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農学部の人気の就職先とは?おすすめの資格や面接での回答例も紹介

  • 就活ノウハウ
  • 2021.02.08
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農学部の就職は厳しい──そう聞いて、不安になっている農学部の就活生もいるかもしれません。ですが、就職率などのデータは比較的高い数値で推移しており、食品業界や製薬業界、化粧品業界、また大規模農家や公務員などで多くの農学部出身者が活躍しています。

今回は、農学部の就活にフォーカスして、人気の就職先や就活を有利に進める方法などについて解説していきましょう。

目次

    農学部の就職先が厳しいは本当?

    農学部の就活生のなかには、「農学部は就職に不利」だと聞いて不安を感じている人もいるかもしれません。しかし、農学系学部出身者の平均実就職率は、ここ数年、90%以上を維持しており、大学通信ONLINE(※)によると、農学系統全体の実就職率は92.5%(2019年8月5日現在)と高い水準を誇っています。

    大学別に見ると、国立では岐阜大学、新潟大学、島根大学、神戸大学など、私立では東京工科大学、中部大学、名城大学、近畿大学、明治大学などは、農学部系学部の実就職率が95%を超えています。

    ※参考:農学系 ─ 2019年学部系統別実就職率ランキング | 大学通信オンライン

    農学部は就職が厳しいと言われる理由は?

    このように高い水準の就職率を誇る学部であるにもかかわらず、「農学部は就職に厳しい」と言われるのはなぜなのでしょうか?

    ▼農業以外にも広がる就職先

    農学部が就職に厳しいと言われる一つの理由としては、学部としての印象があるのかもしれません。農学部と言うと「就職先が農業に限定される」というイメージを持つ人が少なくありません。しかし、このようなイメージはもう古いものだと言っていいでしょう。
    昨今は、食の安全や環境問題への関心が高まっており、そのなかで「農学」は大きな注目を集めるようになっています。社会的にも「SDGs」がトレンドワードになっており、エコで持続可能な社会を実現する取り組みを推進する企業が増えています。このような背景から、生物界のエコシステムを学んでいる農学部生の需要は高まっています。

    バイオテクノロジーやゲノムサイエンス、食品の製造・加工、地球環境や生態系の保全など、農学部で身に付けられる知識・スキルも広がっており、それにともない活躍できるフィールドも農業関連にとどまらず様々な業界へと広がりを見せています。

    ▼Agritech(アグリテック)でも活躍する農学部生

    近年、テクノロジーが目覚ましい発展を遂げており、就活マーケットでは、最新のテクノロジーを支える工学部の需要が高まっています。そのため、相対的に「農学部は就職に弱い」という印象が生まれてしまうのかもしれません。

    しかし、農業においても高度なテクノロジーが導入されるようになっており、「農業」と「テクノロジー」をかけ合わせた「Agritech(アグリテック)」が注目を集めています。このアグリテックを推進するためには、工学だけでなく農学の知識・スキルも欠かせないものであり、農学部生のポテンシャルを評価する企業も増えています。

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    農学部生が就活を有利に進める方法とは?

    農学部生が有利に就活を進める方法として、「逆求人サービスの利用」と「資格取得」について解説していきます。

    逆求人サービスを利用する!

    農学部に限らず理系全般に言えることですが、就活の時期なるとちょうど大学での研究が忙しくなってきます。研究もあるしアルバイトもあるしで、なかなか就活準備に時間を割くことができません。そこで、活用したいのが「逆求人サービス」です。

    逆求人サービスとは、就活生が自分のプロフィールなどを登録しておくことで、企業からオファーが届く就活サービスのこと。従来の就活は「何社エントリーして、何社面接に進んで、何社から内定をもらう」といったアプローチが当たり前でしたが、逆求人サービスは違います。

    企業からのオファーを受け取るスタイルなので、限られた時間のなかでも効率的に情報収集でき、無駄なく就活を進められます。また、「自分」に興味を持ってくれた企業からオファーをもらえるため、自分1人では見つけられなかった企業に出会える可能性もあります。 ぜひ、逆求人サービスに登録して、賢く就活を勝ち抜いていきましょう。

    資格を取得する!

    資格がないことで就活に不利になることはありませんが、就業する業界・職種で役立つ資格を持っていればプラスの評価になるはずです。農学部では、条件となる単位を取得していれば付与される資格も多々あります。こちらでは、農学部で取得できるおすすめの資格をご紹介します。

    ▼栄養士・管理栄養士

    栄養士・栄養管理士は、食事や栄養の指導、献立作成や食材の発注、栄養素の計算など、食事の管理をするための資格です。農学部生の就職先として食品メーカーは人気がありますが、食品メーカーにおけるメニュー開発に、栄養士・管理栄養士の知識が大きく貢献します。食品メーカーにおいて商品の企画・開発などに従事したい場合には取得しておくと有利になるでしょう。

    仕事内容は、企画立案、研究開発にとどまらず、市場調査や流通まで広がります。また、栄養に関する知識を武器に食品メーカーの営業職として活躍する道もひらけます。

    ▼食料衛生監視員(公務員)

    食の安全を守る仕事に就きたい場合は、食料衛生監視員の資格取得がおすすめです。食品衛生監視員とは、食品衛生法の定めに基づき、食品に関わる営業施設の立ち入り検査や食品に関しての指導、食品衛生の確保・監視・改善などをおこなうための資格です。就業先としては、港や空港にある検疫所や各自治体の保健所などが代表的です。

    ▼食品衛生管理者

    農学部から食品業界や小売業界に進むなら、食品衛生管理者の資格取得がおすすめです。食品衛生管理者とは、乳製品や食肉製品など、食品の製造・加工工程における衛生管理をおこなうための資格です。主な就職先としては、食品メーカーや食品製造工場、食品加工工場などが挙げられます。

    ▼測量士補

    農学部から建築・土木業界や不動産業界を目指すのなら、測量士補の資格取得がおすすめです。測量士補とは、工事現場で土地の面積・位置・距離などを測る測量士の助手のこと。サポート業務をおこないながら測量士を目指すことができます。

    ▼毒物劇物取扱責任者

    農学部から製薬業界や製造業界に進むなら、毒物劇物取扱責任者の資格取得がおすすめです。毒物劇物取扱責任者とは、毒物劇物を取り扱う際の安全を確保するための資格です。毒物劇物の管理方針の策定や、作業場の改善計画の策定、作業場の構造設備の指導・監督などをおこないます。

    ▼家畜人工授精師

    農学部から酪農業界・畜産業界への就職を考えている人には、家畜人工授精師の資格取得がおすすめです。家畜人工授精師とは、牛・馬・豚・ヤギなどの家畜の人工授精や体外受精、受精卵の移植を取り扱うための資格です。酪農地や養豚場などで働くには必須の資格だと言えます。

    就活で資格は役に立つ?業界別におすすめの資格と書き方を紹介

    農学部の人気就職先ランキング

    社会全体として食や健康、環境に対する意識が高まるなか、食品業界や製薬業界などの幅広い業界で、多くの農学部出身者が活躍しています。農学部生に人気の就職先をご紹介します。

    食品メーカー

    食品メーカーは、農学部出身者の代表的な就職先です。ひと口に食品と言っても、お菓子、冷凍食品、乳製品、調味料などの加工食品から、食肉製品や水産品、小麦粉などの食品原料、清涼飲料水やアルコールなどの飲料、健康食品まで、その種類は多岐にわたります。

    製薬会社

    医薬品の開発・生産・販売をおこなう製薬会社も人気です。農学部で身に付けるバイオサイエンスや応用生物科学などの知識を活用し研究職や開発職を狙う方も多いです。また、MR(医薬情報提供者)として活躍する人もいます。
    ※MR(医薬情報提供者):医療機関や薬局に対して自社の医薬品の効能・品質・安全性などの情報を提供する人

    化粧品メーカー

    化粧品メーカーの研究職も人気です。化粧品開発においても、農学部で学んだバイオサイエンスや生物化学の専門性が役立ちます。

    種苗メーカー

    種苗メーカーとは、野菜などの種を開発するメーカー。効率的に農作物を収穫できるような種の開発。

    食品メーカーや製薬会社、化粧品メーカーなどのメーカーに就職する場合、農学部出身者が活躍する職種としては以下の4つがあります

    ▼研究職

    新商品の研究・開発をおこないます。情報収集・調査をし、仮説を立て検証を繰り返していき新しい商品の製品化を目指します。

    ▼製造技術職

    工場で製品を効率的に大量生産できるように管理する仕事です。工場の生産ラインにある機械などの調整やメンテナンス、作業員への指示や管理などをおこないます。

    ▼品質管理職

    工場で作られた商品の品質を管理します。工場で製造された商品を、国際的な食品管理手法であるHACCP(ハサップ)に基づいて微生物汚染などの危険が発生していないかの品質チェックをおこないます。

    ▼営業職

    自社の商品を売り込む仕事。食品メーカーであれば、多くの店舗などで取り扱ってもらい、消費者の手に届くようにスーパー、コンビニなどの小売業だけでなく、レストランや外食チェーンに売り込みます。

    公務員

    農学部から公務員になる人も一定数います。候補としては、農林水産省や国土交通省、環境省、林野庁、水産庁、また地方公務員として県庁や市役所で働くことが選択肢としてあります。また、全国の畜産試験場、水産試験場、農業試験場なども就職先になります。

    大規模農家(ファーム)

    一次産業である大規模農家(ファーム)を目指す農学部生も多くいます。作物の栽培や収穫、生産工程の管理や出荷などをおこないます。畜産業では、家畜の世話や健康管理、繁殖のコントロールなどをおこないます。

    農業協同組合(JA)

    農業協同組合も農学部生の就職先の一つです。34の都道府県の組合本部から形成されている農業協同組合は、金融から共済事業まで様々な事業を展開しています。農学部出身者に多いのは、全国農業協同組合連合会(JA全農)です。JA全農は、農畜産物の加工や販売、農業に必要なスキルの指導、経営面でのバックアップなどをおこなう団体です。

    面接で農学部ならではの質問を聞かれたら?

    農学部を選んだ理由は「社会とのつながり」を意識して

    就活の面接では、農学部を選んだ理由を聞かれるケースもあるので、回答を準備しておく必要があります。素直に回答して構いませんが、自分目線での話にとどまらず、社会とのつながりや社会的な意義を交えて話せると印象が良くなります。

    ▼農学部を選んだ理由を聞かれたときの回答例

    私は小さい頃から、家でごはんを残すと祖父に「食べたくても食べられない人がいる。食べられることに感謝しなさい」と言われて育ちました。中学、高校と進学するなかでフードロスの問題に関心を持つようになり、フードロスを削減できる人になりたいと考え、大学進学では農学部を専攻しました。食べ物を捨てるのはお金を捨てるのと同じことで、それは社会的にも大きな損失です。食品メーカーが主体となって、解決策を提示していく必要があると思っています。

    農学部の研究内容は、知らない人にも分かりやすく

    就活の面接では、農学部での研究内容を聞かれるケースがあるでしょう。この質問は、研究内容を知るための質問であると同時に、コミュニケーションスキルを見極めるための質問でもあります。

    面接官は文系出身者も多く、当然、農学部の研究内容に精通しているわけではありません。それゆえ、専門的な内容をいかに分かりやすく伝えられるかを意識して回答する必要があります。対策としては、あなたの研究内容を知らない家族や他学部の友人に説明して、感想を聞いてみるのがおすすめです。

    ▼「研究内容」の質問に対する回答例

    私は、レタスの人工光型生産を研究テーマにしていました。人工光型生産とは土を使わず人工光で農作物を生産することで、私の研究では蛍光灯とLEDの光で昼と夜を作り出しながらレタスを育てていました。もちろん、温度や空調、養液などの条件は試行錯誤の連続です。まだまだ課題はありますが、天候に左右されず生産できることや、農薬を使わずに済むこと、日持ちするため食品ロスを減らせることなどは人工光型生産の大きなメリットだと考えています。

    まとめ

    農学部の就職は厳しいというのは、もう古いイメージです。今の就活マーケットでは、農学部生に大きな期待がかけられています。「自分がやりたいことは何なのか?」「なぜ、農学部に入ったのか?」といった本質を見つめ直し、自信を持って就活戦線に臨んでいただきたいと思います。

    また、dodaキャンパスでは、選考対策ができるイベントも随時開催していますので、ぜひ参加してみてください!

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