多様化する新卒採用領域での母集団形成。それぞれの手法を改めて整理
企業にとって、労働力の減少は大きな課題です。
少子高齢化が進むなか、労働力の確保にあたって新卒採用の強化が急務といえるでしょう。
そのためには自社に最も合った母集団形成の手法をとる必要があります。
新卒学生の獲得競争が激化する中における、多様な母集団形成の手法をあらためて整理するとともに、新卒採用における母集団形成の課題について解説します。
目次[非表示]
- 1.母集団形成の概要
- 2.母集団形成を進めるうえで気を付けるべきポイント
- 2.1.量と質のバランスが重要
- 2.2.入社後に活躍できるかどうかを重視
- 2.3.自社に適した方法を選択する
- 3.母集団形成の一般的な手法
- 4.母集団形成において新たに取り入れられている手法
- 4.1.オウンドメディア
- 4.2.SNS
- 4.3.リファラル
- 4.4.ダイレクトリクルーティング
- 5.まとめ
母集団形成の概要
母集団形成とは、「自社に興味を持ちエントリーする学生を集めること」を指しますが、その手法は多様化しています。「学生を採用するため」という母集団形成の目的は変わらずとも、学生動向や採用市場は変化していくからです。
ここからは、母集団形成の手法を「一般的な手法」と「新しく取り入れられつつある手法」に分け、紹介していきます。
母集団形成を進めるうえで気を付けるべきポイント
母集団形成の具体的な手法を解説する前に、気を付けるべきポイントを3つ紹介いたします。母集団形成の手法を選定する際に、参考にしてみてください。
量と質のバランスが重要
「エントリーの数が多ければ多いほど良い」「母集団が大きいほど学生を選びやすい」という考え方では、適切な母集団形成が困難になります。
母集団形成の基本は、量と質のバランスにあります。いくらエントリーが多くても、自社が求める学生を集めることができなければ、ただただ選考にかかる人的コストが増えるだけでしょう。
エントリー数は少なくても「内定につながりやすく、自社が求めるターゲット像に合致する学生」を多く集めることができれば、その母集団形成は成功であるといえます。エントリー数をやみくもに増やすのではなく質にも着目しましょう。
入社後に活躍できるかどうかを重視
「採用した新卒学生が入社後に活躍できるかどうか?」を意識して選ぶことも重要です。
そのためには、自社が必要としているターゲット像を明確に設計しておくことが必要不可欠です。母集団の質を高めるためには、学歴だけにこだわらず、経験やリーダーシップの有無、適性などにも注目しましょう。
ターゲット像の設計は活躍社員やマネジメント層へのヒアリングを踏まえるのもおすすめです。ターゲット像が明確であれば、的を得た訴求ができるため、母集団の絞り込みがスムーズになります。
ターゲット設計の方法を詳しく知りたい方は、こちらの資料もご覧ください。
自社に適した方法を選択する
上述のとおり、母集団形成にはさまざまな手法があります。効率良く母集団形成をするためには、自社に適した母集団形成の手法を選択しましょう。
企業によって、採用コストや採用活動にかけられるリソースは異なります。競合企業では結果を得られているからと、運用が困難な手法を導入しては効率的な採用活動ができません。
学生動向、市場変化、採用状況などを加味したうえで、最短距離で理想の学生と出会える手法を選択しましょう。
母集団形成の一般的な手法
就活サイト
もっとも一般的な母集団形成手法は就活サイトへの登録です。
就活生のほとんどが利用しているため、就活サイトを利用する企業は多く現在の主流となっています。全国の学生に企業情報や求人内容を公開できるため、多くの学生の目に留まる可能性もあります。
しかし、利用している企業が多いため、「競合他社との差別化が難しかった」「有名企業ばかり目立ち、自社は埋もれてしまった」というケースもあります。
合同説明会
合同説明会は古くから行われている母集団形成の手法で、現在も広く行われています。
「理系限定」「留学生限定」など、ターゲット学生を絞った採用活動が行えるため、自社が求める人材にアプローチしやすいというメリットがあります。
また、自社の認知度が低くても学生と直接話してアピールできるのも魅力です。
しかし、参加者が自社ブースに訪れることが前提になるため、合同説明会だけで企業全体の認知度を高めるのは難しいかもしれません。
学内セミナー
大学が主催する企業説明会である学内セミナーは、ローコストでターゲットの新卒学生向けの説明会を開催できることから、母集団の拡大に効果が期待できます。
学内セミナーを実施するためには大学(特にキャリアセンター)との関係を構築する必要がありますが、「時間がかかる」「大学訪問のノウハウが蓄積しにくい」ため、長い目で見て取り組む必要がある手法です。
大学訪問の進め方に関するコラムもありますので、合わせて参考にしてください。
母集団形成において新たに取り入れられている手法
オウンドメディア
採用オウンドメディアとは、自社で所有・管理するWebメディアのことであり、採用関連コンテンツに特化しているのが特徴です。メリットは2つあります。
1つは、継続的に学生と繋がれることです。採用サイトと異なり、コンテンツを比較的短いスパンで更新し、それを長期的に蓄積できることができます。
もう1つは、ミスマッチが減ることです。社員のインタビューや部署の様子をコンテンツとして掲載するので、企業の特徴や雰囲気に合うと感じた学生が効率的に集まります。ただし、コンテンツ作成のためには社内の協力が必須となるので、運用までのハードルは高いかもしれません。
SNS
学生の利用率が高いSNSを採用に活用する動きが広まっています。
TwitterやInstagramにエントリー情報や社員紹介を投稿することで、自社のさまざまな情報を気軽に発信できます。先に紹介したオウンドメディアのコンテンツとうまく連動させ、見応え・読み応えのある情報提供を継続的に行う方法もあります。
拡散力が高いので、投稿内容が不適切であれば悪評が一気に広まる恐れもありますが、学生にリアルな情報を気軽に届けることができるので、ミスマッチ防止にもつながります。
しかし、SNSによる母集団形成は長期的な取り組みが必要です。一朝一夕で多くの人の目に触れるものではないため、更新頻度やコンテンツの内容、担当者などを明確にし、計画的に行うことが重要といえるでしょう。
一時的に流行するSNSを活用する事例もあります。clubhouseは音声だけで人と繋がる招待制のSNSですが「採用担当者が登壇するセミナー」をclubhouse上で開催する企業が何社かありました。招待された人脈を持つ学生だけに情報を届けることができたので、結果的にはターゲットを絞った母集団形成につながっていました。
SNSの効果的な活用法については、株式会社グロップさまのインタビュー記事をぜひ参考にしてください。
リファラル
リファラル採用とは、自社の社員に友人や知人を紹介してもらう採用手法のことです。
企業理念や文化を理解している社員が人柄をよく知る友人を紹介するため、企業と学生の間で起こる採用のミスマッチが起こりにくく、定着率の向上が期待できます。事前に学生の情報を詳しく知ることができるため、相手にあわせた細やかなコミュニケーションが取りやすく、志望度を上げやすいというメリットもあります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業から学生に直接アプローチする採用手法です。
ダイレクトリクルーティングのサービスに登録された学生のプロフィール情報を閲覧し、ターゲットにマッチする学生を探すことができます。求める人材には直接メッセージ機能を使ってアプローチ(オファー)し、学生がオファーを承認した場合には、面談などを経てその後の選考に進んでいきます。
ターゲット通りの学生に企業側からアプローチすることができるため、効率的な選考を行ことができます。
まとめ
いかがでしょうか。
学生からの認知度が低い中小企業にとっては、とくに優秀な人材の確保の難易度が上がるため、質の良い母集団の形成が必要となってきます。
ダイレクトリクルーティングサービスを使えばターゲット学生に直接コンタクトを取ることができるため、ターゲットに限定した効率的な母集団形成を可能にします。
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従来の採用手法では出会うことができなかった人材を検索し直接アプローチすることで、多様性も高まり、質の良い母集団形成をサポートします。
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