エントリーシート(略称:ES)は、本選考においてもインターンシップの選考においても重要な意味を持つ書類です。エントリーシートを読んだ採用担当者に、「この学生に会ってみたい!」と思わせることができれば第一関門は突破です。1社1社に最適なエントリーシートを作成しましょう。
今回は、そんなエントリーシートについて徹底解説!履歴書との違いをはじめ、自己PRや志望動機といった頻出質問に関する書き方のコツをご紹介します。
目次
エントリーシートとは?役割と企業が見ている3つのポイント

エントリーシート(ES)とは、就活生のために企業が用意する「応募用紙」のこと。氏名や住所、学歴などの基本情報に加え、志望動機や自己PR、長所・短所などの記入欄が設けられているのが一般的です。
エントリーシートは、採用担当者が「どんな人物なのか?」を見極めるための資料であり、就活生にとっては自分自身をアピールする最初の場です。これから紹介する3つのポイントを押さえ、エントリーシートを作成していきましょう。
1.分かりやすく伝える力があるか
ビジネスにおいて非常に重要なスキルの一つとも言える「文章によるコミュニケーション能力」。ビジネスシーンにおいては、企画書や提案書、報告書といった具合で、非常に登場するシーンが多いと言えます。
そのため、エントリーシートを通して、この文章によるコミュニケーション能力を測ろうとする企業は少なくありません。
エントリーシートを作成する際は、「質問に対して的確な回答か?」「文章構成は論理的で分かりやすいか?」といったポイントをしっかり押さえましょう。意識することで、読む人の理解、納得、共感を得られるエントリーシートを作成できます。
2.会社の理念に沿った人材か
採用担当者は、エントリーシートに書かれている「過去の経験」や「自己PR」などから、その学生のモチベーションや考え方、価値観を読み取ります。そして、自社の企業理念や欲しい人材像にフィットする人が、採用担当者の目に留まるのです。
そのため、エントリーシートにおける基本情報以外の項目については、応募先企業の理念や社風にフィットする内容かどうかをチェックし、提出するよう注意しましょう。
3.活躍の可能性はあるか
エントリーシートは、新卒採用を実施する企業全体の約三分の二が導入しています。そして、従業員規模の多い企業ほど導入率が高い傾向にあります。(※)社会経験のない(または少ない)学生の場合、今後の可能性を見極める必要性が高いことから、このシートを重視する企業は少なくないと言えます。
「今後、取り組んでみたい仕事は?」といった分かりやすい場合もあれば、これまでに「チャレンジしたこと」や「失敗や克服の方法」など、あなたのポテンシャル(可能性)を探るような質問の場合も。将来、活躍する人材であると感じてもらえるよう、自己分析で前向きなエピソードを棚卸ししておきましょう。
(※)岡崎仁美『新卒採用の実務』P106より
自己分析が簡単にできる5つの方法】メリットや志望動機の書き方まで
エントリーシートと履歴書の違い
エントリーシートと履歴書をセットで提出させる企業も多いことから、この二つの違いについて疑問に思われる方も多いことでしょう。違いは下記の通りです。
- エントリーシート:主に自社が求める人物像とのフィット度を見るために用いられる、選考を目的とした書類
- 履歴書:個人の基本情報を確認するための書類。公的な文書
上記の通り、履歴書については公的文書の扱いです。誤りがあったとしても刑法上の問題が発生するわけではありませんが、うそや偽りがあった場合は懲戒解雇などの対象にもなり得ますので注意しましょう。
エントリーシートを書く時の3つのコツ

エントリーシートを記載する前にチェックしておきたいコツやポイントについて、こちらでは解説いたします。
【1】結論ファーストで書く
志望動機や自己PRなど、どの項目においてもエントリーシートは「結論ファースト」が基本です。結論を先に書いた後、その根拠となる具体的なエピソードなどを記入しましょう。最後に、入社後の抱負や仕事に関連したアピールを付け加えると効果的です。
【2】アピールするポイントは絞る
エントリーシートを作成する際、アピールできる内容を全部盛り込もうとするのは避けましょう。分かりやすく伝える鉄則は、ポイントを絞ること。一つの設問に対して「サークルも、ゼミも、アルバイトも・・・」となると、アピールポイントがぶれやすくなってしまいます。エピソードを絞り、複数の設問の中でも一貫性を持つことで、あなたの魅力の確かさを伝えることができます。
【3】読みやすさ・見やすさも気を付ける
手書きやウェブシステムといった提出方法に関わらず、相手に対する配慮が重要です。下記のようなポイントを押さえ、エントリーシートを作成するようにしましょう。
★誤字脱字や変換ミスは要注意!
誤字脱字は相手に残念な印象を与えます。特に、エントリーシートは今後の選考に進めるかどうかを左右する重要な書類です。提出前は、必ず校正ツールなどを活用し、誤字脱字や誤表現がないかどうかといった点を入念にチェックしましょう。
★専門用語を避ける&正式名称で記載する!
エントリーシートをはじめ、応募書類において専門用語や略式名称はNGです。
たとえ学校の授業やゼミで当たり前のように使われている用語でも、相手にとっては難解なものである可能性があります。採用担当者に無駄な手間をかけないよう、分かりやすい言葉で伝えるようにしましょう。
また、「高校」や「中学」といった聞き慣れた言葉も、実は略語です。「高等学校」、「中学校」といった具合に、正式名称を記載しましょう。
★読みやすいよう適宜、記号を使う!
ウェブ上でのエントリーシートは改行ができない場合もあり、読みづらくなる原因にもなります。こういった場合は、改行の代わりに「■」「●」などの記号を入れ、相手が読みやすいよう工夫をしましょう。
エントリーシートにおける基本情報の書き方
まずは「基本情報」と呼ばれる、エントリーシートにおける住所や学歴・職歴といった項目の書き方を見ていきましょう。

氏名・フリガナの書き方
書式によりますが、フリガナがカタカナの場合は片仮名で。ふりがなと平仮名で記載されている場合は、そのように対応しましょう。
生年月日の書き方
こちらも書式によりますが、特に指定がない場合は西暦・和暦を統一しましょう。
連絡先の書き方
書式によって「自宅電話番号」と「携帯番号」を分けて記載するケースがあります。一人暮らしで携帯電話しか持っていない場合は、携帯番号のみを記載すればOKです。
Eメールアドレスについては、アルファベットの「l」と「1」といった具合に読み間違いも起こりやすいため、分かりやすく明記しましょう。
住所の書き方
書類によっては、番地を省略して書くケースもあるかと思いますが、応募書類については略称ではなく正式名称で記載しましょう。アパートやマンション名に住んでいる場合は、建物名も忘れず記載します。
学歴の書き方
就活における学歴は、中学校から書くことが一般的です。また、エントリーシートの書き方のコツでもご紹介した通り、学歴は正式名称で記載しましょう。「●●中学校 卒業」といった具合に、学校名と入学・卒業区分を分けてかくと見やすくなります。
「いつ入学で卒業だったっけ…」と入学や卒業年が分からなくなる方も多いかと思います。そんな方は以下の記事をぜひご覧ください。
【就活/新卒向け】履歴書の学歴はいつから? 書き方を解説<早見表付き>
エントリーシートにおける自己PRの書き方、作成ツール
自己PR欄は、まず相手が読みやすいよう配慮されているかをはじめ、客観的に自分自身をどう見ているか、今後どういった事に取り組んでいきたいのか、といった“あなたらしい強み”を見られています。
伝わり易い自己PRの記載手法としては、「PREP法」を用いると良いでしょう。
「結論(P)」→「理由(R)」→「具体例(E)」→「結論(P)」の順番の構成にすると、相手が自己PRの内容をイメージしやすくなります。作成の手助けとなる作成ツール「自己PRワークシート」を活用し、自己PRを作成/ブラッシュアップしてみましょう。

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エントリーシートにおける志望動機の書き方、作成ツール
社会人経験のない学生が働いたことのない会社に対する志望動機を作成する場合、表現が似通ったものになることは否めません。そのため、あなたがどう考え、どうしたいのか?を伝えることが重要です。
具体的には、「志望している企業について、あなたはどのように捉え」、「自分自身の強みをどう生かし」、「その企業で活躍していきたいのか」、このような自分なりのエピソードを交えつつ語れるとベストでしょう。
なお、志望動機は下記3つの構成で作成すると、説得力のある志望動機となります。
(1)主張(やりたい仕事・目標)
(2)根拠(具体的な理由)
(3)まとめ(企業への貢献ポイント)
dodaキャンパスでは、志望動機の説得力が増す「志望動機ワークシート」を作成ツールとしてご用意しています。ぜひ活用してみてください。

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エントリーシートにおけるガクチカの書き方、作成ツール
就業経験を持つ学生が圧倒的に少ない中、学生時代に力を入れたことを意味する「ガクチカ」から、社会に出た際の可能性を探ろうとする企業は少なくありません。学生インターンシップや留学のような、いわゆる「輝かしい経験を持っていなければならない」と考える学生の方も少なくありません。
しかし、採用担当者はガクチカを通して、「あなたが何を考えて行動し、何を得たのか」といったプロセスを知りたいと考えています。ぜひ、この観点を忘れないようにしましょう。
なお、ガクチカは下記の6つの構成で作成すると、論理的に分かりやすく伝えることができます。
(1) 結論(何に取り組んだのか?)
(2) 動機(なぜそれに取り組んだのか?)
(3) 目標・課題(どのような目標を掲げたのか?/どのような課題があったのか?)
(4) 対策(どのように目標を達成したのか?/どう課題をクリアしたのか?)
(5) 結果(その結果どうなったのか?)
(6) 学び(経験から何を学び、社会でどのように活かすのか?)
これらの書き方を押さえ、ガクチカが作成できるツールは以下よりダウンロードしてご活用ください。

注意点は分かったけれど、「実際にガクチカの具体的な例文を見たい」、「魅力的に見える書き方のコツがあれば知りたい」という方は、以下の記事でより詳しく解説していますのでチェックしてみてください。
【例文付き】就活の定番「学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)」のベストな書き方・伝え方
本記事でお伝えした内容のまとめ

エントリーシート(ES)とは、就活生のために企業が用意する「応募用紙」であり、採用担当者が「どんな人物なのか?」を見極めるための資料です。
いま一度、本記事でお伝えした内容をおさらいしておきましょう!
エントリーシートとは?役割と企業が見ている3つのポイント
1.分かりやすく伝える力があるか
2.会社の理念に沿った人材か
3.活躍の可能性はあるか
エントリーシートと履歴書の違いとは?
- エントリーシート:主に自社が求める人物像とのフィット度を見るために用いられる、選考を目的とした書類
- 履歴書:個人の基本情報を確認するための書類。公的な文書
エントリーシートを書く時の3つのコツ
【1】結論ファーストで書く
【2】アピールするポイントは絞る
【3】読みやすさ・見やすさも気を付ける
エントリーシートの書き方
- 最低限のマナーとして、誤字脱字はないよう注意する
- まずは相手に読みやすい内容かどうかを配慮する
- 重要なのは自分なりのエピソードやプロセスが分かるようこと
特に重要なのは、あなたらしさが伝わることです。自分自身の経験やその時の考えを棚卸しするのは大変な作業ですが、本記事を通して少しでも効率的に進めることができれば、幸いです!
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