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工学部は就職に有利? 人気の業界や職種について解説

  • 就活ノウハウ
  • 2021.02.08
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「工学部は就職に有利」「工学部生は就活に強い」などと言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。就活の成否は、就活生の能力や人柄、ポテンシャルなどによって変わってきますが、工学部で身に付けた知識・スキルが就活で有利に働くケースは少なくないようです。
もちろん、同じ工学部でも学科によって就職先の傾向は異なりますし、学部卒か院卒かによって職種の選択肢も変わってきます。

今回は工学部の就活にフォーカスして、大学院に進学するメリット・デメリットや人気の業種・職種などについて解説していきましょう。

目次

    工学部は就職に有利って本当?

    工学部では、モノづくりを通して人や社会を豊かにするための知識・技術を学びます。工学部で学ぶことは実用性・実益性が高く、身に付けた専門性が仕事に直結しやすい学部だと言えます。特に電気工学、電子工学、情報工学、機械工学に関する専門性は様々な業界で必要とされているので、工学部生は有利に就活を進めることができるでしょう。

    また、工学部生は教授推薦や学部推薦を受けやすいのも大きなメリットです。推薦応募なら高い確率で内定をもらうことができます。

    なお、工学部生が、営業職やマーケティング職などのいわゆる「文系就職」をするケースもあります。文系就職をする場合、多くの文系学生がライバルになりますが、工学部生はデータ・数値に基づいた理論的な考え方が身に付いている人が多く、企業からも魅力的な人材として映ります。それゆえ、文系就職においてもアドバンテージになるケースが少なくありません。

    工学部の大学院に進学するメリット・デメリット

    工学部生が就活を考えるうえでは、第一に「学部卒で就職するか、大学院に進学するか」の選択に迫られます。 工学部生は大学院進学率が高く、文部科学省の調査(※)によると、工学系学部卒業者の36.8%が大学院に進学しています。

    ※平成30年度学校基本調査(確定値):文部科学省

    学部卒と院卒では、やはり院卒のほうが職業の選択肢は広がります。とはいえ、大学院への進学にも良し悪しがあります。一般的に言われる大学院進学のメリット・デメリットは以下のとおりです。

    工学部生が大学院に進学するメリット・デメリット

    <メリット>
    ▼就職先・職種の選択肢が広がる
    大学院に進学すると、学部卒の学生に比べ高度な専門知識を身に付けることができます。大学院で習得した知識・スキルは、研究職・開発職を志望するうえで大きな武器になるはずです。
    実際に、研究職・開発職を募集する企業は、採用条件を「修士以上」に限定しているケースが少なくありません。大学院に進学することで、研究職・開発職を含め、職種や就職先の選択肢は大きく広がるでしょう。
    ▼就職に有利になる
    大学院に進学すると教授から直接指導を受ける機会が増え、教授推薦をもらえる可能性も高くなります。また、大学院では国内外で論文発表をおこなう機会が増えるので、プレゼン能力や英語力が向上し、就活において差別化を図ることができます。

    ▼初任給が高くなる
    企業や職種によって異なりますが、一般的には学部卒より院卒のほうが初任給が高くなる傾向にあります。工学部生のなかには公務員になる人も一定数いますが、公務員の場合も、院卒のほうが初任給が高く設定されています。

    <デメリット>
    社会人としてのスタートが遅れることを、大学院に行くデメリットだと捉える人もいるかもしれません。たしかに、学部卒で就職した学生と比べると社会に出るのが2年遅れるため、実務経験において差がついてしまう可能性があります。


    工学部生が大学院に進学せず就職するメリット・デメリット

    <メリット>
    早い段階から実務経験を積めるのは、大学院に進学せず就職するメリットだと言えます。研究室で学ぶより、ビジネスの現場で実践するほうが向いているという人もいるでしょう。やりたい仕事が明確になっているなら、学部卒で就職したほうが早く成長できるかもしれません。

    <デメリット>
    上述のとおり、研究職・開発職を募集する企業は、採用条件を「修士以上」に限定しているケースが少なくありません。特に、大手企業ほどその傾向は強くなります。研究職・開発職を志す人は、大学院に進学しないと就活で苦戦を強いられる可能性が高いでしょう。

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    工学部生に人気の業界・業種

    工学部生が就職することが多い業界・業種をご紹介します。

    製造業

    モノづくりを学ぶ工学部生の就職先として多いのが製造業です。ひと口に「製造業」と言ってもつくるものは様々ですが、一般的なところでは、自動車や電車、飛行機などの乗り物や、電子機器、精密機器、鉄鋼、半導体、化学素材などが挙げられます。

    建築業界

    工学部のなかでも土木系学部や建築系学部の学生は、建築業界に進む人が多くいます。就職先としては、大規模なビルや商業施設を手がけるゼネコンや、家づくりに携わるハウスメーカー・設計事務所、その他、都市開発やインフラ整備などに携わるケースもあります。

    IT業界

    工学部のなかでも情報工学系や電子電気系学科の学生には、IT業界が人気です。テクノロジーの進化が目覚ましい業界なので、将来性も十分。ソフトウェア・システムの開発や、コンピュータや周辺機器の開発に携わります。

    エネルギー業界

    エネルギー業界を就職先に選ぶ工学部生も少なくありません。電気やガス、石油などエネルギーの安定供給をおこない、生活のインフラを支えます。

    公務員

    工学部生は、技術系の公務員になる人も一定数います。国や地方公共団体には、土木、建築、機械、電気など、工学部で身に付けた知識・技術を活かせる部門が多くあります。

    工学部生に人気の職種

    工学部生に人気のある主な職種をご紹介します。

    研究職

    工学部生に人気の高い職種の一つが研究職です。特に、大学院に進んだ人は研究職に就く割合が高くなります。企業に就職して研究をおこなう人もいますし、大学や国の研究所に入る人もいます。

    機械設計

    機械設計も工学部生に人気の職種の一つ。自動車や航空機、バイクや船、ロボットや医療機器など、あらゆる機械の設計開発に携わります。

    品質管理・生産管理

    品質管理は、製品の安全性や耐久性などに問題がないかをチェックし、不良品の発生を抑止する仕事。品質が均一の製品を安定的に生産することを目指します。生産管理は、生産体制の構築・改善を手がける仕事。生産体制の計画立案や生産設備の企画開発、生産ラインの改良などを担当し、より効率的な生産体制を構築します。

    システムエンジニア(SE)・プログラマ

    システムエンジニアは(SE)はシステム・ソフトウェアの仕様設計をおこない、システムエンジニアが設計した仕様に基づいてコードを書くのがプログラマです。就職先は、SIerやソフトウェアベンダー、アプリ制作会社やWeb制作会社、各種メーカーなど多岐にわたります。

    工学部の学科別の主な就職先

    工学部生の就職先は、学科によって傾向が変わってきます。学科別に主な就職先(業界)をご紹介します。

    電気工学・電子工学系

    電気工学・電子工学系学科の主な就職先としては、製造業があげられます。機械や自動車、食品や製薬など、ほぼすべてのメーカーが就職先になり得るでしょう。その他、IT・通信系や建設業界に進む人もいます。

    たとえば、日本大学(工学部 電気電子工学科)の場合、製造業(24.4%)がもっとも多く、建設業(22.7%)、サービス業(16.3%)、情報サービス業(6.4%)と続きます。東海大学(工学部 電気電子工学科)の場合は、製造業(36%)、サービス業(19%)、建設業(17%)、情報通信業(15%)といった業種が並んでいます。

    就職実績(2019年度):日本大学工学部

    主な就職先(2019年度):東海大学工学部

    生命化学・応用化学系

    生命化学・応用化学系学科の就職先としても製造業が人気です。化学素材メーカーを中心に、繊維、化粧品、医薬品、添加物、石油製品、プラスチック製品、ゴム製品、金属製品など、物質を使って製品を生み出すあらゆる企業が就職先になります。

    たとえば、日本大学(工学部 生命応用化学科)の場合、製造業(45.8%)がもっとも多く、卸・小売業(11.0%)、サービス業(8.5%)、教育・学習支援業(5.9%)と続きます。東海大学(工学部 生命科学科)の場合は、製造業(33%)、卸・小売業(24%)、サービス業(12%)、公務員(5%)、建設業(4%)、情報通信業(4%)といった業種が並んでいます。

    就職実績(2019年度):日本大学工学部

    主な就職先(2019年度):東海大学工学部

    機械工学系

    機械工学系学科の就職先も製造業が多く、なかでも中心になるのが機械メーカーです。工作機械、建設機械、精密機械、医療機械、産業用ロボットなど、あらゆる機械製造業が就職先の候補になります。製造業以外の業界で機械のメンテナンス職に就く人もいます。

    たとえば、神奈川大学(工学部 機械工学科)の場合、製造業(47.2%)がもっとも多く、サービス業(19.2%)、情報サービス・調査業(8.8%)、建設業(8.0%)、卸・小売業(5.6%)と続きます。近畿大学(工学部 機械工学科)の場合は、製造業(60.9%)、建設業(12.6%)、運輸業(5.7%)、サービス業(4.6%)といった業種が並んでいます。

    主な就職先(2017年~2019年度):神奈川大学工学部

    卒業生の進路・就職先(2020年度):近畿大学工学部

    情報工学・通信工学系

    土木・建築系学科の就職先は、圧倒的に建設業が多いです。ゼネコンを中心にハウスメーカーや工務店、設計事務所、建築コンサルタントやデベロッパーなどに就職する人が多くいます。その他、不動産業や鉄道・道路、エネルギーインフラなどの業界のほか、公務員になる人も一定数います。

    たとえば、神奈川大学(工学部 建築学科)の場合、建設業(63.7%)がもっとも多く、不動産業(13.2%)、サービス業(8.8%)、製造業(3.3%)、公務員(3.3%)と続きます。芝浦工業大学(土木工学科)の場合は、建設関連業(62.2%)、公務員(16.2%)、運輸業(14.9%)、製造業(2.7%)といった業種が並んでいます。

    主な就職先(2017年~2019年度):神奈川大学工学部

    主な就職先(2020年度):芝浦工業大学工学部

    工学部生が就活を有利に進める方法とは?

    工学部生が有利に就活を進める方法として、おすすめしたいのが以下の3点です。ぜひ実践して、理想とする企業への就職を果たしましょう。

    逆求人サービスを利用する

    工学部生は、ちょうど就活の時期なると自身の研究も忙しくなり、なかなか就活に時間を割くことができなくなります。そのため、優れた能力・ポテンシャルを持っていても、スピードの面で他学部の就活生に後れをとってしまうことがあります。そこで、ぜひ利用したいのが「逆求人サービス」です。

    逆求人サービスとは、自分のプロフィールなどを登録しておくことで、企業からオファーが届く就活サービスのこと。研究に追われて時間がないなかでも、効率的に就活を進めることができます。自分に興味を持ってくれた企業からアプローチをもらえるため、マッチング率が高いのも大きなメリットです。

    資格を取得する

    資格があれば必ず就活に有利になるわけではありませんが、志望する業界で役立つ資格を持っている就活生は、他の学生との差別化を図ることができます。工学部生におすすめの資格・検定は、以下のようなものがあります。

    ▼機械工業系の資格

    ・機械設計技術者
    ・CAD利用技術者試験

    ▼電気系の資格

    ・電気主任技術者
    ・電気工事士

    ▼情報系の資格

    ・ITパスポート試験
    ・情報処理技術者

    なお、保有する資格をガクチカとしてアピールするときは、「がんばって資格を取った」ということだけにとどまらず、「なぜ、その資格を取ろうと思ったのか?」「その資格を活かして、会社にどんな貢献をしていきたいのか?」といったことまで明確に伝えることが大切です。

    就活で資格は役に立つ?業界別におすすめの資格と書き方を紹介

    インターンに参加する

    職場の雰囲気に触れ、実際の仕事を体験できるインターンは、就活を有利に進めるために非常に有意義な取り組みだと言えます。インターンに参加することで業界理解・企業理解がより深まり、実際に経験しないと得られない貴重な気付きを得られたりします。インターンの経験が就活の成否を左右することも多いので、短期間でもインターンへの参加をおすすめします。

    まとめ

    工学部は就職に有利な学部ですが、納得のいく就活をするためには、やはり業界や企業に関する下調べが重要になってきます。インターンに参加するのが理想的ですが、それが難しい場合は逆求人サービスなどを活用して情報収集に努めましょう。

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