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与えられる学習から主体的な学びへの転換が将来をつくる-ラーニング・トランジション・導入-

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  • 2022.04.04
本記事の著作権は(株)ベネッセ i-キャリアが保有しております。

漠然とした将来の夢ではなく、卒業後の職業選択に向けて今できること

「大人になったら何になりたい?」
「将来どんな仕事をしたいの?」
子どもの頃から今まで、何度も聞かれたことがある質問でしょう。あなたはこれまでどのように答えてきたでしょうか。人によっては、年齢を重ねるごとに答えづらくなったと感じているかもしれません。
この質問に答えづらいと感じる理由は色々ありますが、職業選択の時期が近づいているのに、その内容を具体的にイメージできる職業がとても少ないこと。そして、「こういうことをやってみたい」と思える仕事がまだ見えていないことが要因でしょう。
実際にどんな仕事ができるか、やりたいと思うかは、その仕事内容と同じような体験をしてみないとわかりませんし、手ごたえを感じられないからです。つまり、自分が持っている選択肢はまだ少なく、持っている選択肢の内容も実はよくわかっていないということが、社会に出る前に現実的な問題となって立ちはだかっているのです。

「やりたいことを見つけるために、なんとなく興味のある学部を選んだ。大学に入ってからやりたい仕事を考えたい」という人は少なくありません。その考え方は実に理にかなっています。
大学は、仕事をする上で重要な考え方を学び、知識を身につけ、仕事でも行うような「問題を解決する」経験ができるからです。高校までの受け身に近い学び方では、力をつけることはできません。大学での学び方は、自分で変える必要があります。それを「ラーニング・トランジション=学びの転換」とよびます。

ここでは、ラーニング・トランジションに必要不可欠な以下の3つの考え方、学び方を紹介します。教えてもらう学習から、自分で学ぶ、他者と学び合うスタイルを身につけるための要素です。

1.問題発見・課題設定
2.リフレクション・経験学習モデル
3.協働学習

1.どの学び・職業にも必要な「問題を発見し、課題を設定するプロセス」

高校までの学びは、将来、問題を解決するために必要な、基本的な知識の獲得に重きが置かれていました。大学では専門的な知識をさらに補強しつつ、実際にそれをどう使いこなして問題を解決していくのかを学びます。
仕事とは「生活する上で必要なものを生産、提供する」「社会のシステムを安定して運用する」「困りごとを高いレベルで解決する」「新しい価値を創造する」こと等によって、対価をもらうことです。全ての仕事に共通するのは、いずれも「問題を発見し、解決することの連続」であるということです。

今やりたい仕事が明確でなくても、「問題を発見し、解決するプロセスや力」を理解し、身につけるため実践を積むことが、将来のための準備となります。大学は、学部での専門の学びももちろんですが、学内外を問わず課外活動での実践の機会にあふれています。
ただし、それらは自ら手を挙げ、行動しなければ活用できません。
少しでも気になるものがあれば、難しく考えすぎずに参加し、その機会を存分に活用しましょう。実践は「問題を発見し、解決するプロセスや力」の習得だけにとどまらず、扱ったテーマや関連する情報の理解につながります。活動する中で得た人との出会いを通して、実際の仕事のイメージをつかむチャンスもあるかもしれません。
何より、あなたが将来「やりたいこと」や「やりたくないこと」、「できそうなこと」や「できないと思うこと」を明確にするための材料を多く得ることができるからです。

2.経験から学び、次の行動に生かすリフレクション・経験学習モデルを身につける

リフレクションとは、内省することです。内省とは、結果の善し悪しにかかわらず自分の行動を客観的に振り返り、次に生かせる気づきを言語化し、新たな行動につなげる準備をすることです。
高校までは、学校や塾の先生がテストの結果に基づきフィードバックをしてくれたり、次に取り組む学習範囲を示してくれたりしましたが、大学ともなるとそういった機会はほぼなくなります。社会人になると、必要なスキルは所属する組織から示されますが、基本的に自分で学び、知識や力を身につける必要があります。

大学生になり、自律的に学ぶための基本姿勢は、リフレクションの方法を身につけ習慣化させることでもあります。そのために知っておいてほしいのが1984年にコルブ(D.A Kolb)が提唱した「経験学習モデル」です。<「経験」→「省察」→「概念化」→「試行」のサイクルを繰り返す>というものです。自分が行動したことを客観的に振り返り、次につながる気づきを言語化し、別の場面でその気づきを実践して試してみる姿勢は、大学生の早い段階で身につけると、学びも経験もより豊かなものになるでしょう。

3.教えてもらうのではなく、自分で学ぶ・他者から学ぶ・互いに学びあう協働学習

高校までは、勉強といえば先生が教えてくれる受け身な授業が中心でしたが、探究学習では先生の役割は少し異なり、問題提起をする存在に近かったと思います。その時間は先生の話を聴くのではなく、チームで活動することもあったでしょう。
その時の活動を思い出してみてください。仲間と協力してうまくできたこと、できなかったこと、どちらもあったと思います。その時のチームの力を最大化して結果を出すために必要だったのが、この協働学習の考え方です。

チームは、楽しく盛り上がればいいというものでも、コミュニケーションの取り方の合う、合わないというものでもありません。協働学習には、異なる意見から自分たちならではの考えを創造するために、「チームビルディング」「ピアラーニング」「お互いの意見を引き出しあうアサーティブ・コミュニケーション」の実践が必要です。大学では、他者のパフォーマンスを観察してそれを真似ること、自分では気づかない視点を持つ仲間から新たなものの見方を得ること等も重要な学びです。
それらを日常的に行うために、協働的な学びの考え方を身につけ、スキルを磨いていくのです。それは、社会に出て仕事をする際も同様です。

高校生と大学生の学び方の違いを知り、今から学び方や生活を「自律的に」する

高校生と大学生の違いを大学2、3年生に聞くと「急に自分で決めることが増えた」「授業や課外活動でも、自分で考えるよう求められるようになった」という回答が多いです。
高校までは、授業だけでなく部活動でも顧問の先生や先輩の指示に従うことが多く、上達するための練習メニューを自分で考えることはあまりなかったでしょう。受験の際も、担任や塾の先生がある程度進学先の候補を示してくれたのではないでしょうか。

「大学は自分の代わりに誰も考えてくれない。決断するための選択肢も自分で情報収集して考え作っていく必要がある」ことに気づき、ラーニング・トランジションを意識して実践していくのが、大学1年生の時期の、最も重要なテーマです。がむしゃらに授業や課外活動に取り組んだことで、自分の学び方や考え方が変わっていた、という方もいました。

大学で身につけた力を発揮する場面は、決して社会問題や学問上の問題に限りません。あなた自身のテーマ、進路や日々の生活にも生かせます。例えば「納得のいく課題を提出できなかった」「課外活動で思ったような成果が出せなかった」「アルバイトでうまくできない業務がある」「サークルの先輩、後輩の関係で悩んでいる」。これら全ては、あなたが「自分の問題」としてとらえ、それを解決するために考え行動すれば、「問題解決の実践」となります。
そして、その体験を「学び」に変換することが成長につながるのです。

ラーニング・トランジションの3つの学び方については、それぞれのコラムで詳細を示していますので、内容を確認し実践につなげてください。

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