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今話題の「アート×対話型鑑賞」でコロナ時代に活きる直感を磨こう|dodaキャンパスゼミ

  • 大学1,2年生
  • 2020.06.04
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プロフィール

株式会社ベネッセiキャリア 白木 知裕
新卒で(株)ベネッセコーポレーションへ入社し、高校生向け教材やテスト等の商品企画・開発を担当。2015年4月より(株)Benesse i-Careerへジョイン。大学生・社会人向け商品やサービスの商品企画・開発・営業などに携わる。大学生の皆さんのよりよいキャリア実現の伴走者となるべく、日々奮闘中。仕事のモットーは、「PLAY WORK!!!(遊ぶように、はたらく)」。

外出自粛の非常事態宣言の発令/解除後 、大学生の皆さんはどうお過ごしでしょうか?
皆さんへのアンケートや、直接の声から、新型コロナウイルスの対応で、想定外の状況に戸惑っている姿が伝わってきています。

でも、顔を合わせなくてもできることがある!
そこで、私たちが得意としているまなびの機会提供として、オンラインイベント「dodaキャンパスゼミ」を平日毎日実施しています。
今回は、5/1(金)、5/11(月)、5/13(水)に実施をしました 、「ART in Life ~対話型鑑賞~ 」について、イベントレポートをお届けします。

「対話型鑑賞って何?」

「対話型鑑賞」とは、グループで一つのアート作品をみながら、発見や感想、疑問などを話し合うコミュニケーション(①観る→②考える→③話す→④聞く ※図1)を通じて思考と対話を深める鑑賞法です。
「芸術は広い意味での教育、人間形成に役立つツールとしてなり得る」としてニューヨーク近代美術館(MoMA)が認知心理学者らと開発したと言われています。

図1:対話型鑑賞の4つのアクション

実際に今回のイベントでも、Zoomを通じて、(一回当たり)約5名の学生の皆さんが全国オンラインでつながり、一つの作品をじっくり観て、気づきや感じたこと、そしてその根拠や理由を述べ合いました。

「対話型鑑賞」って何の役に立つ?

前述の通り、対話型鑑賞でやることは、(解釈に正解の一切ない)アート作品を鑑賞しながら思考と対話を楽しむだけです。
そしてこれを続けていくことで、今やこれからの時代を楽しく有意義に生きていくときに役立つ「直感」「感性」を高め、あなただけのクリエイティビティを磨くことにつながると言われています(それ故、「対話型鑑賞」と呼ばれるこの面白い取り組みは、今、世界のアカデミック/ビジネス界でも大きな注目を集めています)。

大学生の皆さんにとっても、こうした力は、大学での学びだけではなく、キャリアや就活、一生涯の学びにも活きてくることになります。
ただ、何かの役立つという話の前に、アート作品を楽しく鑑賞できるようになるということは、あなたの人生を華やかに、そして面白くするという側面もあるかもしれません。

あなたも実際に「対話型鑑賞」にトライ!!!

ここまで読んでくださった皆さん、今、どんなことをお感じになっていますか?
「アート作品の鑑賞って、高尚なイメージがあって、今まで無縁の生活を送ってきたけど…」
「アート作品の鑑賞って、そもそも面白いの!?」
こんな気持ちになった方でも、大丈夫です。

今回のイベント参加者の方の中にも、同じようなスタンスで臨まれた方が多くいらっしゃいました。
でも、やることは実にシンプル。解釈に正解の一切ない、アート作品を鑑賞しながら思考と対話を純粋に楽しむだけなのですから。

そうは言っても…、という方のために、今回のイベントでも用いた作品を(特別に)掲載しますので、対話型鑑賞に試しにトライしてみませんか?(実は、対話型鑑賞は一人でもできるものなのです)

①アート作品はこちらです。

(The Street 1977/Philip Guston メトロポリタン美術館 注:パブリックドメイン作品)

②1分程度、隅々までじっくりと眺めてください。

③心の中で、以下の私の問いかけに答えてみてください。

・この絵の中で何が起きていますか?
・何が見えますか?
・何を感じますか?
・またそれらはなぜですか?
・この絵にタイトルをつけるとしたら、何にしますか?(理由も)

参考までに、今回のイベント参加者から出てきた意見を抜粋してご紹介します。

「左側にあるのは獣たちの足?」
「真ん中の手は、毛の質感より猫?猫の手も借りたいぐらい忙しい状況を指す?」
「全体としてガラクタにあふれている?捨てられたものあまり必要とされていないものが集まっている印象。蜘蛛もいるし」
「中央の獣の手のようにみえるものが、人々の本性や怒りを露わにしているように見える。赤い色が、煮えたぎる感情を示すから」
「左側の足は、人間のものだと思っていたが、他の人の話を聞いて、蟹の足に見えてきた」
「右のバスケットは、ドラえもんの取り寄せバッグのよう(自身の過去に見た経験則に基づいて)」
「真ん中の蓋のようなものは歪んだゼンマイ。右の赤い瓶はちょっと不自然な形で使いづらいような…、これは社会で使いづらくなった人を揶揄しているのでは。右上にある壊れたギターのフレット部分みたいなものは、社会に受け入れられなかった売れないミュージシャンを意図?」
「他の皆さんの印象とは異なり、絵を見たときの自身の感情は、面白い。全体の色合いから」
「Aさんの意見は、バックストーリー感がすごい。絵を観た上で、その背景にある物語を紡ぐことが得意だから」

いかがでしたでしょうか。
対話型鑑賞は一人でも勿論できますが、複数人の他者と一緒に行う事で、自分一人では気づかなかった見方に驚いたり、新しい価値観を知ることで、自身の感性や直感がより刺激されるクリエイティブな時間を過ごすことができます。これは複数人で行う時の醍醐味の一つであると言えます。

参加学生の皆さんよりいただいた感想

こうした自分の本心や直感と向き合うワークをすると、自分の思考のクセに気づかされる
同じ絵を見ても、人によって連想するものや感じ方が違う。それを共有するのは面白い。言葉よりもアートの方が、より感じ方の違いが現れるのでは
コロナ時代では、新たな価値を見いだすことが必要。対話型鑑賞はその意で面白くて役立つのでは
固定概念や元々自分の頭に入っている知識は、こういう時は邪魔になるのでは。改めて、他の人の意見を聞くことの大切さに気付かされた
アートは、時代を読み取る材料として、面白い。他の人の話を聞けば聞くほど、自分のアイディアが湧いてくる。自分の中から、これほどのアイディアが湧くことに驚いた、本当に楽しかった

Withコロナ&Afterコロナ時代を、あなたはどう生きる!?

皆さんの生きる時代とは、どんな時代なのでしょうか。
起きている事象としては、例えば以下の例が挙げられます。

・社会のIT革命やグローバル化等により、変化のスピードが速い
・肉体労働だけでなく、知的労働まで、人間はその優位性をAIに奪われる!?
・日本国内では、人口減少により右肩上がりの経済成長は望めない…


こうした例を総合して、

「VUCAの時代 ※Volatility(変動)Uncertainty(不確実)Complexity(複雑)Ambiguity(曖昧)の頭文字より
「これをやれば成功する黄金律がない」
「パラダイムシフトの真っただ中にいる」

などという解説を見聞きする機会も多くあると思います。

そして、今回、突如発生したコロナショック。
VUCAやパラダイムシフトに拍車がかかり、何をすれば正解で、どんな価値観にすがって生きていけばいいのかわからないような、そんな時代に突入してしまった感を受けている方もいるかもしれません。

そう、だからこそ私は、大学生の皆さんへ「対話型鑑賞」をオススメしたいと思います。
「対話型鑑賞」の対象物って、実は、アート作品に限らず、街の中で何気に見逃していた建築物や、コロナ関連のニュース番組や記事、マンガや映画などの趣味でも、なんでも構いません。それらを一人ないしは複数人で、ちゃんと観て、感じて、なぜそう感じるかの根拠も考え、言語化してみる。こうして「対話型鑑賞」を普段から日常化する。
こうすることで、自分の価値観を再発見すること(=自分との対話)や、社会を観る眼を養うこと(=社会との対話)につながっていきます。

「対話型鑑賞」を繰り返すことで、あなただけの直感・感性(+ロジカル)を磨いていただきたいと思います(図2)。時代や社会が変わろうがブレない“あなただけの判断軸”を持つことが、あなたの生きる術の一つであるかもしれません。

図2:対話型鑑賞を日常化して、自分・社会と対話しよう

お知らせ

今回のイベントは様々な前向きな評価を頂いていることもあり、今後追加開催も予定しています。また、「Withコロナ&Afterコロナ時代の自分UPDATE講座シリーズ」として他のイベントも今後開催予定となっております。
ご興味ご関心のある方は、dodaキャンパスのイベントページを引き続きチェックいただけましたら幸いです。

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