今回は、文学部の学生が向いている業界や職種、そして在学中に学んだほうが良いスキルについて解説します。
就職活動は多くの学生にとって大きな挑戦です。「学校で学んだことが就職でどう生かせるのか不安」など戸惑うことも多いでしょう。
この記事では、文学部の学生が持つ強みと、それが活かせる業界について詳しくご紹介しています。
目次
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文学部は就職で不利ではないと言える4つの理由
文学部の学生の中には「専門性の高い他学部と比較してしまう」と、就職で不安を抱える方が少なからずいます。
しかし、文学部の学生は就職で有利なケースも多いため、自信をもって就活に臨んでください。
特に下記4点は、文学部の学生が就活する上では有利だといえます。
不利ではない4の理由
- コミュニケーション能力は幅広い業界でニーズがある
- 言語力を生かして活躍できるステージが多い
- クリエイティブな思考が役立つ業界が多い
- 適応力や柔軟性の高さが評価される職種も多い
1. コミュニケーション能力は幅広い業界でニーズがある
文学部の学生は、沢山の文献に触れる機会が多く、「多様性をふまえた考え方ができ、コミュニケーション能力が高い」といった特徴があります。
就職後は、異なる考え方のメンバーと一緒に働くことも多く、コミュニケーション能力が求められるでしょう。相手のニーズや意図を素早く把握することが得意なら、「協調性が高い」と評価してもらえます。また、顧客と接することの多いサービス業や小売業でも、活躍が期待されるでしょう。
2. 言語力を生かして活躍できるステージが多い
文学部で学んだ言語力があれば、就職先の企業で活躍する機会も多いでしょう。
マスコミや企業の広報部などで仕事をする場合も、製品やサービスの魅力を伝える場面などで文学部出身者の能力を活かすことができます。
また、グローバルに事業を展開する企業であれば、異なる文化圏のビジネスパートナーや同僚と仕事をすることも多くあるでしょう。多言語はもちろん、言葉のニュアンスや文化的な違いを敏感に察知できる能力があれば、仕事もスムーズに進むはずです。
3.クリエイティブな思考が役立つ業界も多い
クリエイティブな思考を持つ文学部の方であれば、企業からも評価されやすいでしょう。具体的には「Webデザイン」「広告や出版」「映像」といった業界で、文学部出身ならではの能力を発揮できます。
また、従来の枠組みにとらわれない発想力があれば、企業の新規事業部門やスタートアップ企業でも活躍できるでしょう。
4.適応力や柔軟性の高さが評価される職種も多い
文学部の学生は、多様な文化や思想に触れることも多いため「適応力や柔軟性が高い」といった特徴があります。
変化が激しいビジネス社会においては、学生時代に培った柔軟性は特に大切です。新しいプロジェクトを遂行したり、長期間にわたって一つの課題に取り組む場合は、予期しない問題が起こります。柔軟な思考や、諸問題が発生してもスピーディーに対処できる適応力があれば、ビジネスの世界でも大きな武器となるに違いありません。
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文学部で目指せる仕事は?文学部の就職先として多い業界一覧
実際に文学部出身者は、どのような業界に就職しているのでしょうか。政府統計の公式データなどから詳しく見ていきましょう。
同データをもとに、文学部出身の学生が就職することの多い業界の特徴などもご紹介します。
文学部の主な就職先は?政府統計データから見た傾向
下記は政府統計に掲載されている産業別就職者数で、人文科学科の卒業生の数字のみ抜粋しています。
主要な業界のみ表にまとめていますが、文学部の学生は小売業や情報通信業、サービス業などへの就職が多いことがわかります。
ちなみに、各大学の公式サイトにも学部別の就職率が公開されていますが、文学部の就職率は他学部と同じ程度であり、決して「就職率が低い」ということはありません。95%以上の就職率を誇る大学も多いため、特に「文学部だから就職が厳しい」といったこともないようです。
【産業別就職者数 ※人文科学卒業生 上位のみピックアップ】
業界 | 就職人数 |
卸売業、小売業 | 12,795 |
情報通信業 | 8,078 |
サービス業 | 6,333 |
製造業 | 5,930 |
教育、学習支援業 | 5,132 |
医療、福祉 | 4,410 |
参考:政府統計 表番号76 産業別 就職者数
卸売、小売業界
卸売や小売業界では、顧客とのコミュニケーションが重要です。文学部の学生は、コミュニケーション能力があり、イレギュラーな場面でも適応できるスキルも高いため、就職先として向いているといえます。
また、小売業界には商品を販売するだけではなく、新商品を企画したり開発したりする仕事もあります。柔軟な発想力や多角的な視点があれば、新商品開発やプロモーションなどの分野で活躍できる可能性は高いでしょう。
IT業界
IT業界は、新しいソフトウエアの企画や開発、コンテンツ制作に携わることも多いため、文学部で培った思考力や問題解決能力を活かせる業界です。
Webデザインやアプリの制作などに携わる場面では、UIやUX(※)の設計を担当することも多くあります。高い理解力や表現力があれば、エンドユーザーの操作性を最優先に考えて形にできるため、さらに活躍の場は広がるでしょう。
※UI、UXとは? | ●UI……ユーザーインターフェースの略。ユーザーが製品やサービスを操作する際に直接触れる部分。例えばアプリのボタンの配置や色など、視覚的要素はUIに含まれる ●UX……ユーザーエクスペリエンスの略。ユーザーが製品を使用することで得られる体験価値 |
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【参考】業界研究ファイル IT業界編
マスコミ業界
報道機関や出版社などのマスコミ業界では、正確な情報伝達や論理的な文章構成能力が不可欠です。文学部で学んだ思考能力や豊かな言語能力は、文書作成や編集業務などで重宝されるスキルといえます。
また、文学部の学生は、さまざまな社会問題や文化的背景などを研究するため、学生時代に得た幅広い知識が役立つことも多いでしょう。
心理学や人間科学を専攻しているなら、人の行動パターンに関する知識も豊富なため、報道や出版などを扱う企業で活躍できる可能性も高いといえます。
製造業界(メーカー)
製造業でも、文学部の学生が活躍できる場面は多くあります。
製造業では工場勤務などの職種も多いですが、製品のブランディングやマーケティング、営業などの職種を担当することもあります。人文科学などの分野で得た知識を活用できるケースも多いでしょう。
「製造業=現場の仕事」だけではないため、どのような職種があるのか詳しく調べてみるのもおすすめです。
【参考】業界研究ファイル メーカー(素材・資源・エネルギー)業界編
教育業界
教育業界は、文学部の学生が検討しやすい業界の一つといえます。学生時代に教員免許を取得し、教師として国公立・私立に就職する方も多いでしょう。
また、教育分野を専攻している学生なら、教師だけではなく教育関連の出版社など、民間企業への就職を検討してみるのもおすすめです。
文学部で得た知識やスキルがあれば、一般企業で人材育成などを担当するキャリアも選択肢としてはあります。
【参考】業界研究ファイル 教育業界編
医療、福祉業界
医療や福祉業界では、人とのコミュニケーションや倫理的な判断が非常に重要になります。
医療や福祉業界は、特に「人間力」や「共感力」が求められる業界です。心理学などを学ぶことも多いため、心のケアなどが必要な病院や自治体などへの就職も検討できるでしょう。
このような「業界研究の時間がなかなか取れない」という方は、ベネッセの就活オファーサービスdodaキャンパスが提供する「業界研究ファイル」の活用がおすすめです。人気12業界の最新動向や、やりがいについて専門家が解説していますので、活用して効率的に業界研究を進めましょう!
文学部の学生が就職前に準備しておきたい資格やスキル
文学部の学生が就職後も活躍するためには、できるだけ学生時代にさまざまな知識を学び、視野を広げておくのがおすすめです。
文学部の学生が就職前に準備しておきたい資格やスキル
- TOEICなどの言語資格
- 簿記などの会計資格
- MOSなどのIT関連の資格
- 教員免許
- 統計学などデータ分析のスキル
- マーケティングに関する知識を深める
TOEICなどの言語資格
TOEICなどの言語資格があると、キャリアの選択肢が増えるためおすすめです。実際に海外で仕事をする機会がなくても、多国籍の同僚と一緒に仕事をするケースもあります。
英語をはじめとする多言語スキルがあれば、社内外を問わずコミュニケーションをとれることも多いため、比較的時間に余裕がある学生時代に勉強しておくと良いでしょう。
簿記などの会計知識
どんな業界で働くにしても、簿記やビジネス会計など、一般的な会計知識は必要不可欠です。また、基本的な会計知識があれば、就職先の企業を選ぶときに財務諸表も読み解けるため、希望の企業を絞りやすくなります。
文学部の学生でも「企業がどのようなお金の流れで成り立っているのか?」など、基本的な仕組みを理解しておくことは大切です。
MOSなどのIT関連の資格
MOS(Microsoft Office Specialist)などのIT関連資格を取得しておけば、社会に出てから役に立つケースも多いでしょう。
職種にもよりますが、入社してからは文書や資料を作ったり、データを分析したりするケースが増えます。少なくとも、WordやPowerPoint、Excelなど、基本的なITツールについては最低限スキルを身につけておくと良いでしょう。
統計学などデータ分析のスキル
統計学など、データ分析のスキルを身につけておくのもおすすめです。「統計学」というと難しく聞こえるかもしれませんが、データをもとに意思決定をする企業も増えてきています。
マーケティングの仕事をするうえでは顧客行動をデータ化して分析することもありますし、製造業でも製品の売上分析を行い、今後の戦略を決めることも多いです。
大学で勉強できない場合は、YouTubeなど無料コンテンツで基本的な知識をマスターするのも良いでしょう。
マーケティングに関する知識を深める
消費者の行動パターンを理解したり、市場のトレンドを読み解く能力を培っておくなど、マーケティングは比較的取り組みやすい領域です。
マーケティングに関する知識は、大学の講義やオンライン学習などで学べます。普段のアルバイトでも、顧客の行動や販売動向などをチェックし、自分なりのマーケティング戦略を考えてみるのも面白いでしょう。
特に小売業界やサービス業界を目指しているなら、マーケティングに関する知識は覚えておいて損はありません。
自分に合った仕事と出会うために文学部の学生が取り組むべきこと
文学部の学生が自分に合った仕事と出会うために、いま取り組んだほうがよいことについてもお伝えします。
自分が活躍できそうな業界や業種を見つけるためには、まず自己分析から始めることが大切です。「自分の強みや弱みは何か?」「どのような環境なら自分の良さを発揮できるのか?」など、自己理解を深めることができれば就活もスムーズに進められるでしょう。
自己分析で自分の強みと弱みを知る
自己分析を行えば、自分自身の特性や価値観などがよくわかります。過去の経験や成果を振り返り「どんなときに情熱を感じたのか?」「どのような考え方が好きか?」など細かく分析すれば、自分が進みたい方向が見えてきます。
dodaキャンパスの自己分析ワークシートなら、学生時代の学びや体験を整理し、自分が興味があることなどを書き出すことでタイプ分析が可能です。例えば「社会的興味タイプ」と診断されたら、「教師やカウンセラー、福祉関連が向いているかも」など。業界選びのヒントも得られます。
インターンシップへ積極的に参加しOBやOGの話を聞く
インターンシップへ積極的に参加し、OBやOGの話を聞く方法も良いでしょう。就活では、自分が知らない業界のことも積極的にリサーチし、広い視野で企業選びをするのがおすすめです。
インターンシップに参加すれば、職場の雰囲気も体感できるため、「想像していたより面白そうな業界かも?」といった発見もあるでしょう。OBやOGとの交流を通じて、実際に働く先輩の声を聞くことができれば、自分の特性に合う業界や企業も選びやすくなります。
業界研究を行う
興味がある・ないに関わらず、さまざまな業界を研究することも大切です。
例えば金融業界であれば「どのようなビジネスモデルなのか?」「銀行以外にどんな職種があるのか?」「将来性はどうか?」など、さまざまな視点で調べると自分の強みを生かす道も見えてきます。
「そもそもどんな業界があるのかわからない」「代表的な業界から調べてみたい」と思うなら、dodaキャンパスの業界研究ファイルを使ってみるのもおすすめです。
就活サイトを利用して自分の知らない企業と出会う
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文学部の学生が希望の業界に就職するために
文学部で培うことのできる「コミュニケーション能力」「言語能力」「クリエイティブ思考」などは、多くの業界で高く評価される要素です。自信をもって就活に取り組みましょう!
社会に出てから活躍するには、自分の特性に合う業界や職種を選ぶことがとても重要です。そのためには、自己分析を綿密に行い、自分が知らない業界のことも詳しく研究してみるのがおすすめです。
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