プロフィール
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・学習院大学法学部に在学中大学3年生(24卒)
・「dodaキャンパス」でインターン生として、コラムやSNSの運用を担当
・体育会運動部所属
*本記事は2022年6月23日にオンラインで開催された「~企業変革シリーズ~ 服を売るだけじゃない!? 知られざるアパレル新事業|dodaキャンパスゼミ」のイベントレポートです。
私たち消費者は、普段モノやサービスを「買って」生活していますよね。しかし、「働く」とは、モノやサービスを提供する側に立つということ。本シリーズでは、モノを「売る側」に潜入し、企業担当者はどのような仕事をしているのか、その取り組みについて伺いました。就活を始めるにあたって、企業が実際にどんな事業に取り組んでいるのか探っていきましょう。
第2弾のイベントではアパレル業界の株式会社ワールドの前川 亜紀子(まえかわ あきこ)さんにご登壇いただき、ワールドの「服を売るだけではない」事業についてお話を伺いました!
このイベントに参加して、今後を考えるきっかけになりました!ぜひ、最後まで読んでみてくださいね!
目次
アパレル業界とは
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まず、アパレル業界の構造と課題についてお話をいただきました。
皆さんが購入する服には様々なステークホルダー(企業や人)が関わり、皆さんの元へ届いています。
ここでは大きく
- 川上・・・原料や材料を生産し、服を製造しやすいように加工する
- 川中・・・川上から原料を調達し、服をデザイン・企画し製造する
- 川下・・・製造した製品を消費者に販売する
の3つに分けています。
基本、上記3つの役割の中に企業はそれぞれ属しています。
(ex川上を専門にする繊維メーカー、テキスタイルメーカー)
SPAとは?
ここで注目したいのはSPAです。
SPAとは「製造小売業」の事で、川中と川下の2つの役割を一気通貫で行うビジネスモデルです。
ワールドもこのSPAビジネスモデルを主軸にしています。
アパレル業界の課題
私たちが着る服ですが、生産量の増大に伴う環境汚染や廃棄が、実は問題となっています。 こうした業界の課題について詳しく教えていただきました。
製造による環境汚染
「500mLのペットボトル255本」
実はこの量は「洋服1枚を製造し販売するまで」に排出されるCO2の量です。
製造時に使用する機械が排出するCO2が多くを占めており、アパレル業界は世界の約10%のCO2を排出しています。
また”水”に関しても膨大な量が必要です。服の原料となる植物の栽培や動物の生育、染色等で大量の水が使用されます。
1枚の洋服を作るのに「お風呂の浴槽11杯分」の水が必要といわれています。
このようにアパレル業界は川上から川下の過程で環境に多くの影響を与えています。
私たちが普段何気なく購入し着用する服が、環境汚染という形で世界的な社会課題の1つになっています。
売れ残りと廃棄
多くの企業や人が関わっているアパレル業界ですが、多彩なステークホルダーの関わりにより、市場への正確な製品の供給量を把握できず、どれくらいの売れ残り在庫があり、どのように処分されているかなどは、まだ正確にわかっていないのが実情です。
環境汚染と無駄な生産が現在のアパレル業界の課題の一つであり、特に現在の「SDGs」、環境に優しい持続可能な社会の実現には解決しなければならない問題です。
ここで前川さんが仰った課題解決に重要な事は「企業連携」。
「こうした課題は1社で解決は困難で、各社が透明性の向上に取り組むとともに、連携・連帯をテーマに同業他社がタッグを組み、まずは業界の持続可能性を高めることが必要です。社会全体での循環型社会の構築に向け、業界他社が協業する取り組みも注目されています。」(前川さん)
ワールドグループについて
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「創造全力、価値共有。つねに、その上をめざして。」
アパレル業界で生産から小売までを一気通貫させるSPA業態が主軸のワールド。SPAで培った経験を活かし、自社の発展にとどまらず、アパレル業界全体、ひいては異なる業界にも自社のノウハウを提供する事を推進しています。
*詳しい企業概要は公式ホームページからチェックしてみてください!
3つの主要事業
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株式会社ワールドは主に3つの事業を展開しています。
1.従来通り「服」を製造し販売する「ブランド事業」
2.SPA企業として培ってきたノウハウ(販売・空間デザイン・ITソリューション等)を活かして、外部企業の課題解決に貢献する「プラットフォーム事業」
3.デジタル社会によるオンラインショッピングの高まりから、EC(オンラインでの商品販売)を運営、構築のほか、シェアリングやカスタマイズなど新しいエコノミーを構築する「デジタル事業」
その中でもプラットフォーム事業は、業界を横断させることでロス・ムダの削減に寄与している事業にあたります。
プラットフォーム事業
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「プラットフォーム」とは電車の駅のような、あるものを動かすための「基盤」や「場」を意味します。
プラットフォーム事業を簡単に説明すると
- 業界・ブランドの価値を高めるプラットフォーム(業務の仕組み)構築
- ファッション関連企業を対象に異業種へのコンサルティング・ソリューション提供
になります。SPA企業として服の製造から販売までの流れにおいて経験したノウハウを、他社の課題解決にコンサルティング業として行っています。
プラットフォーム事業例
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では実際にどういったサービスを提供しているのか見ていきましょう。
【生産機能を活かして、医療用ガウンの製造】
アパレル業界で服を製造してきた技術を応用し、医療用ガウンという専門的な製品の製造を受託しています。
【空間コンサルとして企業のショールーム設計やホテル、レストランの内装】
販売事業のノウハウを活かして、クライアントが求める理想の空間を設計します。
【人の資産運営機能を活かして研修サービス】
商品を販売するには研究や教育が必要です。ただアルバイトを雇えば良いという問題ではなく、リピートするお客様を増やし、売上を継続していくにはかなりの技術が必要です。この課題に対し、長年販売業務を経験したワールドが研修サービスを提供する事で、企業の課題を解決する事ができます。
【人のプラットフォームを活かした販売代行サービス】
ショップでの販売経験のある人材を管理するプラットフォームを活用し、他社で不足している人員に対し、経験豊富な人材を派遣する事をしています。
などがあります。
このようにワールドではアパレル業界以外に、ファッションを切り口に飲食店やホテルなど、多種の業界へノウハウを提供しています。
循環型社会を目指すエコシステム
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現在、ワールドでは、第4創業期を迎え次の循環型社会を目指すエコシステムの構築を目指し事業展開を行っています。
例えばサブスクリプションやカスタマイゼーション等、様々な新しいサービスモデルを通じて、余剰在庫や商品廃棄といった業界の課題にアプローチしています。
「個々の役割が限られているファッション業界のサプライチェーンに対し、従来のバリューチェーンを超え、川上から川下の過程で企業同士が連携することが、ファッション産業の課題を解決し、SDGsの実現に近づきます。
つまり企業同士による「共創」が業界の発展に必要不可欠なんです。
この点をワールドグループでは中長期ビジョンとして掲げ、業界を引っ張るリーダーであり続けたいと思っています。」(前川さん)
学生へのメッセージ
最後に、前川さんから学生の皆さんへのメッセージをいただきました!
学生時代の経験で「やりたい」事が明確に
大学時代に経験したことは、将来の自分がなにをやりたいのかを明確にしてくれます。またこうした価値観が、キャリアの考え方に影響を与えます。どんな働き方をしたいのか、企業選びの軸にこの価値観が現れます。
ですが、特別な事をする必要はありません。学業や課外活動、アルバイトを通して興味関心を繋げていくと、やりたいことが明確になります。
また色々な人と出会う中で、やっておくべきこと、やりたいことが見つかり、これからの学業や課外活動に活かすこともできます。
やっておいてよかった事
1.社会人との交流
働く人の考え方を知ることで、自分の持っていない視点を獲得し、自分の考えを深めることができます。また世の中のニーズを捉えることができます。
2.アルバイト
究極の企業・職種研究だと思っています。積極的に様々な職種を経験してください。
3.ひとり旅
自分しか頼ることができない経験は新しい発見があります。
やっておけばよかった事
「”熱中”ベースの人脈づくり」
部活動やサークルなど、利害関係なく何かを成し遂げるために”熱中”することをベースに人脈づくりをすればよかったと思っています。こうした人脈は社会人になって作ることは意外と難しいです。
「簿記」
一生ついて回ります。特に経済学部の人は授業を怠らずに、しっかり学びましょう!
まとめ
就職活動を経験していく中で、企業研究をするときにはどうしても「名前」と「業界」から事業をイメージすることが多いです。
しかし今回のお話を聞き、SDGsといった環境や貧困の世界共通の主要課題に対して、企業が連携する、「共創」の時代になってきたことをとても実感しました。
またビジネスモデルが有形商材の企業でも、詳しく企業研究をしていく中でコンサルティング業として無形商材も提供する事がわかりました。
多くの企業が多様なサービスを展開する中で、私たち学生は「何をやりたいのか」「挑戦したいのか」という「Want」を重視することが企業とのマッチングにとても重要だという印象を受けました。
コロナ禍で、キャンパスでの授業や部活動やサークルが制限され、思っていたような学生生活が送れていない大学生もいると思います。
しかし、その分テクノロジーの発達によってオンライン環境が整備され、社会人の方と接する機会や海外とのコミュニケーションが容易になったメリットもあります。
自分と向き合う時間が多くなった今だからこそ、一歩踏み出して何事もトライすることが大切ではないかと思いました。
私自身も今までは友人に合わせて行動することが多かったです。しかし現在では長期インターンやオンライン英会話、部活動など「今”自分”が何をしたいか」を基準に様々なことにチャレンジしています。
今回の前川さんのお話を聞いて「全てのものから学びはある」事を痛感しました。一見何も得られないような行動をしても、実はそれが「好き」や「嫌い」という感情が生まれ、「Want」に繋がると感じました。
まだ1年以上残っている大学生活を有意義なものにできるよう、引き続きチャレンジを続け「Want」を明確にしていきたいです。
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