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新入生が知るべき第二外国語の選び方

  • 大学1,2年生
  • 2019.06.06
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長く苦しい大学受験を終え、見事大学に合格した皆さん。新たな生活や出会いに胸をときめかせている一方、これまでの授業とは全く異なる授業に不安を感じているのではないでしょうか。

一般的な大学では、学部や学科、文系・理系に関わらず英語以外の言語を、“第二外国語”として学ぶ場が設けられています。そして、新入生は、どの言語を学ぶのか自分で希望を出さなければいけません。

大学で学べる第二外国語は、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語など、非常に多種多様です。そのため、第二外国語として何を選ぶべきか悩む人も少なくありません。

今回は第二外国語の選択で悩んでいる皆さんに向け、それぞれの第二外国語の特徴やメリットを紹介します。

後悔しない選択を!知っておきたい第二外国語の特徴

第二外国語の選択は、大学生活の楽しさを左右する要素のひとつといっても過言ではありません。なんとなく選んでしまった結果、「難しくて授業についていけない」という思いからモチベーションが下がってしまう大学生が毎年後を絶たないといわれています。

せっかくなら、後悔しない形で第二外国語を選びたいはず。今回は大学で第二外国語として教えられる主な言語を紹介します。それぞれの言語の特徴をチェックしておきましょう。

フランス語

フランス語の話者は世界で約2億人にものぼり、30ヶ国以上の国が公用語として定めています。日本では「ガトーショコラ」や「マロン」、「マヨネーズ」など食べ物の名前に使われるなど、意外にも馴染み深い言語です。

筑波大学グローバルコミュニケーションセンター『フランス語とフランス語圏文化の魅力』

「communication」など、英単語の中にはフランス語由来のものが多いため、ある程度英語を学んできた方にとって、フランス語の学習は困難ではないでしょう。

フランス語は文法だけではなく、発音も規則的なのが特徴です。一部の規則には「アンシェヌマン」、「エリジオン」、「リエゾン」という名前がついています。たとえば、リエゾンは単独で読む場合には発音されない語末の子音が、直後に母音が続く場合に発音される規則です。「私の」という意味の“mes”は単独では語末の“s”を発音しませんが、「私の友人たち」という意味の “mes amis”というフレーズになると、語末の“s”が直後の母音“a”とともに発音され「メザミ」と読むようになります。初学者には複雑に感じられるかもしれませんが、規則性に慣れれば容易に発音できるようになるでしょう。

ドイツ語

ドイツ語の話者は世界で9,000万人以上存在し、EU圏内に広く分布しています。

上智大学言語研究センター『ドイツ語』

ドイツ語は英語に似ている面があり、英語の知識を応用することで、理解を深めることができるでしょう。ただ、ドイツ語の文字はアルファベットとほぼ同一ですが、英語には存在しない文字が存在します。

また、ドイツ語は原則的として、ローマ字のように発音する点も英語と異なります。「A」「a」は英語であれば「エー」ですが、ドイツ語では「アー」と読みます。また、文字の綴りごとに発音の形が決まっているため、母音と子音に関する規則性をマスターすれば、ドイツ語の発音をある程度理解することができるでしょう。

その一方で、文法は非常に難しくなっています。英語では名詞にsやesなどを付け加え複数を表現しますが、ドイツ語では4通り以上の複数形の作り方があり、その上で単語ごとの複数形を覚える必要があります。ただ、ドイツ語と英語は親和性が高いため、学習がしやすい言語です。

ドイツ語は現在でも医学や哲学など幅広い分野で用いられており、第二外国語として学ぶメリットの多い言語だといえるでしょう。

中国語

中国語は世界で最も話者の多い言語で、その数は約14億人にものぼると言われています。

筑波大学グローバルコミュニケーションセンター『中国語と中国語文化圏の魅力』

経済的にも中国は急成長を遂げており、将来性を踏まえて中国語を選ぶ学生も増えつつあります。ただ、中国には方言なども多く、マスターには少しコツが必要です。

特に、中国語は母音が36個、子音が21個も存在するため、正しい発音が出来なければ意図が全く伝わらないというケースもありえます。また、声のトーンが違うだけで意味が異なる言葉が多いのも学習する上でつまずきやすい点です。たとえば日本語の「くも」が「雲」になったり「蜘蛛」になるように、中国語の「マー」という言葉は声の高低の違いで「お母さん」、「麻」、「馬」、「叱る」に変化します。その一方で、ヨーロッパ圏の言語に比べると、文法は非常に会得しやすいでしょう。

また、漢字の並びによって「この単語はどういう意味なのか」をある程度推測できるため、日本人にとって比較的学びやすい言語です。中国で将来働いてみたいと考えている場合、第二外国語に中国語を選ぶのは必要不可欠でしょう。

朝鮮語

主に韓国と北朝鮮で話されており、世界ではおよそ7,000万人程度が使用する言語です。

東京外国語大学大学院 総合国際学研究院 趙義成研究室『朝鮮語』

朝鮮語は、日本人にとって学びやすいとされる言語のひとつです。その理由は文法が日本語に近く、日本語感覚で理解できる可能性が高い点にあります。

また、朝鮮語の単語には、日本語と響きがほとんど同じものが見られます。「家族」と「カジョク」、「調味料」と「チョミリョ」、「到着」と「トチャク」……という例を見ると、簡単そうに思えるかもしれません。

ただ、ハングル文字は漢字やアルファベットとの親和性がないため、新しく文字を覚える必要があります。発音に少しコツが必要となるものの、朝鮮語は日本人にとって親しみやすいといえるでしょう。韓国を中心に活躍しているアーティストが好きな人にとっては、楽しみながら学べるかもしれません。

ロシア語

世界で約2億8,000万人が使用しているロシア語は、発音や文字、文法が難解で、習得が非常に難しい言語です。ロシア以外にも、カザフスタンなど、かつてソビエト連邦であった地域でも使われています。

筑波大学グローバルコミュニケーションセンター『ロシア語とロシア語圏文化の魅力』

ロシア語には5つの母音が存在しますが、母音を表す文字はなんと10個。たとえば“хорошо”(良い)という単語は子音がすべてoになっていますが、読み方は「ハラショー」です。このように、ロシア語はかなり複雑な読み方をします。また、ロシア語で使われているキリル文字は、普段我々が使っている日本語とは類似性があまり見られません。

そしてロシア語の文法は、単語の使い方によって6種類もの格に分かれます。“ペン”であれば「ペンは」、「ペンの」、「ペンに」、「ペンを」、「ペンで」、「ペン(について)」と、ひとつの単語が6種類に変化するのです。単語を覚えるのにも一苦労であることがわかりますね。

ただ、ロシア文化に強い興味を持っている、ロシアへ行ってみたいと考えている場合は、第二外国語にロシア語を選んでみても良いでしょう。

スペイン語

スペイン語の話者は世界でおよそ4億7,000万人であり、ブラジルを除いたほとんどすべての南米諸国で話されています。

京都大学スペイン語学習ポータルサイト ¡京大スペ語!『躍動する言語・スペイン語 2014年報告書』

スペイン語は、日本語との親和性が高いことでも知られています。もともとヨーロッパ圏の言語は母音の数が多い傾向にあるものの、スペイン語の母音は日本語と同じく、「a,i,u,e,o」の5種類。日本語と近いこともあり、発音しやすい言語といえます。

そして母音と子音を交互に組み合わせるという点も日本語と共通しているため、発音の観点では難易度が低いものとなっています。ただし、ヨーロッパ圏の言語なので、文法の習得には時間と労力をかけなければいけないかもしれません。

中南米地域では国際共通語としてスペイン語が用いられている場合も多く、中南米に興味のある学生にはスペイン語がおすすめです。

イタリア語

イタリア語の話者数はおよそ5,700万人で、その多くがイタリア在住の母語話者となっています。

文部科学省『(1)世界の母語人口(上位20言語)』

イタリア語はさまざまな地域で取り入れられており、「ピザ」や「パスタ」など、料理名を中心に日本人にとっても馴染み深い単語がいくつも存在します。イタリア語には7つの母音が存在しますが、主に使い分けられているのは5つと、日本語の母音と同じ数です。

また、イタリア語には動詞の変化が少なく、文法を覚えやすい点が挙げられます。たとえば「ペンを持ってる」という日本語のフレーズは、語尾を少しあげるだけで「ペンを持ってる?」と疑問形にすることができますよね。イタリア語も同様に、同じフレーズでも語尾をあげるだけで疑問形へ切り替えられます。主語の位置や動詞の変化など、疑問形にする法則を学ばなければいけない英語のような言語に比べれば、イタリア語は習得しやすいといえるでしょう。

第二外国語をきっかけに、新たな視点を得よう。

学生の中には、第二外国語を選ぶ基準として「単位の取りやすさ」を最優先にしている人もいるでしょう。しかし、言語学習は、言語を学んでいく過程の中で、他国特有の文化や考え方を学べることも醍醐味のひとつです。

「単位」という視点だけで選ぶのではなく、自分が純粋に興味を持った第二外国語を選んでみてはいかがでしょうか。

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