面接では、入退室のマナーひとつで第一印象が大きく変わります。ドアのノック回数や挨拶のタイミング、カバンや傘の置き方まで、意外と細かく見られているもの。
今回は、面接における入退室マナーや、面接官が実際に見ているポイントについて詳しく解説します。面接に臨む前に、理想的な動作を再確認しておきましょう。
目次
本記事の監修者

人財戦略部
飯田 椋太さん
大学を卒業後、新卒でBenesse Corporationへ入社。
採用担当として、新卒向けのプロモーションや採用選考の運営を担当。
Benesseとの就職活動を通して、学生様に「Benesseの選考へ参加してよかった!」と思っていただけることを目標に採用業務に取り組む。
入室マナーの基本を押さえよう!第一印象を左右する行動

面接では、入室の瞬間から評価が始まっているといっても過言ではありません。ドアのノックや挨拶の声かけ・お辞儀や着席まで、一つひとつの動作にあなたの人柄が表れます。
面接では、どのような点に注意すればよいのか、入室マナーの基本から見ていきましょう。
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1.ドアは3回ノックが基本|返事を待ってから「失礼します」と挨拶
面接室に入る前のノックは、3回がマナーです。2回は「トイレノック」とされるため注意しましょう。
ノックしたあと、「どうぞ」と返事があってからドアを開け、軽く一礼したうえで「失礼します」と明るく挨拶しましょう。この時点で、面接官は「礼儀正しさ」や「社会人にふさわしい振る舞いができるか」を見ています。
2.ドアを静かに閉め、面接官の正面で丁寧にお辞儀
入室後は、背中を向けすぎないように注意しながら、ドアを静かに閉めましょう。後ろ手にドアを閉めるのも好ましくありません。
ドアを閉めたら面接官の方を向いて正面に立ち、30度程度で軽く一礼します。入室してからは緊張するかもしれませんが、焦らずにいつも以上にゆっくりとした動作を心がけましょう。
3.椅子の横に立ち「よろしくお願いします」と一礼する
入室後は椅子の左側に立ち、「本日はよろしくお願いします」と丁寧に挨拶し、再び30度ほどの角度でお辞儀をしましょう。この所作は、姿勢・視線・声のトーンを含めて、誠意や落ち着きが問われるポイントです。
4.着席は「どうぞ」と言われてから|カバンの置き方にも注意
面接官から「どうぞおかけください」と声をかけられてから、静かに着席します。勝手に座るのは印象を下げる原因になります。
カバンは椅子の横に立てて置きましょう。不安定な置き方や、膝に置いたりするのは好ましくありません。面接官は、周りへの細やかな気遣いや、場の空気を読む力にも注目しています。
5.座った姿勢も評価対象|背筋を伸ばして浅く座る
着席後は、椅子の背もたれにもたれず浅く腰掛け、背筋をまっすぐ伸ばしましょう。両手は膝の上に軽く揃えて置き、足は肩幅程度に揃えて自然に置くのが理想です。
姿勢が崩れていたり、腕組みや貧乏ゆすりをしたりすると、緊張感や誠実さを欠く印象を与えかねません。面接官は、受け答えだけでなく、所作や姿勢から「社会人としての自覚があるか」をチェックしています。
Benesse Corporation人事 飯田さんからのアドバイス

社会に出た後、周りの人と気持ちよく仕事をするためには、基本的なマナーが大切ですよね。面接でのマナーは、皆さんがプロフェッショナルとして成長していく第一歩でもありますので、是非身につけてみてください。
退室マナーの正解とは?最後まで気を抜かない振る舞いが重要

面接は、入室だけでなく退室までが評価の対象です。最後の一礼やドアの閉め方など、退室時の振る舞いにも細心の注意を払いましょう。また、面接会場では、面接官だけではなく採用に携わる人事担当者など、接する人すべてがあなたのことを見ています。
面接が終わってから退室するまで、どこに気を配れば良いのか、面接官が見ているポイントも含め見ていきましょう。
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1.終了の合図があったら座ったまま「本日はありがとうございました」と挨拶
面接が終了すると、面接官から「以上です」「ありがとうございました」といった合図があります。この合図が出たら、座ったまま「本日はありがとうございました」と軽く挨拶をしましょう。面接が終わったからといって、慌てて立ち上がるのは相応しくありません。
2.立ち上がり、椅子の横でお辞儀して感謝を伝える
着席したまま挨拶を終えたら、椅子を静かに引いて立ち上がり、椅子の左側に移動して再び面接官の方を向きます。そこで30度程度でゆっくり一礼しましょう。椅子を戻す際は、音を立てないよう丁寧に扱うことも忘れてはいけません。
3.ドアの前でもう一度一礼して「失礼いたします」
退室時には、ドアの前で立ち止まり、面接官の方を振り返って「失礼いたします」と最後に一礼をします。お辞儀をしたら、静かにドアを開け、後ろ手ではなく自然な動作で退出しましょう。ドアを閉める際は音を立てず、常に失礼のないよう配慮するのがマナーです。
持ち物や服装も見られている!カバン・コート・傘の正しい扱い方

面接では話し方や態度だけでなく、持ち物や服装の扱い方もチェックされることがあります。コートや傘、カバンの扱いが雑だと、それだけで印象が悪くなるかもしれません。
社会人としての基本動作ができているか?など、面接官がどのような点を見ているのかについても解説します。
面接室に入る前にコートは脱ぎ腕にかけて持つ
コートは、面接会場に入る前の「外」で脱ぐのが基本です。屋内で相手がコートを着ていない状態で、あなたがコートを着用しているのはマナー違反です。
会場に到着した段階でコートは脱ぎ、畳んで手に持っておきましょう。持ち方にも注意が必要です。「きちんと畳まずに無造作に持つ」など、だらしない所作をしてしまうと、あなたの評価を下げてしまうかもしれません。
カバンは椅子の横に倒れないように立てて置く
カバンは着席の際、椅子の横に床置きするのが一般的です。自分の右側または左側に立てて置き、通路をふさがない位置に調整します。
不安定な状態で置いてしまうと、転倒した時に面接官や他の学生の注意をそらしてしまうため注意が必要です。背もたれに掛けるのも避け、社会人としてスマートな所作を心がけましょう。
傘は入口で畳み袋に入れて持参する
雨天時に持参した傘は、建物の入口でしっかり水を切ってからビニール袋に入れましょう。面接室まで持ち込む場合は、袋に入れたまま持ち歩き、カバンと同様に椅子の横などに置きます。濡れたままの傘をそのまま持ち込んだり、廊下に水滴を垂らしたりすると印象を下げてしまうことになります。
入退室で面接官がチェックしている3つのポイントとは?

面接では会話の内容だけでなく、入退室時の所作から「あなたの人となり」がチェックされています。身だしなみや立ち振る舞い、周囲への配慮ができているか?など、面接官が特に注目している3つの視点についても見ていきましょう。
1.清潔感のある身だしなみ
「スーツにシワや汚れがないか?」「靴がきちんと磨かれているか?」「髪型が整っているか?」といった清潔感は、第一印象を決定づける要素です。社会人としての基本的な身だしなみができていないと、自己管理能力の低さや意識の甘さと受け取られることがあります。
見た目の印象は数秒で判断されるため、自分でも鏡を見ながら入念にチェックしておきましょう。自分が気づいていないウィークポイントもあるため、可能であれば家族に見てもらうといいかもしれません。
2.社会人として相応しい立ち振る舞い
入退室時のノックや姿勢、歩き方や椅子の扱い方などの所作は、すべて評価の対象です。乱暴な動作や焦った様子は落ち着きのなさを印象づけるため、静かで丁寧な所作を意識しましょう。
立ち振る舞いには、相手への敬意がにじみ出ます。面接官は「社会人として恥ずかしくない言動ができるか?」など、最低限のマナーをわきまえているかをチェックしています。
3.周りの人への配慮
面接官だけでなく、受付担当者や控室で接した社員への態度もチェックされている可能性があります。例えば、受付での挨拶や入室時のドアの扱い方など、どんな人に対しても丁寧な行動ができると好印象につながるでしょう。
よくある質問|入退室マナーで不安なポイントを解消しよう
面接本番では、「これで合っているのかな?」と不安になる場面が少なくありません。特に入退室のタイミングや所作に関しては、正解がわからず戸惑う就活生も多いでしょう。
最後に、面接での「よくある質問」にもお答えしていきたいと思います。細かなマナーを押さえ、自信を持って面接に臨みましょう。
Q.「失礼します」のタイミングは入室前?入室後?
A:面接官から「どうぞ」と声がかかったあと、ドアを開けて入室する直前に言うのが正解です。ノック→面接官からの合図→失礼します→入室という流れを覚えておきましょう。
Q.入退室のノックは何回が正しい?
A:ノックは3回が基本です。2回はトイレ用とされるため避けましょう。3回ノックして返事を待ち、それから入室するのが正式なマナーです。
Q.カバンや傘の置き場所に迷ったときはどうする?
A:原則として、椅子の横に立てて置きます。傘はビニール袋に入れた状態でカバンのそばに置きましょう。スペースが狭い場合は、「こちらに置いてもよろしいでしょうか」と確認しても問題ありません。
Q.面接官が後から入室してくるパターンでは、どう振る舞えばよい?
A:自分が先に部屋に通された場合、面接官が入ってきた際に立ち上がって一礼し、「よろしくお願いいたします」と挨拶をしましょう。座ったまま迎えるのは失礼にあたります。
Q.集団面接の時の入退室マナーは違う?
A:基本は同じですが、他の受験者の動きに合わせて入退室する点が異なります。ただ、全体で入室・退室するからといって、席での挨拶やドア付近での一礼は省かないよう注意しましょう。入退室時の挨拶やお辞儀は、一人ずつ丁寧に行うことが大切です。
面接の入退室マナーを身につけて第一印象で差をつけよう!
面接では、言葉づかいや受け答えだけでなく、ノックやお辞儀、姿勢といった基本動作も見られています。相手に配慮したマナーある言動を心がけ、あなたの誠実さや社会性を伝えるように努めましょう。
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