インターンシップの企画に役立つ3つのポイントと企画の立て方、学生のリアルな声まで
インターンシップの内容を考える際に、「学生に”面白い”と思ってもらえるコンテンツって何だろう?」と頭を抱える人事担当者の方も多いのではないでしょうか?
今回は、サマーインターンシップや秋冬インターンシップの開催を企画・検討されているご担当者に、必見の内容です。学生に面白いと思ってもらえるインターンシップ企画の立て方をはじめ、実際にヒアリングした学生が参加したいと感じているインターンシップについてまで、ご紹介いたします。
ちなみに、インターンシップの実施時期によって、学生がインターンシップに求める内容が変化することはご存じですか?
サマーインターンシップでは「とりあえず興味のある業界を見つけたい」と考えていた学生も、秋冬インターンシップに参加する頃には志望業界を定めていることが多いと言えます。また、本選考を視野に入れていることから、より具体的でリアルで情報や、本選考の糧となる情報や経験を企業に求めるようになるのです。
このような観点も視野に入れ、どのようなインターンシップの企画内容が良いのか、本記事で押さえていただけたら幸いです。
※本記事における「インターンシップ」は全て、「対象者は本選考を控えた学生、実施期間は半日~1週間程度」とします。内定者向けのインターンシップや、長期にわたるインターンシップについては言及しておりませんので、ご注意ください。
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目次[非表示]
- 1.インターンシップの目的
- 1.1.1.志望者を増やす
- 1.2.2.ミスマッチを防止する
- 2.学生が求めるインターンシップとは?学生側ニーズを公開!
- 2.1.参加して良かったインターンシップとは?3つの特徴
- 2.1.1.1)入社後をイメージしやすい
- 2.1.2.2)自己成長に繋がる
- 2.1.3.3)気軽に参加できる
- 2.2.不満を感じたインターンシップとは?2つの特徴
- 2.2.1.1)企業側の準備不足が伝わってくる
- 2.2.2.2)次につなげることができない
- 3.インターンシップの企画方法、設計の流れ
- 3.1.【1】現状の把握
- 3.2.【2】目的や課題、打ち手の整理
- 3.3.【3】アイデアを絞り込み、企画の決定
- 4.インターンシップを企画する際のポイント(サマーインターン/秋冬インターン)
- 4.1.サマーインターンシップに求めること
- 4.1.1.業界や職種理解を深めることができる
- 4.1.2.就活ノウハウが得られる
- 4.2.秋冬インターンシップに求めること
- 4.2.1.本選考の準備ができる
- 4.2.2.企業とのつながりへの足がかりになる
- 4.2.3.業界や企業研究が進められる
- 4.2.4.就職活動の仲間ができる
- 5.まとめ
- 5.1.参加後のフォローは手厚く
- 5.2.オンラインだからこそ交流へのサポートが必要
インターンシップの目的
まずはじめに、インターンシップをなぜ実施するのか、目的を確認しておきましょう。
インターンシップの目的は、主に以下の2つです。
1.志望者を増やす
知名度に課題感を感じる企業でも、インターンシップで「社風の良さ」や「事業の魅力」を伝えることにより、学生の自社に対する志望度を高めることが可能です。
学生に知名度が低いBtoB事業を展開する企業や大手企業に競り負けてしまっているという場合でも、「自己分析セミナー」や「就活相談会」など、多くの学生が参加したいと感じるインターンシップにより自社に興味を持ってもらうきっかけとなるでしょう。
2.ミスマッチを防止する
せっかく内定を出しても、「入社してみたら社風に違和感を感じた」「仕事のやりがいが感じられなかった」といった理由で早期離職が起こる可能性があります。
まずは、インターンシップを通して具体的な仕事内容や求める能力、スピード感といった、具体的な仕事の進め方を理解してもらうよう努めましょう。
最近の学生はリアルな情報を求めて、SNSや口コミサイトを見ています。綺麗で理想的な事柄だけ述べても、「本当はどうなんだろう?」と疑う学生も少なくありません。そのため、仕事で努力が必要な事柄や大変なポイント、自社の課題感といったことも、きちんと伝えると良いでしょう。
社員との相性や社風については、現場社員との交流機会を提供することによって、ミスマッチを防ぐことに寄与してくれます。
学生が求めるインターンシップとは?学生側ニーズを公開!
インターンシップのコンテンツは多種多様であり、企業により実施の仕方はバラバラです。
それでは、具体的にはどのようなインターンシップであれば、学生の満足度が高くなるのでしょうか?
実際にインターンシップへ参加した23卒学生10名に「参加して良かった夏インターンシップ・不満を感じたサマーインターンシップ」についてヒアリングした結果をまとめました。学生側のリアルなニーズとして、ぜひチェックしておいていただけたら幸いです。
参加して良かったインターンシップとは?3つの特徴
23卒学生の満足度が高いインターンシップの特徴は大きく分けて3つでした。
1)入社後をイメージしやすい
就業経験のない学生にとって「入社後がイメージできる」ということは、企業選びの重要な指標となります。
・現場社員との交流時間がたっぷり、30分以上あった・座談会やワークの際、社員のプロフィールが充実していて具体的な質問ができた
・業務をリアルに体感できた(オンラインでも映像やグループワークのコンテンツを通して知ることができた)
このように、「現場社員も巻き込む」「学生が業務を理解できるよう、リアルな情報や機会を提供する」とよいかもしれません。
2)自己成長に繋がる
「社会人からのフィードバックが欲しい」という学生の声も多く挙がりました。
就職活動を自己成長のきっかけと捉える学生であったり、後悔のない就職活動のために不足している視点を補いたい学生は特に、その傾向があるようです。
・社員から個別でフィードバックをもらえた
・後日メールやSNSでフィードバックを丁寧にもらえた
実際の学生の意見から、フィードバックの仕方も重要だということがわかります。個別に、丁寧に対応するとよいでしょう。
3)気軽に参加できる
気軽さ・楽しさも担保できると良いでしょう。どんなに優秀な学生でも「学業と並行して多くのインターンシップに参加するのは疲れるし、気が重い」と感じたり、「社員から知らぬ間に評価されていることを恐れ、疑問に思っていることを質問できない」と悩んだりすることがあります。
・ゲーム形式で業務や事業について学べた
・内定者と学生だけのブレイクアウトルームで交流できた
このような学生の意見を見ると、気軽さ・楽しさをインターンシップのコンテンツに取り入れることがとても重要であると言えるでしょう。
また、この他にも「1dayだと気軽に参加できる」「自分の話を否定せずに聞いてくれた」といった事柄も挙がっていました。ぜひインターンシップを企画する際のポイントとして押さえておきましょう。
不満を感じたインターンシップとは?2つの特徴
反対に、満足度の低いインターンシップにはどのような特徴があるのでしょうか。
大きく2つに分けて説明いたします。
1)企業側の準備不足が伝わってくる
・時間が大幅に不足し、終了時間が大幅に延びた
・進行が止まってしまい、座談会の時間が当初より15分も短くなった
インターンシップに参加する場合、学生は短くとも参加のために半日、選抜式のインターンシップだった場合はエントリーシート作成や面接に数日ほど、時間を費やします。
そういった状況下でインターンシップがスムーズに進まず、参加前に期待していたような情報や経験が得られなかった場合、学生は不満を感じ、最悪の場合志望度を大幅に下げてしまいます。
2)次につなげることができない
・ワークを一緒に進めたグループ全体へのフィードバックが少しあるだけで、特に学びが得られなかった
・説明会と得られる情報量が変わらなかった
インターンシップを成長の機会と捉えていたにしろ、本選考を有利に進めるための手段だと考えていたにしろ、「学生はどれだけ新しい学びが得られたかを重視している」ということは共通しています。
そのため、個人へのフィードバックや現場社員のキャリアなど、インターンシップでないと得られない情報や学びがなければ、学生の満足度は下がってしまうと言えるでしょう。
学生のリアルな声による、参加して良かったものと不満を感じたインターンシップの内容はお分かりいただけたかと思います。昨今はSNSや口コミサービスなどで、すぐにインターンシップの感想などが共有されてしまいます。
ぜひ、ここでご紹介した内容をふまえて、インターンシップ企画に活かしていただければと思います。
インターンシップの企画方法、設計の流れ
次に、実際自社でインターンシップを企画する際、どのように企画をすれば良いのかをご紹介いたします。
まず、インターンシップに限らず、企画を立てる際は大きく分けて3つの段階を踏むと良いと言われています。一つ目は「現状の把握」、二つ目は「課題や目的の整理」、三つ目は「アイデアを絞り込み、企画の決定」です。
具体的に見ていきましょう。
【1】現状の把握
まず企画を立てる前に行っておきたいのが、自社のインターンシップにおける現状の把握です。
インターンシップ内容 |
グループワーク、会社説明会を1dayで実施 ※コロナ禍になりオンライン形式となったため、できるだけ主体的になってもらえるようグループワーク形式を採用している |
現状 |
・参加目標は200人だったが、実際は100人しか集客できていない(目標達成率50%) ・「参加してみてすごくためになった」という感想を多く貰うが、会社説明会の参加率は半数以下 ・工数が割けずインターンシップ開催後のフォローが十分できていない。採用目標も未達成続き |
上記のように整理を行うと、自社で出来ている事と出来ていない事が明確になります。この例で言うと、参加目標が達成できていないことをはじめ、インターンシップから説明会への歩留まり率が悪いこと、フォローが不十分などが分かります。
【2】目的や課題、打ち手の整理
次に【1】現状をふまえた上での、自社インターンシップの「目的」や「課題」、「打ち手」です。引き続き上記【1】の企業を例に、課題、目的、打ち手をまとめてみましょう。
インターンシップの目的 |
自社の良さを知ってもらい説明会参加率(ひいては内定承諾率)を高める |
課題 |
・そもそも優秀な人材がいない ・BtoBビジネスのため学生の知名度が低く、学生が集まらない ・採用ノウハウが蓄積されていない |
インターンシップの打ち手 |
・学歴などのフィルタリングを外し、幅広い学生へアプローチを行う ・ダイレクトリクルーティングで自社認知・興味喚起を行い、その後のコンバージョン率を高める ・自社に良いイメージを持ってもらい、その後の応募率や承諾率を高める ・繰り返しブラッシュアップを行うことで採用ノウハウを蓄積する |
ここで注意したいのは、以下のような数字目標に終始しないことです。
・目標200名の人数目標を達成する
・会社説明会の参加目標を達成する
数値目標はKPIとして重要ですが、目的化してしまうとインターンシップの課題や打ち手がずれるため、内容に重点を置くことをオススメします。
【3】アイデアを絞り込み、企画の決定
【1】、【2】の内容をふまえた上で、自社のインターンシップに必要なアイデアを洗い出し、絞り込んでいきます。
ここでは挙げられるだけアイデアを網羅的に出し、その中から現実的に行えそうなものを抽出していくことをオススメします。
これらの情報を整理すれば、企画書作成に必要な「自社の現状」「インターンシップの目的」、「課題」、「打ち手」、「企画案」までを落とし込むことが可能です。
インターンシップを企画する際のポイント(サマーインターン/秋冬インターン)
最後に改めて、インターンシップを企画する際に心得ておきたいポイントをお伝えします。
今回、ヒアリングを行った学生のほとんどは「将来やりたいことがわからないから」「本選考に向けて何も準備しておらず、焦ったから」「業界や職種を定められないから」ということをサマーインターンシップの参加理由として挙げていました。一方、秋・冬インターンシップ時点では、より具体的な参加目的を持って臨んでいることが分かっています。今のうちから学生にとって有意義な内容を検討しておきましょう。
サマーインターンシップに求めること
業界や職種理解を深めることができる
学生に話を聞くと「そもそも業界研究や企業研究のやり方が分からない」と答える学生は少なくありません。また、最近は感覚で企業を見ている学生も増えています。
このような学生を減らし、早期離職などのミスマッチを減らすためにも、サマーインターンシップでは業界についてや今後の将来性・成長見込み、自社の優位性などを話せると良いでしょう。
また、職種理解については、具体的な仕事内容、求められる能力、1日のスケジュール、実際に活躍する先輩の特性などまで伝えてあげられると、学生のニーズを満たすことができるのではないかと思います。
就活ノウハウが得られる
サマーインターンシップでは、まだまだ「やりたい事が分からないからとりあえず参加した」「周りが参加していたから」といった就活の軸が分からないという学生は多い状況です。このような学生にとって、就活ノウハウが得られるインターンシップは刺さりやすいと言えます。
また、最近は「私の話を親身になって聞いてくれたから」「良い事だけでなく、課題も合わせて教えてくれたから」といった理由で、企業への志望度を高める学生も少なくありません。
そのため、就活相談会や個別フィードバックを通して、就活の進め方についてアドバイスしてあげることができれば、自社に対する印象を高めることができると言えるでしょう。
秋冬インターンシップに求めること
本選考の準備ができる
・面接対策につながる
・本選考で生かせる情報が得られる
学生は秋・冬インターンシップに参加する時期には本選考を視野に入れているため、面接の経験を積みたいと考えている方が多いことが分かりました。
面接対策につながる面接の特徴としては、「インターンシップ選考の面接が丁寧で、個別で深掘りしてくれる面接」「フィードバックがある面接」が挙げられました。
企業とのつながりへの足がかりになる
コロナ禍での就職活動を不安に感じている学生が秋・冬インターンシップに求めているのは「企業研究への足がかり」でした。
・リクルーターや個別面談の案内がある
・OB・OG訪問の案内が来る
「インターンシップに参加したらそれで終わり」ではなく、次のフローや案内が明確であるとよいかもしれません。
業界や企業研究が進められる
・社員がその業界や企業を選んだ理由が明確に伝わる
・競合他社や周辺業界との違い、より優れたところが詳しく分かる
秋・冬インターンシップにはある程度業界を絞り切ってエントリーする学生も多いため、競合他社と比べた際の自社の魅力、社員の入社の決め手を詳しく伝えるとよいでしょう。
とはいえ、「そもそも志望業界を定められていない」「志望業界は別業界だが視野を広げたくて複数の業界にエントリーしてみる」という学生も一定数いたので、「業界」としての魅力付けにも力を入れる必要がありそうです。
就職活動の仲間ができる
・他の就活生の動向を知ることができる
・選考対策や企業研究において、助け合える仲間ができる
オンラインインターンシップがまだまだ主流となっている新卒採用市場。
就職活動をともに進める仲間がいないことを不安に感じる学生の声をよく耳にします。
秋・冬インターンシップにも、学生同士が交流を深められそうなコンテンツを組み込むといいかもしれません。
「希望者限定の懇親会をインターンシップ後に開く」「グループワークを学生同士のLINEグループを作るきっかけにする」などがおすすめです。
この他にもオンラインインターンシップを面白くするためのネタや「インタラクティブな内容にすべき」といったオンラインインターンシップを成功に導く3つのポイントをまとめていますので、以下の記事もぜひご参照ください。
関連記事:オンラインインターンシップを成功に導く3つのポイント
まとめ
インターンシップの企画の立て方やポイント、学生ニーズはお分かりいただけたでしょうか?最後に改めてポイントをお伝えします。
参加後のフォローは手厚く
多くの学生は、就職活動を終えるまでに何社ものインターンシップに参加して比較検討を行います。
ターゲットの学生に自社への興味を持ち続けてもらうためにも、インターンシップ後のフォローは手厚くしましょう。
「参加後の個別面談を希望者に実施する」「参加者限定のインターンシップをさらに案内する」「OB・OG訪問の案内を送る」など、自社が提供できるフォローを考案するとよいでしょう。
オンラインだからこそ交流へのサポートが必要
学生の中には「インターンシップが楽しかったため、入社後も楽しく働けそうだ」と感じたことが、内定先の決め手の1つになっている方が何人もいます。
ただし、初対面同士が多いなか、学生が心から楽しめるインターンシップが自然にできるケースはそうそうありません。
特にオンライン開催のグループワークや交流会では、「盛り上がりに欠けた」「発言者が少なかった」など、コミュニケーションが活発化しないこともあります。
コミュニケーションを活性化し、楽しいインターンシップの場を作り上げるには、企業側の配慮やサポートが何よりも大切なのです。
「アイスブレイクに時間をかける」「学生が話す順番を社員が自然な形で決めてしまう」
「役割は柔軟に変え、学生の発言量を均等にする」など、小さなことから実践してみてください。
dodaキャンパスは、約87万人の学生が登録(※1)するダイレクトリクルーティングサービスです。オファー開封率は80%(※2)!! 学生の経験やスキル、自己PRといった項目をはじめ、精神的なタフさやリーダーシップ気質、他者への働き方といった能力が分かる適性検査結果(受検者のみ)など、豊富な軸で学生を検索し、自社にマッチする人材を探すことができます。 「採用コストを削減しつつミスマッチのない採用を実現したい」そんな採用ご担当者の方はぜひ一度ご相談ください。 (※1)2022年6月時点の23~26年度卒業予定の学生数|(※2)2020年2月~2021年3月時点の22年度卒業予定の学生を対象に抽出 |
オンライン選考が当たり前になりつつある昨今、学生の不満や意思決定への影響について懸念される担当者の方もいらっしゃるかと思います。
以下の記事では、エントリーから内定まですべてオンラインで意思決定をした22卒内定者にインタビューを実施。リアルな感想や不満、気持ちを聞いてみましたので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
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