就活で企業に提出する履歴書。書き方や提出ルールはわかっていても、いざ提出するとなると不安になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、就活で提出する履歴書の書き方や提出のマナー・注意点などを詳しく解説します。提出時に慌てることのないよう、事前にチェックしておきましょう。
目次
この記事の監修者
doda新卒エージェント事業部
キャリアアドバイザー
青山 直徒氏
大学在学中に教員免許を取得。新卒で学校法人の広報職として、高校生向けのオープンキャンパスや進路アドバイス業務に従事する。転職後は、doda新卒エージェントとして文理問わず大学生・専門学校生様を担当。不動産・建築業界の営業職に関する知見や「企業選びの軸」を作ることを得意とする。
就活で履歴書を書くときの基本的なルール
履歴書の見本を参考に、記入欄ごとにどのような書き方が適切かを解説します。
項目別の書き方を図解も交えて解説しますので、ルールを押さえて適切な内容を記載できるようにしましょう。
①基本情報の書き方
■ 印鑑
今回使用している見本にはありませんが、履歴書に押印箇所がある場合は押印が必要です。必要な場合は、履歴書を記入する前に押印することをおすすめします。全ての項目を記入した後に押印を忘れるリスクを回避しましょう。
■ 日付
日付に関しては次の点に注意しましょう。
- 郵送の場合は投函日
- 手渡しの場合は渡す当日の日付
■ 写真
写真に関する注意点は次の通りです。
- サイズ……写真サイズは縦40㎜×横30㎜が一般的
- 必要枚数……記入ミスや複数の企業に提出することも考え、20枚程度は用意しておく
- 撮影先……写真スタジオで証明用写真を撮ってもらうのがおすすめ(自撮りは避ける)
- 服装や表情……服装は清潔感があるスーツがベスト。口角を上げて歯が見えない程度に微笑む
■ 氏名・住所
氏名や住所欄を書くときは、次の点に注意しましょう。
- 漢字は略字などを使わず、運転免許証などに記載されているのと同じ文字を書く
- ふりがなの書き方(平仮名か片仮名か)は項目名に合わせる
- 生年月日は和暦か西暦のどちらかに統一する
- 年齢は記入日ではなく送付日時点の年齢を書く
- 住所は「-」ではなく、「丁目、番、号」を用いて書く
■ メールアドレス・電話番号
履歴書に記載するメールアドレスは、確実に受信できるメールアドレスを記載しましょう。常にアクセス可能なメールアドレスを使用し、受信拒否設定を解除しておくことで、企業からの重要な連絡を見逃さないよう注意が必要です。
ビジネスマンとして不適切な印象を与えないためにも、個性的すぎるものは避け、名前や数字を組み合わせたシンプルなメールアドレスを使用しましょう。特に、大学で提供されているメールアドレスがある場合は、そのアドレスを就活専用として利用することもおすすめです。プライベート用のメールアドレスと分けることで、管理もしやすくなります。
②「学歴・職歴」の書き方はこちら
学歴欄は職歴欄と同じになっているため、学歴と職歴は分けて書きましょう。
学歴欄記入時の注意点
- 学歴欄の書き始め(最初の行)は中央に「学歴」と記入する
- 年月は和暦・西暦のどちらかで統一する
- 学歴は中学校卒業から大学卒業見込みまで古い順に記載する
- 中学は「中学校」、高校は「高等学校」と記載する
- 大学・大学院は学科・専攻まで正式名称で記入する
- 予備校などは学歴に入れない
- 大学名を書くときは、学科だけでなく専攻まで記載すると専門性がアピールできる。正式名称が長く1行で書ききれない場合は、2行にまたがって記載しても良い
就職活動時にまだ卒業していない場合は、語尾に「卒業見込み」「修了見込み」と書きます。大学院生の方は「○○大学○○学研究科○○学修士(または博士)課程」といったように修士課程・博士課程まで記述するのがポイントです。
休学などが理由で時系列で合わないところがある場合は、簡単に理由を添えておくとよいでしょう。
学歴の記入が終わったら、1行空けて「職歴」と書きます。
就活で提出する履歴書では、基本的にアルバイト歴の記入は必要ありません。職歴欄には「なし」と記入します。希望の職種に関連するアルバイト経験や長期のインターン経験などがある場合は、自己PR欄に書くとよいでしょう。
学歴と職歴を全て記入したら、1行空けて右端に「以上」と書いて学歴・職歴欄の記入は完了です。
③免許・資格の書き方
「免許・資格」の欄には、自動車免許のような一般的な資格に加え、仕事と関係がある資格について記入すると良いでしょう。逆に、仕事とは何の関係もない資格は書かないほうが賢明です。もしアピールできる資格がない場合は「特になし」と書いて問題ありません。
観点としては、特にその資格について語れるエピソードがないようであれば、書かないという判断で良いでしょう。
④志望動機・特技・好きな学科・自己PRの書き方
履歴書で最も力を入れたいのが「志望動機・特技・好きな学科・自己PR」の欄です。
企業の採用担当者は、短期間に何百枚もの履歴書を読むことがあります。読む人の立場に立って、誤字脱字に注意し、伝えたいことを明確に書くよう心がけましょう。
志望動機欄を書くときは「PREP法」を使うと、わかりやすい文章が書けます。PREP法とは相手にわかりやすく伝える文章構成のことで、就活では下記のように書くと良いでしょう。
- Point :結論(志望動機を簡潔に述べる)
- Reason:理由(志望理由を伝える)
- Example:具体例(志望に至ったエピソードなどを書く)
- Point :まとめ(入社後のビジョンを伝えてまとめる)
志望理由やエピソードなど、志望動機欄の記入で参考になるポイントも下記にまとめています。
企業の事業内容や学生時代の活動に当てはめて、わかりやすい文章を考えてみましょう。
面接で話が膨らむ場合もあるため、特筆すべき内容があるなら特技を記入するのもおすすめです。
好きな学科として、大学のゼミの内容を記入しても構いません。研究している分野を選んだ理由や学んだことなどを書きましょう。その経験から、職場でどんなことに活かしたいのかがあると魅力的です。
自己PRの場合は、あまり詰め込み過ぎず本当に伝えたい内容を1つか2つに絞ると良いでしょう。
自己PRの作成が不安な場合は、採用のプロが無料であなたの自己PRを添削してくれる添削サービスの活用がおすすめです。
⑤本人希望記入欄の書き方
本人希望記入欄は、特になければ「貴社の規定に従います」と簡潔に書けば大丈夫です。
ただし、家庭の事情がある場合など、勤務地や勤務時間で配慮して欲しいことがある場合は事情を書いておきましょう。詳しい内容は面接で伝え、入社後「そんなことは応募時に聞いていない」とならないよう、やむを得ない事情は書いておくと適切です。
採用担当者は履歴書のどこを見ている?履歴書提出時の注意点
履歴書を書く際は、採用担当者がチェックしているポイントを理解しておきましょう。
下記は、採用担当者が履歴書を見る時に特に注目するポイントです。これらの内容を理解しながら書くと、理想の履歴書が出来上がります。
採用担当者が履歴書を見るポイント
- 基本情報の確認
- 自社にマッチする人材か
- 希望条件
基本情報に間違いはないか?
氏名や住所・学歴などの基本情報欄でチェックされるポイントは、基本的なパーソナルデータの確認がメインです。履歴書の情報は重要なデータです。入社後、履歴書の情報を人事情報として保管するケースもありますので、間違いがないように書きましょう。
誤字や脱字も採用担当者はチェックしています。誤字などを誤魔化して書いたり、修正テープを使ったりすると、マイナスの印象を持たれかねません。間違えた場合は、二重線や修正液などで訂正せずにはじめから書き直しましょう。
自社にマッチする人材か?
志望動機や自己PR欄を見て、企業文化や価値観、今後活躍してくれる可能性があるかどうかを見ています。
履歴書を書く際は、自分の強みをアピールしつつ、どのように企業へ貢献できるのか志望動機として記載しておくことが大切です。
希望条件
勤務地などの希望条件と、採用条件にミスマッチがないかもチェックされます。
企業によっては全国勤務とエリア勤務を選択でき、それぞれで仕事の内容や職種が変わる場合があります。入社後に叶うかどうかは別としても、事前にしっかりと採用担当者へ伝えておくべき希望条件があれば、忘れず書いておきましょう。
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就活の履歴書を提出する際によく挙がる質問
履歴書を提出する際によくある質問についても、詳しくお答えしていきたいと思います。
Q.就活の履歴書で学歴はいつから書くべきですか?
A.履歴書の学歴欄には、中学を卒業した年からの学歴を記載します。
留学や休学など、特筆すべき点がある場合は面接でも質問されるため、時系列がわかるように詳細で補足しておきましょう。
Q.学歴が1行に収まらない時はどうすればいいですか?
A.就職活動における履歴書の学歴欄では、学校名や学部名、学科名、コース名は短縮せずに正式な名称を記入してください。1行で収まりきらない場合は、改行して2行に分けて書いても問題ありません。
Q.アルバイト歴はどこまで書くべきでしょうか?
A.職歴欄には、アルバイト歴は書く必要はありません。
書くのであれば、志望動機欄に企業と関連性のあるアルバイトや、応募のきっかけとなったアルバイトについて書きましょう。
アルバイト歴を書いたら、面接では「仕事内容」や「アルバイトでどんな学びがあったのか?」など質問されることもあります。面接時には自分が書いた内容を読み返し、答えられるように準備しておきましょう。
Q履歴書はいつ提出するのでしょうか?
A.履歴書は、面接当日に持参する場合もあれば、事前に郵送やメールで提出する場合もあります。
いずれの場合も、企業が指定した期日までに提出しましょう。郵送する場合は、遅配なども考えられるため、2~3日余裕をもって発送するのが理想です。
Q.就活用の履歴書はどこで手に入れるのですか?
A.一般的な履歴書は書店や文具店、さらにはコンビニエンスストアでも購入可能です。
下記の厚生労働省やハローワークの公式サイトでは、履歴書のダウンロードが可能で書き方のアドバイスも載っており、こちらも参考になります。
- ダウンロード先:厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」
- ダウンロード先:東京ハローワーク
- 自大学指定の履歴書:大学構内の販売店
万が一、履歴書の様式で不明な点がある場合は、企業に直接確認してみましょう。
Q.ー就活の履歴書に使う写真のルールがあれば教えてください
A.履歴書用の写真は、証明写真サイズ(縦4cm×横3cm)が理想です。
背景は、無地の白や淡い色を選びましょう。服装はスーツが望ましいといえます。写真を撮影する時は、清潔感と前向きさが表れるように目線を高く、口角を少し上げるイメージで撮るとよいでしょう。
できればプロの写真スタジオで撮影してもらうのがおすすめです。
Q.履歴書は手書きかパソコンどちらが好印象ですか?
A.手書きでもパソコンでも、採用担当者の印象は変わらないでしょう。もちろん「履歴書は手書きで」と指定された場合は、指示に従う必要があります。
文字に自信がない方は、パソコンで履歴書を作成したほうが読みやすいというメリットもあります。どちらで提出するかは、企業の指示や読みやすさで選ぶと良いでしょう。また、どちらにしても枠内一杯に記載をすることで、熱意が伝わる履歴書となります。
Q.履歴書を郵送するときの封筒や送り方にルールはありますか?
A.履歴書を郵送するときは、封筒の書き方など下記4つの点に注意しましょう。
- 住所や会社名などは手書きで省略せずに書く
- 封筒表面の左下には内容物が一目でわかるように「履歴書在中」と書く
- 封筒には履歴書と挨拶文を一緒に同封する
- 履歴書を入れる封筒は、白無地の「角型2号」が一般的
また、郵便局の配送ミスなどもあるため、履歴書を送る際は書留などを利用し、後日追跡できるようにしておくと安心です。
Q.履歴書をメールで送る場合の注意点があれば教えてください
A.履歴書をメールで送る場合は、下記5つのポイントに注意しましょう。
- ファイルはPDFで送信する(PDFならどのデバイスでも同じように表示される)
- ファイル名は「名前+履歴書」がわかるようにする。(山田太郎_履歴書.pdfとしておくと採用担当者がファイルを管理しやすくなる)
- メールの件名は明確かつ簡潔に
- メール本文では、簡単な自己紹介のあと履歴書送付であることを書く。連絡先情報も忘れずに記載する
- 送信前にメールアドレス、件名・本文・添付ファイルなどに誤りがないか確認する
また、何らかの事情で送信エラーとなるケースもあります。送信ボタンを押したあとは、メールソフトの「送信済みアイテム」にメールが格納されているか、よく確認しておきましょう。
Q.新卒の履歴書に規定はありますか?
A.就活で使用する履歴書は、書店や文具店・コンビニエンスストアで販売されている一般的な書式のものか、自身の大学指定の履歴書が良いでしょう。選定時は、自己PRやガクチカの記入欄があるものを選ぶとベストです。不安な場合は、企業に直接確認してみるのが一番でしょう。
履歴書を書くときは採用担当者が見るポイントを見極めよう
企業に提出する履歴書は、とても重要な書類です。また、採用担当者は履歴書の内容をもとに、自社にマッチする人材かどうかを見ています。
履歴書を書く際は、記入ミスがないことはもちろん、採用担当者の立場にたって書くのがポイントです。
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