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社会人に質問!あなたの学生時代や仕事の軸とは?―ITエンジニア

  • 大学1,2年生
  • 2022.05.13

プロフィール

大河原 圭悟さん(32歳)
2012年、新卒で都市ガス会社のグループ会社に入社。営業を1年と人事を2年半経験したのち、2015年に鉄鋼系工場建設会社のグループ会社に転職。中途・新卒採用担当として実績を積む。エンジニア採用に携わったことを機に、エンジニアを志し退職。都内のエンジニアスクールで学んだのち、2017年3月に株式会社グローバルウェイにエンジニアとして入社する。2020年に3か月間の育休を取得。一児の父。

仕事を通して、思いがけず自分が目標とする働き方や仕事に出会うことがあります。
今回は、新卒で人事としてキャリアを積んできた大河原さんがエンジニアを目指して退職し、チャンスを手に入れるために行ってきたことについて取材しました。

アルバイトとサークルに没頭した大学時代

――大学ではどんな活動をされていたのか、学生時代について教えてください。

勉強面では誇れるものがあまりないのですが、アルバイトとサークル活動には妥協せず取り組んでいましたね。
アルバイトは都内の中華料理店でホールスタッフをしていました。大好きな食とお酒、旅行を楽しむべく、必死にお金を貯めていたんです。美味しいものを食べるために稼ぐのだから、まかないが美味しいところで働こうと、友人のつてを使って理想の環境で働いていました。
サークルは、弦楽サークルでパートリーダーを。複数のメンバーを束ね組織を作っていくことが面白く、夢中になりましたね。


人の成長や将来を考えられる「人事」を目指した

――卒業後は、好きな食や音楽とはまったく違うインフラ業界に進んでいらっしゃいます。就活では、仕事やキャリアについてどう考えていたのでしょうか。

キャリアと趣味は切り離して、「一番好きなことでは仕事はしない」と決めていました。仕事になればしんどいこともある。嫌いになるのがいやだったんです。
一番関心が持てるものは何かと考え、出てきたのが「人」でした。


――インフラということではなかったのですね。

就活では「人事」として入れてくれる企業を選び、結果として、それがガス会社でした。弦楽サークルで、メンバーの特性や強みを見ながら配置を考え、一人ひとりの将来を考えて「こんな役割を託してみよう」と動くのが好きだったので、人事を選びました。母体が大きく歴史ある会社の方が、腰を据えて組織づくりに取り組めると考えたんです。


組織に依存しないキャリアを積もうと、26歳でキャリアチェンジ

――入社後にはどんな仕事を任されましたか。

会社を理解するために1年間は営業を経験し、2年目から人事に異動させてもらいました。採用活動から組織づくりまで、人事業務を幅広く経験し、人のキャリアづくりに携わる採用業務には特にやりがいを感じていました。


――その後、人事として建設会社に転職されています。転職を決めた経緯とは?

会社の合併などにより業務の分業化が進み、最も面白さを感じていた採用担当業務から外れたことが大きかったですね。採用に特化して経験を積もうとエンジニア採用の担当者として転職しました。


――さらにそこから転職し、同時に人事からエンジニアにキャリアチェンジしています。そのきっかけは何でしたか?

エンジニア採用を通じて、多くのエンジニアに出会ったことが大きかったです。人事は組織に属して力を発揮しますが、エンジニアは自分のスキルや経験を武器に、プロジェクト単位で動いていく。「会社ありきのキャリア」ではなく、常に、自分がどう活躍できるかが試されています。
その働き方に猛烈なあこがれを抱き、自分も組織に依存しないキャリアを積もうと、26歳で退職しました。


――ゼロベースで新しい職種に挑戦することに、不安はありませんでしたか

特になかったですね。人事のときからパソコン業務は得意で、人事部内のIT担当を任されることも多かった。独学でもできるだろうと、たかをくくっていました。


――やってみてから、壁にぶつかったということですか。

独学で2か月過ぎた頃に、これではまったく戦力にならないと痛感しました。クラウドソーシング(※)のサイトを見て、「自分にできるプロジェクトはあるかな」と探すのですが、まったく歯が立ちません。きちんとスクールに通おうと、3か月間、週6日×1日12時間のプログラミングコースを受講。課題をひたすらこなしていきました。
(※)ネット上で仕事の発注・契約・納品・支払いなどが行えるWebサービス


――まさに短期集中ですね。

でも当然ながら、たった3か月頑張ったところで、若いうちからエンジニアとして働いている方の足元にも及びませんでした。そのスクールでは就職先紹介も行っていたのですが、面接でエンジニアリングスキルをアピールしても、あまり響きません。
では、自分にしかない強みは何か。改めて整理したとき、「人事としてキャリアを積み、経営者の視点で組織を考えてきたこと」これこそが強みだと気づきました。ビジネス視点で物事を考えられるエンジニアとして、これまでの経験を全部生かしていこうと考えました。


あらゆる仕事が学びのチャンス。5割できると思ったら手を挙げる

――実際にエンジニアとして働く今、どんなところに面白さや大変さを感じていますか。

正当に自分のスキルで渡り歩ける世界だなと感じます。厳しさもありますが、年次や経験よりも「できること」で評価されるので、もっと勉強してスキルを身に付けたいと意欲が刺激されます。


――働き方、ワークライフバランスの点で変化はありましたか。

現在2歳になる子どもがいるのですが、2020年には3か月の育休をとりました。妻が早期の職場復帰を望んでいたので、育休で子育てを分担することは僕にとって自然な選択肢でしたね。社内では男性初の育休取得者だったようですが、プロジェクト単位で動けるエンジニアだからこそ、実現できたことの一つかもしれません。


――在宅勤務がしやすい働き方も影響していそうです。

そうですね。夫婦で子どもを交互に見ながら、生活の中に仕事が入ってくる形で働くことができています。
育休中もオンライン会議にふらっと顔を出して「僕がいますよ。もうすぐ戻りますよ」とつながりを持ち続けていたので、復帰後も違和感なくプロジェクトに入っていくことができました。


――仕事をする上で大切にしている思いは何ですか。

仕事のオファーをもらったときは、「5割できると思ったら手を挙げる」ようにしています。仕事を通じて、残りの5割はなんとかできるようにしようと必死になり、結果、できるようになるからです。
僕はなまけがちな性格なので、強制的にやらざるを得ない環境を作らないとやらないんです。できなかった仕事ができるようになれば、お金をいただきながら勉強させてもらっているようなもの。全部をチャンスだと思って取り組んでいます。


――あらゆる仕事にも、共通するポイントですね。今後挑戦したいことはありますか。

5年間の人事経験を生かして、経営層とエンジニアの橋渡しになるようなプロダクトオーナー、プロジェクトマネジメントの仕事を手掛けたいです。


学生の皆さんへのメッセージ

――最後に、学生の皆さんへのメッセージをお願いします。

キャリアチェンジした今も、人事とエンジニアの仕事はつながっています。学生のときは、何がどうつながっていくのか想像ができないかもしれません。今は、目の前の小さな行動に対して「なぜこれを選んでやっているのだろう」「何のためにやっているのだろう」と考えるクセを持ち続けてほしいです。目的にマッチしているかを考えていれば、あとになって、自分の中で1つの線になってつながっていくし、つなげられる。それが、自分の強みになっていくと思います。


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