幹部候補の新卒採用とは?優秀な人材を獲得できる方法を解説
幹部候補の採用が成功するかどうかによって、企業の将来性は大きく左右されます。数十年後の経営層になる人材を選ぶことであり、会社の命運に関わる重要な採用活動です。近年は採用難が続いていることもあり、優秀な人材を確保するのに苦心している企業も多くなっています。今回は幹部候補の新卒採用に関して、幹部候補に求められるスキルや素質を説明した上で、幹部候補を採用する際の面接質問例や成功ポイント、幹部候補の育成方法について解説します。
幹部候補の新卒採用とは
「幹部候補」とは、将来的に経営者や役員などのポジションに就き、リーダーシップを発揮することが期待されている人材のことです。近年では、このような幹部候補を新卒で採用しようとする企業が増えてきています。ここでは幹部候補の概要を説明し、新卒での幹部候補採用が注目されている理由を解説します。
幹部候補とは
「幹部候補」とは、企業経営者や事業経営者といった経営幹部・経営層の候補を意味します。上位管理職あるいは職能部門トップなど、企業内の重要なポジションに就き、経営に参画して成果を上げることを期待されている人材です。ただし、幹部の定義は企業によって異なり、部長クラスの管理職まで含むこともあります。
新卒での幹部候補採用が注目されている理由
幹部候補を新卒で採用しようとする傾向が強まっているのは、近年の深刻な人材不足が主な理由です。日本の少子化に歯止めが効かない現状では、新卒採用を成功させることが企業の最重要課題の1つといえます。若手人材の母数が小さくなるほど幹部候補として採用できる人材も限られてくるため、各企業が優秀な人材を確保しようと躍起になっているのです。
急速に変化していくVUCA時代においては、決断力とリーダーシップに優れる経営者が求められています。高い資質を持つ幹部候補にキャリアを積ませるために、若いうちから役職を与える企業も少なくありません。
幹部候補に求められるスキルや素質
選考時に幹部にふさわしい人材を採用するには、どのような観点で選べばよいでしょうか。ここでは、幹部候補に求められる素質やスキルについて解説します。
課題発見・解決能力
組織の課題を発見して解決することは、経営者に必要な資質の1つです。高い視座と多角的な視点を持って企業のあり方を考え、自社の成長・存続のためになすべきことを実行できる人材かどうかを見極めましょう。理想を追求しながらも現実的な落とし所を見つけられるバランス感覚も必要です。
論理的思考能力
経営者にはチャンスをつかんだり危機を回避したりする「直感力」が不可欠だという意見もあるでしょう。しかし、企業規模が大きくなるほど、直感力だけで組織を動かすわけにはいきません。ビジネスとしての正解を直感的に見抜いていたとしても、そこに論理的思考をプラスして成功のロジックを示すことが幹部候補に求められる資質です。
論理的な思考ができれば、部下への指示を的確に与えることができるでしょう。
コミュニケーション能力
幹部候補には高いコミュニケーション能力が必要です。経営層は企業の顔として、社外のステークホルダーと交流する機会が多くあります。相手の意図を汲み取りながら交渉や提案をするには高度なコミュニケーション能力が求められます。単に意思疎通がうまくできるというだけではなく、誰にでも好感を持たれるような「人たらし」な人材が理想的です。
リーダーシップ
リーダーシップは組織を統率する能力です。経営者には明確なビジョンを示して目的達成に導くこと、自ら先頭に立って部下を引っ張ること、チームを前進・発展させることが求められます。部下からの信頼が厚く、頼りがいを感じさせる人材が望ましいでしょう。
アントレプレナーシップ
アントレプレナーシップは日本語で「起業家精神」と訳される言葉です。幹部候補になる人材には、自分が会社を起こした当事者としての意識を持って主体的に行動することが期待されます。企業が成長するには何が必要なのか、誰かの指示によらず自ら考えて動ける人材と言えるでしょう。
面接で幹部候補人材を採用するための質問例
新卒採用の面接で、一般的な質問だけでは幹部候補となる人材を見極めるのは至難のわざです。ここでは、自社が求める幹部候補にふさわしい人材を採用するために、どのような質問をすればよいか解説します。
過去の経験を尋ねる
過去の経験において、応募者がチームや組織でどのような役割を果たしたか質問するとよいでしょう。回答を深掘りする形で再質問をおこない、幹部候補としてのスキルや素質を見極めます。
質問例
- 何らかのチームや集団に属し、目標に向けて活動した経験はありますか
- そのチームの中では、あなたはどのような立場・役割でしたか
- 目標を達成する上で課題はありましたか。課題はどうやって解決しましたか
人柄を確かめる
これまで華々しい実績がなくても、幹部候補の適性を持つ人材である可能性があります。たとえば表立って活躍するタイプでなくても、コミュニケーション能力に優れていたり成長意欲が高かったりする、などです。経営層に適した人柄であることを見抜けるような質問をしてみるとよいでしょう。
質問例
- 自分と異なる意見の人を説得するとしたら、どのように会話を進めますか
- あなたが今までで一番悔しいと思ったことは何ですか。その後にどんな行動をとりましたか
企業のビジョンと本人の将来像がマッチしているか
幹部候補の採用においては、企業の目指していることと応募者が実現したい目標が一致しているかが重要です。企業理念や社風に対して違和感を抱いていないか、カルチャーマッチを確かめておく必要もあります。
質問例
- あなたは将来どのようなビジネスパーソンになることを目指していますか
- 弊社のビジョンや企業理念に共感するところはありますか
逆質問をしてもらう
優秀な人材の多くは、応募企業を見る目がシビアです。自社の魅力をしっかりと伝えられなければ、せっかく内定を出しても辞退される可能性があります。逆質問の時間をとって応募者の疑問点に丁寧に答え、自社への志望度を高めましょう。
質問
- 弊社で働くにあたって、不明な点や不安なところはありますか
- 事業や業務内容について質問はありませんか
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幹部候補採用を成功させるポイント
幹部候補となる優秀な応募者は絶対数が少ないため、自社にマッチする人材ならぜひとも採用を成功させたいものです。ここでは、幹部候補採用を成功させるポイントを4つ紹介します。
人物像を明確に設定する
幹部候補として求められる人物像をはっきりさせておきましょう。自社の経営ビジョンや今後の事業展開に照らし合わせて、必要なスキル、素質、ロールモデルなどを考慮した基準を設定することが重要です。一般採用と比較して、幹部候補にはプラスアルファで備えてほしい要素は何なのか、経営層と話し合って決定しましょう。
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リファラル採用を活用する
リファラル採用とは社員の人脈を通じた人材にアプローチする採用手法のことです。採用側は人材の人柄を事前に知ることができ、応募側も業務内容や職場の雰囲気を伝えてもらえるため、採用のミスマッチが起こりにくいというメリットがあります。もし優秀な人材と接触できれば、幹部候補の採用チャンスとなるかもしれません。
ダイレクトリクルーティングを利用する
幹部候補の新卒採用は、待ちの姿勢をとっていると成功するのは難しいでしょう。人材不足による採用難が続いている現状では、採用側から優秀な人材への働きかけが必要です。学生へ直接アプローチをおこなうことをダイレクトリクルーティングといい、近年では有力な採用手法として注目されています。SNSアカウントや学生データベースを検索して、自社とマッチする人材を見つけて直接スカウトできるメリットがあります。
幹部候補の育成方法
幹部候補を採用した後は育成計画を実行していきます。どのように幹部候補を育成するべきか、以下で説明します。
目指すべき将来像を示す
育成のゴールをイメージしやすいように自社の求める幹部像やロールモデルを示します。現職の幹部と交流する機会を用意すれば、幹部候補のモチベーションも高まるでしょう。メンター制度や懇談会などで、経営層からアドバイスやサポートが受けられるようにするのも1つの手です。
定期的に1on1ミーティングをする
幹部候補が自身の成長度合いを知るためにも、定期的に1on1ミーティングをおこなってフィードバックします。研修やトレーニングの成果はきちんと出ているのか、当面の目標はどの程度達成できているかについて、共通認識を持つことが重要です。また、幹部候補自身が感じている現状の課題についてヒアリングし、適切なアドバイスをおこないます。
フォロー体制を用意する
幹部候補である以上、周囲から期待される立場にあります。プレッシャーやストレスを必要以上に感じて、心身に支障をきたすケースも少なくありません。幹部候補の育成は長期的スパンでおこなわれるため、消耗を和らげるためのフォロー体制が必要です。定期的なカウンセリングやストレスチェックを実施して、メンタルケアを怠らないようにしましょう。
研修や訓練を実施する
経営層は経営戦略やマネジメント、大局観などを身につけているものです。幹部候補にこういった経営スキル・考え方を学んでもらうために、外部講師や専門家による研修や訓練を実施します。経営のプロから指導されることで、実践的で高度なスキルを習得することができます。
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まとめ
幹部候補の新卒採用では、経営層に必要なスキルや素質を測る質問をするのが基本です。幹部候補採用において有効な方法の1つにダイレクトリクルーティングがあります。
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