就活生の中には、「OB・OG訪問は本当に必要なのか」と疑問を感じている人もいるでしょう。しかし、OB・OG訪問は仕事現場のリアルな情報を得られる貴重な場面であり、そこで得た情報は就活に大きく役立ちます。
この記事では、OB・OG訪問の進め方やメールの送り方、例文、意識したいマナーなどを解説します。OB・OG訪問を初めて行う人にとってもわかりやすいよう解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事でわかること
・就活においてOB・OG訪問はなぜ必要か?そのメリット
・OB・OG訪問の5つのステップ
・コピペで使える!メールの書き方や例文
・質問リスト
目次
OB・OG訪問とは?就活でなぜ必要?
まずは、OB・OG訪問とは何か、またどのようなメリットがあるかについて説明します。
企業や業界の理解が深まり選考に生かせる
OB・OG訪問とは興味のある企業で働く大学のOBまたはOGに会い、企業や業界についての情報を集めることです。企業のホームページや企業説明会では得られない、そこで働く人ならではの本音や実情を知ることができます。
基本的にOB・OG訪問は一対一で行われます。そのため、残業や離職率などネガティブな質問をしやすい、他の就活生が得られない情報を生かして自己PRや志望動機の内容に深みを持たせられる、といったメリットがあります。
面接などで役立つケースも
OB・OG訪問は面接時にも役立ちます。OB・OG訪問で得た情報は、「実際に働く社員の方に〇〇とうかがったのですが…」などと、自分の意見を述べる根拠としても活用できます。OB・OG訪問を行ったという経験や積極性を伝えることで、面接官に「自社の志望度が高い」「企業研究を熱心に行っている」といった好印象を与えられるでしょう。
また、一部の企業では、OB・OG訪問の回数が選考の判断基準に一つになっているケースもあるため、積極的に取り組むことをオススメします。
OB・OG訪問の進め方一覧
OB・OG訪問の重要性はわかっても、「OB・OG訪問を頼める知り合いがいない…」と悩む就活生は多いでしょう。続いては、OB・OGの探し方や連絡の取り方といった、進め方について順を追って説明します。
1.大学のキャリアセンターや就職課、知人に相談
OB・OGを探すのに一番手っ取り早い方法は、大学のキャリアセンターや就職課に相談することです。一般的に、大学は卒業生の進路を集計しており、中には就活生向けにOB・OG訪問名簿を公開している大学もあります。
この他、アルバイト先の上司や先輩、家族や友人、大学の教員などに「詳しい仕事内容を知りたいため、この業界や企業に就職した人を紹介してほしい」と頼む方法もあります。大学のキャリアセンターと比べると、OB・OGと繋がれるまでに時間がかかるかもしれませんが、共通の知り合いがいることで話題がありリラックスしやすい、といったメリットがあります。
2.OB・OGまたは企業に連絡する
OB・OGを見つけたら連絡先を教えてもらい、直接本人にメールを送って訪問の依頼をします。志望企業は決まっているもののOB・OGが見つからない場合は、企業に直接連絡を取って訪問依頼をしましょう。
依頼メールは丁寧かつ簡潔を心がけ、相手の都合を考慮し日程や時間帯に融通が利くよう意識しましょう。詳しいメールの書き方や例文は、次の段落を参考にしてください。
3.質問を考える
OB・OG訪問を成功させるためには、前もって具体的な質問を考えておくことが大切です。仕事内容や職場環境など自分の知りたいことをリストアップし、質問リストを作成しておきましょう。
作成した質問リストは、訪問前にOB・OGに送っておくと良いでしょう。OB・OGもどのような質問が来るのか予め知ることで心構えや準備ができ、就活生側にとっても、より深い話を聞ける可能性が高まるメリットがあります。
4.【OB・OG訪問当日】待ち合わせ~挨拶・名刺交換~質問
OB・OG訪問当日は、待ち合わせ場所に時間厳守で到着しましょう。万が一、電車の遅延などで遅れそうな場合は、到着時刻を迅速に連絡します。
カフェなどで待ち合わせた場合、相手を見かけたら立ち上がってから挨拶をするのがマナーです。座ったままでの挨拶は失礼にあたります。また、OB・OGから名刺を貰える場合は両手で丁寧に受け取り、テーブルの上に置きましょう。この時、すぐ名刺をしまったり名刺にメモを書いたりしないよう注意が必要です。
挨拶や名刺交換が終わったら、作成した質問リストをもとにOB・OGに質問を重ねて疑問を解消しましょう。
5.当日中にお礼メールを送る
挨拶や名刺交換が終わったら、作成した質問リストをもとにOB・OGに質問を重ねて疑問を解消しましょう。OB・OG訪問を終えたら、当日中、なるべく早くに必ずお礼のメールを送りましょう。
貴重な時間を割いてくれたことに感謝した上で、聞いた話からどのようなことが勉強になったか一言感想を添えると、より良い印象を与えられます。
OB・OGに送るメールの書き方と例文
続いては、OB・OGに送るメールの基本的な書き方とシーンごとの例文を紹介します。
ビジネスメールの基本構成
ビジネスメールは、件名・宛名・本文・署名の4項目から成り立っています。それぞれのポイントを見ていきましょう。
- 件名…メールの内容が分かるように簡潔なタイトルを付けます。大学名と名前も入れてください。
- 宛名…株式会社などは略さず、部署まで正式名称で入れます。わかっている場合は相手の肩書や氏名も記載します。
- 本文…挨拶から始まり、大学名や学部、学科、氏名をフルネームで書きます。要件は文章を段落に分け、簡潔にわかりやすく書くことが大切です。
- 署名…末尾に必ず入れます。大学名、学部、学科、氏名、電話番号やメールアドレスなどを記載してください。
OB・OG訪問の依頼・日程調整メール
依頼メールのポイントは、訪問日程の候補を複数記しておくことです。時間は幅を持たせ第3希望まで提示しておけば、相手は都合の良い日時を選びやすくなり、何度も日程調節のやり取りをする労力が省けます。
提示する日程は数日内といった直近ではなく、1〜2週間先を提示しましょう。少し先の日程の方が、OB・OGも予定を調節しやすくなります。
以下にOB・OG訪問の依頼メール例文を紹介します。
株式会社〇〇
〇〇部〇〇課
〇〇様
突然のご連絡失礼いたします。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇と申します。
大学の就職課で〇〇様のことを知り、OB訪問をご依頼したくご連絡差し上げました。
現在、私は〇〇業界に興味を持ち、就職活動をしております。
お忙しい中恐れ入りますが、貴社についてや〇〇様のお仕事について、ぜひお話をお聞かせいただければと存じます。
下記の日程のいずれかでご都合いただけますでしょうか。
都合の良い日時がございましたら、お手数ですがご連絡いただければ幸いです。
〇月〇日(月)10:00~
〇月〇日(火)14:00~
〇月〇日(水)16:00~
訪問時間は1時間ほどを予定しています。実施方法は、オンライン/オフラインを問いません。〇〇様のご都合の良い方でお願いできればと存じます。
突然のお願いで大変恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
——————
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
〇〇
Mail:****@**.ac.jp
TEL:080-****-****
——————
OB・OG訪問承諾のお礼・日程確定メール
OB・OGが訪問を承諾してくれた後のお礼メールには、大まかな質問リストも添えて返信しましょう。以下に例文を紹介します。
株式会社〇〇
〇〇部〇〇課
〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇です。
この度はお忙しいところOB訪問をご快諾いただき、誠にありがとうございます。
ぜひこちらの日程でよろしくお願いいたします。
日時:〇月〇日(月)10:00~11:00
場所:JR〇〇駅北出口付近の〇〇喫茶店
わたしは、紺のスーツで黒の小型リュックを持って伺う予定です。
当日は、主に以下のような点についてお話をうかがえますと幸いです。
・貴社で必要なスキルや能力について
・一日の業務スケジュール例について
・業務で感じられるやりがいや苦労について
・現場の雰囲気やモチベーションの維持方法について
それでは、〇月〇日にお会いできることを楽しみにしております。
ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
(署名を入れる)
OB・OG訪問を断られた場合
訪問を断られても返信スルーは絶対にNGです。必ず丁寧にお礼のメールを送りましょう。
以下に例文を紹介します。
株式会社〇〇
〇〇部〇〇課
〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇です。
この度は、OB訪問につきましてご返信くださりありがとうございました。
今回の訪問は難しいとのこと、承知いたしました。
突然のお願いにも関わらず、ご多忙の中ご検討くださりまして誠にありがとうございました。
もしよろしければ、また別の機会にお話をおうかがいできますと幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
(署名を入れる)
OB・OG訪問後のお礼メール
訪問後のお礼メールは、個人の感想を交えて具体的な内容を伝えることが大切です。コピペと分かるようなメールは相手に対して不誠実となるため控えましょう。
以下に例文を紹介します。
株式会社〇〇
〇〇部〇〇課
〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇です。
本日はご多忙の中、貴重な時間を割いてくださり誠にありがとうございました。
〇〇様のお話をうかがい、業務のやりがいなどにつきまして大変理解が深まりました。
また、〇〇様の〇〇のご経験やキャリアからも刺激を受け、将来のヒントを得ることができました。
この経験を今後の就活に生かしていきたいと思います。
改めまして、本日は誠にありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
(署名を入れる)
OB・OG訪問で聞くことは?質問リスト一覧
OB・OGに聞くことのできる質問を20例紹介します。ぜひOB・OG訪問の質問リスト作りの参考にしてください。
- 貴社に入社された理由は何ですか
- 貴社で働く上で必要だと感じるスキルや能力は何ですか
- 貴社で働く上で大切にしている価値観は何ですか
- 貴社の文化や企業風土についてどんな印象を持っていますか
- 入社前後で感じられたギャップはありましたか
- 1日の具体的な業務スケジュールを教えていただけますか
- 今の仕事で一番やりがいを感じる瞬間を教えてください
- 参加したプロジェクトの中で一番印象に残っているものは何ですか
- この業界で働く場合、どんな目標を持つとよいですか
- 仕事でのストレスを乗り越える秘訣は何ですか
- 失敗や困難を克服した方法について教えてください
- ワークライフバランスを取るために何をしていますか
- 繁忙期はどれくらい忙しいですか
- 仕事のモチベーションを維持するために何をしていますか
- キャリアアップできる機会はありますか
- 〇〇さんの仕事における現在の目標を教えてください
- 実際に働かれて感じる、競合にはない貴社の強みを教えてください
- 一緒に働かれている同僚の方には、どのような雰囲気や思考を持った方が多いですか
- 大学で学んだことは実務でどのように役立っていますか
OB・OG訪問を生かして実のある就活にしよう
OB・OG訪問は先輩社員の生きた情報や本音を聞ける非常に貴重な機会ですが、人脈のツテがなくOB・OG訪問ができない就活生は少なくありません。ライバルとなるほかの就活生に差をつけられるよう、大学のキャリアセンターや知人に相談しながら積極的にOB・OG訪問を行ってみましょう。
慣れないうちは緊張することが多いかもしれません。今回解説した流れや質問リスト、メールの例文などを参考に、ビジネスパーソンとしての経験値を少しずつ踏んでステップアップしてくださいね。
無料
- ▼ 自己分析に役立つ適性検査(GPS)
- ▼ 自己PR添削