
【新卒採用】大学訪問を成功させるために必要なポイントとは?
安定した母集団を形成するための採用手法として多くの企業が取り組んでいる、「大学訪問」。
「メジャーな手法ゆえに企業の競争率が高いこと」「有効なコミュニケーション方法があまり確立されていないこと」などといった理由から、実施へのハードルが高いと感じられる採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ベネッセiキャリアだからこそわかる、大学訪問を成功させるために必要なノウハウや流れについてまとめました。
目次[非表示]
- 1.大学訪問とは
- 2.大学訪問のメリット
- 3.大学訪問のデメリット
- 3.1.時間とコストがかかる
- 4.大学訪問の進め方
- 4.1.採用ターゲットの設計
- 4.2.大学の選定
- 4.3.アポ取り
- 4.3.1.アポイントの取り方
- 4.3.2.アポイントを取得する際のメール・電話の例文
- 4.3.3.訪問のスケジュール
- 4.4.訪問前の準備
- 4.4.1.訪問する大学に関する情報収集
- 4.4.2.持参する資料の準備
- 4.5.訪問当日
- 4.6.訪問後のお礼
- 5.大学訪問で知っておくべきポイント
- 5.1.就職課とキャリアセンターの違い
- 5.2.訪問対象は「キャリアセンターの職員」だけではない
- 5.2.1.就職関連の担当教員に訪問する場合
- 5.2.2.OB・OGが在籍していたゼミや研究室を訪問する場合
- 5.3.毎回同じ採用担当者が訪問し続ける
- 5.4.企業だけでなく大学側のメリットも考える
- 6.まとめ
大学訪問とは

新卒採用における「大学訪問」とは、企業の採用担当者が大学の就職支援課やキャリアセンターへ訪問し、自社の紹介を行うことを指します。
訪問先の大学が求める情報の提供などを通して信頼関係が構築できれば、求人票の設置や学内合同企業説明会の参加、さらには学生の紹介を受けられる可能性もあります。
大学訪問のメリット

大学訪問が効果的な採用手法だということは先に紹介しましたが、どのような点が他の採用手法よりも優れているのでしょうか。
大学訪問を行う主なメリットは以下の3つです。
低コストで採用活動を進められる
大学訪問にかかる主な費用は、担当者の人件費と移動に伴う交通費程度であり、求人票の設置自体は無料で行える大学がほとんどです。求人サイトや広告媒体への掲載には多額のコストがかかる場合も多いため、予算を抑えつつ学生にアプローチできる点は大きな魅力です。
一部の大学では学内合同企業説明会への参加に費用が発生するケースもありますが、基本的には低コストで運用できる手法といえます。
限られた予算の中で、効率的に採用活動を進めたい企業にとって非常に有効な手段です。自社の採用フェーズに合わせて、まずは近隣の大学や実績のある大学からスモールスタートで進めることを推奨します。
ターゲットを絞って採用活動を進めることができる
大学訪問の大きな利点は、自社のニーズに合致した学生へダイレクトにアプローチできる点にあります。
「自社の事業内容に近い専攻分野がある」「拠点の近隣に位置する」といった条件を軸に、あらかじめ定めたターゲット要件に基づき訪問先を選定することで、自社への適性が高い質の良い母集団を形成できます。
低学年向けの広報活動ができる
本記事の後半で詳しく説明いたしますが、大学訪問の対象の1つである「キャリアセンター」は、低学年のキャリア形成を支援する役割も担っています。
早くから自身のキャリア形成に関心を持つような優秀層への認知拡大のためにも、大学訪問は効果的です。
大学訪問のデメリット
大学訪問「ならでは」のデメリットもありますので、1つ紹介いたします。
時間とコストがかかる
大学訪問はすぐに効果を出すのが難しい採用手法だと言われています。
信頼関係を構築するためにも、定期的な訪問を何回か繰り返す必要があるからです。
また、大学訪問は一度で完結することはないため、「結果的に訪問担当者の人件費がかさんだ」ケースも多いのです。
さらに、特定の研究室やゼミと深い関係を築いた場合、教授から紹介された学生の選考合否がその後の関係性に影響を及ぼすリスクもあります。不採用にしづらいといった心理的な制約が生まれやすく、自社の採用基準との整合性を保つのが難しくなるケースも想定されます。
大学訪問の進め方

大学訪問を成功させるためには、事前の戦略立案から訪問後のフォローアップまで、一連のプロセスを計画的に進めることが不可欠です。ただ漫然と足を運ぶだけでは、大学側との深い信頼関係を築くことは難しく、期待するような成果を得ることはできません。
ここでは、初めて大学訪問に取り組む担当者の方でもスムーズに実践できるよう、具体的な進め方のステップについて順を追って解説します。
採用ターゲットの設計
大学訪問を成功させるため、まずは自社が求める人物像を明確に定義するターゲット設計です。
単に「優秀な学生」といった曖昧な基準ではなく、自社の社風や業務内容に合致するスキル、志向性、価値観などを具体的に言語化する必要があります。
ターゲットが明確になることで、どの大学のどの学部や専攻にアプローチすべきかという戦略が立てやすくなります。また、大学のキャリアセンターに対して「どのような学生を求めているか」を具体的に伝えられるようになるため、ミスマッチのない学生紹介や精度の高い母集団形成につながります。
場当たり的な訪問に終始しないよう、まずは採用要件を細かく整理し、社内で共通認識を持っておくことが不可欠です。
関連資料:欲しい人材が明確になる!採用ターゲット設計5ステップ
大学の選定
採用ターゲットに合わせて訪問する大学を選定します。
初めて大学訪問をおこなうのであれば、2~3校に絞り込むのが望ましいでしょう。
設定した採用ターゲットだけでは絞り込みが難しい場合は、「内定者の出身大学」「過去に採用実績がある大学」など、自社と繋がりの深い大学を選ぶのがおすすめです。
アポ取り
大学の選定ができたら次は大学へのアポイントを取ります。
アポイントの取り方
大学のホームページ内の「企業・団体の採用担当者様向けの案内」などと記載されているページにアクセスすれば、申し込みの方法が確認できます。
ただし、就職課・キャリアセンターと「求人票の設置に終始しない長期的な関係」を構築したいのであれば、直通の電話番号にかけてしまうのも良いでしょう。
就職課・キャリアセンターの年間スケジュールや、運営するセミナーや説明会の内容を確認したうえで連絡を取れば、スムーズに大学訪問を進められるかもしれません。
アポイントを取得する際のメール・電話の例文
大学へのアポイントは、メールや電話で取得するのが一般的です。
初めて連絡する際は、メールでアポイントを打診すると大学側の負担になりにくくスムーズにやり取りができます。
件名には「キャリアセンターご訪問のお願い|株式会社〇〇採用担当」などと記載し、本文には自社の採用実績や、自社で活躍しているOB・OGの人数などを明記すると興味を持ってもらいやすくなります。
電話の場合は、トークスクリプトやアポイント電話例文を事前に用意しておき、簡潔に訪問の目的を伝えることがマナーです。
訪問のスケジュール
訪問するべき時期は「夏インターンシップの受け入れ」や「4年生を対象とした求人票の設置」など、目的によって様々ですが、それぞれのベストタイミングは新卒採用市場とともに変化しているので、臨機応変に進めるのが良いでしょう。
1回の訪問ですべての目的を達成したり、関係構築を深めたりすることは難しいため、継続的にコミュニケーションを取ることが重要です。
適切な訪問頻度は大学によって異なりますが、目的のない訪問を重ねるのではなく、大学の担当者とコミュニケーションを取りながら、訪問時の温度感や適切な頻度を確認しましょう。
訪問前の準備
当日の訪問をスムーズに進めるためにも、事前準備を行いましょう。
訪問する大学に関する情報収集
事前準備として、訪問する大学の情報を調べておくことは必須です。
大学主催のキャリアセミナーや合同説明会の時期といった就職関連の情報はもちろん、訪問する大学そのもののデータも収集しておきましょう。
例えば「ディプロマポリシー」は「卒業要件の定義づけ」であり、どんな学生を育てたいのか、大学はどんなことを意識しているのかが分かるため、大学訪問の時間を有意義にするためにも、調べておくのがおすすめです。
持参する資料の準備
対面での大学訪問に向けて、会社案内や採用パンフレット、自社の強みが伝わる資料を必ず用意します。OB・OGの活躍状況や離職率といった、大学側が学生に自信を持って紹介できる客観的なデータも準備しておくと、信頼関係の構築に有効です。
求人票は各大学で受付方法が異なるため、事前に確認が必要です。
公式ホームページの専用フォームやキャリタスUCなどの配信サービスを指定しているケースが多いです。
当日は念のための予備として紙の求人票も持参しましょう。
訪問当日
時期にもよりますが、大学訪問を行う企業が多い時期は、大学側の担当者は多忙であると考えた方が良いでしょう。
一度の訪問でいくつもの話題を取り上げるのではなく、「自社の説明は簡潔にわかりやすく」、「メインの話題を決めておく」ことを心がけて下さい。
訪問後のお礼
訪問後には、お礼のメールを必ず送りましょう。
また、大学側から連絡が来た場合には、なるべく迅速に対応してください。
採用活動が終了した際には、採用実績の有無にかかわらず大学に報告し、感謝の意を伝えることで、長期的な関係構築を意識することが大事です。
大学訪問で知っておくべきポイント

ここまで大学訪問について説明しましたが、最後に「自社の大学訪問の目的を達成するために意識すべきポイント」を紹介いたします。
就職課とキャリアセンターの違い
就職課とキャリアセンターは、その支援対象が異なります。
特に、キャリアセンターは低学年を対象としたキャリア教育にも力を入れているところに着目すべきでしょう。
低学年を対象としたキャリア教育やイベントなどを実施している大学もあるため、インターンシップへの受け入れやキャリア形成に関する情報提供を通じて、早い段階から学生に自社を知ってもらう機会をつくることができます。
訪問対象は「キャリアセンターの職員」だけではない
担当している学年やその支援内容によって担当者が異なる場合もあるので、大学訪問は1人の担当者と関係構築できれば成功だとは限りません。
就職課・キャリアセンターの職員だけでなく、就職関連の担当教員や、OB・OGが在籍していた研究室の教授も訪問の対象です。
まずは訪問する大学の組織構造を理解しておくことが大切ですが、ここでは「就職課・キャリアセンターの職員以外に訪問する場合」について簡単に説明いたします。
就職関連の担当教員に訪問する場合
大抵の大学には、学部全体の就職やキャリアを支援している「就職関連の担当教員」が存在します。
例えば、インターンシップへの参加が単位化されている大学にインターンシップ受け入れの目的で訪問する際は、担当教員へのアポイントが必要となります。
OB・OGが在籍していたゼミや研究室を訪問する場合
自社のOB・OGが在籍していたゼミや研究室の繋がりを活かす方法です。
OB・OGが教授に連絡を取り、OB・OG自身に訪問してもらうのが良いですが、採用担当者が同行してご挨拶に行くのがおすすめです。
毎回同じ採用担当者が訪問し続ける
企業と大学が良い関係を構築するためには、可能な限り同じ採用担当者が継続して訪問し続けることが重要です。
訪問のたびに担当者が変わってしまうと、大学側も一から関係を築き直さなければならず、信頼関係を深めることが難しくなります。
同じ担当者が何度も顔を合わせることで、踏み込んだ情報交換や学生の就職動向についての相談がしやすくなり、結果として大学側からの手厚いサポートを引き出しやすくなります。
定期的な訪問を前提として長期的な施策として考えましょう。
企業だけでなく大学側のメリットも考える
大学訪問では、自社が採用活動を進めることばかりを優先せず、大学側のメリットを考えたコミュニケーションを心がけましょう。
大学側も、学生の就職率向上やキャリア支援の充実といった課題を抱えています。
そのため、インターンシップの受け入れ枠を提供したり、学内講座や自己分析セミナーの開催に協力したりするなど、企業ならではの強みを活かして大学の就職支援に貢献する姿勢を見せることが、長期的な信頼関係の構築に繋がります。
相互理解を深めることが採用成功の鍵となります。
まとめ
「大学訪問」とひとことにいっても、その方法や対象は多岐にわたりますが、共通して言えるのは「訪問先の状況やニーズを慮るのが大事」ということです。
大学訪問を実施する企業は多いので、すべての企業が大学側と深い信頼関係を築けるわけではありません。大学側が求める情報や機会をこちらから提供し、大学の採用スケジュールに合わせた大学訪問をおこなう姿勢を心がけてください。
大学訪問をより効果的な採用活動につなげるには、キャリアセンターとの継続的な関係構築が重要です。大学連携を強化するための具体的なステップを知りたい方は、こちらの資料をご覧ください。





