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社会人に質問!あなたの学生時代や仕事の軸とは?―キャリアコーチ

  • 大学1,2年生
  • 2022.05.20
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プロフィール

江﨑 麻里奈(えさき・まりな)さん(35歳)
2007年、新卒で大手自動車販売会社へ入社し、事務職を経験。2009年、脱毛専門のエステティックサロンに転職し、1年後には店長に昇進。2016年、人材会社へ転職し、キャリアアドバイザーとなる。2020年に退職し、3カ月間人材系ベンチャー企業に勤務後、同年女性向けキャリアスクールを運営する企業へ。女性の学びから仕事獲得までを一貫して支援するシステム構築などに従事。2021年12月に出産し、2023年春まで育休予定。

さまざまな期待や目標を持って入社した会社でも、働いているうちに自分自身のキャリア目標が変わることは往々にしてあります。
今回は「女性も分け隔てなくキャリアを築くことができる会社で、自分の力を試してみたい」という想いから、ひたすら歩みを進めてきた江﨑さんのキャリア変遷について取材しました。

歩合制のバイトでセールスの楽しさを実感

――早速ですが、学生時代についてお聞かせください。

通っていたのは、目白大学短期大学の生活科学科秘書ビジネス専攻です。早く社会に出たかったので短大を選び、ビジネスに直結する実践的なことを学ぼうと秘書ビジネスを専攻しました。


――学生時代に頑張ったことは?

印象に残っているのはアルバイトです。地元にある球場でビールの売り子をしていました。高校時代にコンビニでバイトをした経験があり、「もっと効率的に稼ぐ方法はないか」と考え、歩合制のバイトを始めたんです。


――販売成績はどうでしたか?

売れ行きは良く、「自分の頑張りが数字で分かるセールスの仕事って楽しい」と思いました。この仕事のおかげで、どうしたら買ってもらえるかを考えたり、いろいろな人たちに好印象を持ってもらうにはどうしたらいいかを意識するようになりました。

営業職希望が叶わず地元人気企業の事務職に

――バイトでの経験は、就活に役立ちましたか?

面接において一定以上の評価をもらうことはできましたが、結果は芳しくありませんでした。経済的に自立したかったので営業職を希望したんですが、希望通りにはいきませんでした。大手であれば給料もついてくるだろうと、カーディーラーに入社しました。


――やや不本意な就活だったんですね。

そうですね。入社して担当したのは、新車の受発注と車検や板金などのサポート。大手のグループ企業だけあって教育は充実していて、ビジネスマナーや経理業務などの基礎知識を習得できたのは良かったんですが、将来的な収入面で自分の希望とは異なることがわかり、がっかりしたことを覚えています。


エステのコンサル営業で実績を上げて人材業界へ

――収入面が転職を考えるきっかけとなったんですか?

それもありますが、一番は「女性も分け隔てなくキャリアを築くことができる会社で、自分の力を試してみたい」と思ったことです。そこで、関東に1号店の出店を予定していた脱毛専門のエステティックサロンに転職しました。


――エステサロンでの仕事内容は?

脱毛目的で来店されたお客さまの悩みを聞いて、コンプレックスを解消するためのプランを提案するカウンセリング・セールスです。数字に対する達成意欲が人一倍高かった私は好成績を上げ、1年後には店長に昇進。数年後にはトップセールスになりました。


――ついに活躍の場を見つけたんですね!

はい。両親が名前も知らない会社で心配されましたが、この仕事で実績を残せたことがその後の自信につながりました。このとき、「どこに入るかより、そこで何をするかが重要なんだ」と気づきました。


――2度目の転職を考えたのはなぜですか?

理由は2つあります。1つは、自分の成果をもっと評価してもらいたいと思ったことです。


――もう1つは?

店長として教育を担当する中で、教育やキャリア支援につながる仕事に興味を持ったこと。目先の辛さで辞めていく女性スタッフに接し、この人たちのキャリアにもっと介入して助言できたら…と思ったのです。


――それで人材サービス企業に転職したんですね。

はい。人材会社で、転職支援を行うキャリアアドバイザーとなりました。業界も仕事も未経験でしたが、相談者の悩みを聞いて解決策を見いだすコンサルティングのスキルは生かせると思いましたし、「仕事で実績をつくることが、自分のキャリアの証明になる」と信じて挑戦しました。


――その仕事を通して得られたことは何ですか?

厳しい環境下でも結果を出していく“精神的なタフさ”が養われました。自分が支援した人が転職先で活躍していることが大きなやりがいになり、「キャリアアドバイザーは私の天職だ」と思いました。


未経験に挑戦するなら今だとベンチャー企業へ

――それなのに、また転職したんですね。

社内でトップセールスとなり早々に昇進するなど、評価されて居心地は良かったんですが、人材業界やビジネスパーソンというもっと大きな括りの中で自分を見るべきだと気づいたんです。「プライドを捨てて未経験の何かに挑戦するなら、30代初めの今しかない」と思い、決断しました。


――次はどんな企業に転職したんですか?

法人営業に携わりたくて人材系ベンチャー企業に転職しましたが、コロナ禍と重なり、顧客の解約を引き止めることが仕事に…。コロナ禍で打撃を受けているクライアントへ有効な支援ができなくなり、当初思い描いていたミッションとは異なる職務にミスマッチを感じていました。結局その会社は3カ月で退社し、女性を対象としたオンラインスクールからライフコーチング、転職・独立・仕事獲得までを支援するベンチャー企業に転職しました。現在は、その会社で学びから仕事獲得までの一連の支援プロセスづくりとキャリアコーチを担当しています。


効率的働き方でワークライフバランスを優先

――現在は育休中とのことですが、妊娠や出産で働き方は変わりましたか?

今の会社はフルリモート&フルフレックス勤務なので、ほぼ変わりません。妊娠中に体調が悪いときも自宅で仕事ができましたし、子どもが保育園に通うようになっても時間の融通が利くので助かります。実は、結婚してワークライフバランスを考えたとき、出社が必須なのは非効率だと気づき、以来“リモートワーク可”も仕事の選択軸の1つにしています。


学生の皆さんへのメッセージ

――最後に、学生の皆さんにアドバイスをお願いします。

ファーストキャリアに不安を抱いているかもしれませんが、自分が成長し、視野が広がるにつれて仕事の選択軸は変わっていくもの。私自身も新卒時と現在とではまったく違います。それに、目的やゴールを定めないキャリアのつくり方もあるので、企業との偶然の出会いを楽しみにしていてください。また、中には自分の学歴に自信のない人もいるでしょう。確かに新卒入社時は、学生時代までの情報をもとに判断されます。そのため、ときに苦しむ時もあるかもしれませんが、30代以降は実績で評価されるようになるので、あとから挽回は可能です。

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