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グローバルというと、留学や外国とのビジネスを思い浮かべるかもしれませんが、私たちの日々の生活にも大いに関係しています。グローバル社会とは、国境を越えて人々が交流し、「モノ」「お金」「情報」がやり取りされる社会のことです。グローバル社会において自国のことばかり考えていると、情報収集の範囲が狭まり、偏った判断をしてしまう可能性があります。世界の情報を広く収集し、それらを生活や仕事に生かしていくことが不可欠です。
ここでは、グローバル社会がどのようなものかを理解し、そこで求められる力について考えていきましょう。
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私たちが生きるグローバル社会
私たちは日々、多くの輸入品や海外のサービスを使って生活しています。
例えば、国内で作られた日本企業の製品であっても、構成されている部品の一つひとつまでが日本製とは限りません。また、日本はエネルギーの大量消費国ですが、それらの資源のほとんどを海外から輸入しています。国産の牛や豚も、その多くが輸入した飼料穀物で育てられています。その一方で、日本は、自動車や自動車の部分品、半導体などの電子部品、鉄鋼、原動機などを世界へ輸出しています。もし、貿易相手国で大きな変化が起こったらどうなるでしょうか。私たちの日々の生活に、何らかの影響を及ぼすであろうことは容易に想像できるでしょう。
観光について考えてみましょう。観光は日本の重要な産業の一つとして成長戦略に則って推進されてきました。外国人が日本を訪れるインバウンド(訪日外国人旅行)は、2019年に過去最高の3,188万人となりました。その際の消費額は年間4.8兆円と、これも過去最高の金額です。しかし、その後、新型コロナウイルスの世界的な流行により、状況が一変したことは周知のとおりです。
世界中で起こるさまざまな出来事は、私たちの生活に密接に関わっています。その影響は経済面だけではありません。保健、社会、政治、環境など多岐にわたります。変化を正しく捉え、そこから生じる問題の解決策を生み出すには、自国の都合だけを優先させるのでなく、他の国々と連携して物事を進めていく必要があるのです。
国際社会での日本の位置づけの変化
近年、新興国の影響は年々大きくなってきています。UNFPA(国連人口基金)が発表した2020年版の「世界人口白書(State of World Population)」によると、人口が最も多い国は中国で約14億3930万人、2位のインドは約13憶8000万人でした。両国で世界の人口77億人のうち約37%を占めています。日本は世界11位の人口で約1億2650万人、ランキング上位の国では唯一前年より人口減少となりました。インドも中国も、国内に多くの消費を擁しつつ、大量生産による輸出で国内の雇用も生み出しています。また、新しいテクノロジーの開発、教育にも力を入れており、今後は人材輩出という面でも、両国の持つ影響力はさらに強まると言えるでしょう。
経済産業省の資料によると、2050年に日本の人口は約1億人まで減少する見込みです。ここで問題なのは、生産年齢人口(15歳~64歳)の比率が急速に低下していくことです。2019年、日本のGDP(国内総生産)は世界第3位でしたが、PwC(プライスウォーターハウスクーパース)によると2050年にはインドネシア、ブラジル、ロシア、メキシコに抜かれ第8位になると予測されており、そうなれば、世界経済における日本の存在感は薄れていくでしょう。
今後、さらなる少子化や国内市場の縮小が見込まれる以上、日本は生産性向上に向けた取り組みを行い、イノベーションを起こしていくことが急務となっているのです。
グローバル社会で活躍するための力と学び
イノベーションを起こして新しい価値を生み出すこと、グローバル社会はその実現に適した環境であると言えます。グローバル社会で生きることは、多様性の中で生きることです。多様性のある集団内で意見を交わし、融合させていくことが、イノベーションを生み出すきっかけとなっていくからです。
では、これから身につけるべき力とは何でしょうか。
文部科学省の「産学連携によるグローバル人材育成推進会議」では、グローバル人材について「世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」としています。ここでは、わかりやすくするために、求められる力を3つに分けて考えていきましょう。
一つ目は、「英語を使ってコミュニケーションをする力」です。つまり、外国人と対話できる能力、さらには多数の外国人と議論できる力です。日本語を英語に変換しながら話すのではなく、「主張の仕方」「会話のロジックの組み方」など、英語ならではの手法を体得する必要があるのです。
二つ目は、「日本人としての教養を備え、異文化を理解する力」です。他国の人とコミュニケーションをとる際は、相手の国の文化、歴史、宗教などの理解が必要になります。また、それと同時に、自国について理解しておくことも重要です。自国と他国の違いを認識した上で、相手とどのように接することが最適かを考え、対話を進める必要があるからです。
三つ目は、「他者と協調しながら問題を解決する力」です。社会で問題を解決する際には必要になる力であり、もちろんグローバル社会でも求められる力です。この、問題を解決する力は、まさに大学での学びで身につけられるものです。授業、レポートや調査、実験、さまざまなプログラム活動に主体的に取り組む事で、問題解決の経験を積み上げていきましょう。
まとめ
今回は、グローバル社会やそこで求められる力がどのようなものかを見てきましたが、いかがでしたか。ぜひ、視野を大きく世界に広げ、さまざまな情報をもとに自分なりの考えを深めてみてください。
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