがわかります。
自己中心的だったり常識がなかったりする人は、面接での受け答えにも表れるでしょう。入社後は、上司や同僚などと協力しながらプロジェクトを進めることも多く、高いコミュニケーション能力が求められます。コミュニケーション能力は入社してから教えられるものではないため、面接で最低限の能力を見られているのです。
なお、入社後に必要なコミュニケーション能力はインターンシップで学ぶこともできます。実際の業務を経験しながら、先輩社員や上司との接し方など知れるのは貴重な機会です。インターンシップの探し方については、dodaキャンパス「インターンシップの上手な選び方や探し方とは?情報の集め方や応募方法まで解説」も参考にしてみましょう。
就活面接|受け付けから入室~退室までで注意したいマナー
就活の面接では、受け付けから退室まで、学生の言動一つひとつが見られています。「マナーをわきまえていない」「入社意欲がないのでは?」などと誤解を与えないためにも、下記のポイントは最低限押さえておきましょう。
比較検討する項目
- 受け付け時……はっきりと名前を名乗り訪問目的を伝える
- 控室……まわりの学生と大声で話したりスマホを触るなどの言動は避ける
- 入室時……ノックは3回。挨拶をしてから立礼し許可を得てから座る
- 面接中……適切な声のトーンと大きさを心がける。相手の話をさえぎらない
- 退室時……お礼を伝えて立礼。後ろ手でドアを閉めない
- Web面接……顔や声の伝わり方に気を付ける
面接当日の受け付け時のマナー
面接当日は時間厳守はもちろん、できれば指定時間の10分前くらいに到着するのがマナーです。早く着きすぎると企業側の準備が整っておらず、逆に手間をかけてしまうことになります。
電車遅延の可能性も考えて30分前には到着するように出発し、早ければカフェなどで時間を調整しましょう。
受付では、下記のように大学名と氏名を名乗り訪問目的を伝えます。
▶挨拶例:「お世話になります。〇〇大学から来ました△△です。本日は採用面接で伺いました」
挨拶するときは「はっきりした声で大きく」「表情も明るく」を意識しましょう。「採用面接は受け付け時から始まっている」と意識しながら行動することが大切です。
控室でのマナーとNG行動
控室では、次の行動に注意しましょう。何気ない行動も、採用担当者に見られていることがあります。
控室で避けるべき行動
- まわりの学生と大声で話す
- 椅子に浅く座るなどだらしない座り方をする
- 頻繁にスマホを触る、ゲームをする、誰かと電話をする
控室では、採用担当者から当日の面接の流れなどに関する詳細な説明があります。順番や時間、面接が終わった後の流れなどについて、忘れないようにメモを取りましょう。
スマホにメモをするのではなく、小さなメモ用紙で書き留めると真剣さが伝わり好印象です。
【入室時】ノックの仕方から着席までのマナー
ノックから着席までのマナー
- 入室時……ノックは3回。ドアを開けながら「失礼します」と一礼。ドアは後ろ手で閉めない
- ドア付近に立って挨拶……「〇〇大学から来ました△△です。本日はよろしくお願いいたします」と大きな声で笑顔で挨拶
- 椅子の横に経って一礼……「お座りください」と許可が出てから着席
なお、集団面接の場合は入室時に全員が挨拶をすると時間がかかるため、「失礼します」と一礼をして席まで進みましょう。面接官から声がかかったら着席します。
面接官は入室時の表情や歩き方、動作などを見ています。緊張するかもしれませんが、不快な印象を与えないように、背筋を伸ばし堂々としましょう。
【面接中】面接官を不快にさせないためのマナー
対面の面接では、聞かれたことに的確に回答し、ハキハキと聞き取りやすいトーンで話しましょう。椅子に深く腰をかけて、お腹に力を入れて顎を少し上げて話すと良いでしょう。うつむき加減で話してしまうと声が聞き取りづらく、心象を悪くしてしまう可能性があります。
対面での面接時のマナー
- 面接官の話は最後まで聞く。途中でさえぎって話し始めない
- 聞かれたことだけを回答する。時間制限があるため余計なことを話し過ぎない
- 大きな声でハキハキと話す。特に語尾が小さくならないよう注意する
- 面接官の説明や質問にはうなずきながら反応する
なお、集団面接の場では周りの学生にも配慮することも大切です。「最後に何か質問はありますか?」と聞かれた際に他者を差し置いて、いきなり話し出すのは避けたほうが良いでしょう。
手を挙げて、面接官から「では〇〇さん、どうぞ」と言われたら、「ありがとうございます。御社の〇〇についての質問です」と始めましょう。
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【リモート面接】Web面接時の服装や入室マナー
Web面接では双方の雰囲気が伝わりづらいため、照明や声のトーンなどに気を配りましょう。
Web面接時のマナー
- 入室のタイミング……5分前くらいがベスト。入室すると企業側に通知が行くこともあるため早すぎる入室は避ける
- 照明……自然光が入る部屋で面接を受ける。部屋が暗い場合はオンラインツールの明るさ調整を利用する
- 声とマイク……事前にテスト をしておく。マイクに近づき過ぎると声が割れるため注意する
- カメラ位置……画面の中心に顔全体が見えるくらいな位置がベスト。近すぎると圧迫感を与えるため注意する
- 目線……画面を見るのではなく、カメラ付近を捉える感じで話す。姿勢は正しく目線は少し上に置く
- 服装……Web面接だからといって油断しない。対面と同じスーツなどで参加する
Web面接では話すタイミングが難しく、挨拶や質問をしづらい場面もあるでしょう。オンラインツールの「手を上げるボタン」などを活用すると、話すタイミングもミスせずに済みます。
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就活面接の服装や持ち物|採用担当者が意外に見ているポイント
就活面接では服装や持ち物などにも気を配りましょう。
採用担当者は下記のような点をチェックしています。
エントリーシートと履歴書の違い
- 髪型は清潔感があるか?
- スーツやシャツにシワや汚れはないか?
- ビジネスマナーをわきまえた持ち物か?
- 靴は手入れされているか?
- スマホはマナーモードになっているか?
清潔感のある髪型か?
髪型は「清潔感があるかどうか?」がポイントです。
手入れが行き届いていない髪型だと、「普段の仕事でもルーズなのでは?」と、ネガティブな印象を与えます。特にお辞儀をした時に乱れるなど、長い髪型はまとめておくなど配慮しましょう。
スーツやシャツのシワや汚れ
スーツやシャツのシワや汚れも意外に見られています。
シャツにアイロンをかけておくのはもちろん、袖口の汚れなどにも注意しましょう。また、スーツでパンツを着用する際には折り目にも注意が必要です。長い期間クリーニングに出していなかったり、雨の日に着用して放置していると折り目がなくなり、だらしない印象を与える場合があります。
できれば、面接前にスーツやシャツをクリーニングに出しておきましょう。
鞄などの持ち物
鞄は、できればビジネスタイプのものを持っていきましょう。
リュックなども発売されていますが、就活用カバンがおすすめです。
面接時には書類やスマホ、貴重品などを持っていくことも多いため、インナーポケットが付いた機能性重視の鞄が良いでしょう。
靴の手入れ
靴は適度に磨かれているのが理想です。
「靴は、その人の人格を表す」とも言われます。靴は面接官の目線が届きやすい箇所でもあります。
手入れの行き届いていない靴は、だらしない印象を与えてしまうため、自宅で磨いておくか街のリペアショップなどで簡単に手入れしてもらうのがおすすめです。
スマホがマナーモードになっているか
スマホは、面接中はもちろん控室でもマナーモードに切り替えておきましょう。
面接中にスマホが鳴ったら「ビジネスマナーを知らないのでは?」と悪い印象を与えてしまいます。面接も中断してしまい、進行に支障をきたすかもしれません。
できれば、面接終了まで電源を切っておきましょう。
【面接マナー】いまさら聞けない6つの疑問に回答!
面接前には「マスクはつけたままでいい?」「ノックは何回が正解」など、いまさら聞けない疑問が出てくるものです。
いくつかの面接での疑問にもお答えしていきます。
Q1:面接時のマスクはつけたままでも大丈夫ですか?
面接中、マスクを外すかどうかは面接当日の状況にもよるでしょう。
本人が風邪気味だったり、まわりで感染症が流行ったりしているならマスクをつけたほうが安心です。
一方、面接は学生と企業との相互コミュニケーションの場です。双方がマスクを外して、お互いの表情を確認することも必要になってくるでしょう。
できれば、面接の冒頭で「マスクは外したほうがいいでしょうか?」と指示を仰ぐのが理想です。
Q2:どうぞお座りくださいの前に着席するのはNG?
着席は「お座りください」と許可が出てからにしましょう。
何も言われていないのに、いきなり座ると無礼な印象を与えてしまいます。
ただ、集団面接では「お座りください」の声がかからない場合もあります。もし判断に迷う場合は「椅子にかけてもよろしいでしょうか?」と確認してから座りましょう。
Q3:ノックは2回3回どちらが正解ですか?
ノックは3回が正解です。
2回はトイレに入るときに使うことも多く、ビジネスシーンでは3回、外資系企業では「ノックは4回」というところもあります。
ノックをするときは「音」と「速さ」にも注意が必要です。威圧感を与えるような大きな音でノックしないよう注意しましょう。また、「コンコンコン!」と急かしているような感じでドアをノックするのも面接では相応しくありません。
Q4:お礼は立ったまま?それとも着席してから?
面接が終わってからお礼を伝えるのは「立ったまま」が理想です。
会話の流れ上、座ったまま挨拶するケースもありますが、基本的には一度席の隣に立ち「本日は貴重なお時間を頂きありがとうございました」と、面接の機会を頂いた感謝の気持ちを伝えましょう。
ただ、集団面接では全員が一斉に立つため、一人ひとり挨拶をしている時間がない場合もあります。挨拶できる時間がなかったり、一人ひとり挨拶する雰囲気ではない場合は、席の横に経って「失礼します」と一礼しましょう。
Q5:駅を降りてから面接会場までチェックされているって本当?
駅から面接会場までの道中までチェックされているかどうかはわかりません。
駅から会社へのルートは企業の従業員や幹部も通るため、コンビニなどで騒いでいたり歩きながら喫煙したり、常識外れの行動があると「どこの学生?」と聞かれることもあるでしょう。
重要なのは「誰に見られえても恥ずかしくない行動ができているか?」という点です。「チェックされているから気を付けて行動する」ということではなく、社会人として常識ある行動を常に心がけましょう。
Q6:面接会場への到着は何分前が理想?早すぎるのもマナー違反?
面接会場には10分前に到着するのが理想です。
早すぎると企業側の会場準備が間に合っていないケースがあり、採用担当者に迷惑をかけてしまうかもしれません。
ただし、電車遅延や交通渋滞など想定外の事態が発生する可能性もあります。遅刻しないためには早めに家を出て、駅のカフェで面接準備をするなど、余裕を持った行動を心がけましょう。
就活面接は練習あるのみ!入室から退室まで基本動作を覚えよう
面接当日は緊張してしまい、普段できていることでもミスをしてしまうなど想定外のことが起こります。
面接に臨むまでには、家族や友人、先輩などのアドバイスを受けながら何度も面接練習をしましょう。
「人前に出ると緊張してしまう」という方は、ぜひdodaキャンパスキャリアアドバイザーの記事「キャリアアドバイザーが答える!\就活Q&A/~緊張への対処法~」も参考にしましょう。
実際に就活面接を経験したアドバイザーが、緊張に慣れる方法など、就活に役に立つアドバイスをしてくれます。
ライタープロフィール
メーカーにおけるエンジニア、法人営業のコンサルタントといった異なる職種で経験を培った後、現在は大手通信企業で600名の組織を統括。
経営戦略や人材育成に携わりつつ、大手オウンドメディアにおいて組織マネジメントや人材育成などの記事執筆や監修にも従事する。
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