【人事向け】コロナ禍での体育会系学生の就職活動事情
コロナ禍の影響による選考のオンライン化や就活への不安から、早期化が進みつつある新卒採用市場。
株式会社RECCOOの調査によると、21卒採用では学生の半数以上が「学部3年/修士1年の9月」までに就職活動をスタートさせたことが分かっています。
一方で、部活動などそれぞれの事情から、就職活動に早くから時間を割くのは難しいという学生の声も多く耳にします。中には夏インターンがたくさん開催される、8月の3分の2以上を部活動に費やす方もいらっしゃるほどです。自身の活動に精力的な学生は、就職活動にどのように取り組んでいるのでしょうか。
本記事では、就職活動と体育会系の部活動を両立させていた22卒の学生にインタビューし、就職活動の流れや企業に求めることを聞きました。
目次[非表示]
- 1.インタビュー概要
- 2.就職活動について
- 3.内定先について
- 4.体育会系としての就職活動
- 4.1.話のネタとして活用
- 4.2.呼ばれたいのは少人数イベント
- 4.3.理想は「一度オフラインだけ、基本オンライン」
- 4.4.就職活動の話は部員以外と
- 5.まとめ
インタビュー概要
インタビュアー:dodaキャンパスインターン生 光森(国立大学 人文系学部 4年)
インタビューを受けてくれた学生:Cさん(国立大学 法学部 4年 体育会系の部活に所属)
就職活動について
コロナの影響もあり、動き出しは早い就職活動に
(光森)本日はよろしくお願いします!Cさんは体育会系の部活動をされていたんですよね?
(Cさん)よろしくお願いします!はい、体育会系の部活動に所属しながら22卒として3年の4月に本格的に就職活動をはじめ、3年の3月に内定を頂いたところです。
(光森)体育会系の部活動は毎日練習があって忙しいイメージがあるのですが、就職活動と両立されてみていかがでしたか?
(Cさん)実はそれほど大変ではありませんでした。コロナ禍で体育館が数か月使用禁止になり、全体での活動が制限されていたからです。
活動できない時期がちょうど3年生の夏ごろだったため、部活動の同期でも夏インターンシップに参加している人は多かったように感じます。
一番多忙だったのは9月~12月
(光森)なるほど!その時期は、新入生の勧誘など練習以外の活動も制限されていたんですか?
(Cさん)はい。その分、活動制限が緩められた3年の9月~12月頃はかなり多忙でした。
部活動が本格的に再開され、遅れた新入生歓迎や一年生育成、大会を控えた練習に加えて、就職活動も進めないといけなかったんです。
(光森)大変でしたね。秋・冬インターンシップには参加できたのでしょうか?
(Cさん)5日間など、複数日のインターンシップに数社だけ、参加しました。インターンシップへの参加がきっかけで本選考も少しずつ受けることができていました。
現在の内定先も、冬インターンシップに参加した企業です。
内定先について
インターンシップに参加するまでは検討もしていなかった業界
(光森)内定先の企業を受けたのは、冬インターンシップへの参加がきっかけだったんですね。
(Cさん)そうですね。正直、インターンシップに参加するまでは全く検討していない業界でしたが、最終的には現在の内定先に意思決定しました。
(光森)第一志望は別の業界だったのですね。
(Cさん)全くの別業界でした。ただ、可能性を狭めたくなかったので、秋に志望業界をぼんやりと決めたあとも、そのほかの業界も幅広く、ゆるく受け続けていました。
(光森)現在の内定先のどんなところに魅力を感じたのでしょうか?
(Cさん)一言でいえば、「インターンシップがとても楽しかったところ」です。
商材に興味が湧いたことや、社員の方が楽しそうに仕事されている様子をみたことから、「自分も仕事を楽しめそうだ」と思うことができました。
(光森)入社して自分が働いているイメージが湧くかどうか。大事ですよね。
社員の印象も承諾の理由のひとつ
(光森)他には、内定承諾の決め手はありましたか?
(Cさん)社員の方の印象ですね。人の良さを感じる場面がいくつもありました。
(光森)例えばどんなときでしょうか?
(Cさん)OB/OG訪問した社員の方が手厚くサポートしてくださったときですね。
選考前はお忙しいのにもかかわらず、ほぼ毎日のようにコミュニケーションをとってくださり、ES添削も丁寧にしてくださいました。
他にも、自分の将来やりたいことや意思を尊重してくださったこと、良いところも悪いところも踏まえて教えてくださったことも印象に残っています。
(光森)丁寧に向き合って下さる社員の方が多い会社なのですね。
(Cさん)本当にそう思います。私自身のキャリアや考え方に向き合って下さり、思考力を鍛えていただきました。
体育会系としての就職活動
話のネタとして活用
(光森)最後に、体育会系の部活生としての就職活動について聞かせてください。
部活での経験が就職活動で役立ったなと思うことはありましたか?
(Cさん)面接で話のネタになることですね。「〇〇やってるんですね!」と好意的な反応を持ってもらえる事が多かったです。
面接官の方が「私の娘も同じ競技をやっていますよ」と言ってくださり、話が盛り上がることもありました。
(光森)自分との共通点を見出して下さる面接官のかたには好感をもちますよね。
呼ばれたいのは少人数イベント
(光森)Cさんは、「体育会系限定セミナー」など、対象を絞った選考イベントにも参加していたのですか?
(Cさん)はい。私も座談会などに参加していました。少人数で開催していただけたので、その点では少しお得だったと思います。
(光森)少人数でのイベントにはどんなメリットを感じましたか?
(Cさん)質問に丁寧に答えていただけたり、プライベートに関するちょっとしたことでも質問できるところですね。
(光森)社員の方との距離が近く、アットホームな雰囲気があるところが良かったのですね。少人数の座談会以外には、どんなイベントに参加していましたか?
(Cさん)自分にとって既に関心のある企業が来るイベントには参加していましたが、それぐらいです。
「体育会系」として招待していただいていても、普通の説明会には誰でも参加できるものも多く、あまり参加意欲が湧きませんでした。
(光森)部活動をしていて就職活動にかける時間が限られている分、「どの選考イベントに参加するか」という取捨選択を大事にされていたんですね。
理想は「一度オフラインだけ、基本オンライン」
(光森)就職活動ではオフラインとオンライン、どちらの方法で選考を進めたいと考えていましたか?
(Cさん)「一度だけオフラインでお会いして、その他はオンラインで」が理想でした。
社員の方の印象も重視していたのでオフラインで会いたいと考えていましたが、部活動との両立を考えるとオンラインで効率的に就職活動を進められるのもありがたかったです。
就職活動の話は部員以外と
(光森)就職活動に関する相談や雑談を部活の先輩や同期とする機会はありましたか?
(Cさん)ほとんどしていませんね。就職活動を始めたての頃は先輩にお話を聞くこともありましたが、少しだけです。
(光森)それはなぜですか?
(Cさん)そもそも私自身、就職活動の話をするようなタイプではなかったからです。加えて、就職活動に熱心な部員も少ないほうでした。
(光森)部活ではお話されていないとなると、就職活動に関する情報収集はどんな方法でされていたのですか?
(Cさん)キャリアセンターや就活エージェント、スカウトサービスや就活支援団体など、さまざまな方法を試しました。
加えて、口コミサイトやツイッター、オープンチャットなど、インターネット上の情報も重視していました。
(光森)ツイッターも就職活動で駆使するのは、現代の就活生ならではかもしれませんね。本日のインタビューは以上です。ありがとうございました!
(Cさん)ありがとうございました!
まとめ
いかがでしょうか。
コロナ禍の影響で、「自身の活動のスケジュールが例年とは異なっていた」という学生は多くいらっしゃいます。
「学生のスケジュールや活動状況もヒアリングする」「採用ターゲットに合う学生が多忙であれば、短時間でも参加できる少人数座談会や個別面談も用意する」など、学生に寄り添った採用活動を進めることが重要です。
新卒採用のスケジュール策定にお悩みの方は、ぜひ「新卒採用のスケジュール策定の解説コラム」も合わせてお読み下さい。