就活をするにあたり、「資格がないけど大丈夫かな・・・」「履歴書の資格欄に何も書けない・・・」と心配になっている人もいるでしょう。資格を持っていると就活に有利だと言われますが、それは志望する業界や職種、また資格の種類によって変わってきます。
今回は、就活で資格が有利になるケースのほか、業界・業種別のおすすめ資格などを解説していきます。「就活のために資格を取ろうかな」「取るならどんな資格がいいんだろう」と考えている就活生のみなさんは、ぜひ参考にしてください。
目次
就活時に資格は意味ない?それとも有利?
一般的に「資格があると就活に有利になる」と言われますが、これは必ずしも正しいとは限りません。より正確に言うなら、以下のようになるでしょう。
- 「資格を持っていないことが理由で、選考で不利になることはない」
- 「志望する業界や職種に関連する資格を持っていれば、選考で有利になる場合がある」
資格を持っていない就活生へ
資格があれば就活を有利に進められる場合もありますが、資格は必須ではなく、資格がなくても内定をもらうことはできます。「資格を持っていないから」という理由でマイナス評価になったり、選考に落ちたりすることはありません。
実際に、「資格を保有するか否かが選考結果に影響することはありません」「選考において、特定の資格保有者を優遇することはありません」などと明言している企業も多くあります。
※ 技術職などで採用条件に特定の資格が記載されている場合は、有資格者でないとエントリーできません。
▼就活のための資格取得は意味がない!?
アピールポイントや強みがないことを不安に思い、就活のために資格を取得する学生もいるでしょう。もちろん資格取得は有意義なことですが、あくまでも将来のスキルアップやキャリアアップのために取るべきであり、就活のために資格を取るのはおすすめできません。
特に、志望する業界・職種に関連のない資格を取ったり、難易度の低い資格を取ったりしても、就活でアピール材料にはなりません。それどころか、「ただの資格マニア」「将来のビジョンが見えない」など思われてしまい、逆にマイナス評価になってしまう場合もあります。
日本企業の新卒採用は、基本的にポテンシャル採用です。スキルや専門性は入社してから身に付ければいいと考える会社が多く、就活の時点で資格を持っているかどうかはそれほど重視されません。就活のために資格を取る時間があるなら、自己分析や業界研究・企業研究、将来のビジョンづくりに時間を使ったほうが、結果的に納得のいく就活ができるはずです。
資格取得を考えている就活生へ
資格を取ったからといって就活で有利になるとは限りませんが、志望する業界・職種に関連のある資格であれば取得する価値はあります。就活までに取得できればESや面接でのアピール材料になりますし、社会人になってから取得してもスキルアップ、キャリアアップにつながります。
何の資格を取ろうか悩んでいるのであれば、やはり志望する業界で需要のある資格を取るべきです。入念に業界研究をして、「その業界ではどんな資格が重宝されるのか?」「入社後に取得する必要がある資格はあるのか?」といったことを押さえたうえで資格取得に臨みましょう。
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業界・業種別おすすめの資格
業界・業種別におすすめの資格をピックアップしてご紹介します。
全業界・全業種
▼TOEIC
業界・業種に関係なくアドバンテージになるのが、英語力を測るための世界共通のテスト「TOEIC」です。文系でも理系でもTOEICのスコアが高ければ就活に有利になりますし、キャリアアップを図るうえでもプラスになります。
近年では、「TOEICスコア◯点以上」を採用条件とする企業が増えており、新卒採用においては約50%の企業がTOEICのスコアを要件としている、もしくはTOEICのスコアを参考にしているという調査データもあります(※)。応募企業の選択肢を広げるという意味でも、就活生がTOEICに取り組む意義は大きいと言えるでしょう。
※参考:英語活用実態調査2019|国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)
商社
▼TOEIC
商社は海外との取引が多く、働く社員は英語ができて当たり前。非常に高いレベルの英語力が求められます。商社志望の就活生のTOEICスコアは、最低でも730点以上が目安にされるのが一般的です。
▼簿記(日商簿記検定)
商社における事業投資部門では、投資先の業績を正しくチェックする能力が必要です。決算書を読み解くには一定以上の会計知識が必要になるので、簿記を持っていると有利になるでしょう。
金融業界
▼簿記(日商簿記検定)
金融業界の仕事では、日常的に取引先の財務諸表を読み解いたり、財務担当者とやり取りしたりします。そのため、簿記を持っていると業務に大いに役立ちます。
▼FP(ファイナンシャルプランナー)
金融業界では、顧客に提案をする際、融資や保険、相続や税金などの知識が必要になります。その際、FPを持っていると役立ちます。金融業界を目指すなら、FP2級を取得しておくといいでしょう。
IT業界
▼基本情報技術者・応用情報技術者
基本情報技術者は、ITの基本的な知識と技能があり、実践的な活用能力があることを証明できる資格です。基本情報技術者のワンランク上に位置する資格が応用情報技術者です。IT業界のなかでも情報処理系の企業を受けるなら、基本情報技術者・応用情報技術者の資格があると有利になります。
不動産業界
▼宅建(宅地建物取引士)
宅建は、不動産にまつわる権利関係や法令、税金などの知識を証明できる資格です。不動産業界ではマストとも言える資格であり、就活時に持っていなくても入社後に取得することになります。不動産業界を志望する人は早めに取得しておいて損はないでしょう。
【就活生必見】不動産業界を徹底研究!仕事内容や今後の動向とは | dodaキャンパス
資格を効果的にアピールする方法とは?
資格を活かして就活を有利に進めるには、資格のアピール方法が重要になってきます。企業は、あなたが「資格を持っていること」を評価するわけではありません。資格を取得した「動機」であったり、資格を取得するための「努力」であったり、資格を取得した先の「ビジョン」を評価します。特に面接では、以下の点を意識して最適なアウトプットができるようにしておきましょう。
資格を取得した理由を伝える
「なぜ、その資格を取ろうと思ったのか?」を伝えます。自分が関心のあることや過去の経験と紐付けて話すのがポイントです。
資格取得の過程を伝える
資格取得の取り組みは、ガクチカの材料として効果的です。資格取得の過程を伝えるなかで、「目標達成のためにどんな努力をしたのか?」「困難をどうやって克服したのか?」をアピールできると理想的です。
資格の活かし方を伝える
「資格を活かして将来、どんなことをしたいのか?」を伝えます。その資格を持っているあなたが、会社や社会に対してどんな貢献ができるのかを考えておきましょう。
逆求人サービスで資格をアピール!
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履歴書に資格を記載する際の注意点・書き方
履歴書に資格を記載する際の注意点や書き方をご説明します。
勉強中や取得予定の資格も記載できる
まだ取得できていなくても、現在勉強中の資格があれば履歴書を記載して問題ありません。その場合は、以下のように「取得(合格)に向けて勉強中」と記載します。
ex. 2級ファイナンシャル・プランニング技能士試験 合格に向けて勉強中
また、受験済みで合否通知を待っている場合は、以下のように「取得予定」の旨を記載できます。
ex. (◯年◯月)日商簿記検定試験2級 取得予定
一定の基準以上の資格を記載する
履歴書に記載する資格は、基本的に「業務に役立つレベルの資格」です。難易度の低い資格(級)や、平均点以下のスコアを書くと逆効果になってしまうので、一定の基準以上の資格を記載するようにしましょう。一般的に履歴書に記載できるレベルとしては、TOEICなら600点以上、簿記やFPなら2級以上とされています。
有効期限に注意
資格のなかには有効期限があるものもあります。たとえば、中小企業診断士は5年間の有効期限(登録有効期間)があるので、更新しないまま5年を過ぎてしまうと履歴書に記載できません。
なお、TOEICは公式認定証を再発行できる期限が2年間と決められていますが、このことが理由で「TOEICの有効期限は2年間」だと勘違いしている人が多いようです。TOEICのスコアは、試験を受けてから何年経っても履歴書に記載できるのでご安心ください。
「資格と就活」に関するQ&A
Q:理系の就活におすすめの資格は?
A:理系の就活生におすすめの資格としては、「TOEIC」「基本情報技術者試験・応用情報技術者試験」「弁理士」「技術士」「知的財産権管理技能士」などがあります。いずれも、就活に有利になるだけでなく社会に出てから武器になる資格なので、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
Q:文系の就活におすすめの資格は?
A:文系の就活生におすすめの資格としては、「TOEIC」「簿記」「FP(ファイナンシャルプランナー)」「中小企業診断士」などがあります。いずれも、幅広い業界・業種で役立つ資格なので取得しておいて損はないでしょう。
文学部は就職に有利?それとも不利? その理由とおすすめ資格もあわせて紹介!
Q:TOEICは何点以上なら履歴書・ESに書いていい?
A:TOEICの平均点は580点前後で推移しています。平均点以下のスコアを履歴書やESに記載するのは控えたほうがよいでしょう。英語を使わない仕事の場合、記載できるのは600点以上が目安になります。日常的に英語を使う仕事の場合は、730点以上を目安にしてください。
なお、TOEICを実施している国際ビジネスコミュニケーション協会は、730点以上860点未満を「レベルB」として、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」と定義しています。レベルB以上であれば、ビジネスシーンでも問題なく英語を使えると評価してもらえるでしょう。
Q:誰でも持っているような資格は履歴書・ESに書くべき?
A:日本には1,000以上の資格があると言われますが、難易度が低く、持っている人が多い資格は就活のアピール材料になりません。履歴書やESに記載しても、逆にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。具体的には、英検3級や簿記3級、漢字検定などが挙げられます。
なお、運転免許は例外です。業界や職種によっては運転免許が必要になる場合があり、免許の有無を選考段階で確認しておきたい企業もあるからです。運転免許を取得しているのであれば資格欄に記載しておきましょう。なお、運転免許を持っていなくても就活で不利になることはありません。仕事上必要になるのであれば、入社後に取得しても問題はありません。
まとめ
資格を持っていないからという理由で就活に不利になることはありませんが、志望する業界や職種に関連のある資格やTOEICなどは持っていて損はありません。資格取得と就活を両立させるのは簡単ではありませんが、資格があれば必ず将来自分の武器になるのでチャレンジしてみるのもいいでしょう。
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