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大学の先生に「教授ウケ」するレポートの書き方を聞いてみた!

  • 大学1,2年生
  • 2020.09.14

前期試験では、教室でのテストの代わりに「レポート」の提出を求められることもあるだろう。でも、レポートってどうやって書けばいいの? 高校までに書いていた感想文とは違うの?今回は、中央大学文学部教授の都筑学先生に、「評価されるレポートの書き方」を聞いてみた!
(※一部内容を更新しました。2020/6/16)

他人と自分の意見の違いを書くのが、レポート

都筑さん:これまでに、多くのレポートを読んできました。読んでいておもしろいレポートとは、少しでも自分の考えが書かれているもの。どこかの本に書いてあることをそのまま写してきたようなものは、内容がどんなに立派でもNGです。 とはいえ、自分が感じたことをそのまま書けばいいわけでもありません。皆さんのなかには、自分の考えを文章にするのは得意だから、レポート課題も怖くない、と思っている人もいるかもしれません。しかし、レポートは、高校までに書いてきた読書感想文とは全く違います。 例えば、「日本経済の状況について論ぜよ」「宇野千代の生き方について、あなたの考えを述べなさい」といったレポート課題が出たときに、「日本経済は厳しい」とか、「宇野千代は偉い」などの主観を書くのはNG。この課題に関する本や論文をできるだけ多く読み、そこで書かれている他人の意見と、自分の考えとの共通点や違いを、筋道立てて書くことが求められます。 また、文章を書くときに忘れてはならないのが、「読者を意識する」ということです。 レポート課題の場合、読者は教員になります。「なぜ先生はこの課題を出したのだろう?」「どのようなレポートを求めているのだろう?」と想像してみましょう。そして、「この表現のほうが伝わるかな」「ここはわかりづらいかな」と自問自答しながら書いてみましょう。

補足:レポートには3つの種類がある

大学のレポートは、大きく「論考型」「自由記述型」「試験・実験型」の3種類に分けることができます。ここでは、それぞれの特徴についてみていきましょう。

論考型

「論考型」とは、ある問題について、論理的根拠に基づいて自分の主張を展開するタイプのレポートです。レポートのスタイルとしては最も一般的なのがこのタイプです。
資料や具体例を引用しながら、自分の主張に裏付けを与えていくことになります。

自由記述型

「自由記述型」は、あるテーマについて自分の考えを論じる、最も自由度の高いタイプのレポートです。
絶対的な解答は存在せず、テーマによっては感想などの主観的な意見を求められることもあります。論拠に乏しくならないように、なるべく資料を参照して客観的に書くことが大切です。

試験・実験型

「試験・実験型」は、講義の内容や実験の結果をまとめるタイプのレポートです。その性質上、文章に占める割合は自分の意見よりも事実のほうが多くなります。
講義や実験の要点はどこにあるのかを正確に抽出することが、うまくまとめるためのポイントです。

補足:レポートの構成は「序論」「本論」「結論」が一般的

大学のレポートは、「序論」「本論」「結論」という三部構成で書くのが一般的な方法です。ここでは、それぞれの部分で何を書けばよいのかについて紹介していきます。

「序論」

「序論」はレポートの導入部で、レポートのテーマやその前提となる知識、考察する目的などについて述べる部分です。
なぜそのテーマでレポートを書くのか、考察を通して何が得られるのかといったことをわかりやすく簡潔に述べましょう。序論に割く分量は、全体の10~20%程度が望ましいとされています。

「本論」

「本論」はレポートの中心となる部分で、序論で提起した問題について客観的事実を並べながら論述していきます。
本論によってレポートの成否が決まるため、説得力のある主張を展開することが重要です。本論には全体の60~80%程度の分量を割くのが一般的です。

「結論」

「結論」はレポートをまとめるための部分です。本論で展開した主張を端的にまとめ、考察がどんなことに役立つのか、今後の展望についても記しておくと良いでしょう。分量の目安は全体の10~20%程度です。

3ステップで完成させよう

都筑さん:レポートを書くには、3つのステップがあります。 第1は、調べるステップ。材料がなければ料理ができないように、レポートを書くにも素材を収集する必要があります。このため、大学の図書館に行って本を借りたり、学術系データベースで論文を検索したり、インターネットで情報収集したりしましょう。 第2は、調べたことに基づいて自分の考えをまとめるステップ。資料をもとに、論文をどのようにまとめていくかを考えます。 第3は、考えたことを実際に書くステップ。大学生のなかには課題を出されたら突然このステップから入る人がいますが、第3段階までの準備が整ってはじめて、「書く」という段階に入ります。 以上を踏まえたうえで、実際にどのようなステップでレポートを完成させればいいのか、見ていきましょう。

実際にレポートを書いてみよう

都筑さん:例えば、「今の小学生が抱えている発達的な問題について述べなさい」といった課題が出たとします。

第1ステップ:調べる

都筑さん:課題が出たら、まずはその問いをじっくり読みます。少しでもわからない言葉が出てきたら、インターネットで調べてみましょう。この課題の場合、「発達的な問題」という言葉がやや抽象度が高いでしょうか。「発達」という言葉を調べると、体の発達や知能の発達、心の発達など、さまざまな問題が考えられることがわかります。

次に、インターネットや雑誌、新聞などで、実際にどのような「発達的な問題」があるのかを調べます。文献情報を検索するには、CiNii、Google Scholar、Webcat Plusが便利です。いずれもキーワードを入れて文献情報を検索できます。

ここでのポイントは、どのようなキーワードを入れるかということ。上記の課題の場合、「小学生」「発達」と入れるのはだれでも思いつきます。それだけで満足するのではなく、「発達」の代わりに「学力」「身体」といった言葉を入れてみると、少し違った結果が出てくるでしょう。「小学生」の代わりに「子ども」と入力してみても、やはり違う文献を探すことができるでしょう。

文献の検索にはさまざまなデータベースがあるので、大学の図書館や公共図書館で使ってみましょう。多くの文献にあたれば、その分だけ視野が広がり、レポートの客観性や説得力が増していきます。100の資料を集めたら10だけ使ってレポートを書くくらいがいいですね。「それだったら、10の資料を集めて10の分量を書けばいいじゃないか」と思う人がいるかもしれませんが、それはNGです。それでは、レポートに厚みが出ません。

100集めた人の頭のなかには、レポートに使わなかった90の資料が入っています。それが、無形の資料として、レポートの質を上げるのです。

第2ステップ:考える

都筑さん:材料がそろったら、次は考える段階。書き始める前に、どのような筋道でレポートを書くべきかを考えるのです。

今回のテーマの場合は、小学生にどのような発達的な問題があるのかをピックアップします。多くの資料を集めると、収拾がつかなくなることもあるかもしれません。

そうしたときは、自分の関心次第で、いくらでもレポート作成の筋道を立てることはできます。問題をA、B、Cと列挙していって、それらの関係性を整理するというのも一案です。Aを中心にまとめ、BやCについては簡単に触れるという手もあります。

論文の構成で私がよく使うのは、3章3節の構造。3章の関係は、以下の3通りから決めましょう。

  1. 1章から2章、2章から3章のように、問題提起があって、実態が明らかにされ、今後の課題が述べられるやり方。
  2. 一つの論点を二つの条件で論じるやり方。例えば、体力について、小学生の男女で比較して述べるようなやり方。
  3. 二つの前提条件から結論を導き出す方法。例えば、日本と北欧の学力を比較し、結論を出すようなやり方。

レポートの筋道を立てたら、書く段階ですが、その前に、ここで一度教員に相談するのもいいでしょう。「このような内容と構成で書こうと思いますが、どうですか?」と相談することで、的確なアドバイスがもらえるでしょう。参考文献のヒントが得られるかもしれません。

第3ステップ:書く

都筑さん:自分でも納得いくレポートの構成案ができたら、実際に書き始めましょう。レポートでは、論理的なつながりがとても大切。文章の流れが自然かどうかを知るには、適当なところで見出しをつけるのがおすすめです。見出しだけを読み、流れがつながらないような部分があれば、修正します。

大学生のレポートでしばしば見られるのが、意味のつながらない文章を無理やり接続詞でつなげること。「そのため」と言っているのに前後の文章が原因と結果の関係になっていなかったり、「しかし」と言っているのに前後の文章が逆の意味になっていなかったり、ということがよくあります。

論理の飛躍を防ぐためにぜひ練習してほしいのが、できるだけ接続詞を使わないこと。流れが自然であれば、接続詞を全く使わなくても伝わる文章を書くことができます。また、シンプルな文章にするために、できるだけ1文を短くすることを心がけましょう。40文字以上の文があったら、もっと短文にできないか考えましょう。

厚みのある文章を書くためにおすすめしたいのが、時間と空間の二つの軸でレポートを書くこと。時間軸とは、歴史のことです。過去の歴史を調べ、どのような小学生がいたのかを調べます。同じ課題を空間軸で切り取ってみましょう。日本から転じて世界に目を向けることで、日本の子どもの発達を相対的にとらえることができます。意識して時間軸と空間軸を伸ばすことで、新しいものが見えてくるでしょう。



補足:整ったレポートを書くコツ

整ったレポートを書くためには、いくつかのコツを押さえておくと役に立ちます。まず、自分の主張を論理的に展開するために「PREP法」を活用すると良いでしょう。「PREP法」とは、「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)」という流れを意識した文章の書き方のことです。

最初に簡単な結論を提示し、最後にもう一度結論に触れることで何が伝えたいのか明確になります。また、具体例を盛り込めば読者が内容をイメージしやすくなり、文章の説得力も向上するのです。

1つの文にはアイデアを1つだけ入れるように意識することも、整ったレポートを書くコツの1つです。1つの文に2つ以上の情報が入っていると煩雑な印象を与えるので、接続詞を用いて2文に分けるなど、読みやすくなるように工夫しましょう。同様に、1つのパラグラフには1つのトピックを盛り込むことを意識するのも重要です。これらのポイントを押さえておけば、句点を打つ場所や改行する場所も見極めやすくなります。

補足:レポート執筆に役立つ基本の文章表現

大学のレポートをわかりやすく書くためにも、基本的な文章表現について確認しておきましょう。まず、同じ文末表現や助詞が3回以上連続すると読者に違和感を与えるので避ける必要があります。「大学の授業の時間の…」といったことにならないように、文章を書いたら読み直す習慣をつけ、表現が連続していれば修正しましょう。文末表現については、「だ・である」調と「です・ます」調を混同しないことも大切です。

また、文章を書き慣れていない人は「とても」「非常に」などの便利な誇張表現に頼りがちです。しかし、誇張表現には具体性がないため、何を根拠にしているのかわかりにくいという欠点があります。多用すると稚拙な印象を与えるので、なるべく使わないようにしましょう。

そして、レポートでは文語表現を用いるのが原則です。「だけど」「だから」などの口語表現は避けてください。漢字やひらがなの表記についても、ある箇所では「伴う」、別の箇所では「ともなう」になっているなど、表記ゆれがないように確かめておきましょう。

3割くらいが引用でもOK

都筑さん:私が読んでいて「この学生は意欲があるな」と感じられるのは、レポートの最後に「○○については十分に論じることができなかったので、今後の課題としたい」といった記述があったとき。自分で問題を見つけ、探究していくのだなと思い、高評価につながります。また、参考文献は一つでも多いほうが、きちんと調べてきたのだな、という印象を受けます。 学生からの質問で、よく「全体のうち、どれくらい引用の割合が多くてもいいですか?」と言われますが、全体の3割程度が引用でも構いません。ただし、その文献や図表がきちんと「引用」であることが示されていることが条件となります。自分の考えを根拠づける資料として引用を積極的に活用していきましょう。 そして、レポートは提出日の1週間前には仕上げ、自分で読み直したり、友人に読んでもらいましょう。どんなに注意深い人でも、一つや二つの間違いはあるものです。
都筑さん:以上、レポート作成のコツをお伝えしました。 文章を書くことは、一生ついて回ります。これまでにお伝えしたことは、就職試験のエントリーシートや論述試験でも役に立ちますし、社会人になってからも使えるでしょう。ぜひ、書くことの楽しさを感じながら、レポートを書いてみてくださいね。

プロフィール

都筑 学
中央大学文学部教授(人文社会学科心理学専攻)。専門は、発達心理学、青少年の時間的展望の発達。著書に『大学1年生のための 伝わるレポートの書き方』ほか。

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関連書籍

大学1年生のための 伝わるレポートの書き方

著者:都筑 学
出版社:有斐閣

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