【新卒採用】大学訪問を成功させるために必要なポイントとは?
安定した母集団を形成するための採用手法として多くの企業が取り組んでいる、「大学訪問」。
「メジャーな手法ゆえに企業の競争率が高いこと」「有効なコミュニケーション方法があまり確立されていないこと」などといった理由から、実施へのハードルが高いと感じられる採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ベネッセiキャリアだからこそわかる、大学訪問を成功させるために必要なノウハウや流れについてまとめました。
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目次[非表示]
- 1.大学訪問とは
- 1.1.メリット
- 1.1.1.低コストで採用活動を進められる
- 1.1.2.ターゲットを絞って採用活動を進めることができる
- 1.1.3.低学年向けの広報活動ができる
- 1.2.デメリット
- 1.2.1.時間とコストがかかる
- 2.大学訪問の進め方
- 2.1.採用ターゲットの設計
- 2.2.大学の選定
- 2.3.アポ取り
- 2.4.訪問前の準備
- 2.4.1.訪問する大学に関する情報収集
- 2.4.2.持参する資料の準備
- 2.5.訪問当日
- 2.6.訪問後のお礼
- 3.大学訪問で知っておくべきポイント
- 3.1.就職課とキャリアセンターの違い
- 3.2.訪問対象は「キャリアセンターの職員」だけではない
- 3.2.1.就職関連の担当教員に訪問する場合
- 3.2.2.OB・OGが在籍していたゼミや研究室を訪問する場合
- 4.まとめ
大学訪問とは
新卒採用における「大学訪問」とは、企業の採用担当者が大学の就職支援課やキャリアセンターへ訪問し、自社の紹介を行うことを指します。
訪問先の大学が求める情報の提供などを通して信頼関係が構築できれば、求人票の設置や学内合同企業説明会の参加、さらには学生の紹介を受けられる可能性もあります。
メリット
大学訪問が効果的な採用手法だということは先に紹介しましたが、どのような点が他の採用手法よりも優れているのでしょうか。
大学訪問を行う主なメリットは以下の3つです。
低コストで採用活動を進められる
大学訪問にかかる費用は、訪問する採用担当者の人件費と移動にかかる交通費程度で、求人票の設置は無料でおこなえます。
(一部の大学では、合同企業説明会への参加費用が発生する場合もありますので、確認してみてください。)
低コストで採用活動を進められるところは、大学訪問の魅力と言えるでしょう。
ターゲットを絞って採用活動を進めることができる
「自社の事業内容に近い専攻分野が学べる大学」「自社の拠点に近い大学」など、あらかじめ決めた採用ターゲットの要件に合わせて訪問する大学を選定することで、自社にマッチした質の高い母集団形成を行うことができます。
低学年向けの広報活動ができる
本記事の後半で詳しく説明いたしますが、大学訪問の対象の1つである「キャリアセンター」は、低学年のキャリア形成を支援する役割も担っています。
早くから自身のキャリア形成に関心を持つような優秀層への認知拡大のためにも、大学訪問は効果的です。
デメリット
大学訪問「ならでは」のデメリットもありますので、1つ紹介いたします。
時間とコストがかかる
大学訪問はすぐに効果を出すのが難しい採用手法だと言われています。
信頼関係を構築するためにも、定期的な訪問を何回か繰り返す必要があるからです。
また、大学訪問は一度で完結することはないため、「結果的に訪問担当者の人件費がかさんだ」ケースも多いのです。
また、せっかく築いた信頼関係を損うリスクを懸念するあまり、ゼミや研究室の経由で紹介された学生は不採用にしづらいということもあるようです。
大学訪問の進め方
採用ターゲットの設計
自社にマッチした学生から母集団を形成するためにも、まずは採用ターゲットを明確に決めることが大切です。
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大学の選定
採用ターゲットに合わせて訪問する大学を選定します。
初めて大学訪問をおこなうのであれば、2~3校に絞り込むのが望ましいでしょう。
設定した採用ターゲットだけでは絞り込みが難しい場合は、「内定者の出身大学」「過去に採用実績がある大学」など、自社と繋がりの深い大学を選ぶのがおすすめです。
アポ取り
アポイントの取り方
大学へのアポイントを取ります。
大学のホームページ内の「企業・団体の採用担当者様向けの案内」などと記載されているページにアクセスすれば、申し込みの方法が確認できます。
ただし、就職課・キャリアセンターと「求人票の設置に終始しない長期的な関係」を構築したいのであれば、直通の電話番号にかけてしまうのも良いでしょう。就職課・キャリアセンターの年間スケジュールや、運営するセミナーや説明会の内容を確認したうえで連絡を取れば、スムーズに大学訪問を進められるかもしれません。
訪問のスケジュール
訪問するべき時期は「夏インターンシップの受け入れ」や「4年生を対象とした求人票の設置」など、目的によって様々ですが、それぞれのベストタイミングは新卒採用市場とともに変化しているので、臨機応変に進めるのが良いでしょう。
1回で訪問の目的をすべて達成し、関係構築をおこなうのは難しいので、年に3~4回ほどの訪問を続けるのが望ましいとされています。
訪問前の準備
訪問する大学に関する情報収集
事前準備として、訪問する大学の情報を調べておくことは必須です。
大学主催のキャリアセミナーや合同説明会の時期といった就職関連の情報はもちろん、訪問する大学そのもののデータも収集しておきましょう。例えば「ディプロマポリシー」は「卒業要件の定義づけ」であり、どんな学生を育てたいのか、大学はどんなことを意識しているのかが分かるため、大学訪問の時間を有意義にするためにも、調べておくのがおすすめです。
持参する資料の準備
対面で大学訪問をおこなう際は、会社案内、採用パンフレットなど、自社の説明に必要なものを用意します。手土産は原則必要ありません。
求人票は、念のために持参しましょう。公式HP上に送信フォームを掲載している大学や、「キャリタスUC」といった求人票配信サービスを利用している大学など、求人票の受け付けかたは様々ですので、事前に調べておくようにしてください。
訪問当日
時期にもよりますが、大学訪問を行う企業が多い時期は、大学側の担当者は多忙であると考えた方が良いでしょう。
一度の訪問でいくつもの話題を取り上げるのではなく、「自社の説明は簡潔にわかりやすく」、「メインの話題を決めておく」ことを心がけて下さい。
訪問後のお礼
訪問後には、お礼のメールを必ず送りましょう。
また、大学側から連絡が来た場合には、なるべく迅速に対応してください。
採用活動が終了した際には、採用実績の有無にかかわらず大学に報告し、感謝の意を伝えることで、長期的な関係構築を意識することが大事です。
大学訪問で知っておくべきポイント
ここまで大学訪問について説明しましたが、最後に「自社の大学訪問の目的を達成するために意識すべきポイント」を二つに分けて紹介いたします。
就職課とキャリアセンターの違い
就職課とキャリアセンターは、その支援対象が異なります。
特に、キャリアセンターは低学年を対象としたキャリア教育にも力を入れているところに着目すべきでしょう。
低学年への広報活動を行っている企業はまだまだ少数派ですので、インターンシップへの受け入れや就職活動に関する情報提供を通じて、自社の存在を印象付けられるでしょう。
訪問対象は「キャリアセンターの職員」だけではない
担当している学年やその支援内容によって担当者が異なる場合もあるので、大学訪問は1人の担当者と関係構築できれば成功だとは限りません。
就職課・キャリアセンターの職員だけでなく、就職関連の担当教員や、OB・OGが在籍していた研究室の教授も訪問の対象です。
まずは訪問する大学の組織構造を理解しておくことが大切ですが、ここでは「就職課・キャリアセンターの職員以外に訪問する場合」について簡単に説明いたします。
就職関連の担当教員に訪問する場合
大抵の大学には、学部全体の就職やキャリアを支援している「就職関連の担当教員」が存在します。
例えば、インターンシップへの参加が単位化されている大学にインターンシップ受け入れの目的で訪問する際は、担当教員へのアポイントが必要となります。
OB・OGが在籍していたゼミや研究室を訪問する場合
自社のOB・OGが在籍していたゼミや研究室の繋がりを活かす方法です。
OB・OGが教授に連絡を取り、OB・OG自身に訪問してもらうのが良いですが、採用担当者が同行してご挨拶に行くのがおすすめです。
まとめ
いかがでしょうか。
「大学訪問」とひとことにいっても、その方法や対象は多岐にわたりますが、共通して言えるのは「訪問先の状況やニーズを慮るのが大事」ということです。
大学訪問を実施する企業は多いので、すべての企業が大学側と深い信頼関係を築けるわけではありません。大学側が求める情報や機会をこちらから提供し、大学の採用スケジュールに合わせた大学訪問をおこなう姿勢を心がけてください。
大学訪問以外の有効な母集団形成の手法については、以下のダウンロード資料にて解説しております。ぜひこちらも参考にしてください。
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