企業から内定式の案内をもらったものの、「内定式で具体的に何をするの?準備は必要?」「万が一参加が難しい場合はどうすればいいのかな…」など、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、内定式の概要や目的、当日の流れ、参加者が準備することなどをご紹介します。内定式に備えて準備を進めていきましょう!
目次
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内定式とは
内定式とは、企業が内定者に対して正式に内定を通知する式典のことです。多くの企業では、学生の卒業年度の10月1日に内定式が実施されます。10月1日に実施される理由は、経団連の「採用選考に関する企業の倫理憲章」で、「正式な内定日は10月1日とする」と定められているためです。
なお、内定式では内定証書の授与や、社長からの挨拶、内定者の自己紹介などが行われるのが一般的です。
企業が内定式を行う4つの目的
企業が内定式を行う目的には内定通知だけでなく、企業理解の促進や、先輩社員との交流促進などが挙げられます。詳しい内容について紹介します。
1)正式な内定通知を行う
企業が内定式を行う第一の目的は、内々定した学生に対し、正式な内定を通知することです。企業が正式な内定通知を出し、採用予定者がその内定を承諾すると労働契約が成立します。
内定式以前に企業から「内定を出す」と言われた場合は、「内々定」の扱いとなるので、厳密にいえば内定とは別物です。
内定通知にまつわる書類は種類が多いため、それぞれの意味を確認しておきましょう。
- 採用通知書
採用決定を通知する書類です。法的な発行義務はないため、書式や記載内容は企業によって異なります。 - 内定証書
内定式で内定者に渡される、賞状形式の書類です。内定が決定したことが簡潔に記されます。 - 雇用契約書
企業と従業員双方における雇用契約への合意を証明する書類です。作成は義務ではないものの、トラブル防止のために作成するケースが多いといえます。 - 内定承諾書
内定通知を受けた学生が内定を承諾し、入社する意思を示す書類です。内定承諾書にサインまたは押印をして、内定承諾の意思を誓約をします。
2)内定者の企業理解を促進する
内定式は、社長や役員などのトップから企業についての話を聞くことで、企業への理解を深めてもらうことを目的としています。内定式時点での経営戦略や、今後の方針、働く社員に期待するところなど、あらためて企業理解を深めることができるでしょう。
3)内定者の入社意欲を高める
企業は、内定者へ正式な採用であることを示しつつ、内定者の入社意思を確認しています。また、企業が内定者に期待を寄せていることを伝えて、内定辞退を可能な限り防ぎたいと考えているのも本音です。
入社前に感じる内定者の不安を払しょくし、入社に向けた気持ちを高めることを目的の一つといえるでしょう。
4)内定者・先輩社員との交流を促進する
内定者の入社へのモチベーションを上げるため、同僚や先輩社員との交流の場が設けられている場合もあります。先輩社員と直接コミュニケーションを取ることで、入社への不安を解消したり、企業に親しみを抱いたりできるのは、内定者にとっても有益でしょう。
内定式の内容・当日の流れ
一般的な内定式の内容と、当日の流れについて紹介します。内定式の全体の流れを把握しておくと、必要な準備もスムーズにできるため、しっかり確認しておきましょう。
社長や役員の挨拶
内定式では、社員や役員から挨拶や、内定者に対する祝辞が述べられます。会社の経営理念や沿革、展望をテーマとした講話を聞けることもあれば、企業によっては、事業の成功例や過去の課題を克服したエピソードなどを取り上げる場合もあるでしょう。
内定証書の授与式
内定式で行われる内定証書の授与式は、内定式のメインイベントともいえます。社長から内定者一人ひとりに、内定証書を手渡す形が一般的ですが、内定者数が多い企業では代表の内定者のみ手渡しをして、他の内定者には個別に内定証書が配られるケースもあるようです。
また、最近は、オンラインでの内定式が行われるケースも少なくありません。オンライン内定式の場合は、内定証書は内定者の自宅に送付されたり、リアルタイムでPDFで配布されたりします。
内定者の自己紹介
内定証書の授与式が終わると、内定者一人ひとりが自己紹介をする流れとなります。内定者の人数が多い場合は自己紹介の時間が1~2分など短い場合もあるので、あらかじめ自己紹介の内容を準備しておくとスムーズです。
自己紹介の内容は、就活の面接で行うものと同じで問題ありませんが、入社に向けた意気込みや志望動機、卒業までの残りの時間をどう過ごしているかを付け加えると、話題が広がるきっかけになるのでおすすめです。
諸手続き(入社承諾書や内定者インターンの案内など)
内定式の後半に差し掛かると、今後のスケジュールの説明や提出書類の案内などが行われます。入社承諾書をはじめとする提出書類の説明や、健康診断、内定者インターン、内定者研修などの案内が想定されるでしょう。
企業によっては、その場で書類の確認や署名・捺印を求める場合があるので、念のため印鑑セットや筆記用具を持参しておくと安心です。
内定者懇親会(食事会)
内定式の後に行われる内定者懇親会は、内定者同士や先輩社員との交流を深められるメインイベントの一つです。厳かな雰囲気の内定式と変わって、ホテルの宴会場のような華やかな場所で立食形式の食事会を行ったり、少人数で飲食店を貸切って和やかな雰囲気で行ったりするなど、形式はさまざまです。
リモートワークを積極的に取り入れている企業では、各自が自宅から参加をして、飲食物や記念品などを企業から郵送してくれる場合もあります。
いずれの形式でも、参加する先輩社員や内定者同士で繋がるきっかけになるため、緊張しすぎず、楽しんで参加できると良いでしょう。
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内定式参加に向けて準備したい4つのこと
内定式の参加に向けて、自己紹介の準備や身だしなみチェックなど、おさえておきたいポイントを紹介します。
1.自己紹介を考える
内定式で自己紹介をするときに慌てないためにも、話す内容をまとめて一度は声に出して練習しておくことをおすすめします。自己紹介に盛り込む内容は、次のポイントを参考にしてみてください。
- 名前
- 出身大学と学部
- 入社を決めた理由
- 入社後にチャレンジしたいこと
- 趣味や家族、出身地やプライベートのこと
- 残りの学生生活でやりたいこと
- 入社に向けて一言
2.身だしなみを整える
内定式に参加する際、特に服装指定がない場合でもリクルートスーツを選ぶのが無難です。企業から私服を指定された場合でも、内定式が式典であることを考えれば、ビジネスカジュアルの参加が望ましいでしょう。
身だしなみを整えるときは、次のポイントを意識してみてくださいね。
- ジャケットやボトムスの色は黒、濃紺、チャコールグレー
- ネクタイの色は黒白以外の落ち着いた色
- ネクタイの柄は、無地、小紋、ストライプなど派手すぎない柄
- 靴はフォーマルな場に合う革靴など
- バッグはA4が入るビジネス向きのバッグ
内定式は社長や役員も参加するフォーマルな式典です。1番大切なのは清潔感を意識すること。当日身に着けるものは、早めに準備して、シワや汚れがないかチェックしておくと安心です。
3.クリアファイルや文房具の準備
内定式後に入社書類を受け取ったり、記念品をもらったりすることを想定して、クリアファイルや筆記用具なども忘れずに揃えておきましょう。荷物が増えたとき用に、エコバックもあると便利でしょう。最低限、準備した方が良いものは次のとおりです。
- 筆記用具
- メモ
- クリアファイル
- 印鑑
- エコバッグ(A4の入るバッグ)
- スケジュール帳
なお、ビジネスシーンではスマートフォンの操作そのものがプライベート利用とみなされる場合もあるため、できるだけ筆記用具でメモを取るよう注意してください。
4.時間厳守でビジネスマナーを意識する
内定式に限らず、社会人のマナーとして時間厳守は鉄則です。事前に会場の場所や、会場までのアクセスを確認する。開始時間の15分前を目安として早めに現地に到着する。また、会場付近でも気を抜かずに、いつ誰に見られても恥ずかしくない行動を心掛けましょう。
準備しておきたいチェックリスト
選考が終わって時間が経つと、企業研究した内容や、当時の志望動機などを忘れてしまうことも少なくありません。内定式までに準備しておきたいことをチェックリストでまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 自己紹介を考える
- 身だしなみを整える
- クリアファイルや文房具の準備
- 時間厳守でビジネスマナーを意識する
- 企業研究した内容や当時の志望動機などを再確認しておく
- 社長や先輩社員などに聞きたいことをまとめておく
内定式の出欠メール・お礼メールの書き方【例文付】
内定式の日程や詳細の案内メールが届いたものの、返信メールの文面に悩む方もいるでしょう。ここでは、内定式の出欠メールの返信例文や、万が一欠席の場合の対処法を解説します。
出席メール
出席メールのポイントは、件名は「Re:~」のまま変えないこと、連絡のお礼を述べること、名前と大学・学科名、出席である旨を明記することです。最後に内定式を楽しみにしていると、一文添えても良いでしょう。
出席メールの例
〇〇会社
人事担当 〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇です。
内定式のご案内をいただき、誠にありがとうございました。
ぜひ出席させていただきます。
当日は社員の皆さまにお会いできることを楽しみにしています。
何卒よろしくお願いいたします。
----------------------------------------
〇〇大学〇〇学部〇〇〇〇
tel:XXX-XXXX-XXXX
e-mail:XXX@XXX.co.jp
欠席メール
欠席する場合の返信のポイントは、件名は「Re:~」のまま変えないこと、連絡のお礼を述べること、名前と大学・学科名、欠席の理由を明記することです。やむを得ず欠席する場合も、必ず返信メールを送りましょう。
欠席メールの例
〇〇会社
人事担当 〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇です。
内定式のご案内をいただき、誠にありがとうございました。
誠に残念ではありますが、当日、卒業論文の発表と予定が重なっており、
どうしても出席することができません。
せっかくの機会をいただいたにもかかわらず参加できず、誠に申し訳ございません。
内定日に行うべき手続きなどございましたら、別途ご相談させていただけますでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
----------------------------------------
〇〇大学〇〇学部〇〇〇〇
tel:XXX-XXXX-XXXX
e-mail:XXX@XXX.co.jp
お礼メール
内定式に参加した際にお礼メールを送る場合は、相手の負担にならないよう、お礼の気持ちをシンプルに伝えることがポイントです。
お礼メールの例
件名:内定式の御礼
内定式のお礼(○○大学・りくなび太郎)
(本文)
〇〇会社
人事担当 〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇です。
先日は内定式を開催していただき、誠にありがとうございました。
諸先輩方から、会社や仕事についての興味深いお話をお聞きすることができ、
入社がいっそう楽しみになりました。
貴重な機会を設けていただき、大変感謝しております。
どうもありがとうございました。
今後も大変お世話になるかと存じますが、
引き続き何卒よろしくお願いいたします。
----------------------------------------
〇〇大学〇〇学部〇〇〇〇
tel:XXX-XXXX-XXXX
e-mail:XXX@XXX.co.jp
内定式のよくある質問
最後に、内定式のよくある質問を3つ取り上げて解説します。
内定式は行かないとだめですか?
内定式はできるだけ参加することが望ましいでしょう。しかし、卒業単位を取得するための講義への出席や、体調不良、身内の不幸など、やむを得ない事情がある場合は欠席しても差し支えないでしょう。
内定式を欠席したことで内定取り消しなどの心配は不要ですが、参加・不参加に限らず早めに出欠の返信を行いましょう。
内定式の連絡はいつ頃きますか?
内定式の案内は、一般的に内定式の1か月前ごろには届くでしょう。ただし、9月半ばになっても内定式の連絡がない場合には、何らかの手違いで案内が届いてないことも考えられます。なお、内定式を行わない企業もあるため、内々定をもらったタイミングで確認しておくことをおすすめします。
内定式がない企業があるのはなぜですか?
内定式の形式にとらわらずに、オンラインの内定者懇親会や内定者同士のチームビルディング研修に力を入れる企業もいます。内定式を行わない理由はそれぞれですが、決して内定式をないがしろにするわけではありません。
内定式は可能な限り出席を!
内定者が正式な内定通知を受ける内定式では、内定証書の授与式に加えて内定者懇親会や食事会、入社に向けたオリエンテーションなどが実施されます。内定式に参加することで、志望動機を再確認できたり、内定者や先輩社員と繋がりを持てたりするため、可能な限り参加するようにしましょう。
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